太田靖之のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ奇をてらうわけではなく、切実に産婦人科医療の現状を語りかける小説。
産婦人科医の著者だからこそ書けるリアリティが満載だ。
医療現場において「if」は360度広がっていて正解がない。だからこそ医者は身を削って奮闘してくれているのだ。恋人との時間も精神も肉体も全て削ぎ落として、その先になにがあるのかというと、終わりはない。
主人公の菊池のように第一線で活躍したいというプライドと、医者としての救済心から突き進んでいくだけなんだろうと思う。これはどんな仕事にも言えることかもしれないけれど。
11月に出産したばかりだったので、産婦人科に興味を持ち手に取った本書。
母子ともに健康で出産できたことは当たり前なんかじゃないということ。
医者と助産師への感謝の気持ちがわき起こりました。
菊池先生、結婚と再就職おめでとう。
これからも時間に追われる日々だと思いますが、どうかご自愛のうえ邁進してくださいね。
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Posted by ブクログ
終わりよければすべて良し、とか
結果がすべて
ってすごく怖いことだと思いました。
今まではポジティブな意味でしか
とってなかった。
途中で気を抜いても、結果が良ければ
経過なんて関係なし。
でも、死力を尽くしても悪い結果になると
死力を尽くしたことすらもなかったことになる。
コード・ブルーでもこの話ありましたね。
冴島さんはバックに器具を1つ入れ忘れちゃったけど
結果的に患者さんは助かったから良し。
檜山は患者さんを想って最善と信じる行動をしたのに訴えられる。
本当に怖い。
そんな恐怖を知ってもなお、
良いお産を、と思い続け365日24時間の拘束を受け入れる。
精神的に仕事を続けられなくなっても、
一時の休暇後また元の状況に戻ろうとする。
休んでる間も働き続けている他の産婦人科医と一緒に
お産を守るために。
本の終盤、休んでいる間、初めて主人公が
涙が込み上げ、咽び泣くす場面では
同じように息が詰まりました。
弱音を吐かず、他人を励まし続けてた。
けど、そんなのしんどいし、苦しいに決まってる。
それに気づき、泣く時に隣にいた美紀の存在や
同じように過酷な状況に身を置く親しい医師たちの存在は
とても大きな意味を持つと思います。
この本を読んでる時は常に目に力が入っていました。
患者に「様」付けで呼ぶことへの疑問、
お産の際の過度の医療介入について、
妊婦の意識の低さ、
あともちろん、医師不足について
など考えさせられることがたくさんありました。
いつか、人格者が救われる世の中になりますように。 -
Posted by ブクログ
産科医の先生が書いた、ドキュメンタリー?な本、一応フィクションらしいけど、実話でしょ?って感じ。めっちゃリアルだった(ガチ)日本のお医者さんの数は、先進国の中で、ほぼ最下位…外科も少ないけど、特に産科医と小児科は悲惨。激務。過酷。これは平成22年に出たやつやから、コロナのことは書いてないけど、医療崩壊でこれからもっとひどくなるんかな?、
産科医が少ない理由は、夜間でも関係なく勤務が必要で必然的に激務になるから、それと訴えられることが他の科より圧倒的に多いからだって。裁判になって優秀なお医者さんも追い込まれていく…。
健診もまともに受けてなかったテキトーなお母さんが救急オペで運ばれて、無事に産めたり、子どものために愛情いっぱいいろんな準備してたお母さんが出産時に容体急変したり…
できるだけ自然に産んでほしい助産師さんとリスクを少しでも減らして確実に産むためにカイザーしたい産科医さん、、いろんな大変さが産科医にはあるんやって思った。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ裏表紙などには「サスペンス」と書かれていますが、本作はどちらかといえば「お仕事小説」じゃないでしょうか。
確かに、導入部は医療裁判の様相を呈していて、その先には医療事故の真偽をめぐる患者側と病院側の争いや、事実の隠蔽といった怪しい行為があるのだろうと期待させられるものでした。
けれどその先にあった内容は、超ブラック企業的な病院の実態と、激務という言葉すら生ぬるい職場環境に押しつぶされていく医師と看護師の様子。
現役医師という著者が「現場の実態を知ってもらいたい。理解してもらいたい」という想いを込めまくって医療現場の実態を描いた小説という印象だったため、サスペンスというよりお仕事小説と感じた次第。
期待していた内容と違っていたので、その点では肩透かしを食らった感はあります。ただ、内容自体は同情と共感を誘う興味深いものではありました。