歴史・時代小説 - 講談社作品一覧
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3.0名奉行といえば、第一に名前をあげられる大岡越前。だが、彼の前半生は決して人に誇れるものではなかった。元禄の悪風に染まり、水茶屋の女お袖との間に一女までなしたが、一緒にはなれない。やがて、江戸町奉行へ抜擢された時、お袖の復讐が彼を待っていた。――みずから蒔いた種をみずから裁く人間大岡越前の苦悩。戦後の混乱した世相に、深い想いを託して描いた意欲作。
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-二十歳になるおこまは、15年ほど前にさらわれてきて、スリの姉御にあずけられ、一人前のスリに育て上げられた。そして今日、親分から一人ずつ女の子を手渡された。今度はおこまがその子を育てろ、ということであった……。江戸に住む女スリを描いた傑作長編。
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5.0才能 VS.努力熱血算術少女たちに、寺子屋の師匠は振り回されっぱなし!『髪結百花』で第一回日本歴史時代作家協会賞新人賞を受賞した新鋭のデビュー作、待望の文庫化!享保十一年、茅ヶ崎は大岡越前守の菩堤寺である浄見寺。今は亡き夫の跡を継ぎ、桃は寺子屋で子どもたち相手にお師匠さまをしている。そんなある日、酒匂川の氾濫で両親を亡くした春が寺子屋を訪ねてくる。すでに大人の身でありながら、もう一度算術を学び直したいという。はじめは戸惑う桃だったが、春の朴訥さと一生懸命さに次第に魅せられていく。しかし、寺子屋で一番秀才な生意気娘・鈴が黙っているはずはなく……。第11回小説現代長編新人賞受賞作!
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-旅は道づれ……桃ノ井狂介が、大磯の街道でいっしょになった紫矢がすりの腰元、じつは松平家の季姫であった。江戸にもどれば、姫には気にそまぬ縁組が待っている。「死につらなる恋」と知りながら、姫は狂介に心をひかれる。だが、胸に奸計をひめる家老・鷲津兵太夫が、これを見逃すわけはなく、たちまち姫と狂介は、奔流のような運命に巻きこまれる。敵か味方か? 二人にまつわりつくように旅をする、河内屋平蔵と浜田屋お峰。そして奇怪な「ご落胤」の一団……。大磯から江戸へ、2日間の旅にまきおこる、人生の転変を見事にえがいた、山手文学の好篇。
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-文政の世、オランダ人医師のシーボルトを長崎・出島に幽閉した幕府は、その疑いの眼を門下生にも向け始めた。その一人の青年医師・柳小路蘭平は、東海道の三島近くで、お万という艶女に仮病を装い狙われたたが、そのことで……。映画化もされた傑作。
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-浪人・古賀新三郎と神田連雀町の小料理屋・松葉屋のお葉は、尼ヶ崎藩・松平家の家老・鷲尾刑部の奸策にかかり、隠れ切支丹の汚名をきせられ毒殺された天野屋浪右衛門の遺族と誤解されて、黒い剣風に襲われる。天野屋の埋蔵金100万両の行方を追って、江戸を舞台に、老中・稲垣伊勢守の放った公儀隠密・黒住鬼堂とその一党、鷲尾党の総帥・大倉玄蕃の率いる7人の忍者と、天野屋の娘・千鳥を擁して復讐に燃える天狗党の、三つ巴の乱戦の中に捲き込まれた。古賀新三郎に近づく謎の男・伊太吉に、新三郎とお葉の安否を気づかい、探索の眼を光らす八丁堀同心・清川一馬の活躍……。謎は謎をよぶ、異色時代長篇。
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-ひとつの家族には、ひとつの物語がある。何をするにも妻のことを最優先にする「甘次郎」と呼ばれる浪人の孫次郎。梶派剣術の使い手でもある彼は、ある日、多勢に無勢で追い込まれた武士を助太刀する。その縁から剣術指南として召し抱えられることになるが……。孫次郎の告白と、妻への思いを哀切を込めて綴った表題作「おもかげ抄」、流行の変化と職人気質の間に苦悩する男をあたたかく受け入れる家族を描く「ちゃん」、吝嗇家として町内でも噂される母親とその子ども達が必死になって働き続ける理由は……。本当の優しさとは何か、その問いに向き合い描かれた「かあちゃん」など、さまざまな家族の姿をとおし、それぞれの愛のかたちを浮かび上がらせる感動の七篇。
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-天正7年、家康に属して16歳の初陣、武田勝頼軍と戦うを手始めに、小牧長久手に秀吉軍を迎えて大功を樹てながら、父・忠重との不和から退転した三州刈屋3万石の息、豪勇無双の水野藤十郎勝成。持って生れた狂熱の血がさせるのか、秀吉に随身後も喧嘩と女出入りの明け暮れに、佐々、小西、加藤、黒田と主をかえては乱世を押し渡る。秀吉歿し、やがて天下分け目の風雲に際し、家康に帰参がかなった勝成は、父の跡をついだ後、関ケ原、大坂冬夏両陣を歴戦、大和6万石から備後福山11万石の身代に。75歳にしてなお島原ノ乱に出陣した、強悍にして奇矯な戦国男・水野勝成一代記。
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2.0かんかん虫とは、ドック入りした船のサビ落としをする港の自由労働者。かんかん虫のトム公は、14歳ながら札つきの不良少年。しかし、曲がったことは大嫌い。彼が傲慢な金持ちを憎むのは、相応の理由があった。少年時代の横浜の見聞をもとにした「かんかん虫は唄う」は、自伝的要素に満ちた異色作。必死に生き抜くお島母子に、幼き日の著者のおもいがこめられた「色は匂えど」を併録。
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3.5