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駐車場から掘り起こされた遺体は、シェークスピアが嫌ったあの国王だった! DNA分析を駆使する分子遺伝学が世界史を書き換える!
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Posted by ブクログ
歴史と科学を見事に織り交ぜて構成された良質なストーリーに魅了された。また丁寧な解説のおかげで、例えば、DNA解析技術により工事現場から出てきた遺骨からリチャード3世を特定しさらに遺伝子解析によって書物に記された身体的特徴が裏付けられた事がよくわかり関心深く読み進める事ができた。
DNAについての知識を与えてくれると同時にリチャード三世、ツタンカーメン、トーマス・ジェファーソンなどの家系についてDNA分析から興味深く物語を書いてくれている。 しかし、なんと言っても今我々が身につけることが必要な遺伝に関する知識を優しくかつ正確に付けてくれる文章のうまさが素晴らしい。
歴史の謎からDNAの基礎を学ぶ、文系でも分かるDNA入門書。 歴史と分子生物学の融合により新たなる歴史科学の領域を切り拓く試みでもある。 科学者による曖昧さの無い、明快な文章が心地良い。 遺伝子組み換えの危険(外来遺伝子持ち込みによる変異の危険)の解説により、「遺伝子組み換え」と「ゲノム編集(CA...続きを読むS9の活用)」の違いを理解した。 (同じだと思っていた。。) 本書が出された翌年(2020年)、「ゲノム編集」の業績にノーベル賞が与えられた。 新聞やテレビの解説では腑に落ちない人には、本書第三章の解説は最適だろう。 何よりも、エキサイティングなのは、リチャード三世の遺骨発見と、そのDNA解析による検証のストーリーだ。 そこでは、「ミトコンドリアDNA」が威力を発揮する。 普通のDNAは核に存在する。 その核を取り囲む細胞壁の中には、実に多くのミトコンドリアが存在し、そのミトコンドリアは細胞核のDNAとは独立した、独自のDNAを持っているのだ。 だから、ミトコンドリアは、細胞が取り込んだ異生物だったと推定されている。 ミトコンドリアが有するミトコンドリア(mt)DNAは、母親から、男女問わず子供に継承されるが、それが次の世代に受け継がれるかは、女性系統が存続するかにかかっている。 なぜなら、男性のmt DNAは、受精の時に切り離されて卵子の中に入ることができないからだ。 女性のmtDNAが優先されて、男性の持つmtDNAは抹殺されてしまうのだ。恐ろしや。。。 だから、男の子が母親から受け継いだmt DNAは次世代に引き継がれることはない。 mtDNAが引き継がれるのは、女性系統が続いている場合だけなのだ。 イギリスはレスター市、かつて修道院のあった、現在は駐車場となっている場所を掘り返したところ、背骨の曲がった遺骨が発掘された。 その修道院に埋葬されたと推定されるリチャード三世は傴僂だった、と伝えられている。 (シェイクスピアは「リチャード三世」で、傴僂で邪悪な王として、リチャード三世を描いている) この遺骨こそ、かつてのイングランド国王のものに違いない、誰もがそう思ったが、それは状況証拠に過ぎない。 決定的な証拠がほしい。 その決定的な証拠こそが、mt DNAだったのだ。 リチャード三世の直系は断絶しているが、彼の姉の女性系統が存続していることが分かった。 リチャード三世と姉は母親を同じくしていて、従って全く同じmtDNAを持っている。 運良く、リチャード三世の姉の家系に連なる女性が500年以上を経て、現代に存在していることが判明したのだ。 その女性がカナダにいることが分かる。 何とラッキー! ところが、その女性にアプローチしたところ、タッチの差で亡くなっていた! 万事休す! だが、その女性には、息子が一人いることが分かる。 その男性こそ、リチャード三世のmtDNAを持つ、最後の人間だった。 その男性に子供がいても、もうリチャード三世のmt DNAは存在しないからだ。 発見された遺骨と、彼のmtDNAが比較された。 二つのミトコンドリアDNAは完全に一致した! 発掘された遺骨は、間違いなくリチャード三世の遺骨だったのだ。 歴史と生命科学の見事な融合。 小説よりもドラマチックではないか。 これを読んだ上で、ジョセフィン•テイのアームチェア探偵小説「時の娘」を読み、更に、BBCが作成した「リチャード三世発掘記」というドキュメンタリーを見ると、面白さは倍増する。 当然、そこからシェイクスピアの「リチャード三世」に向かっても良いし、リチャード三世が当事者でもあった薔薇戦争に興味を向けても良い。 (薔薇戦争は、「ゲーム•オブ•スローン」の元ネタにもなっている) 本書に触発されて、日本の歴史にmt DNAの考え方を応用してみた。 題して「織田信長のミトコンドリアDNA(mtDNA)」。 mtDNAという観点で見ると、織田信長の死後の影響力の大きさに驚かされた。 織田信長のmtDNAは、彼からは次の世代には伝えられていない。男からは継承できないからだ。 しかし、彼と同じmtDNAを持っている姉妹がいて、そこに子孫がいれば、織田信長のmtDNAは伝えられることになる。 信長には、有名な妹、お市の方がいる。 お市の方は、信長と同じ母親から生まれているので、信長とお市の方は、同じmtDNAを持っていたことになる。 (リチャード三世とその姉の関係と同一だ) そのmtDNAは、お市の方の子供全員(男女を問わず)に継承され、その後は女性の系列に伝達される。 お市の方には、3人の娘がいた。 豊臣秀吉の側室となって、豊臣秀頼を生んだ茶々(淀君)。 公家(京極家)に嫁いだ初。 そして、徳川秀忠に嫁いで、千姫、家光、和姫を産んだ江。この江は、その前に豊臣秀勝(秀吉の姉の子、秀次の兄)に嫁いで、完子という娘も産んでいる。 茶々、初、江の三姉妹、そして、その子供たち(お市の方の孫たち)、秀頼、千姫、家光、和子、完子は、全員、信長と同じmtDNAを持っていることになる。 つまり、信長のmtDNAは、豊臣秀頼、徳川家光という天下人に引き継がれていたことになるのだ。 まるで、mtDNAが日本を支配していたような錯覚に囚われる。 そして、女性の系統が続く限り、そのミトコンドリアDNAは引き継がれる。 家光の妹和子は、天皇家に嫁ぎ、娘を産む。 当然、信長のmtDNAは継承されていく。 その娘が、天皇となる(明正天皇)。 つまり、天皇にまで、信長のmtDNAが引き継がれていたのだ。 信長(のmtDNA)恐るべしではないか。 将軍家のみならず、天皇家まで信長のmtDNAに支配されていたのだから。 (というよりも、恐るべきは「お市の方のmtDNAと言うべきかもしれない) これは、余談だが、完子は、公家(九条家)に嫁ぐ。その系統から、大正天皇の妃が出る。 だから、昭和天皇•昭仁上皇•今上天皇は、お市の方の血統だと言える。 だが、(残念ながら)mtDNAは途切れているので、信長のmtDNAは受け継いでいない。 mtDNAという視点は、歴史を別の見方で照らし出してくれる。
リチャード3世推しには必読の一冊。 DNA検査や遺伝子の仕組みについて、リチャード3世、古代エジプトのファラオたちの例を挙げて紹介。ファラオのミイラのDNAがしっかり読めるのは驚き。これで将来クローンでも作れたら… 現在の技術でのDNA検査の結果の扱いは、一次史料のそれに似ているところがあるように...続きを読む思う。冷静さの中に先鋭的な気分が見え隠れする文章で読みやすい。まだまだ万全ではないことがよく分かる一方で、その可能性に期待したくなった。
英国王室と古代エジプトをメインに、王家のDNA鑑定で分かった事実を紹介する。また、DNA鑑定とは何か、どこまで分かるのかも説明している。 21世紀になって駐車場から掘り起こされた人骨は、本当にリチャード三世なのか。彼はシェイクスピアの作品に書かれたような容姿だったのか。古代エジプトの王墓から発見され...続きを読むたミイラたちの血縁関係についてなど、興味津々の話題だ。 終盤の倫理についての話も印象に残った。遺伝情報は個人情報だし、興味本位で扱ってはいけない情報だろう。
それは誰の遺骨?・・・DNA解析で解明される世界史のミステリー。 ・プロローグ 欺かれたシェイクスピア 第1章 駐車場から掘り起こされた遺体 第2章 DNAは知っている 第3章 リチャード3世のDNAが語る「身体改造」の未来 第4章 「ツタンカーメンの母」は誰か? 第5章 「エジプト人」とは何者か?...続きを読む 第6章 ジョージ3世が患っていた病 第7章 ラメセス3世殺人事件 第8章 トーマス・ジェファーソンの子どもたち さくいん、参考文献有り。 発見されたリチャード3世の遺体。ツタンカーメンの母は誰か? 英国王室の遺伝性疾患。ラムセス3世の死因は? ジェファーソン大統領の子孫の問題。 そして、日本人やエジプト人のルーツも。 合間に、DNAや遺伝子、染色体等の最新の話を挟んでいます。 さすがに文系人間には、数字の羅列を見ただけでクラクラ(汗) それでも遺伝等の仕組みはわかり、解明できることも多いのは、 理解できました。 ただ、DNA鑑定も万能ではないこと。 家系等の問題は裁判に発展する恐れもあること。 また、掲載された謎解き自身は興味深く、面白かったのですが、 まだ真の解明には至っていない事例が多いのが、残念。
本書のDNAの最新の知識も興味深いし、イギリス王室の系統についてもミーハー的好奇心を刺激される。その関心ゆえに学問的な硬い話も読みやすく、遺伝学の新しい知識を得る喜びを感じることができた。 小生は「壬申の乱」の小説も興味を持って読んだことがあるが、本書でのイギリス「プランタジネット朝」の骨肉の争いも...続きを読む実に面白い。 しかし、現在のエリザベス女王の過去の系統に断絶があったことを強く示唆する結果には驚く。日本においてその様な調査は出来るはずもないが、もしや重要古墳の学術調査が許可されたらと、思うだけでも興奮する思いを抱いた。
これまでの考古学が古文書の解読が中心であったが、本書ではミイラや人骨から取得したDNA解析からの考古学を提唱している。どちらが優れているということではなく、DNA解析の技術が近年急速に発展したことにより、両者からのアプローチの重要性を説いている。 これにより、これまで信じられてきた史実が事実とは異な...続きを読むるという事例も見つかっており、この分野の進展が非常に興味深い。 本書では英国王室とエジプト文明を対象にDNA解析によって、これまで信じられてきた歴史との整合性を調べた結果が報告されている。詳細は本書を読んでいただきたいのだが、これまで信じられてきた歴史が覆されるため、非常に興味深く読むことができた。 また、本書では、現在のDNA解析技術の概要を開設してくれているため、科学書としても十分に楽しむことができる。ぜひ手にとって欲しい一冊である。
DNAの話だったーーー
初めての石浦章一。読み始めてから検索すると分子生物学者なのですね。こちらは歴史に興味があって購入したわけですが、あちらはDNAの話がしたくて、切り口として歴史を取り上げたというもの。まぁ、うんちくです。
DNA解析の進化により、これまで謎とされてきた歴史上の出来事や人物の実態・実像がかなりの程度明らかにされて来た。それには遺体・ミイラ・骨などの存在が不可欠であって、しかもそれらに有効なDNAが残っていることが絶対条件だ。また、その試料が盗掘者や採取者などによる汚染が無いことも必要条件である。本書では...続きを読む英国王家やエジプト王朝などの歴史上の人物のDNA・遺伝子を調べることによって明らかにされたその過程・結果を主題としているが(評者もそれを目当てに購入したのだが)、実はその半分以上はDNA・遺伝子の(ほぼ)最新の研究成果の説明に当てられている。かなり難解な部分もあるが、これはこれで知的好奇心を満たしてくれるので、面白く読めた。
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