米澤穂信のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
ネタバレメンタルがある程度安定してないと、耐えられない作品ですね。
これほどまでに、主人公が何ひとつ救われない、ただただ自分の不甲斐なさを突きつけられる話だったとは。
姉のサキは、ことあるごとにリョウへ「想像力!」と言いますが、その想像力だって、行き過ぎれば出しゃばりになりかねないし、難しいです。
だからこそ、今の時代は、リョウみたいなひたすら受け身のことなかれ主義な人は沢山いると思います。
思ったとおりの未来にならなかったときが怖いから、あえて何もしない、というのは正当防衛でもあります。
ここまでリョウを叩きのめす必要がそんなにあったのかなぁ?と思いました。
リョウの「もう生きたくない」の一言には、酷く共感しました。
というのも、休職期間に入る直前の私も、それに近い気持ちでしたから。
(なんで、わたしばかり、こんなみじめな気持ちにならなきゃいけないの、と思う出来事がありました)
人って、心の拠り所がなくなってしまったときに自ら命をたってしまうものだと思います。
あのラストは、やっぱりそういうことなんでしょうか?
最初は、核心に入るようで入らない語りすぎない論調に、「よくわからないなぁ」と言うか、肩透かしを食らったような印象でしたが、こうして考察してみると、中々深い話でしたね。
少なくともリョウに自己投影できるくらい、自分は物語をきちんと咀嚼していたのですね。 -
Posted by ブクログ
「羊と鋼の森」と題名の感じと表紙絵の雰囲気が似てたので、この本も羊と鋼の森のように抒情的な美しい旋律が流れるような本かと思ったらまるで違った。
図書委員で仲良くなった2人の男子高校生の学園ものかと読み始めて思ったら、人の良い堀川がどんどん頼み事をされて厄介ごとに巻き込まれていく。それも浦上先輩、邪悪やん⁉︎と登場人物の怪しさにあれ?あれ?となる。
同じような感じで堀川が邪悪な人間たちに厄介ごとにまきこまれなごら、クールな斜に構えている松倉も結局は手を貸しながら次々と謎解きをして‥とこの流れで終わらない。なんだか最後の最後まで邪悪。いい意味で予想を裏切られた続ける流れだった。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ秋と冬の間に本にまとめられたが、時系列的には春と夏の間の事件で、いってみれば番外編集。
「巴里(パリ)マカロンの謎」
「紐育(ニューヨーク)チーズケーキの謎」
「伯林(ベルリン)あげぱんの謎」
「花府(フィレンツェ)シュークリームの謎」
エラリー・クイーンの国名シリーズをオマージュした各編タイトル。
4分の3、古城秋桜(こぎ・こすもす)さんが絡む。
4分の1にあたる「伯林あげぱん」をアニメ1期5話に組み込んだのは、英断。
秋桜さんがあのアニメに入ってくると、ちょっと路線変わるし。
しかしそれはそれとして、動く秋桜さんも見たい。
というのも、番外編だからか小佐内さんも小鳩くんものびのびとしているからだ(ゆきちゃん先輩!)。
巴里……「他人の恋よりも、わたし、マカロンに興味津々なの」
紐育……「それにはおぼやないわ!」
伯林……「驚いたでしょう。ごめんね、わたし、みっともないね」
花府……「ねたんでいるんだね」「うらやんでいるのよ」
今までも片山若子さんのカバーイラストが素敵だったが、本書は各短編のモノクロ扉絵も素敵。
連載雑誌「ミステリーズ!」には、異なるイラストもありそう。気になる。というか画集欲しい。