米澤穂信のレビュー一覧

  • 倫敦スコーンの謎

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

     甲村先生の最後の決断は、古びてしまった、しかしそれでいていつまでも燻り続けている過去の清算でもあったのかな。

    0
    2026年08月13日
  • ボトルネック

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    メンタルがある程度安定してないと、耐えられない作品ですね。
    これほどまでに、主人公が何ひとつ救われない、ただただ自分の不甲斐なさを突きつけられる話だったとは。
    姉のサキは、ことあるごとにリョウへ「想像力!」と言いますが、その想像力だって、行き過ぎれば出しゃばりになりかねないし、難しいです。
    だからこそ、今の時代は、リョウみたいなひたすら受け身のことなかれ主義な人は沢山いると思います。
    思ったとおりの未来にならなかったときが怖いから、あえて何もしない、というのは正当防衛でもあります。
    ここまでリョウを叩きのめす必要がそんなにあったのかなぁ?と思いました。
    リョウの「もう生きたくない」の一言には、酷く共感しました。
    というのも、休職期間に入る直前の私も、それに近い気持ちでしたから。
    (なんで、わたしばかり、こんなみじめな気持ちにならなきゃいけないの、と思う出来事がありました)
    人って、心の拠り所がなくなってしまったときに自ら命をたってしまうものだと思います。
    あのラストは、やっぱりそういうことなんでしょうか?
    最初は、核心に入るようで入らない語りすぎない論調に、「よくわからないなぁ」と言うか、肩透かしを食らったような印象でしたが、こうして考察してみると、中々深い話でしたね。
    少なくともリョウに自己投影できるくらい、自分は物語をきちんと咀嚼していたのですね。

    0
    2026年08月12日
  • 冬期限定ボンボンショコラ事件

    Posted by ブクログ

     程度が相応であったにしろそうでなかったにしろ、犯した罪の報いを受けられた事実は救いでもあるのかもしれない。
     好意を拒否された時、相手に不満を抱かず自分の愚かさに目を向けられた小鳩くんは、小市民どころか立派な人間だと思う。

    0
    2026年08月12日
  • 巴里マカロンの謎

    Posted by ブクログ

     復讐しないことって「良いこと」なのかな。社会的な制裁を加えることが後々親切になることもあると思う。それを正義として自覚しながら実行してしまったら、一方的な暴力になりかねないとも思うけど。

    0
    2026年08月11日
  • 裏切りの捜査線 警察小説アンソロジー

    Posted by ブクログ

    荒木あかね「プライドの隙間」と芦沢央「コールバック」がよかった。前者は警察組織の悪しきマチズモをうまくミステリの背景として活かしている。
    後者は退官した元刑事を主人公としたシリーズものだけれど、このシリーズの持ち味であるありふれた人間のもつ悪辣さ卑劣さという形で凡庸な悪を描いてみせるのが巧み。

    0
    2026年08月07日
  • 折れた竜骨 上

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    少し面白かった。剣と魔法で激しく戦うわけでもないが、それでも雰囲気が有る。魔法の詳細は言われるまでわからないし、上巻の最後で明かされる島の秘密も有るが、それらをもっとはやく知られたら、自分なりの謎解きも楽しめたかもしれない。

    0
    2026年08月07日
  • ボトルネック

    Posted by ブクログ

    不思議な話だった。
    イチョウの木があそこまで伏線になってるなんて思わなかった。
    あんまり登場人物に感情移入が出来なかったが、東尋坊や金沢のどこかひんやりする情景が良く浮かんだ。

    0
    2026年08月05日
  • 本と鍵の季節

    Posted by ブクログ

    「羊と鋼の森」と題名の感じと表紙絵の雰囲気が似てたので、この本も羊と鋼の森のように抒情的な美しい旋律が流れるような本かと思ったらまるで違った。

     図書委員で仲良くなった2人の男子高校生の学園ものかと読み始めて思ったら、人の良い堀川がどんどん頼み事をされて厄介ごとに巻き込まれていく。それも浦上先輩、邪悪やん⁉︎と登場人物の怪しさにあれ?あれ?となる。
     同じような感じで堀川が邪悪な人間たちに厄介ごとにまきこまれなごら、クールな斜に構えている松倉も結局は手を貸しながら次々と謎解きをして‥とこの流れで終わらない。なんだか最後の最後まで邪悪。いい意味で予想を裏切られた続ける流れだった。

    0
    2026年08月02日
  • 裏切りの捜査線 警察小説アンソロジー

    Posted by ブクログ

    一話目が1番良かった。書き手が違うと展開も人それぞれなので読者の予想を見事に裏切ったストーリーを楽しめる。ここから気に入った作家本を辿っていくのも面白い。

    0
    2026年07月31日
  • 秋期限定栗きんとん事件 下

    Posted by ブクログ

    前巻まではなんとも思わなかったのに、他人目線だと主人公二人の得体が知れなすぎて、もはやホラーレベル。

    それでも終わってしまえば、二人ともそれなりに人間らしさがあっての行動で少し安心した。
    特に最後の1行で。

    0
    2026年07月30日
  • 夏期限定トロピカルパフェ事件

    Posted by ブクログ

    前作のポップな日常の謎とはガラリと変わり、序盤から不穏な事件の匂いが漂う展開にワクワクしながら一気読み。

    前作とはまた違ったスリルと面白さがあった。
    ストーリーの展開や真相はある程度予想がついたものの、やっぱり小鳩君と小佐内さんというキャラクターが魅力的で、全く没入感が削がれなかった。

    「どうやって真相を明かすんだろう」
    「どんな反応を見せるんだろう」
    というワクワク感だけで、最後まで楽しく読ませてくれる力がある。

    二人のファンとしては切ない結末だったけど、すでに続きが刊行されている安心感を胸に、次巻の秋の物語へ進みたいと思う。

    0
    2026年07月25日
  • インシテミル

    Posted by ブクログ

    「クローズドサークル」ものは好きだが、あまりにもゲーム的な要素が強すぎて読み終えるのに苦労した。
    登場人物の造形も作者が駒として動かすためだけに存在しているように感じて、内容に没頭できなかった。

    0
    2026年07月20日
  • インシテミル

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    作り込まれた設定や世界観は魅力的で、ミステリに精通している人ほど楽しめる作品。後半の主人公の豹変ぶりには驚かされた。主催者側の視点や関水の10億円の使い道など、最後まで回収されない要素が多く、読後には消化不良な印象が残る。

    0
    2026年07月18日
  • 裏切りの捜査線 警察小説アンソロジー

    Posted by ブクログ

    5人の作家さんが描いた警察ミステリー5話。
    ひと口に「警察ミステリー」といっても、三者三様。
    作家さんによって全く異なる切り口になっていて面白い。
    方丈貴恵さん「メゾン・イニシェの怪」
    芦沢央さん「コールバック」
    の2作品が特にお気に入り。

    0
    2026年07月17日
  • 巴里マカロンの謎

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    秋と冬の間に本にまとめられたが、時系列的には春と夏の間の事件で、いってみれば番外編集。
    「巴里(パリ)マカロンの謎」
    「紐育(ニューヨーク)チーズケーキの謎」
    「伯林(ベルリン)あげぱんの謎」
    「花府(フィレンツェ)シュークリームの謎」
    エラリー・クイーンの国名シリーズをオマージュした各編タイトル。

    4分の3、古城秋桜(こぎ・こすもす)さんが絡む。
    4分の1にあたる「伯林あげぱん」をアニメ1期5話に組み込んだのは、英断。
    秋桜さんがあのアニメに入ってくると、ちょっと路線変わるし。
    しかしそれはそれとして、動く秋桜さんも見たい。
    というのも、番外編だからか小佐内さんも小鳩くんものびのびとしているからだ(ゆきちゃん先輩!)。

    巴里……「他人の恋よりも、わたし、マカロンに興味津々なの」
    紐育……「それにはおぼやないわ!」
    伯林……「驚いたでしょう。ごめんね、わたし、みっともないね」
    花府……「ねたんでいるんだね」「うらやんでいるのよ」

    今までも片山若子さんのカバーイラストが素敵だったが、本書は各短編のモノクロ扉絵も素敵。
    連載雑誌「ミステリーズ!」には、異なるイラストもありそう。気になる。というか画集欲しい。

    0
    2026年07月17日
  • 裏切りの捜査線 警察小説アンソロジー

    Posted by ブクログ

    警察小説は大好物だから、こうゆうアンソロジーはありがたい。色んなテイストの作品が楽しめて満足。
    米澤さん、芦沢さんは、らしさが詰まった安定に良い作品だったし他は初めてだったけど読みやすく面白かった。短篇ものの物足りなさも感じず、深すぎず浅すぎず…どの作品もいい塩梅で良かった。

    0
    2026年07月16日
  • 氷菓 (6)

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    文集「氷菓」を200部刷ってしまったところから始まる文化祭。
    古典部の4人がそれぞれ別の場所で動く多視点構成になっている。
    わらしべ長者のような物々交換をしていく奉太郎のパートがのんびりしていて好き。

    原作でいう「クドリャフカの順番」が好きなので
    この先も楽しみ。

    0
    2026年07月15日
  • 氷菓 (5)

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    愚者のエンドロール、解決編。
    入須先輩のやり方は、上手いのだろうが
    体よく使われた方としては良い気持ちはしないだろう。
    解決したかに見えた後、奉太郎が姉や摩耶花、
    えるの言葉で違和感に気づいていく流れは良かった。

    0
    2026年07月15日
  • ボトルネック

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    青春ものSF・FTミステリー。
    事故死した恋人を弔うため東尋坊に訪れたところ、東尋坊から落下、気が付くと金沢の河川公園、家に戻ると別の世界線で生まれる前に死亡した姉と事故死した兄、さらには恋人も生きている。
    最後の2章で恋人の事故死の真相が暴かれ、世界線の分岐の理由がことごとく姉か自分かによるものであり、自分こそがボトルネックであったことを感得してしまう。やるせない思いが募り、ラストシーンも暗い未来しか想像できない。

    0
    2026年07月13日
  • リカーシブル

    Posted by ブクログ

    米澤穂信さんの『リカーシブル』を読んだ。最初は退屈でつまらない作品だと思った。でも後からじわじわと主人公の心情や置かれた境遇、家族に対する想いなどが思い出され、応援したくなる。どうやら自分のなかでこの物語はまだ続いているらしい。地味で目立たないけれど、しっかり余韻が残る。さすが…

    0
    2026年07月12日