米澤穂信のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレもう一気食い、あ、しまった、タイトルに引っ張られてしまった、一気読みでした。
面白い。なんと巧みな構造。
あ、以下、ネタバレしますので、未読の方はご遠慮ください。
恋愛関係にも依存関係にもないけれど、互恵関係にある小鳩君と小山内さんの高校二年生の夏の出来事。
二人は今日も今日とてこの不可思議な関係を維持して、小市民を目指すべく日々を穏便に送っていく・・・はずだった。
なのに、はじめっから違和感が。
第一章の「シャルロットだけはぼくのもの」は二人の腕試しのような可愛らしいエピソードでしたが、違和感。
・なぜ小山内さんは急に行けなくなったと連絡してきて小鳩くんにおつかいを頼んだのか
・なぜ小 -
Posted by ブクログ
ネタバレすき!!!!!
葛さん好き!!!!!!!
短編一つ一つが面白い。
推理小説すきなので、この短さだとなんとなく伏線とかに気づいてオチを想像しながら読むけれども、それが当たっても外れても面白い!
描写に無駄がないのもいい。
小説全般、たまに冗長すぎてイライラすることがあるので(私がせっかちなだけ)、スパンスパンと葛さんが斬っていくさまは痛快そのもの
作品中で葛さん、菓子パンとカフェオレ、緑茶しか摂取してない。心配…
無駄はないんだけど、たまに「ここには緑茶を淹れるのが上手い署員がいるらしい」とか「六歳男児の死体は見たくない」みたいな人間性が見られるところもいい。少しだけ垣間見える、というの -
Posted by ブクログ
若者の全能感、思い上がり、浅慮さを叩きのめしてくる良いビターな青春ミステリーだった。
上記は米澤穂信によくあるテーマであるけれど、推理をしたところで手遅れだろう?と突きつけてくるのは今までになかった(気がする)ので新鮮で楽しい。
日常という舞台は人物の人格や思惑の輪郭をぼやけさせる効果があると思う。
守屋の万智、マーヤ、そして自分自身の内面に対する不理解が読者を突き放すような冷たさであと味が悪い。
しかしあと味の悪さだけで終わらないのが本作の素晴らしいところであり、解説を含めた解釈になってしまうが守屋はいつか憧れたマーヤの場所まで届くのだろうと思わせてくれるラストなのが良かった。
米澤穂 -
Posted by ブクログ
読みはじめて思う…。
この作品読んだことあるかも…(笑)
でもきっと読んだ当時、文章が横滑りして、頭に入らなかったに違いない(;´∀`)
みなさんの本棚でよくみかける作品だったので、気になってもいたのですが、みなさんに愛されるの、納得ですっ!!
米澤穂信さんの作品は、『刑事の生き様』で最近ふれさせてもらって、ツボだったんですが、この作品…凄い…。
短編で構成されているのですが、すべて面白い
背中がゾクッとなりますが…。
夜中に読むこともおすすめしません…
タイトルになっている満願の意味…
願いが叶うこと
期間を満了すること
読み終わったあとで、心から思います…
素晴らしいタイトル✨ -
Posted by ブクログ
初めは、人との触れ合い的な感じで、淡々と進んでいったのですが、主人公に降りかかった事件の真相が、明かされていく過程がワクワクスリルで面白かった。種明かしは、悲しかった。でも、やはり、日本にいるとなかなかわからない「貧しい」の基準が違うよね。先進国が、良かれと思ってやっていることって、本当にその国のためになるのかとか、考えさせられた。そんな中でも、少年と主人公の中に愛のような思いやりのような、友情だとか信じるものとか、そんなものが、ほんの少しあったのかな。憎しみや悲しみがあったとしても、人と関わるってことはそこに、何かがあるのかな。ネパール王族の殺害事件が、物語の下地にあり、それを取材するときに
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Posted by ブクログ
"仕事を頑張る"とはどういうことか自分の人生で芯になっている本。
BtoCの仕事では会社の利益と顧客の利益とで相反することがある。
社会に出たばかりの人々は自己の利益と目の前の人に奉仕したい気持ちに悩みながらも、営利目的である企業での立ち振る舞いを学んでいく。
しかし、本作の主人公は公務員である。
出世志向が強いと直属の上司に評価されていたにもかかわらず、顧客(市民)に寄り添い実直に仕事をする姿は尊いものであった。
簑石村の結末はああなってしまったとはいえ、蘇り課でともに働いた2人は評価してくれたことは救いではないだろうか。
全ては無駄な努力だとしても。