米澤穂信のレビュー一覧

  • 秋期限定栗きんとん事件 上

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    おもしろいなー。アニメの緊迫感もすごかったけど、ぜんぶ見終えてから原作を読んでもちゃんと面白い。肩に力が入りまくりの瓜野、小鳩ちゃんのことけっきょくわかってない仲丸さん、別れたのにやっぱり最大の理解者同士である小鳩くんと小佐内さん。
    アニメが拾わなかった小さな謎解きもあったりしつつ、小市民的であろうとしながらどうしても謎解きに喜びを見出してしまう(そしてそれがとてもうまくできる)小鳩の自己嫌悪を照らしだしながら、やはりそういうふうに生きるしかないんだという自己理解へ向かっているように見える。

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    2025年07月05日
  • インシテミル

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    ネタバレ

    最後まで犯人わかんなかった(笑)
    それぞれの応募理由とか、知り合いとの関係性について深掘りして欲しかった(笑)
    ミステリーの知識が乏しいので、パロディに燃えるくらいになって、またよみたい!
    他のミステリー作品を読みたくさせる作品!

    作中にあった作品↓
    二つの微笑を持つ女
    犬神家の一族
    まだらの紐
    緑のカプセルの謎
    白髪鬼
    僧正殺人事件
    トレント最後の事件?
    Yの悲劇
    虫太郎(人名)
    茶の葉
    Xの悲劇
    隅の老人の事件簿


    解説にある作品↓
    そして誰もいなくなった
    死のロングウォーク
    バトル・ロワイアル
    シンデレラの罠

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    2025年07月05日
  • 冬期限定ボンボンショコラ事件

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    ネタバレ

    2025/07/04
    p.239
     車椅子のタイヤの固定が甘かったのだろうか。ぼくが座ろうとした瞬間、車椅子はわずかに後ろに下がった。
     椅子に座るつもりで腰を下ろし、寸前で椅子を引かれれば、誰でもろくに受身も取れずに倒れ込む。声にならない悲鳴が、喉の奥でくぐもる。心拍数が跳ねあがる。
     瞬間的な恐怖という尺度で言えば、車にはねられた時よりも怖かったかもしれない。けれど幸い、車椅子が動いたのはほんの少しだった。看護師さんがハンドルを握り、車椅子は止まって、ぼくは無事に座面に腰を下ろす。

    2025/07/21
    p.231
     見つめていてもサンデーが復活したりはしないという現実を受け入れたのか、

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    2025年07月04日
  • 夏期限定トロピカルパフェ事件

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    アニメ第一期の後半。前半がほのぼの日常系だっただけに、この夏期限定に入ってからの展開に驚愕したわけだけど、あらためて原作を読んでもやっぱり小佐内さんのキャラが強烈でとてもよかった。

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    2025年07月01日
  • 黒牢城

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    歴史小説でありながら、推理小説と言う
    全く新しいジャンルの小説でした。
    史実に基づいた描写もしっかりしており、
    歴史の知識も推理の知識も物凄く、作者の物凄さが判る小説でした。
    さすが直木賞を受賞した作品、と思いました。

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    2025年06月29日
  • 折れた竜骨 下

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    上巻とは違って盛り上がる場面がいくつもあり、最後の解決編も全く予想できない展開で非常に面白かった
    犯人を特定する場面でも一人ずつ除外できる理由を納得できる論理で述べていて、ファンタジーだから何とでもできるのではないかという疑いを覆してくれた
    唯一大変だったのは、中世時代の聞き慣れない登場人物の名前を覚えること...

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    2025年06月28日
  • あなたも名探偵

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    『伯林あげぱんの謎』は既読だったけれど、他は初読みでどれも楽しめた。

    前はアンソロジーって好みでない作品が必ずあったけれど、最近は本当におもしろい作品つめこみました!ってものが増えて嬉しい。

    ちなみに、どの作品も謎を解くことができなかった。
    それでも自分なりに推理して読むのはいいね。

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    2025年06月26日
  • 黒牢城

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    因果は巡り始める。

    歴史フィクションの中でも群を抜いて面白い、と思う(なんせ比較対象が少ない...)
    いや、すんごい面白い。はず。

    最初、日本歴史ものを読み慣れてないせいもあり、人の名前が入ってこない、漢字読めない、進まないと三重苦だったが、ご安心を、不思議と物語に吸い込まれるタイミングがやってくる。不思議ー

    戦国推理小説よろしく、章ごとにミステリーが展開され天才軍師の助言とも戯言とも取れない一言で大きく解決に繋がる。が、それは全て、一つの結果に繋がっていく。

    村重のリーダーシップ、嫌いじゃなかったよ。

    最後には全ての繋がりをしっかり回収し、代名詞の「戦わずして勝つ」を綺麗にまとめ上

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    2025年06月22日
  • 冬期限定ボンボンショコラ事件

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    ネタバレ

    小鳩くんがひき逃げ事件に遭って入院している中、過去のひき逃げ事件に焦点を当てながら話が進んでいく
    が、実は過去の事件よりも現在の事件の方が恐ろしいことが起きているというどんでん返し
    特に小鳩くんが睡眠薬を飲まされていたことが発覚するところではぞくっとした…
    小市民シリーズは比較的ライトなミステリーだと思って読んでたけど、最後の最後に騙されてしまったなぁ

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    2025年06月22日
  • 冬期限定ボンボンショコラ事件

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    ネタバレ

    春から始まり、別れを経験し互いを再確認した彼らにしか辿り着けない結末。
    最後の一文まで、小鳩と小佐内らしさ全開の世界観に魅了されました。
    小市民を志すきっかけになった中学時代に関しては、以前の巻から少し触れられてはいたが、彼らにはまだ解き明かしきっていない、日坂くんの事情があったとは。
    てっきり暴いてはいけないことの事情まで理解しているのかと思っていたが、中学時代に完全に解けきれなかったことが現在と交差していくのもとても面白かった。
    この2人にしかない空気感が大好きなので、季節が周り物語が閉じられてしまったことが非常に悲しい。

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    2025年06月22日
  • 夏期限定トロピカルパフェ事件

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    ネタバレ

    小市民シリーズはひと通り読み終えていますが、
    アニメ化されたので再読中です。

    夏期限定は隙を見せて誘拐させて復讐する小山内さんの本性わ描いた作品かな?

    何度か読み返すとまた新しい理解があり楽しめると思います、

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    2025年06月21日
  • 冬期限定ボンボンショコラ事件

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    冬季限定として美しい終わり方をしたなと思いました。高校生としての締めくくりとしても美しかったです。続きがあって欲しいとも、ここで終わって欲しいとも思える素晴らしい作品でした。

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    2025年06月14日
  • 王とサーカス

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     米澤穂信作品では個人的に最も推せる一冊です。フリージャーナリストの太刀洗万智が登場するシリーズで、直木賞候補に挙がった連作短編『真実の一〇メートル手前』とは姉妹編とでも謂う可き作品。

     何と言っても異国情緒が素晴らしく、行間から尼婆羅の熱風が匂い立つようです。

     勿論ミステリとしても格別です。米澤穂信一流の"苦味"がエッセンスとして能く効いています。

     自分が尼婆羅と云う国に憧憬を抱く切っ掛けになった小説。

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    2025年06月13日
  • 秋期限定栗きんとん事件 下

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    ネタバレ

    上巻では息を潜めていた小鳩くんと小佐内さんが下巻ではようやく主人公として戻ってきてくれて気持ちよく読むことができた
    やっぱり瓜野くんはあんまり好きじゃないから上巻読むのが辛かったんだなと改めて感じた(ただそれも米澤穂信さんの狙いなのかもしれないけど)
    二人とも別々の人と付き合ってるのも何だかなあという感じで上巻は読んでたけど、ちゃんと下巻の最後にはくっつけてくれて安心
    次の冬季限定ボンボンショコラ事件は小鳩くんの推理と小佐内さんの暗躍に期待

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    2025年06月11日
  • 秋期限定栗きんとん事件 下

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    ネタバレ

    天才ミステリー作家米澤穂信の人気小説シリーズ。
    小市民を目指す、から小市民になりすますへ
    小鳩くんと小山内さんは小市民になることなどできず、自分自身を受け入れていく…だとしても冬期以降も二人の人生は続く、二人は今度は小市民になりすまして生きていくだろう。
    冬期ボンボンショコラ事件→ヒッチコックの「汚名」とフィンチャーの「ゾディアック」。
    事件を通して小鳩くんの「知りたい好奇心」の倫理と感情の核心へ
    「知りたい好奇心」を突き詰めることの暴力と害悪についてのこれ以上ないエンタメ的考察?
    米澤穂信は「知る好奇心」を誰よりも追求してきたミステリー作家。この人には天地がひっくり返ってもこのテーマで競い合

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    2025年06月11日
  • 秋期限定栗きんとん事件 下

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    まんまと騙されました。小市民シリーズらしさが最後に待っていて、いい意味で期待を裏切ってくれました。ありがとうございました。

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    2025年06月10日
  • 秋期限定栗きんとん事件 上

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    前作の最後では小鳩くんと小佐内さんは袂をわかったため、今作は他の登場人物に焦点を当てた展開
    小鳩くんから見る小佐内さんの行動は普通の人だと気づかないやろうという気持ちで読んでたから、今回は小佐内さんの人を操る上手さを他人の視点から描いているのが面白かった
    上巻ではあまり行動の意味などが描かれてなかったから下巻が楽しみ

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    2025年06月10日
  • Iの悲劇

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    最近になってすっかりハマってしまった米澤穂信のノンシリーズ作品の一つが、本作『Iの悲劇』だ。往年の本格もののような雰囲気を匂わせるタイトルだが、このタイトルの”I”は「Iターン」のIである。過疎に悩む地方が、都会に住んでいる人間を呼び寄せる取り組みを行う……という、地方活性化施策の一つだ。

    本作は、限界集落となってしまい現在は無人となっている山間地域である蓑石への移住希望を推進する、「南はさま市Iターン支援推進プロジェクト」を舞台に、主人公たちの悲喜こもごもを描く短編集だ。このプロジェクトを推進するのは、通称「甦り課」に所属する主人公・万願寺と、彼の同僚・観山(かんざん)、そして上司の西野で

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    2025年06月08日
  • 冬期限定ボンボンショコラ事件

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    サイン本を買ったのでか「」く「」し「」ご「」とを 読み終わったら読み直します。

    TVアニメの影響です。

    米澤穂信さんらしくて読み応えのある作品でした。

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    2025年06月07日
  • いまさら翼といわれても

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    ──あんたはこれから、長い休日に入るのね。そうするといい。休みなさい。大丈夫、あんたが、休んでいるうちに心の底から変わってしまわなければ……。

    ──きっと誰かが、あんたの休日を終わらせるはずだから。

     
     
     
    とうとう読み終えてしまった〈古典部〉シリーズ。今作は全6篇の短編集からなる作品でしたが、どの作品も〈古典部〉のメンバーに焦点を当てた、いや、各メンバーのそれぞれを主人公として描いたような短編集だったように思います。

    特に奉太郎の代名詞『やらなくてもいいことなら、やらない。やらなければいけないことなら手短に』の誕生秘話が描かれていた物語【長い休日】はかなり好きでした。

    そして表題

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    2025年06月03日