米澤穂信のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
最初の数十頁は昔の言い回しや時代的背景等が難しくて、なかなかサラサラ読み進められず、挫折しそうになりました。が、物語が進み、事件の謎に直面した村重と捕らえられている官兵衛のやり取り等、推理戦がおもしろかった。
史実にこんな解釈を加えたらこう見えるのか…と感心したし、戦国版「羊たちの沈黙」の様でもあり官兵衛の頭の良さには脱帽。
ラストの少し前まで読み(ラストを知らずに)映画を観たけれど、映画はさすがに本木さんが素敵な村重を演じていて、あれはあれでいいのではないかな…と。
しかし、読み終わった時に、ああやっぱりこうよね…と思ってしまった。人って優しくもあり、怖くもあり…納得のラスト。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ
4つの事件を取扱う短編集で最後の章はそれまでの章に登場した人物が鍵を握る構成と演出がとてもニクイ。
一つ一つの事件について、自分の中でも疑問に思ったり、気にかかることはあっても、そこから正解を導くのは難しく、どの話も最後にはううんと唸るような解決が見れた。
なかなか、探偵になる道は険しい。
語り手の小鳩くんの口調も軽妙で、いつもの味を感じているようで読む手が止まることはなかった。少し古めかしくて小粋な語り口は小鳩くんの性格をよく表しているなと感じた。
最後の最後で夏季限定トロピカルパフェ事件のプロローグを見ることができてすごく満足した。またトロピカルパフェ事件も読み直します。 -
Posted by ブクログ
2026年。
小市民をめざし互恵関係を結ぶ小鳩くんと小山内さんの謎ときシリーズ。高校1年の冬の話なのかな、小山内さん、マフラー、イヤーマフ、テブクロと完全防備。
「桑港(サンフランシスコ)クッキーの謎」卒業生の美術家の作品を巡る謎。
「羅馬(ローマ)ジェラートの謎」スーツ女性は何故ジェラートを食べないのか?
「倫敦(ロンドン)スコーンの謎」スコーン食べたくなった。調理実習の振り返りレポートはどう書けばいいのか・・・小市民的だ。
「維納(ウィーン)ザッハトルテの謎」ザッハトルテはプリンスマルコシリーズを読んで食べたかった。本場では食べてないけれど・・・
星の数はーーー冬季で完結したからもうないか -
Posted by ブクログ
なるほど、段取りめいた丁寧な説明こそが本作の肝要、ということがよく理解った。ミステリ其自体がエポックではないにも関わらず、読んでいてじわりと、しかし確かに体温が上がっていくのは、その造りの精緻たるに因っている。「だがあの男は、得体が知れぬ」と言い切ってしまうのが、悪癖ではと問わらば否むことはできず、確かに野暮と思わないではないけれど、それも決して興が冷めてしまうほどのものではない。書評を書く場において映画評を書く、というのは殊に場違いとは思うが、これを読んでいて、「なるほど、黒沢清をしてこれを映画化せしめん」としたことには確かに納得をした。風の入らぬ土牢の影のゆらめき、「訳=動機がない」という