米澤穂信のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
こ、これは、やば…。
米澤穂信とは一体何者なのか…
ちょっとそこらの作家とは格が違うわな。
いや、すごい。小説の持つ本来の力を再認識させられましたわ。
ミステリーがどうの、どんでん返しがどうの、とか云うレベルの小説ではないよね、これ。
一流のミステリーであることは当然として、本作は知性、知識のみならず、反道徳、反社会的な毒気まで内包してましてね。
米澤穂信がミステリーに精通しているのは理解できるのだが、作中ではバタイユや澁澤龍彦まで言及しとる訳で…。そいや昔、悪い事でもしているかの様にドキドキしながらバタイユを読んだことを思い出しましたわ。
いやー、最近は読書をいち娯楽としてしか扱ってなかった -
Posted by ブクログ
文体も構成も素晴らしい。短編なのに全話に感想を言いたくなってしまった。
身内に不幸
毎年、兄の命日に死者が出る! なんでかっていうとね、合宿に行きたくないから! ってなんじゃそりゃ。悪くないが中では最下位。
北の館
自らの利益のためなら他者を殺すことに躊躇いがないという六綱の血。早太郎、光次郎、詠子の兄弟は上流家庭で育ったせいで牙が鈍化したが、貧乏なあまりがその血を最も濃く受け継いでいたことに納得。
山荘
恐怖小説のふりをした、おもてなし大好きメイドの話。見事な逆ドンデンでした。誰も殺してないじゃん。それどころか金塊あげてる笑
五十鈴
五十鈴がとにかくかわいい。しかし赤子蒸し焼きはグロ -
Posted by ブクログ
ネタバレ母が亡くなった真相は父親だけが知っていた。22年後に娘は父が書いた小説を探す。
解説を読んでこれは、リドルストーリーという形式だと知った。結末がない物語という意味らしい。その中で東野圭吾の「どちらかが彼女を殺した」が上がっていたが、そういえばあれは最後の変わった話だったと思い出した。なんだか消化不良になりそうな感じだったが、そういえば似たようなものも読んだことがある、そういう形式のものだったのか。それで結末はどうなるの?自分で考えるの?というコメントも見たことがある。
読後感が余りよくなかったので、形はなんとも言い切れないが、この「追想五断章」は面白かった。
結末はある、真相も分かる。でも -
Posted by ブクログ
時の流れをテーマにした短編で面白かった。女性二人はタイムカプセルの話だったが、作風のように優しい読後感が残っている。万城目学さん、米澤さんは才能かなぁ着想が面白かった。
※ネタバレ注意! 以下の文には結末や犯人など重要な内容が含まれている場合があります。
読書は甘辛で行く。ソフトとハード。刺激と慰撫、頭とハート。その他いろいろで、ほろりとしたり、背筋が凍ったり、一日の出来事だったり何世代にもわたる大河が流れていたりする。でも日常の読書の味付けは甘辛が気分転換にいい。
この短編集は、甘辛がミックスされそれもいい塩梅な配合で出来がよく、読後のレビューも書きやすくて、ありがとうと一礼をした。時の -
Posted by ブクログ
日常系ミステリーと思って、侮っていた自分にビンタをしたい。
解決編に入った伏線回収速度と、過去と現在を絡めた構成に鳥肌が立ちました。
本当に米澤作品は、このスピード感があるからたまらない。
読み始めはエピソードゼロと侮っていましたが、そんなことはなかった。
至る所に叙述トリックが仕掛けられていて、見事に騙されました。
個人的には本作が色々と考えさせられる内容で好きだな。
なぜ小鳩君は小市民を志したのか、これが腑に落ちた。
また本書あとがきで、ぼんやり思っていたことを言語化されていて満足。
続編が4月に出るようなので、これまた楽しみが増えました。 -
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Posted by ブクログ
ネタバレ本と鍵の季節とは全く違った作風でびっくりしました。同じ人が書いてるとは思えなかったです。5つの短編作品はどれも前半の穏やかさからは一変して、中盤で一気に不穏になり、この話どうなっちゃうんだ?という思いが強まり、一気に引き込まれました。語り部の皆さん、一見常識人っぽくて実はめちゃくちゃ狂ってて、読み手をすっごくゾクゾクさせてくれます。
どの話も読む手が止まらなくなりましたが、「山荘秘聞」次いで「玉野五十鈴の誉れ」が好きです。山荘秘聞は、中盤で凄まじい違和感が出てくるのですが、語り部のお手伝いさんは一切そこに触れないので、なんか読み飛ばしたのか?って思ってしまいまいました。最後で一気に回収され