米澤穂信のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
タイトル『それはそれはよく燃えた』の1文から始まるショートショート集。
ネットの炎上、恋心、火事など、こんなものまで「燃える」のかと思える作家25人の25作を1冊の本で読めるのはとても贅沢。
でも後味は25作25様で、ほっこり甘いものもあれば苦々しいもの、ざらっと心地悪いものなど本当にさまざま。
クイズノックのファンなので河村拓哉さん目当てでこのシリーズを読み始めたが、矢樹純さん、三津田信三さんなど、このシリーズは毎回新しい作家さんと出会えて、読書の幅が広がって嬉しい
私は総じてホラーが好きなので、今回の『それはそれはよく燃えた』はぞくっとする話が多くて、とても好み。不穏で悲しくて残酷。年末年始たっぷり楽しめた
-
Posted by ブクログ
米澤穂信の供米のために読んだ文庫本。
米澤穂信以外の作家の著作は読んだことがなく、それもまた新鮮で面白く読むことができた。
新川帆立 ヤツデの一家
これを女性作家が書いているのが見事と言うかなんというか。私には理解できない世界だが、短編として素晴らしいドンデン返し。
大代行時代 結城真一郎
短い中にも貼られた伏線は丁寧だが、先の展開が簡単に読めるところが残念。
人には得意不得意があるのは仕方ないが、注意されたら片付けよう。
妻貝朋希を誰も知らない 斜線堂有紀
この短編は少し不快だったので長いです。
治安の悪い、物事を知らない人達ばかりの地域は確実に存在するし、地方で新しい人が入ってこない街は数多く存在するから、その人達がタイトルの人物を理解できない、自分の色眼鏡で判別するというのはあると思う。他所から来た人でも最初から偏見で見てるところもあると思う。
でもそれを焦点に当てた作品を作ったところで、最初から読者には察することが出来るし、読者を知識無いと思い過ぎでは無いか?
それとも境界知能の辛さをひたすら描きたかっただけか。それならなおのこと趣味が悪い気がする。
一番彼のことを理解していたのは母親だろう。それでも支えることができなかった、支援や援助に繋げられる方法を知らなかったそもそも存在を知らなかった、逃げるしかなかった所で彼女もまた境界知能か知的ありの発達障害があるのが予想できる。
供米 米澤穂信
米澤穂信のシリーズ物長編も好きだが、短編の天才でもあると言わずにはいられない。
文系の知識高い人達の会話の言葉遣いが見事だし、伏線の回収の仕方が自然過ぎて、勿体ぶっていない知的さがある作品だった。
ハングマン 雛鵜 中山七里
シリーズ物の短編のようで興味が湧いた。少しドラマを意識しているような、所謂アニメっぽさラノベっぽさを感じる文章や内容だが、現代らしいテーマで映像化されても映えるだろうなと思った。
ミステリ作家とその弟子 有栖川有栖
実はこの作家も読んだことがなかったので、読めて良かったし、他の作品にも興味が湧いた。
ミステリ作家と弟子の会話が面白く、単なる会話劇としても楽しめ、弟子の思惑でまた楽しむことができた。 -
Posted by ブクログ
"仕事を頑張る"とはどういうことか自分の人生で芯になっている本。
BtoCの仕事では会社の利益と顧客の利益とで相反することがある。
社会に出たばかりの人々は自己の利益と目の前の人に奉仕したい気持ちに悩みながらも、営利目的である企業での立ち振る舞いを学んでいく。
しかし、本作の主人公は公務員である。
出世志向が強いと直属の上司に評価されていたにもかかわらず、顧客(市民)に寄り添い実直に仕事をする姿は尊いものであった。
簑石村の結末はああなってしまったとはいえ、蘇り課でともに働いた2人は評価してくれたことは救いではないだろうか。
全ては無駄な努力だとしても。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ人が住まなくなった集落・蓑石を舞台にIターンでやってきた移住者に起きるトラブルを市の職員・万願寺が解決していく物語。
これぞ米澤作品というべき、濃厚なミステリーでした。
移住者たちに降りかかるトラブルに対応する万願寺だが、その甲斐もなく蓑石から離れて行ってしまう。その徒労が不憫で偶然と思いきや実は...。という展開に驚かされました。限りある財源を正しい方向へ...という正義とそのために移住者をわざと追い出すという冷酷な行動。事業を正すためとはいえ何も知らない移住者を追い出し、それを止めようとした万願寺の努力を無に帰すようなことをしたのはいただけないかなと思いました。万願寺はもう働かずに辞めるんだろうなと、この真実を告発する人もいなくなるだろうし、本当の意味で"そして誰もいなくなった"んだろうなと思いました。重厚で苦くて最高に面白いミステリーでした。
この作品をアニメ化した際の声優陣を自分なりのキャスティングしてみたので読む際に参考にしてください(敬称略)。
万願寺邦和:石川界人
観山遊香:富田美憂
西野秀嗣:三宅健太
久野吉種:福山潤
安久津淳吉:古川慎
牧野慎哉:中村悠一
久保寺治:大塚明夫
立石秋江:茅野愛衣
立石速人:藤原夏海
滝山正治:阪口大助
河崎由美子:日笠陽子
河崎一典:武内駿輔
上谷景都:杉田智和
長塚昭夫:山路和弘
若田一郎:石田彰
若田公子:佐藤聡美
飯子又蔵:大塚芳忠
山倉:三木眞一郎
大野:玄田哲章 -
絵が可愛いく描かれていて、
米澤穂信先生のテレビアニメ化作品第二弾(だよね?)のコミカライズ。第一弾の方は、アニメ終了後も、終了後のエピソードに至るまでコミカライズされているが、今作品は冬季限定まで描かれるのかな?まあ、それはさて置き、この作品の魅力つーか、極みつーかは、ヒロインちゃんの本性ですよねぇ。このコミカライズもすごく可愛らしく描かれているから、その瞬間的表現が見所ですよね。
-
Posted by ブクログ
ネタバレアニメ化されていない短編集(「連峰は晴れているか」だけはアニメ化された)ですが、脳内では各キャラクターがそのアニメの姿で登場し、各場面を思い描くことができました。特に挿絵もない本なのに、京アニさんのキャラデザはやはり素晴らしいですね。
奉太郎が省エネ主義になったいきさつも語られますが、姉の言葉を思い出したときに彼自身も「長い休日」が終わっていることに気づいたのではないでしょうか。
それゆえに、友の窮地をあれほど必死に助けようとしたのですね。
☆一つ減らしたのは、あの終わり方はないよ!という抗議?です。
すっきり終わらせてくれ~。
(追記)
「このミステリーがすごい!2025版」で古典部シリーズ長編と小市民シリーズ短編について言及がありました。☆5に変更です!