米澤穂信のレビュー一覧
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この本はSNSで話題になっていて気になった、新潮文庫夏の100冊の50周年記念で刊行された書き下ろしのアンソロジーです。
有名な作家さんばかりですが、意外と読んだことのない作家さんも多かったので、好きな作家さんを見つけるきっかけになればいいなと思って読みました。
短編集なので育児の合間にも読みやすく、一編ずつ楽しめました。
ミステリーや人の心に問いかけるものなど様々で、薄い文庫本ですがすごく濃厚でした!
私は梨木香歩さんの「見越しのマツ」という作品が一番面白かったです。
「見越しのマツ」は離婚して実家に帰ってきた主人公の部屋から見える隣の豪邸の松の木を通して近所の方との関係性が描かれていたり、 -
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新潮文庫50周年記念の『夏』をテーマにしたアンソロジー。
宮部みゆきさんは初めて読む方(ブレイブストーリーはアニメで拝見)でした。
一番印象深かった短編
◎米澤穂信さん:『無明』
『無明』は、酷暑の東京で起こる殺人未遂事件でしたが、容疑者の背景や環境が重なって起きてしまったのには今の日本のリアルさ。
母親はここまで苦しんでいるのに、助けてくれないんだと。
ラストはゾッとする中に母親が子へと伝える言葉には、
一縷の希望が見えていたのではないかと思った。
それは子どもに生きる希望を与えるような、母親としての視点が心苦しく感じ一番強烈だった。
さまざまな視点の、さまざまな思いを巡らせた物語。
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ネタバレ個人的ベスト3
・見越しのマツ 梨木香歩
・きっとあの日の光と同じ 町田そのこ
・無明 米澤穂信
どの話もさくっと読めて良かった。
『ウッドペッカー荘事件』伊坂幸太郎
・尊くんとヨフネの会話の感じが面白い
・穴があったら入りたいのくだり、鉄分かな貧血っぽいんだのくだりが特に好き
・犯人のことを恨みながら生きていくのは、辛くてしんどい。ヨハネの行動の裏側・気持ちを想像すると、すごく苦しい。
・最後、ヨフネが表情を歪ませながら、尊くんに質問を投げかけるシーンは涙が込み上げた。
『二つの宇宙』江國香織
・登場人物みんな癖っけぇ
・主人公の男は、彼女〈茉莉花〉のこともおばあちゃんのことも、理解し -
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クリーム色の表紙に赤の箔押しというなんとも素敵な装丁。それに加えて、新品の新潮文庫は手触りが良すぎます。
いつまでも撫でていたくなる紙質、目にやさしい印字、おしゃれな天アンカット、スピン……。新潮文庫を手に取るたびに言及している気がしますが、文庫本の中で最も大好きな手触りの新潮文庫に敬意を表して☆4つです。
「これまで小説を愛してきてくれた人へ、そしてこれから小説の世界に一歩踏み出す人へ贈るプレゼント」という趣向で、すべて書き下ろされた一冊。
私が未読なのは町田その子さんのみという豪華なラインナップで、発売日に書店に走りました。
読んだことがあるといってもご無沙汰な作家さんが多く、中でも学 -
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バブルがはじけて失意のうちに亡くなった父親と、立ち行かなくなった家業のために学費を払えず、大学を休学している芳光。
古書店を経営している伯父を手伝いながら居候している時に、ある女性から亡き父が書いた五つのリドルストーリーを探して欲しいと頼まれる。
金が欲しい芳光は、伯父に内緒で引き受けるのだが…。
ミステリの部分は、面白かった。
亡き父が関係した未解決事件の真相や、五つの作品に込められた想いを推理しながら読むのは楽しかった。
けれども、圧倒的に登場人物が、のっぺらぼうだ。
実家に母だけを残し、大学に戻れず田舎に帰る気にもならないという宙ぶらりんな状態の芳光が、依頼された物語を見つけることに -
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この一冊にこの作者のこの作品。
どの作品も重厚でした。
贅沢な一冊です。
作家さんてすごいなぁ、と特に感じたのは
一話あたりのページ数です。
この短いページ数でこの内容を紡ぐことができて
さらには登場人物たちのキャラクターをたたせる。
どのお話も人物たちのキャラクターが現実にいるような
リアルさがある。
物語の構成もしっかりしていて、この頁数で
よく物語のまとめができるな。
と、そういう観点からもおすすめします。
一話がしっかりしているので、一話読み終わると
本を一冊読み切った感じがして、
次の話にすすんだとき前の話を思い出すのが
難しかったくらいです。
それぞれの作家さんの別の未読本に -
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ネタバレ今年公開された映画から本作を知って、所謂爽快ミステリー!という感じではないものの物語終盤の場面に漂う寂寥感が心に残り、村重という人物にはかなり興味を引かれた。今回原作を一通り読んだことで、改めて映画を観に行きたくなった。というか、個人的に原作小説は絶対に併せて読むべきものだと思っている。その順番は人に寄りけりだろうけれど。
まず、わたしは映画鑑賞時に随分思い違いをしていた。村重はてっきり戦乱の世に疲れ果てて、武士というものの在り方に憂いを覚えていたのだと考えたけれど、小説を読むと異なる印象を受けた。業の深い生き様であると自覚しながらも、彼は己の選んだ道に悔いはなく、武士として、荒木としての誇り -
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自分が生まれた世界と自分の代わりに誰かが生まれた世界を比べて後者の世界の方が良かった時、、私なら生き直すことができるか。
この物語は主人公リョウと何らかのきっかけで別次元に生きる姉サキと出会い、姉が生まれた世界を3日間体験する。
読み終わってターニングポイントとなった部分をいくつか読み直したら、作者が伝えたかったことがクリアになってきた。
リョウは何事も受け入れるが性格は卑屈。
対してサキはお節介で想像力が高い。
サキに関わる人達は本人の意思に関わらずサキから何らかの影響を受けてその後の人生が変わっていく。サキと3日間過ごしたリョウはサキから受け取った何かで人生を好転していくことができる