米澤穂信のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ人にオススメされて長らく眠らせていた《満願》。
なぜもっと早く読まなかったのだろうと後悔するのは本を読む上での避けて通れない道だ。
もともとミステリーはあまり読まないほうだが、どの話も巧みに構成されていて、ぐいぐいと引き込まれた。記憶力に自信がないので人物名を覚えるのに必死になったり、時系列の前後に置いていかれそうになったりしながらも、読み進めるうちにその世界の中に取り込まれていた。
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「夜警」
渋いおじさまの枯れたような雰囲気の中にも、罪悪感という炎が滾っているようで、その視界を通して世界を見ている気分になった。
登場人物たちの「嫌い」「警戒」といった感情がひしひしと伝わり、まるで自分 -
Posted by ブクログ
読み始めた時はそうとは思わない本格ミステリ。探偵役は、順風満帆で進んでいたがある日原因不明の皮膚病にかかり、会社をやめ、社会から逸脱者扱いになった彼が故郷に帰ったら治ったが心は沈んだまま、犬探しをメインの事務所を立ち上げた、若いやつれぎみの男性。初日から人探しを頼まれ、ある事件の深淵を覗くことになる。逃げるしかないと思っても、たとえ誰が何をしても目をそらすことはできるが、自然なまま逃げない選択を進む主人公に共感が持てる。最後は、殺人を止めることはできなかったが、それをあえて殺人者を警察に付き出さなかったのも共感する。ただそのせいで逆に殺人者に口封じされるリスクが出てしまったが、彼ならうまく気づ
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Posted by ブクログ
ネタバレ米澤先生やっぱり大好きです!
「本と鍵の季節」というタイトルが良いですね。表紙もきれいなかんじで。ただ内容は結構ビターなかんじが多かったです。リアリティというか、そういう結末になるのか!とか、いつも通り楽しませていただきました。
言葉の選び方や話の展開の仕方が米澤作品は好きなんですよねー。ちょっと言語化はできないんですけど、テンポというかリズムというか……とにかく心地よいです。
男子高校生二人が主人公っていうのは結構新しいパターンだなと思いました!
「ロックオンロッカー」での美容師さんとの会話の「僕はそういうのは全然!」ループが個人的に面白かったです。たしかにああいう経験あるかも、と思ってしま -