米澤穂信のレビュー一覧

  • 満願(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    人にオススメされて長らく眠らせていた《満願》。
    なぜもっと早く読まなかったのだろうと後悔するのは本を読む上での避けて通れない道だ。
    もともとミステリーはあまり読まないほうだが、どの話も巧みに構成されていて、ぐいぐいと引き込まれた。記憶力に自信がないので人物名を覚えるのに必死になったり、時系列の前後に置いていかれそうになったりしながらも、読み進めるうちにその世界の中に取り込まれていた。



    「夜警」
    渋いおじさまの枯れたような雰囲気の中にも、罪悪感という炎が滾っているようで、その視界を通して世界を見ている気分になった。
    登場人物たちの「嫌い」「警戒」といった感情がひしひしと伝わり、まるで自分

    0
    2025年10月30日
  • ボトルネック

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    これほどまでに救いのない物語だとは思わなかった。
    自分が存在していない世界がみんなが生存している世界だったら……
    こんなの辛すぎる。

    最後、あのメールを見てどういう選択をしたのか気になる。
    パッと見は悲しい結末になりそうな気がするけど、どうなんだろう。

    0
    2025年10月28日
  • 秋期限定栗きんとん事件 下

    Posted by ブクログ

    マロングラッセと小市民になりたい小佐内さんの比喩が印象的。
    小市民志向を捨てたように見えるが、次巻以降の2人のスタンスが気になる。

    0
    2025年10月26日
  • 満願(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    アニメ小市民シリーズで知った米澤氏
    理路整然とした謎解きが心地よい作風だと思ったので読んでみたいと思った
    「夜警」と「万灯」はドラマで見た記憶

    【夜警】鬼の居ぬ間におイタしちゃった新人が企てた計画と失敗
    【死人宿】遺書の主を探すミステリー よかったと思いきや…
    【柘榴】うわぁ…親子でも女の敵は女やなぁ(^▽^;)
    【万灯】ビジネスマンってのは…
    【関守】都市伝説を追った先に
    【満願】動機が意外

    ひと昔前な感じが郷愁を誘うセピア色なイヤミス短編集
    どれも背景からしっかり語られていて読み応えがある

    0
    2025年10月24日
  • 本と鍵の季節

    Posted by ブクログ

    図書委員の堀川と松倉のバディもの、高校の図書室と本にまつわる6つの短編ミステリー。人が死なないミステリーなので安心して読める。
    堀川も松倉も平均的な男子高生に比べて思考が大人びていて、どことなく斜に構えた雰囲気。
    この2人の関係性は一見踏み込みすぎずドライに見えるけど、常に互いへの信頼とリスペクトが感じられて心地良い。大小様々な事件を解決していく毎に少しずつ友情も深まっていく様子にほっこり。最終章の締め方が哀愁が漂うビターな空気で◎

    0
    2025年10月24日
  • 栞と嘘の季節

    Posted by ブクログ

    図書室に返却された本に挟まれていたのは猛毒のトリカブトの花の栞。男性教師が中毒で救急搬送されて以降、校内でも同一の栞が次々と出回るように。

    前作が日常の謎を解き明かす青春ミステリだったのに対し、今作は猛毒のトリカブトという文字通り毒気の強いモチーフがテーマ。
    タイトルにもあるように作中の各所に嘘が散りばめられており、この数々の嘘が物語のポイントになっている。
    嘘はよくない。でも必ずしも嘘をつくとが悪いこととは限らない。嘘をつくことで自分や誰かの身を守ることになるなら、誰がその嘘を咎められるだろうか。

    0
    2025年10月24日
  • 本と鍵の季節

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    高校の図書委員の男子二人が、身の回りで起こる事件を解決していく日常青春ミステリ。

    持ち込まれる謎は不穏な感触を持つ、舌に残る苦さが印象的なものばかり。
    特に終盤の展開はシビアで、切なくなりました。

    深く踏み込むことはせずに、相手を尊重して心地よい距離感を保つ二人の関係が素敵ですが、相手が闇落ちしそうな時はきちんと言葉の力で踏みとどめようとする。
    尊いね…!

    0
    2025年10月24日
  • インシテミル

    Posted by ブクログ

    映画の評判が良く無いからどうかな〜と思ってたけど普通に面白かった。
    ミステリ好きな人が書いたんだなぁと思える内容。
    映画はだいぶ中身変わってるみたいなので特に観なくてもいいかな。

    0
    2025年10月24日
  • インシテミル

    Posted by ブクログ

    おもしろかった!デスゲームとかは別に好きじゃないけど、ミステリとして謎があってそれを解く形式だととってもおもしろい。インシテミルが米澤穂信なの知らなかった。

    0
    2025年10月23日
  • 本と鍵の季節

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    二人の高校生が、日常の些細な出来事から、想定外の問題の発見と解決をしていく短編集。
    何気ないシーンの一つの断片から、糸を手繰り寄せるように論理的に構築して問題解決に至る、二人の高校生の関係性もとても絶妙で、非常に緻密かつ繊細、丁寧に描写されている。おしゃれミステリーと名付けたい。
    にしても高校生がそこまで社会に対して詳しいかねと少々疑問に思うところもあるがそこは目をつぶろう。

    0
    2025年10月20日
  • 犬はどこだ

    Posted by ブクログ

    読み始めた時はそうとは思わない本格ミステリ。探偵役は、順風満帆で進んでいたがある日原因不明の皮膚病にかかり、会社をやめ、社会から逸脱者扱いになった彼が故郷に帰ったら治ったが心は沈んだまま、犬探しをメインの事務所を立ち上げた、若いやつれぎみの男性。初日から人探しを頼まれ、ある事件の深淵を覗くことになる。逃げるしかないと思っても、たとえ誰が何をしても目をそらすことはできるが、自然なまま逃げない選択を進む主人公に共感が持てる。最後は、殺人を止めることはできなかったが、それをあえて殺人者を警察に付き出さなかったのも共感する。ただそのせいで逆に殺人者に口封じされるリスクが出てしまったが、彼ならうまく気づ

    0
    2025年10月18日
  • 儚い羊たちの祝宴

    Posted by ブクログ

    評価 4.1
    短編物語が5編に分かれている。
    それぞれにおちが作られており、ラストに繋がりを見せている。
    一般人と離れた貴族の気品ある雰囲気に引き込まれていく。ミステリーの中にホラーが混じっているが読みやすく、面白かった。

    0
    2025年10月16日
  • ボトルネック

    Posted by ブクログ

    上手くいかないことを他責にしてしまうことが多いけど、実は自分のせいで…ってことも多いのかもしれない。
    ただそれが自分のせいだと知ることはできないから、難しいなと思った。

    0
    2025年10月16日
  • 儚い羊たちの祝宴

    Posted by ブクログ

    バベルの会の関わる物語が描かれる短編集。登場人物それぞれが強固な思想を持ち、決して他者に流されることがない。その確固たる信念が淡々とした筆致で描かれることで、静かに恐怖を漂わせている。「玉野五十鈴の誉れ」が群を抜いて面白く、お気に入りである。

    0
    2025年10月15日
  • 満願(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    最近読んだ短編集は、同じ登場人物が出てくるなど、連作短編集の形態を取るものが多かったが、この本は6つの話全てが独立していた。

    どれもおもしろく、すいすい読めた。
    こういう話なのかな?と想像を膨らませながら読んでいたのに、最後の最後に予想外の結末が待っていてゾワっとする読み心地だった。

    ちゃんとミステリーしてた!

    0
    2025年10月14日
  • 本と鍵の季節

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    米澤先生やっぱり大好きです!
    「本と鍵の季節」というタイトルが良いですね。表紙もきれいなかんじで。ただ内容は結構ビターなかんじが多かったです。リアリティというか、そういう結末になるのか!とか、いつも通り楽しませていただきました。
    言葉の選び方や話の展開の仕方が米澤作品は好きなんですよねー。ちょっと言語化はできないんですけど、テンポというかリズムというか……とにかく心地よいです。
    男子高校生二人が主人公っていうのは結構新しいパターンだなと思いました!
    「ロックオンロッカー」での美容師さんとの会話の「僕はそういうのは全然!」ループが個人的に面白かったです。たしかにああいう経験あるかも、と思ってしま

    0
    2025年10月14日
  • 追想五断章

    Posted by ブクログ

    追想五断章 米澤穂信
    古書店で働く青年は、ある依頼を受ける。それは「亡くなった父が書いた“追想五断章”という未発表作品を探してほしい」というもの。調査を進めるうちに、五つの断章(短編)に秘められた「死」や「罪」の真実が少しずつ明らかになっていく。やがて青年は、依頼人の父の過去と、断章を貫くひとつの悲しい出来事にたどり着く――。静かな筆致で進むミステリー、「記憶」「創作」「贖罪」が巧みに絡み合う、心に余韻を残す作品。リドルストーリーをこんな形でミステリーに仕上げる筆者のアイデアにも脱帽です!

    0
    2025年10月14日
  • 満願(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    いやー、なんて人の業とは凄まじいものなのだろうか私はそれだけの物は持ち合わせていないだろうと思いました。サクサク読めました。書士さんお勧めで読みました。

    0
    2025年10月13日
  • これが最後の仕事になる

    Posted by ブクログ

    続きを書いて欲しい話や、考えさせられる話または自分にはよくわからない話など色々な作家さんの作品があり、読み応えがありました。
    この中から自分のお気に入りになる作家さんを探すのもいいかと思います。

    0
    2025年10月11日
  • 可燃物

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    ★★★★☆星4
    真実。短編5集。崖の下、ねむけ、命の恩、可燃物、本物か。
    面白かった!短編集なので軽い気持ち読めるがしっかりドラマチックで最後はスッキリする。優秀な葛警部が謎解きをしてくれる、部下も優秀できちんと成果を上げてくれる。どれも自分の中で犯人に目処を立てるんだけど毎回騙された。

    0
    2025年10月10日