米澤穂信のレビュー一覧
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ネタバレ同業者として共感と同情で読んだ。
不穏な雰囲気で集落の人離れが始まり、
集まった移住者たちも、一人一人事件が起こり、一人一人離れていく。
主人公は一生懸命なのに、報われなさすぎて泣けちゃう。
対照的に後輩ちゃんが、進むにつれて頭の良さがあるのにわざとかってくらいアンバランスな発言してくるので、ちょっと不思議に思ってた。
そしたら最後のあの展開。
課長がそういう目的なのは話が進むにつれ薄々わかっていたけども。
自治体運営は難しい。ない袖は振れない。
雪深い僻地ではライフラインの他にも除雪がないと命にかかわる。
予算をどこに割り振るか、それが肝なのも良くわかる。
だけども。弟との会話からの主 -
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ネタバレ春、夏とは違って今回の主人公は小鳩くんたちの後輩にあたる瓜野くん。
主人公が代わるにあたって、既存のキャラへのイメージも変わってくる。小鳩くんにとっては、互恵関係にあり、甘いものと復讐が大好きで、狼な部分を隠している小山内さん、は瓜野くんから見れば謎多き年上彼女だし、大雑把で義理堅い堂島は、威厳ある新聞部長。主観によってイメージが大きく変わるキャラたちは見ていて面白かった。
今回は小山内さんがさらに謎めいた人物になっている。小鳩くんはよく小山内さんを観察していたため、小山内さんの感情が読み取れる描写も少しはあり、人間として扱う(?)ことが出来ていた。しかし、今回は完全に瓜野くんが小山内さんの -
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古典部シリーズ6作目、小市民は昨年春夏秋冬20年を経て完結したが、古典部はまだまだ終わり見えず、すでに24年が経過しており主人公達は高校2年生である。そいいつつも完結まで追い続けていくことになるんだろう…
今作は伊原摩耶花回!と個人的に断ずる。6編あるうち2編が摩耶花主要人物であり、語り手、そして2編ともが作中でも白眉の出来栄えであった。
鏡には映らない
摩耶花がシリーズ最初から折木に対して辛辣であった理由が明かされる、中学時代の卒業製作にかかわる悪行を、己一人が泥をかぶることによって防いだ奉太郎と、それに協力した里志。この過去の秘密が、奉太郎をヒーローと崇める人物によって明かされる。摩 -
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米澤穂信さん著「真実の10メートル手前」
前回読んだ名作中の名作「王とサーカス」に続き大刀洗シリーズの第二弾。
今回の作品は6篇からなる短編集となっている。
ジャーナリストである大刀洗万智が全ての篇に絡む短編集。全ての篇において別々の主人公が存在しており、そこに大刀洗が絡んでくるという設定。どれも物語は面白かった。
ただ前作「王とサーカス」が自分の中で名作すぎた為、今回の作品にはそれと同様それ以上のものを期待してしまった。
そういう意味では前作のような唸らされる感覚はなかった。
タイトルからも想起させられるように今作品も「真実」というテーマがあるにはあるが、その「真実」の正体や言葉の意味 -
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ネタバレ春期限定いちごタルト事件に続く第二作目。
変わらず小市民を目指す二人だが、今作はどこか小山内さんの様子が異なり、小鳩くんは違和感を感じながらも小山内さんのワガママ(?)に付き合ってスイーツ制覇を目指す。
第一作目では日常の謎が多く、ほのぼのとした雰囲気で大きな危険もなかった。しかし今回は序盤から伏線が張り巡らされ、しっかり犯罪に巻き込まれ、危険な目にも合った上で、小山内ゆきという人間の底知れぬ恐ろしさが浮き彫りになった。小鳩くんの真相に近づいていく過程の推理が分かりやすく文章に落とし込まれ、その中でだんだんと明るみになっていく小山内さんの狂気性がゾクゾクとして面白かった。
小市民を目指すと -
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ネタバレ前回から変わったことは、相変わらず小市民という皮を被りたい2人に、それぞれ隣を歩く相手ができたことだ。
1人は、ちょっと鈍いけど、楽しい高校生活を与えてくれた仲丸さん。
もう1人は、功名心に駆られ思慮に欠けるところはあるけれど、突き進んでいく瓜野。
瓜野の一人称で話が進む部分は、何故かもどかしく、ちょっと苛立ちを感じた。
決定的に推理力や洞察力が欠けているのは仕方がないことなのだが、何かが足りないと感じながら読んでいた。
特に部長交代以降の増長振りには、落とし穴が待ち受けているようで、2人の影響なのかな、妙な期待感があったりしている。
仲丸さんは、ふわふわしていて、いかにも女の子って感じだ