【感想・ネタバレ】いまさら翼といわれてものレビュー

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Posted by ブクログ 2023年07月23日

〈古典部〉シリーズ第6弾は、古典部の4人それぞれが語り手となる短編集。
第1弾目の「氷菓」から彼ら4人の高校生活をずっと追ってきて、本書では彼らの今まで語られなかった一面を知ることができます。

「鏡には映らない」
中学の卒業制作の時にとったある行動によって、同級生に誤解されてしまった折木。
同じ中...続きを読む学だった伊原がその真相を解き明かす。
実は折木はヒーローだったなんて、かっこ良すぎます。

「わたしたちの伝説の一冊」
伊原が漫研をやめたその裏に、こんな凄まじい出来事があったなんて。

「長い休日」
奉太郎が省エネ主義になった理由は?

少しほろ苦く重めで、悩みを抱えた高校生の物語から、心に刺さるところや学ぶことがたくさんあります。
謎を解いたあとに残るさわやかさとか、必要以上に深入りしないところとか。

そして、作者の米澤穂信さんのあとがきがまたさり気なくて、いいです。

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Posted by ブクログ 2024年04月10日

「鏡には写らない」が特に好きだな。
優しさって、ただ他人に寛容なだけで、美点ではなくそれが良くも悪くもなる性質だと個人的に思ってる。
けど奉太郎は優しさってよりかはすごく人を思いやれる人に感じた。
真に他人の立場に立つことのできる人は、すごく憧れる。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2024年01月23日

古典部シリーズ最新作。表題作を含めた全6編が収録されている。今まで謎に包まれていた(?)奉太郎やえるなどの登場人物の掘り下げが行われて、この時期にこのタイミングで読むべき作品だと感じた。

「箱の中の欠落」は神高生徒会選挙の不正投票にまつわるお話。私の中学では、他の学年は9クラスにも関わらず、私の学...続きを読む年だけ7クラスしか無かったことが思い出された。子供の数も変わるが、学校が「ある」事実は変わらない。当たり前のことに気づいて、謎解きとして昇華した手腕は流石…。

「鏡には映らない」は伊原が語り部。中3の卒業制作で奉太郎の班が手抜きをし顰蹙を買った事件を思い起こし、その真相を探るお話。奉太郎に対してあたりの強かった伊原が、「何か理由があるのではないか」と推理(?)に奔走するのは新鮮で面白かった。卒業制作にこんな悪意ある仕掛けを施すなんて、恐ろしい女子もいたものだな、「熱海に罪はない」もんね。

「連峰は晴れているか」はひと足先にアニメ化されていたような…?ヘリコプターが好きな英語の先生についてだが、本当は…。

「わたしたちの伝説の一冊」。またまた伊原視点のお話。文化祭以降、漫画研究会の権力争いは熾烈を極め、それに巻き込まれていく伊原。他が誰も言わないから、だんまりを決め込んでいるから自分が意見を言っただけなのに、矢面に立たされ責められる。学生時代特有の人間関係の悩みは、引きずれば引きずるほど泥沼化していくので、伊原が漫研を退部したのは「英断」だと思う。時間は有限…。

「長い休日」は奉太郎がホータローたらしめる「やらなくていいことはやらない」の原点となったお話。何でも文句を言わずに頼み事も聞いていた小学生の奉太郎は、同級生にも先生にも、自分が便利に使われていたことに気づき、絶望したのだと思う。
「お互い様だから手助けしようと思っても、相手もお互い様だと思ってくれるとは限らない。感謝して欲しかった訳じゃない。」
それでも古典部の一員として過ごしてきた奉太郎の根底には、この頃の「優しさ」も残っている。お姉さんが言うように、奉太郎の長い休日を終わらせようとしてくれるのは、える達古典部のみんななんだろうなぁ。

最後は表題作の「いまさら翼といわれても」。困っちゃうよな!前までは周囲も家を継ぐのだと言って、自分もそれに納得して決意したのに、「自由に生きなさい」なんて言われても…。真っ暗闇を懐中電灯無しに歩けって言われているようなもの。後ろにも行けないし、だからと言って前にも進めない。そんなえるを古典部員は責めないけれど、「千反田の娘」として見てきたその他周囲の人々がどんな反応をするかはわからない。社会の波は思った以上に大きくて冷たいから…。えると奉太郎は、どんな生き方を選んで3年生を迎えるんだろうか…?続きが気になる…。アニメ化もお願いいたします。

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Posted by ブクログ 2023年12月22日

漫研のしょうもないいざこざ以外はとても面白かった。実際の学校でもああゆう派閥争いってあるのかな?

井原と折木の関係って、どこかよそよそしい。
この2人の会話は扱いづらそうと、前作やアニメで何となく思っていた。
まさか、こんな過去があったなんて。
後付けかどうかは分からないけど、とてもスッキリ

...続きを読む後の話も良かった
多分、歌詞が関係するんだろうなあ。でもたかが歌詞が原因で、あの千反田が約束をぶっちするのは、少しやりすぎかもなあ。
なんて思っていた。
だけど、読見終わって今振り返ると無理矢理感はない
「いまさら翼といわれても」
めちゃくちゃ良いタイトルだと思う。

何よりもまず、謎解きの知能レベルが自分とマッチしているのが良い。
大学で言うと、MARCHくらい。

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Posted by ブクログ 2023年11月28日

古典部シリーズ第6弾!
あっという間にここまできてしまいました。
ハウダニット?失踪人探し、米澤穂信さんって
正真正銘のミステリオタクだなを感じざるを得ない。
古典部4人の過去とこれからのお話でした。
めちゃくちゃ瑞々しい。若い、中学、高校のお話。
なのに読み応えはめちゃくちゃビター。
この塩梅が本...続きを読む当心地よくて抜け出せない……!
まず摩耶花ちゃんの苦悩と選択。
サッとそばで見守り支えるふくちゃんの図。
そしてずっと気になっていた奉太郎の過去。
なにがあって、いまの奉太郎なのか。
小学生ながらにこれを突きつけられるのは辛いよ…
まだランドセル背負う年頃なのによ…。
長い長い休日を経て、出会った千反田えるの救い!
そしてえるたその責任と逃れ、、、
表題作はどうしても胸が痛く泣けてしまった
ああああぁあぁぁ続きが読みたい。
どうしても読みたい!!!!!!
第7弾、いつまでもいつまでもお待ちしております!!!

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Posted by ブクログ 2023年11月08日

シリーズ6作目にして一番好みなやつがきた。
というか「読み続けたからこそのクリティカルヒット」という気がしないでもない。
いつもの4人のこれまで見せたことの無い顔が見られる短編集だった。
もうそのエピソードを思い出すだけで、胸が痛いやら騒がしいやらで平静を失ってしまいそうになる。
本一冊にここまで動...続きを読む揺させられるとは。
続編まだですか。

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Posted by ブクログ 2023年07月14日

奉太郎の中学時代の話を筆頭にどの話も面白かった。京アニ側が2期は無いと公言したらしいけど、アニメ2期をやってくれるかも?という淡い期待を抱きながら新刊を待ちます。

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Posted by ブクログ 2023年05月23日

将来への不安、自分の夢、同級生・部活の部員たちとの確執……。
高校生が抱える悩みは、大人たちと変わらない。
ただ、大人たちとの大きな違いは、大人は経験の差から、ある程度の悩みの解決方法を知っていることだ。
学生たちにはそれがない。
でも、だからこそ、突っ走っていくことができる。
それは大人になるにつ...続きを読むれて失われていくものであり、だからこそ、悩みを抱えながらも前に進んでいく学生たちが眩しく見える。
本作の登場人物たちも、悩みを抱えながらも、前に突っ走っていく。主人公である折木奉太郎も、側からはそう見えなくても、自分の悩みと向き合いながら前に進んでいっている。
惜しむらくは、千反田えるの、その後だ。
きっと、彼女も、前に進むことができたのだろう。
叶うならば、その姿を見てみたいものである。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2023年02月22日

短編集の面白さはダントツですね。
個人的には奉太郎の省エネ思考の由来がかなり驚きでした。走れメロスの解釈もそうですが、松尾芭蕉タイムトラベラー説は思わず吹き出してしまいました。
続刊待ってます!

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Posted by ブクログ 2023年01月13日

流石氷菓シリーズ
走れメロスの解釈が独特で面白い
続きがとても気になる終わり方だった。
早く続編が読みたい

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Posted by ブクログ 2022年11月02日

今後古典部が進んでいく道がとても気になる。
奉太郎が奉太郎である根源の一部が見られた気がした。これまでよりもさらに好きになった。
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「ちーちゃんの行きそうなところ、知らない?」夏休み初日、折木奉太郎にかかってきた“古典部”部員・伊原摩耶花からの電話。合唱祭の本番...続きを読むを前に、ソロパートを任されている千反田えるが姿を消したと言う。千反田はいま、どんな思いでどこにいるのか―会場に駆けつけた奉太郎は推理を開始する。千反田の知られざる苦悩が垣間見える表題作ほか、謎解きを通し“古典部”メンバーの新たな一面に出会う全6編。シリーズ第6弾!

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Posted by ブクログ 2022年03月15日

短編集。『鏡には映らない』が個人的に今まででトップクラスに面白かった。古典部の成長が少しずつ垣間見えていく様子が、物語の進行を感じさせてくれる。次のお話がいつになるかは分からないけれど、筆者は完結させると断言しておられるので、楽しみに待っていたい。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2024年02月12日

「鏡には映らない」、「長い休日」、「いまさら翼といわれても」が面白かった、というよりはド好みだった。
シリーズ6巻一気に読んで、奉太郎への好感度が爆上がってる。彼、いい子すぎやしないだろうか。そして何気に家事ができるのポイント高い、、、。
「いまさら翼といわれても」、思った以上に直接だった、タイトル...続きを読むがいい。ここで終わるか、、、!という感じがとてつもなかったけれど笑
続編出たら間違いなく読む。果たして「いまさら翼といわれても」の、あの続きがあるかはわからないけど。
米澤さんは、一作目の「氷菓」を昔読んだきりだったけど、一気に大好きな作家さんになった。
今後、他の作品も制覇したい!

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Posted by ブクログ 2024年02月12日

2024.2.12
やっと読めた。タイトルの意味が分かって、「ふぉーん」となる。一番好きな話は「鏡には映らない」かも。古典部シリーズはアニメの印象が強くて、えるを中心に物語が展開していくイメージだったけど、今回えるはほとんど出てこない。摩耶花の方が出ずっぱりで、その摩耶花が語る章が読みやすくておもし...続きを読むろかった。
前に古典部シリーズを読んでから随分時間が経ってしまったので、ところどころ忘れていたりで…。もう一回読み直すか、せめてアニメで補完したい…。
ってか、ホータローってちゃちゃっと簡単に料理ができるタイプの人間なのか。冷やし中華のスープ?たれ?なんて、私はレシピがないと作れないんだけど。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2024年02月06日

奉太郎の過去の話はやっぱり少し辛い。
表題の話がやっぱり印象的。今まで描かれなかった千反田えるの苦悩が描かれて、苦しむ千反田への寄り添い方がすごく奉太郎らしくて。表題の表現がすとんと落ちてきた。

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Posted by ブクログ 2024年01月12日

「箱の中の欠落」
あんまり、トリックも微妙で犯人・動機に関しては明記されない

「鏡には映らない」
奉太郎の過去話。奉太郎っぽさもあり、意外な一面も見れて良い。摩耶花視点なのも新鮮

「私たちの伝説の一冊」
つまらない、ミステリー要素もなくファン向け?

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Posted by ブクログ 2023年12月28日

ほーたろーの省エネ主義なのに、他人をあたりまえに思いやれるところが好きだな。
省エネ主義になった理由とか、その経験から来る他人への気遣いゆえの千反田への行動とかがすごく綺麗に書かれてた。

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Posted by ブクログ 2023年10月31日

短編集ですごく読みやすかったです。
この本を読む前に原田マハさんの「本日は、お日柄もよく」を読んでいて、選挙関係のお話の始まりだったのでちょっと読むのが憂鬱でしたが(これは自分が悪い)その後の章からはすらすら読む事ができました。

いまさら翼といわれても。確かにこの話は学生の人に多く当てはまる現象だ...続きを読むなと思いました。自分の人生を振り返ってみると野球を小、中、高と続けていてその後に就職だ、進学だなど、何かやりたい事はないのか?などと聞かれるケースが多々あった。その時は今まで野球しかしてこなかったから、他の選択肢が何も見えなかった。千反田さんとは違う状況かもしれないが、これからも野球を続けていくんだという盲目的な心理に陥っていて、引退した後は「はい、今から君の好きな事、やりたい事、を選んで人生を決めなさい。」といわれても。何をしていいのかさえ分からなかった。
自分の人生のレールを引き過ぎて、特急列車にしかならないよりも、各駅停車でゆっくりと。いろんな路線に可能性を見出して走っていこう。
ってあの頃の自分に言いたい…

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Posted by ブクログ 2023年09月10日

高校生らしくない高校生たちの青春ミステリシリーズ第?段。
ヒロインの状況急展開に切なさが込み上げる。短時間の出来事を深く深く掘り下げるこのシリーズの手法は、当初はイライラしたけど段々ハマりつつある。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2023年07月10日

古典部シリーズを読み終えて、感慨深いものを感じる。元々アニメから出会った作品だが、読み進めるほどに作品の中のキャラクターの気持ちやその変化への理解が深まり、没入できたし思いを馳せることもあった。

さて、本作だが、遠回りする雛と同じように短編集となっていた。
シリーズ全体で奉太郎の気持ちは少しずつ変...続きを読む化していることは感じられたが、特に最後の話「いまさら翼といわれても」では奉太郎がえるのために進んで行動することがはっきりと文章として残っていた。

「きつい思いをした後に誰かが迎えに来てくれるのは嬉しいものだ。だったら行ってやるのは、あながち、やらなくてもいいこととは言えないだろう。」


また、奉太郎が省エネ主義になったきっかけについても書かれていて興味深かった。小学生の時は他人のために動くような人間だったが、不器用だった奉太郎には難しかった。他人にバカだと思われつけ込まれるのは嫌だと感じた。
シリーズを通して奉太郎からはめんどくさい対象に思われていた姉貴だが、その姉貴が奉太郎を楽にさせたのだと感じた。

「あんたはこれから、長い休日に入るのね。そうするといい。休みなさい。大丈夫、あんたが、休んでいるうちに心の底から変わってしまわなければ…」
「きっと誰かが、あんたの休日を終わらせるはずだから。」


また、奉太郎の中学時代を描いた「鏡には映らない」でも、奉太郎はさりげなく人を助けている。
そして、里志もこっそりと協力をする。
マヤカ視点で描いたこのストーリーは、彼女自身の芯の強さや優しさも感じるし、男二人からもそれを感じられた。


遠まわりする雛では、高校1年生を通した変化を描いていたが、
今作はもっと大きな過去からの人格形成を描いていて、物語にどっぷりと入り込めたと思う。

ファンブックに近い「米沢穂脳と古典部」もとても楽しみ

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Posted by ブクログ 2023年06月12日

古典部シリーズ六作目。
一部摩耶花の語り口で進む作品もあり、改めて古典部メンバーの新しい側面を見る事が出来る作品集だ。
 箱の中の欠落
新しい生徒会長を決める選挙において、総生徒数を上回る得票があり、選挙が無効になる事件。
1年生がミスの影響から選管委員長から犯人扱いされ、それが気に食わない里志がホ...続きを読むータローに謎解きを依頼する。二人の関係は不思議なものだが、それぞれに信頼関係が見える。謎については目から鱗であり、読みながらトリックを考えていたがそこにいきつかなかった。
 鏡には映らない
 六作目まで読んでもまだまだ知らない事ばかりだ。今回は摩耶花が主人公になっているが、彼女がなぜホータローに冷たいのかという部分が明かされる。古典部シリーズではパーソナルな部分まで踏み込んだ逸話は少なかったと思うが、今作ではホータローの魅力が存分に明かされる。とても素敵な話だ。
 連峰は晴れているか
 ホータローが中学時代の先生について気になる事が不思議だった。古典部メンバーと同じ判断だ。雷に3度打たれ、ヘリコプターが好きだと言った英語教師の小さな謎だ。
 わたしたちの伝説の一冊
 今回も摩耶花が主人公。漫研をめぐるトラブル、摩耶花が部活を辞めた理由。ある意味大きな決断ではあったが、これが最善だとも思えてしまう。摩耶花には少なからず才能があり、だけど才能が芽生える期間はとても短い(現実世界にも言える事だ)
 長い休日
 調子がいい日のホータローの休日。
 彼のモットーの所以を知る事ができる。
 小学生の頃はそんなこともあろうな。と俯瞰で見てしまった。少なからず似た様な経験がある様な気がする。
 いまさら翼と言われても
 リドルストーリーになっており、読者に結末が委ねられている。次作があれば、おそらく明かされていくのだろう。えるの戸惑いや悲哀が感じられてしまう、寂しくもあり、家族にとっては彼女を大切に思うあまりの、そんな結末だ。

 総じてメンバーの側面を補完する、そんな作品集だった。次作では各メンバーの更なる変化が見られそうだ。

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Posted by ブクログ 2023年05月24日

古典部シリーズ6作目
「遠回りする雛」以来の短編集
シリーズの中でも特にビターでほろ苦い話が多め。
古典部4人の心の変化や成長を感じると共にこの後どうなっていくのかわたし、気になります!
ホータローのモットーの原点となった「長い休日」がマイベスト

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Posted by ブクログ 2023年05月04日

シリーズを通して登場人物に愛着を持った今だからこそ、これまでで一番好きな短編集だった気がする。摩耶花の漫研での決着や、えるの将来への苦悩を見ることができて嬉しい。彼らの更なる未来が読みたい。米澤先生、どうかお願いします。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2023年06月08日

お互い恋愛感情というわけではないのだろうが、奉太郎と千反田の信頼のおける関係が築けてきており、そのままゴールインしてくれないかなと妄想してしまう。特に最後の話の終わり方といい、この2人の関係なんかいいな…と思った。
"長い休日"も、いつかその休日を破る人物が現れるまでね、というよ...続きを読むうな姉の言葉から、現状、古典部、千反田により破られつつあり、前述同様。
"鏡には映らない"では、奉太郎はそんなこじらせキャラなのか!?と思いきや、人情があって可愛い。
漫研を辞めて"夕べには骸に"に続く伝説の1冊を書くことになった伊原のその後がまた気になる。

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Posted by ブクログ 2023年04月27日

折木の過去、千反田の現在についての話のあまりスッキリしない感じの読後感が癖になります。
子供の頃、若い頃の心の揺らぎのようなものを思い出させてくれました。
あと、携帯電話を当たり前に持つまでいなかった不便さも懐かしかったです。

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Posted by ブクログ 2023年01月21日

6つの短編というか、エピソードを通じて、古典部の4人の大人の階段を登る姿が美しい。

生徒会長選挙の不正に対する里志、中学卒業制作物に纏わる奉太郎の言動、中学の英語教師とヘリコプターを巡る推理、漫画研究会の分裂と摩耶花の想い、えるの家の手伝いを手伝う奉太郎の心理、合唱祭のえる、それぞれに奉太郎が絡み...続きを読むながら、奉太郎のやらなくて良いことはやらない、やらなければいけないことは手短かにというモットーの謎に迫る。奉太郎の休日は誰かが終わらせてくれるという姉の言葉の意味もわかる。

もっと教養があれば、と奉太郎は言うが、高校2年にしては、それぞれが教養を身につけている。自分の高校時代と比較してもだ。奉太郎の感想文は稚拙さがありながらも自分自身の考えが表現されている。摩耶花の漫画も荒削りながら表現力がありそうである。里志の政治力も眼を見張る。えるは日本の文化に相当詳しい。私も高校時代にバンドをやったり、絵を描いたり、小説を書いたりしたが、どれも中途半端だった。

古典部の4人は、それぞれが強いと感じる。強い人というのは、人に優しい。表面的な優しさではない。そして他人を許せる度量がある人が強い人だと思うのである。そして信念を持っている。
そういう人でいたい。

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Posted by ブクログ 2022年11月16日

今回は2年生になった古典部の短編集。
6つのエピソードから成り、ホータローが省エネ主義になった理由やマヤカが漫研を辞めた時のエピソード等が明かされた。
個人的にはマヤカを主観に描いた「鏡には映らない」というエピソードが好きだった。

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購入済み

これで終わりと言われても

2022年07月01日

最後、下駄を読者に預ける終わり方は感心しないかな。
これまでの青春時代の清々しさや青々しさが影を潜めて、もやもや感が残る。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2024年02月23日

多分10年ぶりぐらいに古典部シリーズ読みましたが、すぐに「そうそうこんな感じだったな」と懐かしい気がしました。
古典部シリーズ全体にも通ずるものですが、今作はミステリよりも青春小説要素強めですね。

・箱の中の欠落
箱の数が多いこと自体を見抜くのは難しい気はするけど、おおよその筋道ぐらいはなんとなく...続きを読む見当はつく気がします。
一見穴がない的な評価がされていましたが、この学校の選挙管理制度はむしろ杜撰すぎるのではと言う気がします笑

・鏡には映らない
これは真相を当てるのはかなり難しいと思いますが、この本に収録された話の中では一番面白かったです!
そういや折木が井原に嫌われてる設定あったなと思い出しました笑
すっきりするオチでよかったです!

・連峰は晴れているか
小説だとかなりあっさりした分量ですが、アニメ化された中でもかなり好きな話です
ミステリーとしての難易度はかなり低いんですが、折木の人柄が滲み出ていることもあって、なんとなく印象に残る話なんですよね。

・わたしたちの伝説の一冊
ミステリ要素は薄かったですが、青春ものとして面白かったです。
まやかの退部にこんなドラマがあったとは…
しかし漫研の人たち高校生にしても人間が出来て無さすぎではなかろうか笑
野球部の場合は団体競技なのでわかりますが、漫研なら別に誰が漫画描こうか誰が読むだけだろうがどうでもよくないですか?笑

・長い休日
これまたミステリ要素は薄めの作品ですね
ほうたろうがなぜほうたろうになったのか、的なエピソード0感のある話ですが、お姉さんの言い回しオシャレすぎです笑
ほうたろうの気持ちはまぁわからんでもないですが、あまりに極端な方向転換は不器用というか子供っぽいですね。

・いまさら翼と言われても
タイトルと冒頭部分で予想がついたとおりの内容でした。
千反田の気持ちがわかるかと言われると少し複雑です。
あぁ言われてどうしていいのかわからなくなるというと、本気で継ぐ気が合ったならそう言えばいいだけなので、これまで千反田家を継ぐと言っていたのも単なる思考放棄の賜物だったように思えますが、千反田の置かれていた境遇を考えるとそれも止むを得ないことなのかなぁとも思います。
私の如き下賤のものには高貴なる家の事情はわかりませんね。

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Posted by ブクログ 2023年09月14日

〈古典部〉シリーズの6作目兼最新作読破しました!
今作は時系列はバラバラだけど、今までの話の補足や登場人物たちの人となりを読み解く上で大切なお話ばかりの短編集でした。

今回は伊原さんしてんの作品が2点ありました。そのうちの一つでは、前作でいつの間にか退部していた漫研を退部するまでが描かれており、謎...続きを読むが解けてスッキリしました。もう1つでは、シリーズでは初めて伊原さんが「探偵役」をしていて、いつもとは違うストーリーの進め方や視点が非常に面白かったです。

普段かなりドライに見える折木の小学校時代や中学時代の話では、読んだ後折木への印象が変わりました。

最終章『いまさら翼といわれても』では、あらすじ的にはまたいつもみたいな謎解きかなとも思ってたんですけど、謎解きのあとの千反田さんと折木の絡みが、千反田さんの人生における分岐点的な話且つその後がすごく気になる形で終わっていました。謎解きに埋もれがちではありますが、彼らもまだ高校生。この先の人生について考える機会の多い年頃で、自分の進路について悩んでいた過去を思い出しながら読みました。
最新作が益々気になる形で終わっており、発売が待ちきれません。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2023年06月05日

前々作に続く短編集。少しずつ関係が進んだり、深まったり。まさか摩耶花が先輩と組むとは。腹を割って話して、利害関係を考えて。好き嫌いの2択だけではいられないんだな。
「鏡には映らない」が好き。熱海に罪はないからね。
「長い休日」もいい。ホータローの省エネの秘話。そして、休憩を終わらせてくれる存在。何だ...続きを読むかんだ言いつつ、自分の変化に気づいているはず。
「いまさら翼といわれても」、続きが気になって仕方ない。いつかホータローが口をつぐんだ、えるには不適の役割を担って、二人で考えてもいいんじゃないかな。

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