米澤穂信のレビュー一覧

  • 秋期限定栗きんとん事件 上

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    ネタバレ

    春、夏とは違って今回の主人公は小鳩くんたちの後輩にあたる瓜野くん。
    主人公が代わるにあたって、既存のキャラへのイメージも変わってくる。小鳩くんにとっては、互恵関係にあり、甘いものと復讐が大好きで、狼な部分を隠している小山内さん、は瓜野くんから見れば謎多き年上彼女だし、大雑把で義理堅い堂島は、威厳ある新聞部長。主観によってイメージが大きく変わるキャラたちは見ていて面白かった。

    今回は小山内さんがさらに謎めいた人物になっている。小鳩くんはよく小山内さんを観察していたため、小山内さんの感情が読み取れる描写も少しはあり、人間として扱う(?)ことが出来ていた。しかし、今回は完全に瓜野くんが小山内さんの

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    2025年04月04日
  • いまさら翼といわれても

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    古典部シリーズ6作目、小市民は昨年春夏秋冬20年を経て完結したが、古典部はまだまだ終わり見えず、すでに24年が経過しており主人公達は高校2年生である。そいいつつも完結まで追い続けていくことになるんだろう…

    今作は伊原摩耶花回!と個人的に断ずる。6編あるうち2編が摩耶花主要人物であり、語り手、そして2編ともが作中でも白眉の出来栄えであった。


    鏡には映らない
    摩耶花がシリーズ最初から折木に対して辛辣であった理由が明かされる、中学時代の卒業製作にかかわる悪行を、己一人が泥をかぶることによって防いだ奉太郎と、それに協力した里志。この過去の秘密が、奉太郎をヒーローと崇める人物によって明かされる。摩

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    2025年04月03日
  • 夏期限定トロピカルパフェ事件

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    小市民シリーズ二作目。
    前作とは違ったダークな雰囲気もありつつ、間で素朴な謎解きも入ってくる読みやすい構成で好きな作品です。

    一作目を読んでいる分、登場人物の個性もより分かりやすくなってきて最後まで楽しく読めました。

    こんなに平和な作品なのに最後の展開もしっかり驚かされます。
    あくまで青春ミステリーの範囲内で、ぶっ飛びすぎないオチをしっかり持ってこれるのは、やっぱり米澤穂信さんのセンスだなあ、と感動しました。

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    2025年04月01日
  • Iの悲劇

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    甦り課という名前から、人が甦る系の話かと思って読み始めたら、全然違いました!ひとつずつの話がコンパクトにまとまっていて読みやすい本です。サスペンス要素も、ちゃんとありつつ、現実感もありつつ。

    サスペンス系には珍しい市役所が主役ということもあって、なんとなく印象に残る本になったように感じます。

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    2025年03月31日
  • 時の罠

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    人気作家4人による「時間」をテーマにしたアンソロジー。
    それぞれの作家性を読み比べることができて、とても楽しかった。それと同時に、自分の好みの作風を再確認でき、よい読書体験だったと思う。

    辻村さんはいつもの作風と少し異なる人情もの。米澤さんはなかなか壮大な裁判もの(?)地名は架空だけど、地元の話で興味深かった。湊さんは初めて読んだけど、なかなか好みだった。

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    2025年03月30日
  • さよなら妖精

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    いやぁ、なかなかスゴい話だった。
    結構淡々と進むんだけどさ。
    なかなか自分の周囲しか、想像できなかったり、実感湧かなかったり、心配できなかったりするよね。

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    2025年03月29日
  • 真実の10メートル手前

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    米澤穂信さん著「真実の10メートル手前」
    前回読んだ名作中の名作「王とサーカス」に続き大刀洗シリーズの第二弾。
    今回の作品は6篇からなる短編集となっている。

    ジャーナリストである大刀洗万智が全ての篇に絡む短編集。全ての篇において別々の主人公が存在しており、そこに大刀洗が絡んでくるという設定。どれも物語は面白かった。

    ただ前作「王とサーカス」が自分の中で名作すぎた為、今回の作品にはそれと同様それ以上のものを期待してしまった。
    そういう意味では前作のような唸らされる感覚はなかった。

    タイトルからも想起させられるように今作品も「真実」というテーマがあるにはあるが、その「真実」の正体や言葉の意味

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    2025年03月26日
  • いまさら翼といわれても

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    高校生の日常のきらめきが眩しい。「わたしたちの伝説の一冊」が心にストレートに響く。
    長編の合間を縫う珠玉の物語の数々。
    古典部のメンバーの行く末を、未来をもっと見たい。
    携帯持たなくてもいい過渡期の最後の時代。趣ありよし。

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    2025年03月25日
  • さよなら妖精

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     ユーゴスラヴィアから日本にやって来た少女マーヤと主人公達が過ごす日々や遭遇する日常の謎の数々、マーヤが帰国してから始まる最大にして最後の謎解きというミステリー作品というよりはミステリー要素がある青春小説というべき作品で、マーヤの魅力的な人物描写と少年少女達の言葉に出来ない思いも印象的だった。

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    2025年03月24日
  • 氷菓 1巻

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    日常での謎解き結構好き。でも次の巻ではデカいこと起きそうやね。 シンプルにキャラが強い。奉太郎の極まってない絶妙な学生らしさ良いね。

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    2025年03月24日
  • 秋期限定栗きんとん事件 上

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    ネタバレ

    前回から変わったことは、相変わらず小市民という皮を被りたい2人に、それぞれ隣を歩く相手ができたことだ。
    1人は、ちょっと鈍いけど、楽しい高校生活を与えてくれた仲丸さん。
    もう1人は、功名心に駆られ思慮に欠けるところはあるけれど、突き進んでいく瓜野。

    瓜野の一人称で話が進む部分は、何故かもどかしく、ちょっと苛立ちを感じた。
    決定的に推理力や洞察力が欠けているのは仕方がないことなのだが、何かが足りないと感じながら読んでいた。
    特に部長交代以降の増長振りには、落とし穴が待ち受けているようで、2人の影響なのかな、妙な期待感があったりしている。

    仲丸さんは、ふわふわしていて、いかにも女の子って感じだ

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    2025年03月21日
  • Iの悲劇

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    最後どういう結末に落ち着くんだろうって思いながら読んでた。
    市職員で働いたことがなくてもするする読める文章で、転出していく理由も様々で面白かった。

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    2025年03月19日
  • 巴里マカロンの謎

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    小市民シリーズ。

    今回は、小鳩くんと小佐内さんの高校1年生の秋〜冬にかけて、1作目と2作目の間にあたる期間を描く番外編短編集です。

    1〜3作目までは、作中で免許証の不正取得や誘拐、連続放火などの事件が扱われていて、読んでいて米澤さん作品特有の仄暗さ、ほろ苦さを大いに感じる内容だったのですが、今回は割とほのぼの。
    小鳩くんと小佐内さんコンビが日常の謎に挑む4編で、とても読みやすかったです。
    小佐内さんの復讐スイッチが入ることもなく笑

    次はいよいよ最終巻のボンボンショコラ事件。
    シリーズを読み終わってしまうのは少し寂しい気もしますが、最後まで楽しみたいと思います!

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    2025年03月17日
  • 追想五断章

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    大学を休学し、伯父の古書店を手伝っている主人公は、死んだ父親が残した5つのリドルストーリーを探している女性の依頼を受ける。

    人間関係から各掌篇を探すうち、書くに至った経緯と込められた意味がわかっていく。


    この本で初めてリドルストーリーという形を知りました。

    初めの方は、鬱屈とした様子の主人公と、作中に出てくる掌篇のなんとも苦い内容にちょっと気圧されましたが
    リドルストーリーに秘められた背景が明らかになるにつれ、真相を推理する面白さがありました。

    辿り着いた真相が、途中考えていたものと合っていて、その一点はスッキリ達成感。

    しかし同時に少し理に合わない部分もあって、
    結果謎の残る作品

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    2025年03月17日
  • Iの悲劇

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    ネタバレ

    面白かった。連作短編で読みやすい。
    一つ一つの話も面白いし、結びもなんとなく想像はしていたけど想像を超えてくるものだったし、伏線(布石)が綺麗に回収され面白かった。
    ハッピーエンドじゃない、このなんとも言えない読後感が良かった。

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    2025年03月09日
  • 秋期限定栗きんとん事件 上

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    小市民シリーズ3作目。

    前作のラストで"互恵関係"を解消した小鳩くんと小佐内さん。
    今回は2人の絡みがほとんどなく、新しいキャラクターも登場して、前作までとはまた違った新たな展開に。

    お話の大部分が、新聞部1年生の瓜野くんの視点で進み、彼が追いかける連続放火事件が今回のストーリーの軸となります。
    そして、この連続放火事件を巡って、小鳩くんと小佐内さんは再び関わりあうことになりそう…なところで上巻は終了。

    小佐内さんがどんな思惑で瓜野くんと付き合ったり、新聞部に働きかけたりしているのか、放火事件は夏休みの誘拐事件と関係しているのか、気になります…。
    下巻も楽しみに読みた

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    2025年03月05日
  • 秋期限定栗きんとん事件 上

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    前作で別れた2人。接点がないまま時が流れ、各々にパートナーができるも、それぞれつかず離れずの展開。布石をうちつつ、後編に続き内容がとても気になる。

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    2025年03月03日
  • さよなら妖精

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    ネタバレ

    高校生の日常の謎もの。と、ひとくくりにできない面白さがあった。
    マーヤがとにかく魅力的。流暢でいて少し変な日本語をあやつりつつ、しっかりとした考えを持っている。個性的な面々と行動し、その先々でちょっとおかしな出来事が起こる。太刀洗はすぐに真相を理解するが、解明するのは守屋の役回りだ。
    最大の謎の解明は哀しい結末にたどり着くことになる。ユーゴスラビアが背景に設定されていることで、何となく推測できたが、ほのぼのとした日常に比べると哀しさが増してくる。

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    2025年02月27日
  • 真実の10メートル手前

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    『さよなら妖精』『王とサーカス』に続く太刀洗万智シリーズ短編集。(『さよなら妖精』がシリーズ1作目と知らずに飛ばして読んでた)

    やっぱ米澤穂信は短編集が上手い。短い尺の中で論理的な推理と驚く真相がちゃんと用意されている。

    探偵とジャーナリストっていう食い合わせが良さそうで意外と難しいこの設定。ジャーナリストという職業は色んな場所・事件に絡むことができる必然性をもたらすけど、ただの探偵役と違って真実を暴いた先には「記事にする・しない」という選択がまとわりつく。探偵役として真実を暴くだけなら善でいられるけど、事件を記事にすることは悪になり得てしまう。真実を暴いて終わりの話にいくらでもできるとこ

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    2025年02月23日
  • 氷菓(16)

    購入済み

    アニメの続きを見ているよう

    毎回、この作者の作画の良さには感動させられる。
    アニメ化以後のエピソードが作画されて嬉しい。

    ただ原作では青春のほろ苦さが強くなっていくので、オリジナルも絡めてうまくまとめてもらえないものか…。

    #切ない #ほのぼの #じれったい

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    2025年02月23日