米澤穂信のレビュー一覧

  • 王とサーカス

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    娯楽に変えてるのは読者か...考えさせられる(この言葉こそただ目の前の文を消費してるだけの空っぽなヤツかもしれないが)
    殺人事件に関して一直線という、想像するようなミステリではないが、ジャーナリズムとミステリがかけ合わさりながらカトマンズの情景や人物の心情が描かれた、素敵に不思議な物語だった

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    2025年03月21日
  • Iの悲劇

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    最後どういう結末に落ち着くんだろうって思いながら読んでた。
    市職員で働いたことがなくてもするする読める文章で、転出していく理由も様々で面白かった。

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    2025年03月19日
  • 巴里マカロンの謎

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    小市民シリーズ。

    今回は、小鳩くんと小佐内さんの高校1年生の秋〜冬にかけて、1作目と2作目の間にあたる期間を描く番外編短編集です。

    1〜3作目までは、作中で免許証の不正取得や誘拐、連続放火などの事件が扱われていて、読んでいて米澤さん作品特有の仄暗さ、ほろ苦さを大いに感じる内容だったのですが、今回は割とほのぼの。
    小鳩くんと小佐内さんコンビが日常の謎に挑む4編で、とても読みやすかったです。
    小佐内さんの復讐スイッチが入ることもなく笑

    次はいよいよ最終巻のボンボンショコラ事件。
    シリーズを読み終わってしまうのは少し寂しい気もしますが、最後まで楽しみたいと思います!

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    2025年03月17日
  • 追想五断章

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    大学を休学し、伯父の古書店を手伝っている主人公は、死んだ父親が残した5つのリドルストーリーを探している女性の依頼を受ける。

    人間関係から各掌篇を探すうち、書くに至った経緯と込められた意味がわかっていく。


    この本で初めてリドルストーリーという形を知りました。

    初めの方は、鬱屈とした様子の主人公と、作中に出てくる掌篇のなんとも苦い内容にちょっと気圧されましたが
    リドルストーリーに秘められた背景が明らかになるにつれ、真相を推理する面白さがありました。

    辿り着いた真相が、途中考えていたものと合っていて、その一点はスッキリ達成感。

    しかし同時に少し理に合わない部分もあって、
    結果謎の残る作品

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    2025年03月17日
  • Iの悲劇

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    ネタバレ

    面白かった。連作短編で読みやすい。
    一つ一つの話も面白いし、結びもなんとなく想像はしていたけど想像を超えてくるものだったし、伏線(布石)が綺麗に回収され面白かった。
    ハッピーエンドじゃない、このなんとも言えない読後感が良かった。

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    2025年03月09日
  • 秋期限定栗きんとん事件 上

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    小市民シリーズ3作目。

    前作のラストで"互恵関係"を解消した小鳩くんと小佐内さん。
    今回は2人の絡みがほとんどなく、新しいキャラクターも登場して、前作までとはまた違った新たな展開に。

    お話の大部分が、新聞部1年生の瓜野くんの視点で進み、彼が追いかける連続放火事件が今回のストーリーの軸となります。
    そして、この連続放火事件を巡って、小鳩くんと小佐内さんは再び関わりあうことになりそう…なところで上巻は終了。

    小佐内さんがどんな思惑で瓜野くんと付き合ったり、新聞部に働きかけたりしているのか、放火事件は夏休みの誘拐事件と関係しているのか、気になります…。
    下巻も楽しみに読みた

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    2025年03月05日
  • 秋期限定栗きんとん事件 上

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    前作で別れた2人。接点がないまま時が流れ、各々にパートナーができるも、それぞれつかず離れずの展開。布石をうちつつ、後編に続き内容がとても気になる。

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    2025年03月03日
  • さよなら妖精

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    ネタバレ

    高校生の日常の謎もの。と、ひとくくりにできない面白さがあった。
    マーヤがとにかく魅力的。流暢でいて少し変な日本語をあやつりつつ、しっかりとした考えを持っている。個性的な面々と行動し、その先々でちょっとおかしな出来事が起こる。太刀洗はすぐに真相を理解するが、解明するのは守屋の役回りだ。
    最大の謎の解明は哀しい結末にたどり着くことになる。ユーゴスラビアが背景に設定されていることで、何となく推測できたが、ほのぼのとした日常に比べると哀しさが増してくる。

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    2025年02月27日
  • 王とサーカス

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    実際に起きたネパール王族殺人事件を軸として、フリージャーナリストである太刀洗万智が「記者」として「伝える」ということについて考え、悩み、決断していく。太刀洗の心の葛藤と事件の究明が描かれている。

    伏線が緻密に張られており、物語の終盤で真実を知った時、衝撃を受ける、重厚感のある作品でした。

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    2025年02月24日
  • 真実の10メートル手前

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    『さよなら妖精』『王とサーカス』に続く太刀洗万智シリーズ短編集。(『さよなら妖精』がシリーズ1作目と知らずに飛ばして読んでた)

    やっぱ米澤穂信は短編集が上手い。短い尺の中で論理的な推理と驚く真相がちゃんと用意されている。

    探偵とジャーナリストっていう食い合わせが良さそうで意外と難しいこの設定。ジャーナリストという職業は色んな場所・事件に絡むことができる必然性をもたらすけど、ただの探偵役と違って真実を暴いた先には「記事にする・しない」という選択がまとわりつく。探偵役として真実を暴くだけなら善でいられるけど、事件を記事にすることは悪になり得てしまう。真実を暴いて終わりの話にいくらでもできるとこ

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    2025年02月23日
  • 氷菓(16)

    購入済み

    アニメの続きを見ているよう

    毎回、この作者の作画の良さには感動させられる。
    アニメ化以後のエピソードが作画されて嬉しい。

    ただ原作では青春のほろ苦さが強くなっていくので、オリジナルも絡めてうまくまとめてもらえないものか…。

    #ほのぼの #切ない #じれったい

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    2025年02月23日
  • 冬期限定ボンボンショコラ事件

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    3年前の回想と現在の小鳩くんの思考パートが程よい長さで交互に来て、飽きることなく最後まで一気に読み進めてしまった。2人の、名前を付け難い微妙で曖昧で繊細な関係が美しい

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    2025年02月23日
  • 犬はどこだ

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    ネタバレ

    女性を探す依頼と、古文書を確認する依頼を並行して調査する構成。
    初めは淡々と仕事をしている描写が続くものの、進むにつれてその2つの事件が重なっていき段々と不穏な空気が出てくる。
    最後の方で、主人公が急いで谷中城を探すくだりにはやられた。間壁が女性を殺害してしまうから焦っているのかと思いきや。
    文庫版の帯にて「振り返らず。来た道から逸れないように。」の一文が引用されているが、いい一文だと思う。

    それと主人公の紺屋さんのキャラがよい。
    殺人を防ぐため危険を犯して山に入るところや、殺人を見逃すなどの完全な正義でないところが人間らしさが出ているなと感じた。

    GENさんは何者なのだろうか?それと主人

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    2025年02月22日
  • いまさら翼といわれても

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    テンポ良く進む短編集だが、中身は古典部のメンバーの過去や現在を容赦なく深堀りする内容だった。奉太郎の過去を描いた「長い休日」が特におもしろかった。

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    2025年02月22日
  • Iの悲劇

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    無人と化した田舎の集落を復活させるため市の職員が奮闘する物語。
    田舎暮らしに憧れて集まった人たちをサポートするが不思議な事件が続くという物語構成が今まで読んだことのない設定で斬新でした。

    連作短編で、ひとつひとつの事件が面白くて引き込まれます。
    どういう結末が待っているのかワクワクして読み進めましたが予想をはるかに超える展開に衝撃を受けました。
    そういうことか、と納得させられる作品です。

    最後の展開はスピード感があるので、気持ちが追い付かない雰囲気にはなりますが違和感なく読めたので満足しています。

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    2025年02月23日
  • 真実の10メートル手前

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    時系列でいくと、
    『さよなら妖精』→本書の表題作1篇→『王とサーカス』→本書残りの5篇らしい。
    本書のみでも十分理解し楽しめる。

    表題作は本編を読んでみて改めてタイトルを認識すると、確かに10メートル前だな、と面白い。
    “名を刻む死“の落ちも良かった。

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    2025年02月19日
  • 王とサーカス

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    Audibleにて。
    女性フリーライターの目線で物語は進んでいく。
    ネパールの首都カトマンズ旅行レポのような感じではじまり、自分も異国の地に行ったような空気感を感じながら、現地の魅力的な登場人物によって物語に惹き込まれていく。

    米澤さんを読むと毎回同じことを書いてるけど、事件が起きる前から自然にぐいぐい読ませる力がすごいと思う。

    穏やかな旅行のような日常から一変して事件が起きる。
    この事件は2001年にネパールの王宮で実際に起きた事件がモチーフとなっていて、緊迫感がありリアルに感じる。
    重大ニュースの取材を開始した彼女に待ち受けていたものは…

    これも米澤さんの作品で毎回書いてるけど、今回

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    2025年02月17日
  • 冬期限定ボンボンショコラ事件

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    ネタバレ

    春から始まって、とうとう冬。
    終わってしまうと思うと惜しくて大事に読んだ。

    一つ一つの経験が、感情が、その人を形成していくんだ。
    どんなときも思考し続ける小鳩君、小佐内さんの前で泣いた小鳩君、褒めてもらいたかった小鳩君、小鳩君が大好きになった。
    爪を研ぐ余り牙まで鋭くなった小佐内さんも好きになった。
    小佐内さん視点のお話が読めたら、もっと好きになれるかもしれない。

    今まで知りたかったことや読みたかったことが書かれていて、締めくくりとしては大満足だったのだけど、最後に小鳩君と小佐内さんの会話を読んでいて、ものすごく大学生(あるいは浪人生)編が読みたくなった。
    それだけ二人の未来が明るく感じら

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    2025年07月19日
  • 追想五断章

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    ネタバレ

    あえて結末は読者に委ねるリドルストーリー。
    本書では亡くなった父が昔寄稿したらしい5編の話を探す話であるが、その5編ともリドルストーリーでありながら、それぞれの結末の1行、答えともいえるのか、も読むことが出来る。
    その最後の1行を読む手前で読者は凡そ2択の選択肢のどちらなのだろうかと考える形なのだが、答えを知ることでスッキリ感もありながら、これは答えを知らない方が味があって良かったな、などと感じた。
    リドルストーリーの面白さを楽しみながら考えることができた。
    真相は思ったより定番のものだった。

    主人公自身もバブル崩壊により父の事業が失墜し、そのまま飲酒による事故で亡くなり、生命保険で借金は消

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    2025年02月16日
  • これが最後の仕事になる

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    ネタバレ

    一生本を読んで暮らせるなら、
    人生と引き換えでもよいか?

    そこで得た報酬を娘たちに残し
    サラッと宇宙へ旅立てる?

    ふとそんなことを考えた。

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    2025年02月14日