米澤穂信のレビュー一覧

  • 追想五断章

    Posted by 読むコレ

    再読。作者の筆力に驚嘆です。
    主人公は依頼を受けある方の遺した五つの短編を探すのですが、見つけ出した作中にはある過去の事件の謎を読み解く鍵が隠されていた…という感じの物語なのですが、まずこの短編が素晴らしい。
    年代も思想も、ましてや執筆の動機も違う別の人物になり切って物語を書き、それでいて妙に惹かれる面白さがあるのですから。参りました。
    問題提起も何もない所から静かに始まり、いつの間にやら深い事件に巻き込んでくれる所なども流石。ちと弱いが意外な結末も控えており素晴らしい一冊でした。
    これ作者の代表作でいいのでは?

    0
    2014年03月21日
  • インシテミル

    Posted by 読むコレ

    再読。極限環境下での人間同士が疑心暗鬼になり事件が連鎖する…という何処かで読んだ様な設定に、意外性に富んだとは言い難いラスト。
    しかしそれでも本作が僕を再読せしめるのは、単なるパニックものに留まらない緻密で隙の無いミステリとしての構成に何とも感心させられたからです。
    この設定であれば、ともすれば最後はワーッと騒いで全てを煙に巻いて終わることさえ出来たであろう所を、最後まで理論と理性をぶつけてきたあたりに作者の矜持を感じました。
    登場人物が覚えにくかったのが難かな。
    まぁ、その辺は「明鏡島」で改善されるのかと(笑)

    0
    2014年03月20日
  • ふたりの距離の概算

    Posted by 読むコレ

    再読。シリーズの真骨頂。背筋の震える読書体験でした。
    問題提起から始まり、ミステリとしては「さぁ問題を解いてください」と言わんばかりの親切な立ち上がりだった筈です。
    それが幾ら読み進めても、目を皿のようにして描写を拾い集めても、何が糸口なのか、そもそも求める答えに関係のあるエピソードなのかすら解らない。
    そんな状況で解答編まで辿り着いてしまった時の悔しさとも感嘆ともつかない気持ちと言ったら!
    殺人の動機の様な解りやすい感情や事情ではありませんが、高校生の日常がテーマなので充分。
    卒業まで続けて欲しいシリーズです。

    1
    2014年03月16日
  • クドリャフカの順番

    Posted by 読むコレ

    再読。時間を忘れて読み耽るくらい夢中になれました。
    学園祭に臨む4人の視点が非常に個性的で、意外性の一面も含めて大変興味を惹かれる進行でしたが、そのうえ良いタイミングで十文字事件が差し込まれ、先が気になって仕方のない展開でした。
    ただ折角の売りである日常的題材から、今回少しだけ非日常にシフトしたのは魅力減でしょうか。
    解答もちと苦しかったですし。
    ところで、作中ではクリスティのABC殺人事件の内容が触れられており、自分的には小反省。名作を積読にしたままのツケがこんな所にも(またか)。
    次は何だ? ヴァン・ダインか?

    0
    2014年03月15日
  • 愚者のエンドロール

    Posted by 読むコレ

    再読。ありふれた題材からというスタンスはそのままに、ミステリ色大幅アップで嬉しい限りです。
    氏の作品のいい所は、最後の大どんでん返しに頼らない代わりに、作中のほんの僅かな情報から(というより消臭された情報と言った方が正しいか)困難と思われた結末まで積み重ねてくれる部分だと思うのです。
    最後まで待たずとも面白い理由かと。
    ところで、あとがきに「本作はバークリー『毒入りチョコレート事件』への愛情と敬意をもって書かれました」とあり、自分的には小反省。
    名作を積読にしたままのツケがこんな所にも…次は古典部を小休止します。

    2
    2014年03月12日
  • 秋期限定栗きんとん事件 下

    Posted by 読むコレ

    結局夏と秋の三冊が一晩しか持ちませんでした…こんなに夢中になって本を読んだのも久しぶりかも。
    何かの機会で、好きな作家ベスト3の中に米澤さんの名前を入れた矢先に、春を読んで低調なレビューをつけてしまい、俺の眼鏡も曇ったかとか思ったけど、大きな間違いでした。
    小市民のシリーズは、4冊でひとつの物語だったんですね!
    小鳩くんブラボー!

    0
    2013年12月19日
  • 秋期限定栗きんとん事件 上

    Posted by 読むコレ

    テンション上がってきたー!
    今までの二冊はプロローグだったの??
    小山内さんは一層手強い感じだし、下巻は小鳩くんの推理に期待せざるを得ない!
    今晩は寝ません!

    0
    2013年12月19日
  • 氷菓 3巻

    Posted by ブクログ

     個人的に、氷菓の謎を解くシーンが好きで、関谷という人の思いをしっかり受け止めなければならないと考える奉太郎の怒りが染みる。
     このシーンは小説でもアニメでも良かったが、このコミックでもよく演出されていて良かったと思う。原作ファンとして嬉しいところである。
     主要キャラの描き方も安定していて、安心して見られる。反面、温泉の姉妹はちょっと不安定にも思えたが。

    0
    2013年10月29日
  • 氷菓 2巻

    Posted by ブクログ

     二巻はようやくタイトルの「氷菓」についての物語が始まるのだけど、整理された構成が実によく機能している。
     一つ一つの情報を整理しながら正解に近づいていく過程が、連載に合っているように思えて、実に読みやすいものだった。
     一巻で感じたくどさはだいぶ薄れていて、絵も安定してきているし、良い二巻だったと思う。

    0
    2013年10月29日
  • 氷菓 3巻

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    省エネ男子と好奇心女子がいる古典部の話。
    謎解きみたいな?

    タイトルの氷菓について書いてある話が
    アイスクリーム強くあれっていうのに驚いたな。
    案外 深い意味があったのね。

    0
    2013年10月27日
  • 氷菓 1巻

    Posted by ブクログ

    アニメや小説からではなく、この漫画から氷菓の世界を知った自分の感想。

    ストーリーは飽きさせない。
    絵も可愛い。

    あえて言いたい事があるとすれば、会話に違和感だらけだった。
    学生が話す会話って感じではなく、小説を読んでるような会話文だった。
    これが氷菓の世界観なのか、と思えば楽に読めた。

    アニメから入っておけばよかったと少しだけ後悔している。
    続きも読みたいと思わされる作品だった。

    0
    2013年10月14日
  • 追想五断章

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    そこはかとなく退廃的で郷愁的な。
    好みのエッセンスが散りばめられていて、「儚い羊たちの祝宴」に続いて素敵な一冊。

    0
    2025年05月28日
  • 愚者のエンドロール

    Posted by 読むコレ

    結構ハマるシリーズ

    0
    2013年09月12日
  • 折れた竜骨 下

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

     12世紀末の欧州風で,魔術や呪われたデーン人等が存在する異世界を舞台とした特殊設定ミステリである。特殊設定ミステリであり、かつ、犯人当てミステリとなっている。
     エドリックという暗殺者が呪いをかけた”走狗(ミニオン)”が,ソロン領主のローレント・エイルウィンを殺害する。容疑者は,遍歴騎士や傭兵,魔術師などの人物。容疑者の中にも魔術を使う者がいるかもしれない。しかし,「たとえ誰かが魔術師であったとしても,また誰がどのような魔術を用いたとしても,それでも〈走狗〉は彼である,または彼でない,という理由を見つけ出すのだ。」という作中のセリフのとおり,論理的に犯人を当てることができるように作られている

    0
    2025年02月09日
  • 氷菓 4巻

    Posted by ブクログ

    「愚者のエンドロール」編、開始。

    アニメではいまひとつ歯切れがよくなかった覚えが。
    ミステリー詳しくないからか、自分の理解力のなさですかね。
    話をかなり忘れちゃってるのでこの後を楽しみに待ちます。

    0
    2013年06月24日
  • 氷菓 2巻

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    折木くんのやる気ないキャラが好きです。
    絵も可愛くて、ストーリーも少し大きい謎が出てきてあもしろいです。

    0
    2013年05月11日
  • 氷菓 1巻

    Posted by ブクログ

    漫画が初読です。
    絵が可愛いです(●´ω`●)
    軽いミステリーのようですが、大きい謎もでてくるのでしょうか。小説のほうが詳しいと思うので、読んでみたいです。

    0
    2013年05月06日
  • 氷菓 3巻

    Posted by ブクログ

    「氷菓」の完結と、「愚者のエンドロール」の導入部。
    丁寧の原作をなぞっていて、安心して読める。

    正体見たりの最後は原作ともアニメ版ともまた少し違うオリジナルのシーンがあり、なんとも言えない余韻があるね。

    0
    2013年05月05日
  • 追想五断章

    Posted by ブクログ

    面白い。
    けど自分にはまだ早かったかも。
    もうちょっと大人になってから読んだほうがもっと楽しめたかな。
    あと、リドルストーリーの名作を読んでみたいと思った。

    0
    2025年01月05日
  • 遠まわりする雛

    Posted by 読むコレ

    危ねぇー。この4作目読むのを忘れて最新刊に
    手を出すところだった...。すっかり忘れてた...。
    で、「古典部」シリーズの4作目は一年を7編に
    分けた短編集。この小粒ながら効いてくる短編の
    上手さは米澤さんならでは。「小市民」シリーズ
    同様に前半のほのぼのした日常の謎路線から徐々に
    その成長とともに付いて回る「人」としての関係性や
    蒼臭い悩みや苦悩が見え隠れしてくるのが手に
    取るように分かります。
    「小市民」では一旦袂を分つ2人でしたが、今作は
    微妙で壊れそうな関係がよりほろ苦くてキュンさせてくれます。

    ミステリ的にも短編に切れ味+学園の謎のほのぼのさ
    が上手くミッ

    0
    2013年02月27日