米澤穂信のレビュー一覧
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僕はファンタジー系の小説を読むのはこれが初めてだったので新鮮に感じました。
この話のコンセプトは「剣と魔法の世界に推理で挑む!」というようなものだとどこかで読んだ気がしますが、頻繁に剣を用いた戦いが繰り広げられたりアニメやRPGに見られるような派手な魔法が出てくるわけではないようです。
どちらかというと黒魔術のようなイメージだと僕は思いました。
ただ、それはそれで新鮮で面白かったです。
推理はそこまで難しくはないような気がしますが、物語が面白いので読んでいてつまんないと思うことはありませんでした。
上巻を読み終えた後、速攻で下巻に手を伸ばしました。
漫画版もあるようなので、そちらも読んで -
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米澤穂信さんが自分の読んできた本について語る本。文庫化にあたり註釈が大幅追記されたということで、米澤さんのセルフツッコミぶりも楽しめる。
手に持つと、文庫本としては分厚いなという第一印象。本を開くと、上から下までずいぶんみっちりと文字が詰まっているぞという第二印象(それでいて、昔の本のような読みにくさはないから今どきの本作りは素晴らしい)。読み始めると、いきなり「ご挨拶より本の話を」と、まえがき的なパートからいきなり本の話。目次を見ればわかるがあとがきパートも同じスタイルである。頭から尻尾まであんこパンパンで破裂しそうなくらい重たい鯛焼きのような本だった。
もちろん本の紹介は丁寧かつ魅力 -
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里志が将来弁護士になるというのは案外良い案だと思った。
鷹栖亜美がしようとしたことは許されない。
奉太郎達が多くを語らなくても、こういう話は漏れていくものだと思う。
自分可哀想としか思ってなさそうだけど、後悔する時がくるだろうか。
理由を聞かれ、あの先生はヘリ好きだったなと思わないために、と話す奉太郎が好きだ。
読むだけ派とか描いてみたい派とか、なぜどっちもいちゃダメなのか。
思春期は傷つきやすく傷つけやすい。
「長い休日」は、「遠回りする雛」と同じくらい好きな話だ。
掃除しながら鼻歌を歌ってしまう奉太郎がかわいい。
小六の時の奉太郎の先生は嫌いだ。
奉太郎が気づいた事に気づいただろう -
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ネタバレこの内容でこの結末…すっかりやられた感じです。読んでいて最終的に住民がいなくなるんだろうなとは予想できていたけど笑。
『Iの悲劇』のIとはIターンの事。甦り課という部署の万願寺は蓑石の復活に奔走する。旧住民はいなくなり、プロジェクトにより移住民を募り、徐々に住民は増えていくのだが癖のある住民やトラブルばかり。
仕事ぶり、頭を悩ます予算の問題などがとてもリアルで、そこに加えて心理描写・会話が巧みで存在している人物に思える。何気ない、無駄とも思える描写が立体感のある人物を作り出して表現も柔らかくて心地良い。
各章が短編として発表されていたもので、発表の時期もそれぞれが結構間隔が空いているのに -
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ネタバレ前半は、「読みやすいし面白いけど、何がテーマなんだろう、何を伝えたいんだろう」と考えながら読んでいた。自分が鈍感なだけなのは分かってるけど。
五断章が、「アントワープの銃声」の「問いに対する答え」なのだと分かってからはなるほど〜!!と感心した。
そして最後の「雪の花」。これだけは先に結末の一行が明かされていたけど、「答え」と言えるものではないけどな、と思いながら本編を読み始めた。
結局明確な答えは書かれていなかったし、想像して推測することしかできない。最後の最後が、リドルストーリー、結末の一行はあるけど、それがあっても推測するしかできないようになっていたのが面白い。自分の理解力が足りないの -
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ネタバレ無人となった簑石地区に新たな移住者を募り再生を図るというIターン支援推進プロジェクト。支援をするのは市役所の「甦り課」の三人。
やる気の見えない西野課長。学生気分が抜けない観山。そして、中心として動く万願寺。
プロジェクトは成功するのか?
定住希望者達は、それぞれがなかなかにクセがあり、万願寺たちがあれやこれやと振りまわされる姿に、人を相手にする役所の仕事の大変さを感じるのですが、「甦り課」も、真摯に問題に向き合うのですが、どうしようもなくて、とりあえずその場しのぎでなんとか乗り切ろうする姿もお役所仕事の滑稽さを感じて面白かった。
トラブルを解決していくという謎解きはわかりやすく楽しかった -
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こうした企画物のイメージとして、大抵は次回作が出版されるまでの繋ぎ的な役割しか果たさず、中には作家本人を登場させずに編集部だけで考察するようなものもあったので、あまり期待はしていなかったのだが、本書に関してはまさにタイトルに偽り無しで、米澤穂信さんと古典部について、ここでしか知ることのできないことを知ることができる上に、米澤さん本人が何度も積極的に登場してくれる点に、このシリーズへの特別な思いが垣間見えるようであった。
その中でも、私が特に注目していたのが、ここでしか読めない書き下ろし短編「虎と蟹、あるいは折木奉太郎の殺人」で、普段あまり見られないホータローの姿の他にも、なんと、これまで -
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文庫本に巻かれた帯にこうあります。
「超人気ミステリー作家が むさぼるように読んだ本約700作、敬愛する作家350人超たち」
「読書好き必読のビブリオエッセイ」
本文437ページ。充実の索引(作品名別・作家別)付きの920円(税別)。本文の下には、著者の独り言のような親しみやすい著者註があり、紹介図書の書影も。
ミステリーには詳しくないわたしですが、本屋さんで即買いしました。
索引をフル活用しながら、折に触れ手にしたいと思います。
棚から秘蔵のブランデーを取り出してたしなむように、しめしめとちびちびと読んでいきますね。お気に入りのシオリをはさみましょう。
みのり註:わたしは -
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こんな本があるとは。私が何も知らなかっただけで、本当に人気シリーズなのだなあと七年遅れで嬉しくなる。
この本によると、既刊最新の六冊目『いまさら翼といわれても』も六年ぶりの発行ということで、二〇一六年当時、サイン会等で盛り上がったようだ。それから八年。続編は今出ても、来年出ても、数年後出ても、おかしくはないですよね? そのときは私も盛り上がれるぞ、と楽しみな一方、他の米澤作品を一切読んでいないのでこのあとどうしようかなという楽しい悩みも。小市民シリーズにまだなんとなく食指が動かないので、もともと古典部シリーズのひとつとして出す予定だったがそうしなかったと本書でも書かれていた『さよなら妖精』