米澤穂信のレビュー一覧

  • 巴里マカロンの謎

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    ネタバレ

    小市民シリーズの番外編ということで、時系列としては、「春期限定いちごタルト事件」と「夏期限定トロピカルパフェ事件」の間、小鳩くんと小山内さん高校1年生の2学期から3学期にかけての出来事が描かれていました。
    収録は以下の4つ。

    ・巴里マカロンの謎
    ・紐育(ニューヨーク)チーズケーキの謎
    ・伯林(ベルリン)あげぱんの謎
    ・花府(フィレンツェ)シュークリームの謎

    小山内さんのようにスイーツに特別な思い入れがあるわけでもなく、オシャレなスイーツに心ときめく女子でもありませんが、こうやって4つのタイトルを並べて文字で書くとなんとも可愛らしくて素敵で、おばさんも心が踊ってしまうってもんです。
    もう待ちきれないという思いで、ワクワクしながら読み出しましたが、読んでいる間ももう楽しくて楽しくて、あっという間に読んでしまいました。短編集ではありますが、4つ(「あげぱん」はちょっと違うけれど)が人気パティシエ古城さんの娘、秋桜と関係しており、ゆるっとしたつながりを持って一つの物語となっていて、読み応えは充分でした。
    人気パティシエの古城さんが主軸になっているのに、そういば本人は写真の描写があるだけで、登場することもなく、小鳩くんの古城さんに対する印象も良いわけではないのとは対照的に、瑠璃子さんが良い人そうでよかったな~と思いました。

    特に小鳩くんは、番外編ということもあってか(?)、「小市民でいないと!」という自分への戒めを少しゆるめて、謎解きをこれでもかと楽しんでいる様子で、小市民シリーズファンとしても嬉しい限りでした。小山内さんにも、私がいつも抱く苦手意識が芽生えなかった・・・!
    中でも、「伯林あげぱんの謎」はまさしく、日常のちょっとしたミステリーで、謎が解けたときの「あはは」と脱力して笑ってしまう感じがなんとも心地よい短編でした。

    ところで、今回初めて「名古屋」など具体的な地名が出てきた気がしますが、これまで、この物語の舞台がどこかというはっきりした記述はありましたでしょうか?(←誰に聞いている)
    いずれにせよ、「へー、舞台はそっちの方なのね」と認識した次第です。

    何気にシリーズこれまでの中で一番好きな一冊になったかもしれません。
    窃盗、誘拐、放火事件・・・・そんな事件解決も面白いですが、こういったほんわかミステリーもたまらなく面白い米澤さんは本当にすごい!!
    ちょっと調べてみたらアニメになっていたそうです。アニメになるのも頷けます。そりゃ人気も出るでしょうよ。

    あと、一冊でこのシリーズが終わってしまうのが淋しいですが、すぐに読み始めたいと思います。

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    2026年01月27日
  • それはそれはよく燃えた

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    全ての作品が「それはそれはよく燃えた。」という1文から始まる。
    25名の作家からなるアンソロジー。

    その中でも
    市塔 承さん(2025年のメフィスト賞受賞、まだ作品は未発売)を知れただけでも、この本を買う価値があったと思う。

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    2026年01月26日
  • それはそれはよく燃えた

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    「それはそれはよく燃えた」の1文から始まる数多の短編。燃えたのは物質であり概念であり、「燃やす」という人間ならではの行いは唯一つには留まらないのだのと認識させられた。
    黄金の森の神様とレヴナントが印象深かった
    皆川博子の作品は大御所流石の表現力

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    2026年01月23日
  • 米澤穂信と古典部

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    大好きな古典部シリーズの謂わばファンブックとも捉えられる本著。
    古典部シリーズの裏側や書き下ろしの短編など、とても豪華な内容でした。そして、続編への期待も出来るような匂わせも…。

    古典部シリーズの大ファンな僕としては、何年越しでもいいから、是非新作をと願わずにはいられない。
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    新作短編も収録!人気作家とともに歩んだ〈古典部〉のすべてがここに!

    ある日、大日向が地学講義室に持ち込んだのは、鏑矢中学校で配られていた「読書感想の例文」という冊子。盛り上がる一同に、奉太郎は気が気でない――。
    書き下ろし新作短編「虎と蟹、あるいは折木奉太郎の殺人」の他、古典部メンバー四人の本棚、著者の仕事場や執筆資料も初公開!
    『氷菓』以来、米澤穂信と一五年間ともに歩み、進化を続けている〈古典部〉シリーズについて「広く深く」網羅した必読の一冊。

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    2026年01月22日
  • いまさら翼といわれても

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    この青春のほろ苦いミステリーはやっぱり米澤穂信作品でしか味わえないのです。奉太郎、摩耶花、えるそれぞれ成長を感じられます。
    それにしても古典部ファンはこんな中途半端なところからずっと新作を待ってるんですか!?10年も!?

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    2026年01月21日
  • 折れた竜骨 下

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    大人しめの上巻に比べると色々と起きた下巻!
    何でもありのファンタジー世界のなかでも、騎士ファルクが組み立てていく推理ロジックは面白かったし、まさかこんなラストになるとは予想できなかった。彼らの今後の活躍も見てみたいと思うそんな作品でした。

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    2026年01月20日
  • 真実の10メートル手前

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    第29回 このミステリーがすごい!第3位

    『王とサーカス』のフリージャーナリスト、大刀洗万智の活躍を第三者目線で追う短編集。
    事件の解明だけでなく、ジャーナリズムにも焦点を当てるところがこのシリーズの魅力。
    だけど、クールで淡々と真実に迫る大刀洗のキャラはそんなに好みじゃないかもと今回感じてしまった。
    6編ともおもしろかったけど、目の付け所を間違わずに正解にたどり着く感じは少し物足りない。
    高校生の男女の心中事件の「恋累心中」が一番インパクトがあり面白かった。

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    2026年01月19日
  • 王とサーカス

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    やはり長編の方が面白い!
    ストーリーもさることながら、ネパール王宮事件が実際にあった事件とは。。。
    実際の事件も描きながらサイドストーリーという形で進んでいきました。
    伏線もひとつひとつが丁寧。丁寧すぎて少し勘づくところもありましたが、面白かったです。

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    2026年01月14日
  • 秋期限定栗きんとん事件 下

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    ネタバレ

    下巻に入るとますます先が気になって気になって、どんどん読み進めることになりました。
    読み終えて思ったことは、ただひとつ。
    「瓜野くん、がんばれ・・・!」

    ネタバレしたくないのですが、どうしてもネタバレになりますので、以下未読の方は要注意です。

    連続放火事件については、小鳩くん、小山内さんともに違う方面からアプローチしていたようです。小鳩くんが新聞部の五日市君を協力者として仕組んでいたことには、さすがというか、すごいというか、そんなことをしていたのかという驚きがありましたが、小山内さんはやはり「復讐」のために動いていたということでしょうか。あぁ、本当に怖い子。
    久しぶりに向き合って話すことになった二人は、離れていた間のそれぞれのパートナーとのことや、パートナーについて、「糠に釘」だとか「他愛ない」だとか評します。(ついつい、「他愛ない」の意味をもう一度きちんと調べてみてしまいました。)この二人と彼らの間には大きな溝があることをはっきりと認識しました。良い悪いとか、優劣ではなく、もう性格だとか考え方からして混ざりあうことができないのです。その点、健吾はちょっと特殊かもしれません。この溝をひょいひょい飛び越えてどちらでも健吾として存在感を示せそうです。
    仲丸さんはともかく、瓜野くんについては、「もうやめてあげて」と思ってしまうほど、彼の自信過剰さやプライドの高さを、小山内さんや、間接的に氷谷くん、五日市くんに、無残にもぶち壊されます。これが彼にとって将来的には良かったと思えるといいな、「瓜野君の未来に幸あれ」と思わずにはいられませんでした。それまで、瓜野君の強気で、周りがあまり見えていないような突き進み方に、私だって良い印象は持っていませんでしたが、ここまでやられてしまうと、「瓜野くん、がんばれ・・・!」と思ってしまうものです。

    さて、小鳩くんと小山内さんは、「小市民を目指す」ことから若干の方向転換をしたのでしょうか。二人はまた一緒にいることを決めます。高校生活もあと半年、というところで本作は終わります。

    読んでいてたまに「ん?」と思って、読み返すことが数回あります。前後関係がつながらないな、と思ったり、この会話の流れがわからないな、と思ったり。これは筆者の責任ではなく、完全に私の理解力のなさ、読解力のなさが原因なのですが、こういったことを考えてみるに、どうしたって私は小鳩・小山内サイドの人間ではなく、瓜野くんサイドの人間なんです。二人には「他愛ない」と言われそうなタイプなんです。だから、最後は瓜野くん寄りの感想になりました。
    「小市民」でない二人の、賢さ・行動力・執念にますます恐れ入ったという作品でした。

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    2026年01月13日
  • 真実の10メートル手前

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    1回読んでいるのだが、「どこかで読んだことがある」感がないまま楽しめた自分の記憶力が怖い。太刀洗さんのキャラが魅力的で、また彼女に会えた感を味わった。

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    2026年01月11日
  • いまさら翼といわれても

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    ネタバレ

    古典部を中心とした6つの短編集でした。
    全て読みやすくオチについてもハッとさせられるものや、心から納得できるものが多く、日常に紛れた機微から真実を見つける様は圧巻でした。
    古典部シリーズは長く続いているので、トリックめいたものはやり尽くしていそうなのに凄いと思います。
    とくに「私たちの伝説の一冊」が好きでした。
    走れメロスの感想文に感心したとともに、現実の出来事とメロスの事象を重ね合わせ、真実が見えてくるところや、漫画への強い想いが短編の中でもヒシヒシと伝わってくることが、人情的な熱さを感じたからです。

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    2026年01月10日
  • 秋期限定栗きんとん事件 上

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    ネタバレ

    前作で互恵関係を解消した小鳩くんと小山内さんの、その後(高校二年生の秋あたり)からのお話です。上巻は、二人が高校三年生になった春で終わり、下巻に続きます。

    以下、ネタバレします。要注意です。

    本シリーズ三作目にして、二人はそれぞれ別のパートナーと高校生活を送ることになります。小鳩君は、告白され、仲丸さんと、小山内さんも交際を申し込まれ、ひと学年下の瓜野くんと。あぁ、青春。ビバ、青春。
    小鳩くん、瓜野くん、交互に視点が変わり、物語が進んでいきます。
    小鳩くんは小市民らしく仲丸さんとデートを重ね、デート呆けでもしているかと思いきや、バス内での座席取りに勝つべくご自慢の推理を働かせたり、仲丸さんのお兄さんの身に起こったちょっとした事件についての仲丸さんとの会話でも、「おいおいおい、これくらいのことがこの僕にわからないとでも・・・?」というような姿勢で推理力を発揮してしまいます。本シリーズにうっかりハマっている人なら、「ぐふふ」とうれしくなる場面です。

    青春を絵に描いたような日々を送っている小鳩くんに対して、小山内さんもまぁまぁ青春しているように見えますが、そこは小山内さん。裏で何をしているか掴み兼ねるところがあります。
    そもそも小山内さんと付き合うことになった瓜野くんは、堂島健吾が部長として活動する新聞部の部員。小山内さんが新聞部の部室にいた堂島くんのところに何やら話をしに来たところを目撃して、小山内さんが気になり始めたのです。もうこの時点で何かが起こりそうな予感しかありません。

    さて、本作の主人公と言っても良いほどの瓜野くんですが、小市民を目指す小鳩くん、小山内さんとは対照的に、熱い男です。船戸高校の歴史に名を刻むと宣言して、新聞部での活躍を熱望します。そこで、これまで学内の穏便な記事しか載せなかった「月報船戸」に学外記事を載せることを提案し、なんやかんやあって、市内で起きている連続放火事件についての記事を載せることに成功します。しかも、連続放火犯の次なるターゲットを記事内で当ててしまうということまでやってのけます。
    (このことで、生徒指導の先生に目をつけられ、理不尽に怒られますが、なんか、これ、うちの高校にもこんな先生いたし、こんな理不尽な怒られ方してたな、と昔のふつふつとした怒りとともに懐かしさを感じました。いや~、あの頃はおとなしくしてたけど、思い返せば返すほど、理不尽だったわ。なんで「お前ら」とか言われなきゃいけなかったんだろ。話がそれました。)
    その「なんやかんや」にどうやら小山内さんが絡んでいそう、と睨んだ小鳩くん。いつものように堂島くんを呼び出して、情報をもらい、推理の裏付けを進めていきます。

    というのが、すっかりネタバレしてしまったあらすじです。

    瓜野くんという濃い新キャラが出てきて、戸惑ったものの、小鳩くんも小山内さんも相変わらずでしたし、瓜野くんのスパイスがなかなか良い感じに物語に効いています。瓜野くんの自信とプライドの高さ・・・あぁ、若いって素晴らしい。いつも強気な態度にはちょっとハラハラさせられましたが、みんながみんな小市民を目指し、本当の姿を押し殺してもつまらないですもんね。
    本作では、堂島くんの頭の良さにも舌を巻きました。対先生、対部員、どちらにも非常に落ち着いた態度で応対して、判断も早く、かっこよかったです。
    堂島くんに良い印象を持ったのとは対照的に、相変わらず小山内さんは好きになれません(笑)「おいたはダメよ」なんて、小山内さんしか言えない(笑)

    連続放火事件と、新聞部と、二組のカップルはどうなるのでしょうか。いざ下巻へ!

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    2026年01月06日
  • 秋期限定栗きんとん事件 下

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    個人的評価は冬>秋>夏>春の順で好きだった。
    冬秋は長編、夏春は短編という違いがある。
    秋は小鳩くんと小山内さんがそれぞれ別々のパートナーができて、小山内さんのパートナーが新聞部部員として市内の放火事件を追っていくといった話。
    読みやすくデザートが食べたくなる事件でした!

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    2026年01月05日
  • 王とサーカス

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    ネパール王宮事件を始めて知り、事件について検索していたら、この作品を見つけ、興味を持って読むことが出来た。

    カトマンズの雰囲気や、ホテル内の様子が伝わり、読書中はカトマンズにいる気分になった。

    犯人探しも楽しんだ。
    女性1人であの環境にいるのは、かなり危険すぎて、現実味はない。
    現実味のなさが、ドラマチックでいいのかも。

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    2026年01月04日
  • さよなら妖精

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    ユーゴスラビアを検索して調べてみたりしました。今のウクライナの戦争を思ったりしました。物語は、マーヤと仲間と、日本の観光しながら、日本のものを学びながらと、ほのぼの進んでいきます。ですが、考えさせられる深い問題がありました。
    ユーゴスラビアからきたマーヤとの日々。マーヤは政治家になるための留学でした。友達にいろんなことを聞いて、メモするマーヤ。友達と楽しく過ごす日々。大切な仲間たち。小さな恋心。でも、マーヤと、友達は、見ているものが違いすぎた。
    面白かったです❣️

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    2026年01月01日
  • 犬はどこだ

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    チャラっとしてそうなはんぺいが切れ者だったのがすごく好きだった。
    ラストはハッピーではなかったけど、この探偵事務所は続いていきそうだな

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    2025年12月23日
  • 巴里マカロンの謎

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    ネタバレ

     前作から時系列を遡って、小鳩くんと小山内さんが高校1年生の時に起きた些細な謎解きが描かれる短編集。エラリー・クイーンの国名シリーズをもじって、小市民シリーズならではのスイーツと組み合わせたタイトルたちがとてもかわいく洒落ている。

     日常の謎を扱うのがシリーズのお決まりだが、正編と違って、より日常に根差した謎が提示されているのが特徴だと思う。
     マカロンの個数が増えたのは何故か。消えたCDは何処に隠されたのか。マスタード入りの揚げパンを食べたのは誰か。ある少女を陥れて停学に追い込んだのは何者か。
     それぞれのテーマは本当に些細ながらとても興味深く、謎解きの面白さへとどんどん引き込まれてページを捲ってしまう。
     小鳩くんの一人称視点で語られる小気味良い地の文が読んでいて楽しいのも相変わらずで、彼の知り得た情報が読者に全て開示されて一緒に謎解きが出来る本格ミステリ具合もこれまた相変わらず優れていた。そして相変わらず全ての謎を解けなかったのが誠に残念だ。但し「伯林あげぱんの謎」に関してはいいセンまで行ったのでとても嬉しかった。

     ひとつひとつの短編の謎も秀でているが、連作短編集としての仕組みも、最終話のオチとして効いているのが良い。いつもならどんでん返しとなるが、今回は番外編なだけにほっこりさせられるラストなのが良い。

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    2025年12月21日
  • 秋期限定栗きんとん事件 下

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    上巻に続き、連続放火事件を追う本格的な長編。
    前2作にはない緊迫感があり、どんどん先が気になって進んでしまった。
    今回、過去作に比べると登場が少ない印象だった小山内さんが、結局相変わらずのサイコパス感を発揮。
    もうここまでくると逆に清々しい(笑)
    さて、次は冬か。
    自称小市民ふたりもそろそろ卒業?
    果たして最後にどういう展開が待っているのか?

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    2025年12月21日
  • 犬はどこだ

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    ネタバレ

    折木に近い、私の好きなタイプの米澤作品主人公。歴史が苦手なのでハンペーサイドの話がいまいち入り込めないなあと感じていたが中盤から2つの事件でリンクしていくので一気に読み進められた。この何とも言えない読後感が大好き。

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    2025年12月21日
  • リカーシブル

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    ネタバレ

    おもしろかった!こういう伝承?とか民俗学系?なミステリ大好物すぎる。『犬はどこだ』を思い出した。ただハルカの状況は一向に良くならないといのは切なかったし悲しかった。米澤穂信は言い切らないことも残してたりしてそういうところもなんだかいい感じでボケる。いい。
    それにしてもハルカが中学までしか見てもらえなくてお金もすぐに払わないといけないとか世知辛すぎる。ママってそういう人なの?しんどい。

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    2025年12月20日