米澤穂信のレビュー一覧

  • Iの悲劇

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    実直な(そうでもない)公務員のIターン施策を進める奮闘記。と思いきや、そして誰もいなくなるかのような悲劇が続き…?
    米澤様の真骨頂、最後の最後がたまりません。

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    2026年03月22日
  • インシテミル

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    ネタバレ

    ある実験のために用意された施設を舞台にした、密室もの(クローズドサークル)だった。完全な密室ものは初めてだったし、今作のようなゲーム性?のある作品も久しぶりだった(クリムゾンの迷宮以来?)が楽しめた。最初に彼らが考えたように、誰も何もしなければそれだけで2000万円近くもらえる環境だったが、その口火を切る形をどう作るかと思っていたら自殺というのはまんまとやられた。互いの武器を知らず、また互いに信頼できる相手とそうでない相手がいることで、推理が複雑になっていくのもよく考えられていると感じた。人間ドラマはなかなか入れにくい設定だと思うが、関水の真の目的が何だったのか腑に落ちなかったのは少し残念だっ

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    2026年03月21日
  • 王とサーカス

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    ネタバレ

    序盤はミステリ感は全くなく、紀行小説のような雰囲気だったが、中盤から事件が起き、ミステリになっていく感じだった。そこまで殺伐とした感じはなく、万智の取材活動と心の動きが丁寧に描かれていて良作と感じた。実際に起きた事件を題材にしていることもあり、ジャーナリズムのあり方の議論にもリアリティが出ていた。悲惨な事件を伝えるニュースを見て、共感した気になっていても、実はサーカスのように楽しんでいるだけなのかもしれず、考えるところはあった。セルロティを食べてみたくなった。

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    2026年03月21日
  • さよなら妖精

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    ネタバレ

    王とサーカスで前のシリーズも読みたいと思っていたので今回読めて良かった。太刀洗万智は主人公ではなく、友人の守屋の視点でストーリーが進んだが、ネパールで取材をしていた太刀洗と比較して、学生時代の太刀洗はより無口で不思議な印象を受けた。紛争の起きたユーゴスラビアに帰ったマーヤの安否を心配し、連邦の中のどこに彼女がいるか明らかにする、というのが大筋だが、ほとんどのシーンはマーヤとの回想に割かれ、ミステリーという感じがしないあたりは、著者の特徴を感じさせた。何事にも特に打ち込むということがない主人公が、マーヤをきっかけにユーゴスラビアのために何かしたいと思い、しかしそれは本当の当事者から見れば観光に来

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    2026年03月21日
  • ボトルネック

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    金沢や東尋坊という、表紙の印象とは少し違う土地が舞台の物語。読みながら「これはどういう意味だろう」と思っていたのですが、読み終えてカバーを外し、改めて表紙を見たときにようやく腑に落ちました。

    主人公の選択は、最良とは言い切れないものもあるけれど、その時の自分を守るためには必要だったのかもしれません。結末は重たく、読後はしばらく気持ちの整理が追いつかないような感覚が残りました。

    「考えることをやめたら、自分の存在がぼやけてしまうかもしれない」。そんなメッセージを静かに受け取った気がします。
    良くも悪くも、自分で選ぶことから逃げないようにしたい──そんな気持ちになる一冊でした。

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    2026年03月18日
  • 満願(新潮文庫)

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    ネタバレ

    1000冊目!大満足な珠玉の名作ぞろいの短編集でした。私としては「柘榴」「万灯」「満願」が好きです。特に「柘榴」は続きが気になるところで終わっていて、「続き!」となってしまいました。成海は妻ならず娘までも魅了するとは罪な男過ぎます。そして、「満願」では女の怖さが静かに描かれていて、最後はぞっとなりました。1000冊目にこの本を選べて本当に良かったです。米澤穂信さんの黒い話はやっぱり好きです。

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    2026年03月17日
  • 王とサーカス

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    ネタバレ

    おもしろかったです!前作を全く覚えてませんでしたが問題ありませんでした。難しい外国の情勢が絡む内容なのにするする読めてしまう不思議に、作者のすごさを感じました。タイトルの回収もすばらしく、事件とそれを娯楽として楽しむ人間たちの対比に、報道のあり方に、ドキリとしました。真犯人の正体にも虚をつかれます。続きも買ってあるので早めに読もうと思います。

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    2026年03月17日
  • 真実の10メートル手前

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    ネタバレ

    最後の話は温度感が合わなかったけれど、基本的には全ておもしろかったです。いつもの米澤さんを期待していたので、ボリューム的にはまだまだおかわりはほしかったけれど。電子書籍は一見してボリュームが分からないところが欠点ですね。

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    2026年03月17日
  • 王とサーカス

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    ネタバレ

    正直そんなにミステリーとしては驚かなかったけど。ジャーナリズム的な観点から見ると結構興味深いものでした。主人公の淡々としてるけどなんだか人間臭い部分もあるところ結構好きです。だけどサガルが結構気に入ってただけに、最後ちょっと複雑でした。でもそれも私が主人公目線でもの見て勝手に持った幻想だったなて思った。

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    2026年03月15日
  • ボトルネック

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    自分の代わりの人が周りを幸せにしてるのって知りたくないなぁと思った。
    部署異動の時とかに似てるかもなぁ。
    前任者の方が良かったと思われてるんじゃないかとか、後任が優秀だったらやだなぁとか。そんな感覚。

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    2026年03月15日
  • 冬期限定ボンボンショコラ事件

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    あれなぜか登録されていない?いつ読んだかな。事件のエピソードよりも何よりも、さようなら私の次善。というのがなぜだか心に残っている。
    と、今読み返したらさようならじゃなくておやすみ小鳩くんだった。このあたりの覚え違いに心に残っている理由があるんだろう。青春の残り香よ。

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    2026年03月15日
  • 真実の10メートル手前

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    ネタバレ

    フリージャーナリストとしての太刀洗万智を取り巻く事件を描いた短編集。いきなり後味の悪い終わり方をする冒頭の「真実の10メートル手前」から始まり、どの短編も読み応え十分だった。

    ジャーナリストという仕事とは何なのか、そして自分がジャーナリストをする意味は何なのか、答えの出ない問いを逡巡する場面が随所にあり、読者としても考えさせられる場面が多かった。

    はっきりと明言はないものの、同シリーズの「さよなら妖精」との繋がりがある短編もあり、シリーズものとしての面白さも取り込まれた良作だった。

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    2026年03月14日
  • 真実の10メートル手前

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    「王とサーカス」からの太刀洗女子逆読み。

    各短編時系列の詳しくは土瓶さんの本棚でどうぞよろしく。

    短編集ですし、ストーリーは読んで楽しんでいただければと思うのですが、
    米澤さんは作品のタイトルをつけるのがお上手だなと、あらためて感じました。

    「真実の10メートル手前」という作品から始まり、この本のタイトルにもなっているんですが、
    この短編集のいずれにも当てはまる言葉かなと思いました。
    ジャーナリストは真実の10メートル手前まで迫る。
    けれど、このシリーズはミステリーの完全な解決を目指しているわけではない。

    2作目の「正義感」は、一瞬にして視点が反転し、
    3作目の「恋累心中」は、連城三紀

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    2026年03月14日
  • さよなら妖精

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    「王とサーカス」からの太刀洗女子の逆読み。

    米澤さんの「儚い羊たちの祝宴」や「満願」は、とても好きな作品です。
    そして、このデビューに近い「さよなら妖精」
    初出は2004年。著者の米澤穂信は1978年生まれですから、25、6歳の頃の作品になるのかと思います。そう考えると、驚くほど練れた、深い考察させる小説だと思いました。

    遠い東欧の地、ユーゴスラビアから来た少女との数か月。
    彼女が日本を去った後、残された言葉の端々から、彼女の国とその現状を考えていく物語となっています。

    物語の始まる1991年、旧ユーゴスラビアでは崩壊が始まり、やがてボスニア・ヘルツェゴビナ戦争へとつながっていきます。

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    2026年03月13日
  • 本と鍵の季節

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    賢く皮肉屋な堀川と松倉のやり取りがテンポよく、読んでいてとてもワクワクする。
    謎解きは本に関連したものが多く、登場人物の深い部分に触れたりと読み応えがある。
    2人の図書委員としての続きが読みたいと思ったので続編があると知って嬉しい。

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    2026年03月13日
  • 冬期限定ボンボンショコラ事件

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    ネタバレ

    小市民シリーズの完結。
    大好きなシリーズだったため完結は寂しいが、シリーズものを最後まで読むことがなかったので感慨深いものがある。
    主人公が小市民を志すきっかけとなった事も明らかになったので、また春から読み直してみても面白いかと思った。

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    2026年03月12日
  • 冬期限定ボンボンショコラ事件

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    小市民シリーズ第4弾です。
    途中、番外編的な本があるので小市民シリーズとして5作目です。
    この作品で春夏秋冬と揃います。

    そしてこちらは、2025年このミステリーがすごいの10位になります。
    これを読むために、前の4作品を読みました(笑)

    その甲斐があって、面白かったし、ちゃんとミステリーでした!

    小鳩くんと小山内さんが下校中に轢逃げ事故に遭って、小鳩くんが大怪我を負って入院した。

    事故にあった場所が3年前、同級生が轢逃げにあった場所で、小鳩くんと小山内さんはその事故を通して互恵関係を結んだ。

    その回想と小鳩くんの今回の事故、入院生活が綴られていき‥。

    まぁ、偶然が過ぎると言えばそ

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    2026年03月11日
  • 栞と嘘の季節

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    学生のバディものという設定だけで好みだが、話も面白かった。
    一作目の本と鍵の季節も読んでいたので、いつか読みたいと思ってはいた。古本屋で見つけて購入。

    1作目同様、大きな事件や展開があるわけではないがジワジワと真実に近付いている感覚が自分好みで良かった。

    どんでん返しものよりリアルで、本当に地球のどこかで起きていそうな話なので物語に入り込みやすい。

    この小説では、ある栞をめぐって話が進んでいく。
    タイトルにも嘘という言葉が入っているが、それがキーワードだと感じた。

    誰が本当のことを語っていて、誰が嘘を付いているのか。
    それを推測しながら読むのが、とても楽しかった。

    ハッピーエンドでは

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    2026年03月10日
  • 冬期限定ボンボンショコラ事件

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    ネタバレ

    過去と現在二つの似通った事件を見せてくれる
    細かい謎はわかっても大筋はわからない、そんないい塩梅のミステリ

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    2026年03月09日
  • 王とサーカス

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    ネタバレ

    物語に終始漂う異国情緒と緊張感は独特。物語冒頭から丁寧に伏線が張り巡らされ、なんとなく印象に残っていた単語が実は事件解決へのキーワードであった、ということが後半でいくつもあって、しかもそれが大袈裟ではなく非常にさりげなく感じさせられるのも気持ちが良かった。
    カトマンズの人々や宿の宿泊客に対する主人公の接し方が好きだなと思った。観察眼が鋭く記者として冷静な視点を持っているが、決して利己的ではなく人と人として関わろうとしているのが良い。
    宿の主人であるチャメリがとても良い人だなと思った。自国で動乱が起こっている中で淡々と働き、仕事の一環としてただこなしているだけかもしれないが、度々主人公たちの宿泊

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    2026年03月07日