あらすじ
「わたしたちはこれから、新しくオープンしたお店、パティスリー・コギ・アネックス・ルリコに行って新作マカロンを食べます」その店のティー&マカロンセットで注文できるマカロンは三種類。しかし小佐内さんの皿には、あるはずのない四つめのマカロンが乗っていた。誰がなぜ四つめのマカロンを置いたのか。それ以前に、四種の中で増えたマカロンはどれか。「ぼくが思うに、これは観察力が鍵になる」小鳩君は早速思考を巡らし始める……。心穏やかで無害で易きに流れる、誰にも迷惑をかけない小市民になるべく互恵関係を結んだあのふたりが帰ってきました! お待ちかねシリーズ十一年ぶりの新刊、四編収録の作品集登場。/【収録作】「巴里マカロンの謎」/「紐育チーズケーキの謎」/「伯林あげぱんの謎」/「花府シュークリームの謎」
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春夏秋冬が進んでいく合間の、たぶんおさこば1年生のこぼれ話を集めた短編集。各編の「地名+事物」という名づけかたは、エラリー・クイーンの国名シリーズのオマージュかな。
パティスリのお嬢さん、古城(こぎ)コスモスという少女が3編に登場して、なかなかいい味を出していて、特に書きおろしである「花府(フィレンツェ)シュークリームの謎」は名作。謎解きがトントンと小気味よいのに加えて、古城家の親子関係まで描いていてジンとくる。
「秋期」では小佐内さんの一筋縄ではいかない恐ろしさばかりが目立ってしまったけど、この短編集では、頭の回転のするどさはそのままに、どこまでもスイーツを愛し、ちょっと思いやりもある女の子として描かれていて少しほっとする(笑)とくにラストのスイーツ愛がいとおしかった。
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春夏秋冬ときたので最後に巴里で締め括ったわけだが、どうやら順番が違うらしい。番外編感覚だったが、もう一度冬を読むべきか、、、。
相も変わらず著者の言葉遊びは面白い。
2人のやりとりも絶好調。
いやいやしかし、引き止める為とはいえ首根っこ掴んだりはしないだろう普通。
大学生もしくは社会人になった2人を描いていただきたい今日この頃。とても楽しめたシリーズでした。
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小鳩くんと小佐内さんの小市民シリーズ。スイーツがからむ4部作。「伯林あげぱんの謎」は、堂島健吾の新聞部と小鳩常悟朗の話し。
それ以外の3話には、古城秋桜が登場する。なんといっても、「パティスリー・コギ・アネックス・ルリコ」が素敵すぎる。今回もスイーツ欲を刺激される内容。
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各章のタイトルが都市と謎ということは、有栖川有栖先生の国名シリーズのオマージュなのでしょうか?最初、巴里(パリ)って読めなかった(泣)
相変わらずの小鳩くんの淡々としたかんじがよい。時々心の声で毒づいているのも好きです。
料理の説明がそのままトリックになってておしゃれ。あげぱんのロシアンルーレットでもおしゃれ。さらに伏線回収も綺麗でおしゃれ。おしゃれなんですが、気取っているかんじも一切なく、綺麗な文章を書かれる米澤穂信先生が大好きです!
表紙めっちゃかわいいのに、文章は結構ビターなかんじも多くて、かわいい表紙に惹かれて読んだ読者を驚かせる仕組みなのかな?まどマギ的な?(笑)
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小市民シリーズ、不覚にもボンボンショコラから読み始めてしまったため、これが最後になったけれどとても面白くて名残惜しい気持ちでいっぱい。番外編という特徴もあったが、むしろ本編よりも好きかも。はるばる名古屋まで遠征してスイーツ探訪したり、どうでもいいような事案に全力投球してしまったり、小市民を頑なに貫こうとする姿勢など愛らしい。ホントふたりは良いコンビだなぁと。
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前作に引き続き安定した面白さがあります。
ただ今までのものとは異なり、短編集の集まりといった形となっており、ひとつひとつ完結しているため、気軽に読める感じとなっています。
また自分は比較的シリーズを続けて読んでいるため、少し今までとは全体的に雰囲気が少し変わっている気がします。(10年ぶりぐらいの新作とのこと。)
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『秋期限定~』から11年振りの新刊。発売されると分かった時は本当に嬉しかったな☺自ら進んで謎に首を突っ込みがちな小山内さんが今回は予期しないところで巻き込まれていく姿が新鮮で面白かった。マスタードが入った当たりのあげパンの行方を推理するお話が一番好き。
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スイーツを話の軸に組み立てた短編集。謎そのものに徹底的に焦点が当てられて、謎が解決されたあとのことなんかどうでもいいというスタンスが小市民らしくていい。「伯林あげぱんの謎」がオチが効いてて特に好き。
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アニメの続きと思い手に取り読んでみました。
シリーズの雰囲気としは変わない感じで、2人の日常にちょっぴりしたサスペンス要素が楽しんで読めましたり
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四季編とは別の短編集
主人公の闇黒さがチラつくとこが楽しい
「また拉致された」という台詞からヨリを戻して轢逃げされるまでの期間の物語?
「名古屋から快速で20分」というとこは岐阜市だがレイアウトが異なる
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・巴里マカロンの謎
マカロンの中に指輪なんてプロポーズ以外にない。単純に店員さんが置く席を間違えただけと思っていたら、そうではなかった。プロポーズを妨害した理由は分かる。いつかは納得して許せる時が来るかな?
・紐育チーズケーキの謎
何故小佐内さんが拉致されたのか?と思ったけど、そーいう事だったのか。あれは暴かれなくてはいけない事件だ。そして小佐内さんはやはり、マシュマロの恨みを果たしていた(こっそりと)
・伯林あげぱんの謎
これはアニメになったやつだ。5つある揚げパンの中から激辛タバスコ入りを引き当てたなんてミラクルすぎる。だから小佐内さんは目を赤くして、呂律がまわらない感じだったんだ(笑)
・花府シュークリームの謎
捏造写真のせいで停学とか許せない。しかも学校の先生が言い分をちゃんと聞きもせずに捏造写真を信じるとは。私なら、捏造した犯人ではなく学校の先生に復讐したい気持ちだ。
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小市民シリーズの番外編である今作。
ほのぼの、とまではいかないけれどそこまでシリアスにもふっていない短編集だった。短編ではあるけれど、少しずつ繋がってはいて、古城さんという小山内さんを慕う女の子も登場する。私が特に好きだったのは、唯一古城さんが登場しない、「伯林あげぱんの謎」である。伏線回収にとてつもなくワクワクした。
残り1冊となってしまい、少し寂しい気持ちもあるが、小山内さんと小鳩くんを最後まで見届けたいと思う。
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小市民シリーズの番外編。凄くほのぼの読めました。何気ない日常の謎。最後は完全な悪意を感じて嫌だったけど、相変わらずの小佐内さんは見た目に反して格好良かった!この小市民シリーズ、大学生編とか社会人編とかずっと続いていって欲しい。
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短編4つ。
1年生の秋~冬のお話。まだ2人が互恵関係にある頃だな。
2人のやり取りが楽しい。小佐内さんのスイーツへの想いがいろいろ楽しめた。
ベルリーナー・プファ・・・最後にまた出てきたな。
大丈夫、今度は美味しいはずだから!
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これで小市民シリーズをすべて読んでしまったと思うと悲しい...こちらは4篇の短編集だけど、このシリーズの良さが沢山つまっていた気がする。ナチュラルに小鳩くんに失礼なことを言う小佐内さん、ぼそっとツッコむ小鳩くん、絶対に高校生だと信じてもらえない小佐内さん...面白かった。4篇目のラストでは小佐内さんのとっても幸せそうな姿が見られたのが嬉しい。あとはアニメでもう一度楽しみたい。
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冬期ボンボンショコラ~を読もうと思ったことから読み始めた小市民シリーズも、これで直近までの作品を全て読み終えた。
相変わらずの主人公二人の推理方法はキレていた。物事を合理的に考え、可能性を排除していくやり方は仕事のやり方にも参考になる。
本シリーズを読みつつ、途中に「インシテミル」を挟みながら読み進めたため、作風の落差を楽しむことができた。
次は「王とサーカス」を挟み冬期~に進みたい。
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小市民シリーズ。
今回は、小鳩くんと小佐内さんの高校1年生の秋〜冬にかけて、1作目と2作目の間にあたる期間を描く番外編短編集です。
1〜3作目までは、作中で免許証の不正取得や誘拐、連続放火などの事件が扱われていて、読んでいて米澤さん作品特有の仄暗さ、ほろ苦さを大いに感じる内容だったのですが、今回は割とほのぼの。
小鳩くんと小佐内さんコンビが日常の謎に挑む4編で、とても読みやすかったです。
小佐内さんの復讐スイッチが入ることもなく笑
次はいよいよ最終巻のボンボンショコラ事件。
シリーズを読み終わってしまうのは少し寂しい気もしますが、最後まで楽しみたいと思います!
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春夏秋冬の後に読んだ。短編のタイトル地名がノスタルジックでクラシックなイラストや作風に合ってる。小佐内さんのスイーツ愛全開すぎて不幸にみまわれがちなの面白いし、小佐内さんと小鳩くんの日常を知ることができて満足の一冊。各話ごとに2人のイラストがあるのもうれしい。
「あげぱんの謎」は、先にアニメで見てしまってたので、余裕を持って楽しみながら読んだ。アニメの方が、部室内の机の位置関係が分かりやすかったかな。放課後の学校、行われる数々の検証。しょうもなくて笑えて、この話が1番好きかも。
最後は小佐内さんにいいことがあって私もうれしい。再びの「おお牧場は緑」でパタンと本を閉じ、読後感が最高に良い。
お友達から限定しおりをもらって、幸せ。すっかりこのシリーズにはまっている。
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日常の謎ミステリー、小市民シリーズの第4作目。
第1作目と2作目(春期〜と夏期〜)の間であり、
1年生時の出来事についての、4つの短編を収録。
各話をざっくり言うと、
・人気パティスリーのマカロンの中から指輪が!
・学校祭で行方不明になったマル秘CDの在処
・所謂ロシアンルーレットの謎、みんな同じ味
・無実の罪で停学になった中学生の謎
(3話目の「伯林あげぱんの謎」のみ、映像化あり。)
いずれも肩の力を抜いて楽しく読めました。
次はいよいよ、昨年(2024年)発行の最新刊、
「冬期限定ボンボンショコラ事件」。楽しみです。
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<小市民>シリーズの短篇集となる。四つの短編は、長編で描かれたエピソードの隙間をうめるものとなっている。
米澤穂信氏は、短編を書くのが上手いと思う。いずれの作品も出来がよい。
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シリーズ4作目だからできる短編集
いい感じ
主人公2人のやり取りが超楽しいし、なんか安心感もある
「これこれ」って感じ
最後の短編の最後のひと言なんて、これぞ小佐内ゆき
そして謎解き前に提示される状況説明もクドいんだけど、小鳩くんの性格がクドいってのが分かってるからけっこうスルッと受け入れられるのよね
キャラクターがちゃんと確定している安心感が存分に活かされてるんだけど
これ十一年ぶりの新作なのよ実は
すげー、連続して読んでも違和感が全く感じられない
十一年ぶりに書いたら多少ずれがあってもよさそうなのに
そしてこれが迷いなくできるってのは、読者の側もちゃんと二人を待っていたってことなんだろうな〜って思ったんよね
固定ファンががっつり付いてたってことだと思うんだけど…
十一年待った方も待たせた方もすごい!
わいは連続して読めて良かったw
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頼んでもないマカロンが皿に乗ってたら楽しく推理なんか始めないでしょ笑。ほぼ名古屋が舞台で、千種、八事などゆかりのある地名が頻出。県民ならではで楽しめたと思います。JRのボックスシート嫌です。
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四期シリーズの番外編のような作品。
小鳩くんと小佐内さんの互恵関係が遺憾無く発揮されていて心地よい。本編では小佐内さんの底が見えない怖さがヒリヒリすることが多かったが、本作の小佐内さんは割と優しめ(一応何もしない)なので、安心して読んでいられた。
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あれ?読んでなかったよ小市民シリーズ。
コンパクトで私は好きだな。
マカロン。。。これといって好きも嫌いもないけど。
覚王山の有名なパティスリーといえば、、、と思いを巡らせてみたり。
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前回の秋の緊迫感と比べて、ぬる〜く軽いお話だった。
さまざまなスイーツを目に浮かべながら、楽しませてもらった。
またまた、おいしそう。。。
マカロンとチーズケーキは予想外の展開だったけど、揚げパンとシュークリームは、すぐに犯人がわかる。
4編とも、犯人さがしが重要なのではなく、小鳩くんの推理展開や小山内さんの動きを楽しむのが筋なんだろうな。
小市民を志しながらも、小賢しくまどろっこしく推理をしてしまう小鳩くん。
ものすごいスピードで痕跡を残したり、行動力の塊の小山内さん。
特に小山内さんの腹の座り具合は半端ない。
相変わらずおもしろいコンビだと思う。
退屈な毎日に多少のスパイスはあってもよいのだろう。
ラストは幸せ満載で、よかったよかった。
2025/04/04 18:39
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<目次>
略
<内容>
御菓子のシリーズは、季節を冠しないものへ。代わりに世界の地名が(パリ・ニューヨーク・ベルリン・フィレンツェ)。御菓子も美味しそうだが、伯林あげぱんでは、小山内サンは被害者だし、その後は新しいキャラクターも現れる(パティシェの娘の古城さん)。小山内サンは最後にお菓子の城に埋もれてしまう幸せで終わるのでした。
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高校生の小鳩君と小佐内さんは慎ましい小市民を目指し、日々の安寧のためお互いの存在を盾に使うという互恵関係を結ぶ仲。
そんな二人の謎解きを綴った日常ミステリ短編集。
11年ぶりの小市民シリーズ。
前のお話はすっかり忘れてしまいましたが、互恵関係という事は覚えていたので何となく読み進められました。
どの短編も読みごたえがありましたが、一番面白かったのは「伯林あげぱんの謎」。
小鳩が新聞部の部室を訪れたところ、あげぱんをめぐって思案している新聞部員四人がいた。
あげぱんのロシアンルーレットを行ったが、辛子入りを誰も食べていないという。嘘をついている部員は誰なのか――。
小鳩は部員との会話から手がかりをつかみながら推理を進め真実に至るというシンプルなお話ですが、シンプルゆえにごまかせない、公正なタイミングで提示される手がかりや見事な謎解きの深い味わいを堪能しました。
そして最後の短編、「花府シュークリームの謎」。
慕ってくれる女子中学生の窮地を救うため、大活躍する小佐内メインのお話。
隠された悪意を明らかにすることの代償。真実があらわになったとて救われないむなしさを耐えられるのか――小佐内がつきつける覚悟の重さがどっしりと響く、ほろ苦さの残るお話でした。