米澤穂信のレビュー一覧

  • 本と鍵の季節

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    ネタバレ

    短編で読みやすくて、面白かったからいっきに読んだ!
    2人の距離感、人間性の違いがよかったな!
    深入りしすぎない感じがいいんだけど、最後ちょっと気になる感じで終わったかな〜って感じ!
    続編も楽しみ!

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    2025年09月27日
  • ボトルネック

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    知りたくない、知らない方が良いことがある。ツラい。つらすぎる。元の世界に戻るも、戻らぬも選択は厳しい。
    儚い羊たちの祝宴につながるストーリー展開を感じ、確実に力量が上がったなと、読み終えて最初に思ったのは、そのことだった。そんな評価をするほどの力量もないが、継続することの重要性を感じた。

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    2025年09月27日
  • 黒牢城

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    戦国時代の歴史の中で発生する謎、それを論理的に解決に導く過程とその解決に助言を与えるものとのやりとり、
    全て面白かったです。
    村重と官兵衛のキャラクターが魅力的でよかった。

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    2025年09月26日
  • 黒牢城

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    ネタバレ

    村重が官兵衛を殺さなかったために人質を殺すと考えなかったように、官兵衛も子の恨みで村重の名を貶めることで城内の多くの者を殺すと考えなかった。

    間違いなく頭の回る村重やそれを超える官兵衛でさえも見落としはっとする。
    執着は恐ろしい。

    因果が巡り波のように大きくなって、挙げ句多くの者を殺すことになった有岡城。

    官兵衛が彼らを殺したのが自分だと気づいたとき肝を冷やす一方で村重に松壽丸を殺されたのだからとバランスをとっていた。

    落城後、松壽丸と再会したときの描写は歓喜と安堵であったが殺した者たちを振り返らない官兵衛ではないだろう。松壽丸は生きていた、バランスは崩壊した、逃げ道がなくなった。後に

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    2025年09月25日
  • 夏期限定トロピカルパフェ事件

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    小市民シリーズ第2弾。
    前作以上にたくさんの甘味が登場し、どれもこれも美味しそうでとてもお腹が空いてしまった。

    小市民であるために互恵関係を結ぶ小鳩と小山内だが、きっかけさえあれば内に封印している狼と狐がすぐに顔を出し愉悦する。
    己に潜む獣を飼い慣らせていない2人の衝突を描く終章は、小山内さんの淡々とした言葉の中に激しい憤りややるせなさを感じて悲しくなった。
    やられたら倍返し精神は大好きなので個人的には小山内さんにはそのままでいて欲しい...

    2人の目指す小市民像を見失った次作の展開に期待。


    以下余談。
    小山内=狼があまり腑に落ちなかったのだが(狼はガサツで凶暴なイメージだったので..

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    2025年09月23日
  • 真実の10メートル手前

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    主人公に対して視点を変えた短いセクションいくつかでストーリーが展開される。最終的に何か回収されるのかと思って読み進めたが、それぞれ独立してストーリーが完結してしまう感じで、読み終わった時は少し物足りなかった。ただ、個別の小作品は変な捻りはなく、純粋に読みやすかった。(他の作品とリンクしている?)
    後半につれて、記者の仕事の本質が何回も言い換えられることで表現されるのには痺れた。

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    2025年09月22日
  • 満願(新潮文庫)

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    ネタバレ

    良い。
    読者を楽しませる作者の力量は優れている。
    多方面に渡る材料を生かした作品。予想外の結末。

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    2025年09月22日
  • 冬期限定ボンボンショコラ事件

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    冒頭から小鳩君と小山内さんが堤防道路を歩くところからスタート
    そしていきなり小鳩君がひき逃げされてしまい入手してしまう!
    そこから物語が始まっていくが、小鳩君の3年前の
    中3の頃のエピソードも回想されながら進展する

    中3の頃に小鳩君と小山内さんが出会い、そこで今の高校の互恵関係になっていくという、小市民シリーズの肝が丁寧に描かれている。
    中3の頃に起きたクラスメートの日坂君が巻き込まれた事件を小鳩、小山内ペアで解決しようとするが
    意外な点まで掘り下げてしまい、これが、小鳩君と
    小山内さんが小市民になろーと誓うきっかけだったのかと納得できた。

    小山内さんの探偵っぷりも素晴らしい

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    2025年09月21日
  • 栞と嘘の季節

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    失敗した!シリーズ第二弾と知らずに!
    推理すつつ
    相手を庇ったり
    寄り添ったり
    角度を少し変えて
    読み応え。第一弾も購入しよう

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    2025年09月18日
  • Iの悲劇

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    一度無人になった集落を蘇らせるべく、移住促進のプロジェクトのお話
    
    以下、公式のあらすじ
    ----------------------
    一度死んだ村に、人を呼び戻す。それが「甦り課」の使命だ。
    
    
    山あいの小さな集落、簑石。
    六年前に滅びたこの場所に人を呼び戻すため、
    Iターン支援プロジェクトが実施されることになった。
    
    業務にあたるのは簑石地区を擁する、南はかま市「甦り課」の三人。
    
    人当たりがよく、さばけた新人、観山遊香(かんざん・ゆか)。
    出世が望み。公務員らしい公務員、万願寺邦和(まんがんじ・くにかず)。
    とにかく定時に退社。やる気の薄い課長、西野秀嗣(にしの・ひでつぐ)。

    0
    2025年09月18日
  • ボトルネック

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    もし自分が生まれてこなかったら?
    誰もが一度は考えたことがあるようなことだが、この物語では自分がいない世界があまりに素晴らしく、違って見えたことから、主人公は自らをボトルネックと感じてしまう。

    振り返ると私自身も自分の存在価値を否定して、もう嫌だと自暴自棄になったことがあった。
    辛いことが沢山あったけど、私を必要としてくれる人がいるし、私がいないと悲しむ人がいるんだと、そう思えてからは前を向いて生きれるようになった

    主人公に投影された読者に対して、生きる意味や自分が世界に与える影響を問いかける、切なく苦い青春ファンタジー。

    0
    2025年09月18日
  • 本と鍵の季節

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    ネタバレ

    小市民シリーズのアニメを観てから、青春ミステリをまた何か読みたい、と思っていたところ、栞と嘘の季節の文庫が出ているの見て、その前に短編集があるとのことで読んだ。青春。

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    2025年09月17日
  • ボトルネック

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    受け入れるのが得意。それは長所なのだろうか。
    初めから受け入れてしまうのは良くないのではないかと、最近思うようになった。サキのセリフにもあったように、やらなければ後悔するかもしれないこともやらずに、安易に受け入れてしまうのはいかがなものか。

    仕事でも恋愛でも、最初から受け入れてしまっていたら、手に入らないものや辿り着けない場所がいくつもあるはずだ。だから僕は「受け入れるのは少し苦手」くらいでいいと思う。後悔しないように足掻いて、それでも駄目だったときに初めて受け入れればいい。

    受け入れることは、最後の手段なのだ。

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    2025年09月16日
  • 栞と嘘の季節

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    久々の堀川、松倉コンビ
    文庫本待ってた
    相変わらず静かに不穏が右肩上がり
    高校生とは思えない落ち着き払った推理力と行動に
    瀬野さんの疾走感が対比して、お互いが際立っていた
    その後が気になるが、気になって想像するのがまた
    心地よい

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    2025年09月16日
  • 本と鍵の季節

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    堀川と松倉の距離感が良い。友達のようでそうでもないようで…。でもだんだんと信頼し合ってゆくのが分かる。
    どの話も面白いミステリーだった。ちゃんと伏線があって、謎を解く鍵がちりばめられているので、謎解きも楽しめた。

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    2025年09月16日
  • 栞と嘘の季節

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    ネタバレ

    図書委員の堀川と松倉は、ある時本に挟まっていた高そうな栞を見つける。
    その栞は押し花で作られていたが、使われている花は毒性のあるトリカブトだった。
    さらにその栞を狙う美少女、瀬野が現れて……。

    中盤まではちょっと退屈かも、と思っていたのですが、後半になるにつれて徐々に全貌が見えて楽しくなってきました。
    終わりは若干のビターエンド。スッキリ爽快ではないけど、謎はきちんと明かされますし、その後は瀬野さんの物語として二人の手は離れるという感じなのでしょうね。

    シリーズものの2作目ということで、最初の方も読みたくなりました。面白かったです。

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    2025年09月15日
  • 栞と嘘の季節

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    4年前に読んだ「本と鍵の季節」の続編。前作は短編集だったが、今回はがっつりと長編。

    高校2年の図書委員、堀川次郎と松倉詩門が、返却本に挟まっていた押し花-猛毒を持つトリカブト-の栞に気が付いたところから進むお話。
    堀川と松倉に加え、「栞は自分のものだ」と近づいてきた同学年の女子・瀬野の三人がそれぞれの事情から一緒になって栞の出どころを追う。
    同じ目的を持つ三人だが、それぞれの思惑からどこかに“嘘”を塗しての行動に、互いにそれを暴き合いながらあるいは自ら胸の内を晒しながら、それでも協力して真相を手繰り寄せていくお話の展開が楽しめた。
    長編なのでそれぞれに絡みが多く、堀川と松倉の掛け合いの息も合

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    2025年09月21日
  • 追想五断章

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     5つの物語を探して欲しいという依頼から始まります。小説自体は短い、リドルストーリーでありながら、その結末が実はすでに用意されております。そこに謎を解き明かすメッセージがあります。まあ、読んでいて普通に楽しい物語でした。

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    2025年09月15日
  • ボトルネック

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    ネタバレ

    ふたつの可能世界、「自分が存在している世界」と「自分が存在していない世界」。

    自分がいないほうが、世界が良い方向に向かっていくという事実をいくつも突き付けられていくのがとても残酷。
    自分が、ボトルネック(=阻害するもの。排除されるべきもの。)だと理解するところなんて痛ましすぎる。

    ⋯なんだけど。

    起きたことは仕方がない、受け入れるしかない、と全てに対して投げやりだった彼が「自分が存在していない世界」で数日過ごしたことで、結果として自分自身とあれだけ向き合うことになった。

    もう生きていたくないと思ったとしても、
    母からあんな衝撃的なメールが届いたとしても、
    きっと彼は今までと違う生き方

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    2025年09月14日
  • 可燃物

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    余計なことは喋らない。上司から疎まれる。部下にもよい上司とは思われていない。しかし、捜査能力は卓越している。葛警部だけに見えている世界がある。
    群馬県警を舞台にした5話の短編集。見つからない凶器…「崖の下」、不自然なほど集まる目撃者…「ねむけ」、ちぐはぐな殺人…「命の恩」、動機が謎の放火…「可燃物」、立て籠もり事件の真相は…「本物か」。やや期待外れか。やや甘の★4

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    2025年09月14日