米澤穂信のレビュー一覧

  • 冬期限定ボンボンショコラ事件

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    3年前の回想と現在の小鳩くんの思考パートが程よい長さで交互に来て、飽きることなく最後まで一気に読み進めてしまった。2人の、名前を付け難い微妙で曖昧で繊細な関係が美しい

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    2025年02月23日
  • 犬はどこだ

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    ネタバレ

    女性を探す依頼と、古文書を確認する依頼を並行して調査する構成。
    初めは淡々と仕事をしている描写が続くものの、進むにつれてその2つの事件が重なっていき段々と不穏な空気が出てくる。
    最後の方で、主人公が急いで谷中城を探すくだりにはやられた。間壁が女性を殺害してしまうから焦っているのかと思いきや。
    文庫版の帯にて「振り返らず。来た道から逸れないように。」の一文が引用されているが、いい一文だと思う。

    それと主人公の紺屋さんのキャラがよい。
    殺人を防ぐため危険を犯して山に入るところや、殺人を見逃すなどの完全な正義でないところが人間らしさが出ているなと感じた。

    GENさんは何者なのだろうか?それと主人

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    2025年02月22日
  • いまさら翼といわれても

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    テンポ良く進む短編集だが、中身は古典部のメンバーの過去や現在を容赦なく深堀りする内容だった。奉太郎の過去を描いた「長い休日」が特におもしろかった。

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    2025年02月22日
  • Iの悲劇

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    無人と化した田舎の集落を復活させるため市の職員が奮闘する物語。
    田舎暮らしに憧れて集まった人たちをサポートするが不思議な事件が続くという物語構成が今まで読んだことのない設定で斬新でした。

    連作短編で、ひとつひとつの事件が面白くて引き込まれます。
    どういう結末が待っているのかワクワクして読み進めましたが予想をはるかに超える展開に衝撃を受けました。
    そういうことか、と納得させられる作品です。

    最後の展開はスピード感があるので、気持ちが追い付かない雰囲気にはなりますが違和感なく読めたので満足しています。

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    2025年02月23日
  • 真実の10メートル手前

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    時系列でいくと、
    『さよなら妖精』→本書の表題作1篇→『王とサーカス』→本書残りの5篇らしい。
    本書のみでも十分理解し楽しめる。

    表題作は本編を読んでみて改めてタイトルを認識すると、確かに10メートル前だな、と面白い。
    “名を刻む死“の落ちも良かった。

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    2025年02月19日
  • 冬期限定ボンボンショコラ事件

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    ネタバレ

    春から始まって、とうとう冬。
    終わってしまうと思うと惜しくて大事に読んだ。

    一つ一つの経験が、感情が、その人を形成していくんだ。
    どんなときも思考し続ける小鳩君、小佐内さんの前で泣いた小鳩君、褒めてもらいたかった小鳩君、小鳩君が大好きになった。
    爪を研ぐ余り牙まで鋭くなった小佐内さんも好きになった。
    小佐内さん視点のお話が読めたら、もっと好きになれるかもしれない。

    今まで知りたかったことや読みたかったことが書かれていて、締めくくりとしては大満足だったのだけど、最後に小鳩君と小佐内さんの会話を読んでいて、ものすごく大学生(あるいは浪人生)編が読みたくなった。
    それだけ二人の未来が明るく感じら

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    2025年07月19日
  • 追想五断章

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    ネタバレ

    あえて結末は読者に委ねるリドルストーリー。
    本書では亡くなった父が昔寄稿したらしい5編の話を探す話であるが、その5編ともリドルストーリーでありながら、それぞれの結末の1行、答えともいえるのか、も読むことが出来る。
    その最後の1行を読む手前で読者は凡そ2択の選択肢のどちらなのだろうかと考える形なのだが、答えを知ることでスッキリ感もありながら、これは答えを知らない方が味があって良かったな、などと感じた。
    リドルストーリーの面白さを楽しみながら考えることができた。
    真相は思ったより定番のものだった。

    主人公自身もバブル崩壊により父の事業が失墜し、そのまま飲酒による事故で亡くなり、生命保険で借金は消

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    2025年02月16日
  • これが最後の仕事になる

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    ネタバレ

    一生本を読んで暮らせるなら、
    人生と引き換えでもよいか?

    そこで得た報酬を娘たちに残し
    サラッと宇宙へ旅立てる?

    ふとそんなことを考えた。

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    2025年02月14日
  • 巴里マカロンの謎

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    春夏秋冬の後に読んだ。短編のタイトル地名がノスタルジックでクラシックなイラストや作風に合ってる。小佐内さんのスイーツ愛全開すぎて不幸にみまわれがちなの面白いし、小佐内さんと小鳩くんの日常を知ることができて満足の一冊。各話ごとに2人のイラストがあるのもうれしい。
    「あげぱんの謎」は、先にアニメで見てしまってたので、余裕を持って楽しみながら読んだ。アニメの方が、部室内の机の位置関係が分かりやすかったかな。放課後の学校、行われる数々の検証。しょうもなくて笑えて、この話が1番好きかも。
    最後は小佐内さんにいいことがあって私もうれしい。再びの「おお牧場は緑」でパタンと本を閉じ、読後感が最高に良い。
    お友

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    2025年02月16日
  • さよなら妖精

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    面白かった。
    文章から一人一人の個性、どんな見た目、性格なのか想起させられて感情移入できる
    また一人一人の人物の個性があって引き込まれる
    続きが気になって一気見してしまった

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    2025年02月10日
  • あなたも名探偵

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     6篇のミステリからなる「犯人当て小説アンソロジー」とある。購入してから気付いたのだが、6篇のうち2編は既に読んでいた。

     6人の推理作家からの読者への挑戦状とあるが、私は1編のみ犯人を当てることができた。名探偵には、ほど遠いと感じる。

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    2025年02月09日
  • 禁断の罠

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    先に気づけばよかったのですが、
    かなりダークな感じだったので面白かったですがタイプではなかったです。

    新川帆立さんが好きなのですが、
    設定の面白さはかわらず、
    いつもと違うテイストの物語を読めたのはとても嬉しかったです!

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    2025年02月08日
  • Iの悲劇

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    ネタバレ

    黒幕2人どっも怪しいと少しわかる作りになっていた。問題提起はすごく考えさせられる内容だけど、この悲劇を起こした動機が微妙だなと思ってしまった。プロローグが良かったので、そこにまつわる、昔の住民の感情とかが絡んでいるのかと思っていた。

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    2025年02月06日
  • 真実の10メートル手前

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    太刀洗万智は私の好きなキャラの一人。今回も更に惚れ込んだ。
    短編集で、いずれもハッピーエンドではないが、其々何かを考えさせられる。太刀洗の冷静に相手を慮っているスタンスが心地良い。

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    2025年02月05日
  • あなたも名探偵

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    ずらりと並んだ作家の名前に釣られて買ったら知ってる作品ばっかりだった模様。
    知っているが故に「あなたも名探偵」というタイトルの通り読者側に問いかけてくる部分では冷めてしまったものの、読んだことない人に勧めるにはいい一冊だと思う。
    メインの話からはズレた部分の謎解きなのでそれぞれの探偵の違いや、作家ごとのクセなどを各シリーズの雰囲気と共にぜひ楽しんでいただきたい。

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    2025年02月04日
  • 追想五断章

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    良かったですね〜!
    全体的にずっと暗い、ミステリとしての面白さはもちろん、文学的に楽しい。文書がうますぎるな米澤穂信。

    時代がバブルが弾けて全部がどんよりしていて、悲壮感がすごい。亡き父が残した小説を探して行くうちに謎が少しずつ解き明かされていくんだけど、最後読んで最初に戻るとああ!!そうだったのかという驚き。
    亡き父が残した小説も味があっていいんだよね。雰囲気がいい。


    米澤穂信って、絶妙にイヤな設定にすることで物語に奥行きを出すよなぁと改めて思った。
    主人公も、父親が借金残して亡くなって、大学休学せざるを得ず、本編では救いの手も大して出されない… これが多分普通の大学生とかだったらこう

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    2025年02月03日
  • 禁断の罠

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    罠というだけあって、読みながら予想していた展開ではない意外性のある結末が多く、読んでいて面白かった。

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    2025年01月31日
  • 秋期限定栗きんとん事件 上

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    春、夏と空振り続きだったので期待値はかなり低かったが、まだまだ上巻で物語半ばだけれどこれが非常に面白い。常悟朗くんと小佐内さんにそれぞれのパートナーがいて別々に物語が進んでいくのも興味を深いし、上巻の主役に近い瓜野くんの奮闘も存在感もとてもとても気になる。混沌としたままに終わったが下巻でどういった回収がなされるのか楽しみ。

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    2025年01月28日
  • 冬期限定ボンボンショコラ事件

    購入済み

    切ない読後感

    哀しみに溢れるできごと、至らない未熟な中での過ち。それらを通して、読み終えた時に先ず切なさを感じる内容だった。

    #ダーク #切ない

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    2025年01月28日
  • 犬はどこだ

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    前半はコミカルなやり取りが中心でしたが、後半に行くにつれだんだんダークな感じになっていき面白かった。
    論理的な考察もよかった。

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    2025年01月27日