米澤穂信のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
古典部シリーズ6作目、小市民は昨年春夏秋冬20年を経て完結したが、古典部はまだまだ終わり見えず、すでに24年が経過しており主人公達は高校2年生である。そいいつつも完結まで追い続けていくことになるんだろう…
今作は伊原摩耶花回!と個人的に断ずる。6編あるうち2編が摩耶花主要人物であり、語り手、そして2編ともが作中でも白眉の出来栄えであった。
鏡には映らない
摩耶花がシリーズ最初から折木に対して辛辣であった理由が明かされる、中学時代の卒業製作にかかわる悪行を、己一人が泥をかぶることによって防いだ奉太郎と、それに協力した里志。この過去の秘密が、奉太郎をヒーローと崇める人物によって明かされる。摩 -
Posted by ブクログ
米澤穂信さん著「真実の10メートル手前」
前回読んだ名作中の名作「王とサーカス」に続き大刀洗シリーズの第二弾。
今回の作品は6篇からなる短編集となっている。
ジャーナリストである大刀洗万智が全ての篇に絡む短編集。全ての篇において別々の主人公が存在しており、そこに大刀洗が絡んでくるという設定。どれも物語は面白かった。
ただ前作「王とサーカス」が自分の中で名作すぎた為、今回の作品にはそれと同様それ以上のものを期待してしまった。
そういう意味では前作のような唸らされる感覚はなかった。
タイトルからも想起させられるように今作品も「真実」というテーマがあるにはあるが、その「真実」の正体や言葉の意味 -
Posted by ブクログ
大学を休学し、伯父の古書店を手伝っている主人公は、死んだ父親が残した5つのリドルストーリーを探している女性の依頼を受ける。
人間関係から各掌篇を探すうち、書くに至った経緯と込められた意味がわかっていく。
この本で初めてリドルストーリーという形を知りました。
初めの方は、鬱屈とした様子の主人公と、作中に出てくる掌篇のなんとも苦い内容にちょっと気圧されましたが
リドルストーリーに秘められた背景が明らかになるにつれ、真相を推理する面白さがありました。
辿り着いた真相が、途中考えていたものと合っていて、その一点はスッキリ達成感。
しかし同時に少し理に合わない部分もあって、
結果謎の残る作品 -
Posted by ブクログ
『さよなら妖精』『王とサーカス』に続く太刀洗万智シリーズ短編集。(『さよなら妖精』がシリーズ1作目と知らずに飛ばして読んでた)
やっぱ米澤穂信は短編集が上手い。短い尺の中で論理的な推理と驚く真相がちゃんと用意されている。
探偵とジャーナリストっていう食い合わせが良さそうで意外と難しいこの設定。ジャーナリストという職業は色んな場所・事件に絡むことができる必然性をもたらすけど、ただの探偵役と違って真実を暴いた先には「記事にする・しない」という選択がまとわりつく。探偵役として真実を暴くだけなら善でいられるけど、事件を記事にすることは悪になり得てしまう。真実を暴いて終わりの話にいくらでもできるとこ -
Posted by ブクログ
ネタバレ女性を探す依頼と、古文書を確認する依頼を並行して調査する構成。
初めは淡々と仕事をしている描写が続くものの、進むにつれてその2つの事件が重なっていき段々と不穏な空気が出てくる。
最後の方で、主人公が急いで谷中城を探すくだりにはやられた。間壁が女性を殺害してしまうから焦っているのかと思いきや。
文庫版の帯にて「振り返らず。来た道から逸れないように。」の一文が引用されているが、いい一文だと思う。
それと主人公の紺屋さんのキャラがよい。
殺人を防ぐため危険を犯して山に入るところや、殺人を見逃すなどの完全な正義でないところが人間らしさが出ているなと感じた。
GENさんは何者なのだろうか?それと主人 -
Posted by ブクログ
ネタバレあえて結末は読者に委ねるリドルストーリー。
本書では亡くなった父が昔寄稿したらしい5編の話を探す話であるが、その5編ともリドルストーリーでありながら、それぞれの結末の1行、答えともいえるのか、も読むことが出来る。
その最後の1行を読む手前で読者は凡そ2択の選択肢のどちらなのだろうかと考える形なのだが、答えを知ることでスッキリ感もありながら、これは答えを知らない方が味があって良かったな、などと感じた。
リドルストーリーの面白さを楽しみながら考えることができた。
真相は思ったより定番のものだった。
主人公自身もバブル崩壊により父の事業が失墜し、そのまま飲酒による事故で亡くなり、生命保険で借金は消 -