米澤穂信のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
春夏秋冬の後に読んだ。短編のタイトル地名がノスタルジックでクラシックなイラストや作風に合ってる。小佐内さんのスイーツ愛全開すぎて不幸にみまわれがちなの面白いし、小佐内さんと小鳩くんの日常を知ることができて満足の一冊。各話ごとに2人のイラストがあるのもうれしい。
「あげぱんの謎」は、先にアニメで見てしまってたので、余裕を持って楽しみながら読んだ。アニメの方が、部室内の机の位置関係が分かりやすかったかな。放課後の学校、行われる数々の検証。しょうもなくて笑えて、この話が1番好きかも。
最後は小佐内さんにいいことがあって私もうれしい。再びの「おお牧場は緑」でパタンと本を閉じ、読後感が最高に良い。
お友 -
Posted by ブクログ
良かったですね〜!
全体的にずっと暗い、ミステリとしての面白さはもちろん、文学的に楽しい。文書がうますぎるな米澤穂信。
時代がバブルが弾けて全部がどんよりしていて、悲壮感がすごい。亡き父が残した小説を探して行くうちに謎が少しずつ解き明かされていくんだけど、最後読んで最初に戻るとああ!!そうだったのかという驚き。
亡き父が残した小説も味があっていいんだよね。雰囲気がいい。
米澤穂信って、絶妙にイヤな設定にすることで物語に奥行きを出すよなぁと改めて思った。
主人公も、父親が借金残して亡くなって、大学休学せざるを得ず、本編では救いの手も大して出されない… これが多分普通の大学生とかだったらこう -
Posted by ブクログ
名探偵にはなれそうもないけど、読者への挑戦がはさまれた作品は大好き。
推理に必要なものが全て提示されてからの真相の開示。
うん、楽しい。
東川篤哉と麻耶雄嵩や法月林太郎を1冊で読めるのはアンソロジーならではの贅沢さ。この、ある意味真逆ともいえる作品を立て続けに楽しませてもらった。
麻耶さんの作品は、ミステリはミステリでも、推理小説でない方のミステリっぽくてぞくぞくしたし、法月作品は親子で軽口たたいてるようでいて、なかなかに重いし。
市川憂人さんは、たぶん、初読み。雪の密室で、ちょっと切ないラストがよかった。米澤穂信さんのは、たぶん、小市民シリーズかな。名前だけは知ってても未読だのこのシリーズ、 -
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Posted by ブクログ
シリーズ4作目だからできる短編集
いい感じ
主人公2人のやり取りが超楽しいし、なんか安心感もある
「これこれ」って感じ
最後の短編の最後のひと言なんて、これぞ小佐内ゆき
そして謎解き前に提示される状況説明もクドいんだけど、小鳩くんの性格がクドいってのが分かってるからけっこうスルッと受け入れられるのよね
キャラクターがちゃんと確定している安心感が存分に活かされてるんだけど
これ十一年ぶりの新作なのよ実は
すげー、連続して読んでも違和感が全く感じられない
十一年ぶりに書いたら多少ずれがあってもよさそうなのに
そしてこれが迷いなくできるってのは、読者の側もちゃんと二人を待っていたってこと