米澤穂信のレビュー一覧
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Posted by 読むコレ
危ねぇー。この4作目読むのを忘れて最新刊に
手を出すところだった...。すっかり忘れてた...。
で、「古典部」シリーズの4作目は一年を7編に
分けた短編集。この小粒ながら効いてくる短編の
上手さは米澤さんならでは。「小市民」シリーズ
同様に前半のほのぼのした日常の謎路線から徐々に
その成長とともに付いて回る「人」としての関係性や
蒼臭い悩みや苦悩が見え隠れしてくるのが手に
取るように分かります。
「小市民」では一旦袂を分つ2人でしたが、今作は
微妙で壊れそうな関係がよりほろ苦くてキュンさせてくれます。
ミステリ的にも短編に切れ味+学園の謎のほのぼのさ
が上手くミッ -
Posted by ブクログ
いや〜な後味の悪さが残る短編集。
夢想家のお嬢様たちが集う読書サークル『バベルの会』
そのバベルの会を巡る五つの事件。
夏合宿の二日前、会員の丹山吹子の屋敷で惨劇が起こる。
その翌年も翌々年も同日に吹子の近親者が殺害され、
四年目にはさらに凄惨な事件が起こる『身内に不幸がありまして』
母が死ぬ間際、自分の出自が六綱家だということ。
つまり妾の子だということを知らされた内名あまり。
母の言いつけ通り六綱家を頼った彼女は、
家政婦としての居場所と、北の館に住む早太郎の世話を任される。
その北の館で軟禁されている早太郎との交流を描いた『北の館の罪人』
目黒に本邸を構える貿易商・辰野の所有する別荘で -
Posted by ブクログ
「バベルの会」というサークルの存在でごくるやかに繋がったミステリー短編集。多く「ですます体」で語られる、やや古風な雰囲気をかもし出す文体が巧み。どの作品も魅力的な使用人(?)を登場させた上流階級の世界の話。黒くそれぞれにおぞましさを感じさせる雰囲気が素敵。ただ、文庫本裏表紙のストーリー説明から期待されるようなミステリーではなかったし、帯の惹句のような「大どんでん返し」でもなく、残念。出版社もう少し考えろよ。また上記が原因で、世間で喧伝されるようなラスト一行の衝撃というのにもそれほど感銘を受けなかった。結局僕は「ミステリ読み」ではないんやな。