米澤穂信のレビュー一覧

  • 夏期限定トロピカルパフェ事件

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    前作のポップな日常の謎とはガラリと変わり、序盤から不穏な事件の匂いが漂う展開にワクワクしながら一気読み。

    前作とはまた違ったスリルと面白さがあった。
    ストーリーの展開や真相はある程度予想がついたものの、やっぱり小鳩君と小佐内さんというキャラクターが魅力的で、全く没入感が削がれなかった。

    「どうやって真相を明かすんだろう」
    「どんな反応を見せるんだろう」
    というワクワク感だけで、最後まで楽しく読ませてくれる力がある。

    二人のファンとしては切ない結末だったけど、すでに続きが刊行されている安心感を胸に、次巻の秋の物語へ進みたいと思う。

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    2026年07月25日
  • 満願(新潮文庫)

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    出所から始まる

    弁護側(衝動的犯行)と検察側(計画的犯行)の意見は真逆に分かれるが、果たして犯行理由は……

    細く繊細な描写が妙にリアリティがあり、その理由で犯行に及ぶのか!!となるのだか、だるまや家宝の掛け軸など本人や家族の中で大切な守るべきものは、他人には知る由もない
    2023/11/4

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    2026年07月27日
  • 倫敦スコーンの謎

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    シリーズ5作目にして、短編集2作目。
    願わくはこのまま短編集が重ねられんことを。

    収録作品:
    桑港(サンフランシスコ)クッキーの謎
    羅馬(ローマ)ジェラートの謎
    倫敦(ロンドン)スコーンの謎
    維納(ウィーン)ザッハトルテの謎
    ◇解説 北原尚彦

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    2026年07月24日
  • 黒牢城

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    ネタバレ

    荒木村重の謀反と黒田官兵衛の有岡城監禁、そして、城主荒木村重の逐電。大河ドラマなどでもよく題材に有名なくだりが、ミステリー小説になったと聞いたとき、その意味がよく分からなかったが、読んでみて非常に納得した。
    米澤穂信と言えば、『氷菓』シリーズで、それしか読んだこともなかったので、そのイメージが強かったのだが、歴史モノになっても、基本的な物語のエッセンスは変わっていないように感じた。『氷菓』は、高校生の日常の中に小さな謎を発見してミステリーにした小説だったが、今回の『黒牢城』も、「籠城という日常」の中に小さな謎を生み出してミステリーにしていくという点では、とても『氷菓』を思わせるような作品だと思

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    2026年07月24日
  • 黒牢城

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    民の罰が最も恐ろしいという黒牢城の思想は、現代にもそのまま響く。
    制度や権力よりも、人々の信頼が失われた瞬間に組織も社会も揺らぐ。
    民心の離反が最大の罰となる構造は、今の世にも確かに通じている。

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    2026年07月22日
  • インシテミル

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    「クローズドサークル」ものは好きだが、あまりにもゲーム的な要素が強すぎて読み終えるのに苦労した。
    登場人物の造形も作者が駒として動かすためだけに存在しているように感じて、内容に没頭できなかった。

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    2026年07月20日
  • 満願(新潮文庫)

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    それぞれイヤミスというか読んでスッキリという訳でなく、もしかしたらこうだったかもという若干の嫌な気持ちが残る短編集だった。
    名探偵がいなければ現実もこういう感じだと思うが、何故か最初の刑事がずっと主人公の話だと思っていたため、いきなり主人公が変わってしまってびっくりした。

    峠の話が印象的だった。
    今みたいに犯罪は悪!なのは当たり前だが、色んなことが合理的に行われた時代ってのもあるんだと思った。

    なんだか全編、この先は想像にお任せしますというような内容が多かったが、想像力の乏しい私は結末まで読みたいなと思う気持ちが強かった。

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    2026年07月19日
  • インシテミル

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    ネタバレ

    作り込まれた設定や世界観は魅力的で、ミステリに精通している人ほど楽しめる作品。後半の主人公の豹変ぶりには驚かされた。主催者側の視点や関水の10億円の使い道など、最後まで回収されない要素が多く、読後には消化不良な印象が残る。

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    2026年07月18日
  • 裏切りの捜査線 警察小説アンソロジー

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    5人の作家さんが描いた警察ミステリー5話。
    ひと口に「警察ミステリー」といっても、三者三様。
    作家さんによって全く異なる切り口になっていて面白い。
    方丈貴恵さん「メゾン・イニシェの怪」
    芦沢央さん「コールバック」
    の2作品が特にお気に入り。

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    2026年07月17日
  • 巴里マカロンの謎

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    ネタバレ

    秋と冬の間に本にまとめられたが、時系列的には春と夏の間の事件で、いってみれば番外編集。
    「巴里(パリ)マカロンの謎」
    「紐育(ニューヨーク)チーズケーキの謎」
    「伯林(ベルリン)あげぱんの謎」
    「花府(フィレンツェ)シュークリームの謎」
    エラリー・クイーンの国名シリーズをオマージュした各編タイトル。

    4分の3、古城秋桜(こぎ・こすもす)さんが絡む。
    4分の1にあたる「伯林あげぱん」をアニメ1期5話に組み込んだのは、英断。
    秋桜さんがあのアニメに入ってくると、ちょっと路線変わるし。
    しかしそれはそれとして、動く秋桜さんも見たい。
    というのも、番外編だからか小佐内さんも小鳩くんものびのびとしてい

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    2026年07月17日
  • 黒牢城

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    オーディブルにて耳読。
    史実とフィクションのバランスがちょうどよく読みやすかった。土牢の官兵衛が安楽椅子探偵として城内の事件を解決していく、がメインかと思ったけどそうじゃなかった。
    武士の忠義とか美しき散り際とかそんな感動を得られる作品ではなかった。描かれていたのは一人の男の保身とエゴのせいで、何百人もの無実の家臣や女子供が地獄のような虐殺に巻き込まれていくという救いのない悲劇。村重のエピソードは知ってたけどなかなかエグかった。
    でも人間らしいな、と言う感想も。悪人とも言い切れず信長のように冷徹にもなれず。


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    2026年07月16日
  • 裏切りの捜査線 警察小説アンソロジー

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    警察小説は大好物だから、こうゆうアンソロジーはありがたい。色んなテイストの作品が楽しめて満足。
    米澤さん、芦沢さんは、らしさが詰まった安定に良い作品だったし他は初めてだったけど読みやすく面白かった。短篇ものの物足りなさも感じず、深すぎず浅すぎず…どの作品もいい塩梅で良かった。

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    2026年07月16日
  • 氷菓 (6)

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    ネタバレ

    文集「氷菓」を200部刷ってしまったところから始まる文化祭。
    古典部の4人がそれぞれ別の場所で動く多視点構成になっている。
    わらしべ長者のような物々交換をしていく奉太郎のパートがのんびりしていて好き。

    原作でいう「クドリャフカの順番」が好きなので
    この先も楽しみ。

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    2026年07月15日
  • 氷菓 (5)

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    ネタバレ

    愚者のエンドロール、解決編。
    入須先輩のやり方は、上手いのだろうが
    体よく使われた方としては良い気持ちはしないだろう。
    解決したかに見えた後、奉太郎が姉や摩耶花、
    えるの言葉で違和感に気づいていく流れは良かった。

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    2026年07月15日
  • 黒牢城

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    歴史に疎くて大河ドラマ『豊臣兄弟』でちょうど荒木村重が謀反を起こす回を観てからからこの本を読み始める。それでも読むのに結構時間がかかってしまった。
    現代とは全く違う戦国時代の価値観の中でのミステリーが面白かったし、史実を絡めたフィクションは興味深かった。戦国時代を生き抜くのは凄まじく大変で、武士としての誇りを持って生きていたが故に譲れないものがあるのが伝わってきた。

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    2026年07月13日
  • ボトルネック

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    ネタバレ

    青春ものSF・FTミステリー。
    事故死した恋人を弔うため東尋坊に訪れたところ、東尋坊から落下、気が付くと金沢の河川公園、家に戻ると別の世界線で生まれる前に死亡した姉と事故死した兄、さらには恋人も生きている。
    最後の2章で恋人の事故死の真相が暴かれ、世界線の分岐の理由がことごとく姉か自分かによるものであり、自分こそがボトルネックであったことを感得してしまう。やるせない思いが募り、ラストシーンも暗い未来しか想像できない。

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    2026年07月13日
  • 儚い羊たちの祝宴

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    ネタバレ

    上流階級のお嬢様達の読書サークル、バベルの会。
    どの章にも、そのバベルの会に所属している人物が出てきて、全ての話が、どこか繋がっているような感覚になる短編集。


    ・身内に不幸がありまして
    主人公の村里夕日が仕える丹山家の話。
    毎年同じ日になると、親族の誰かが死んでいく。もしかしたら心の底でそう願っていた私が、無意識のうちに殺してしまっているのかもしれない。
    そう考えていた夕日も殺されてしまう。つまり犯人は…。
    「身内に不幸がありまして…。」
    眠るのが怖いと感じる人達の話。

    ・北の館の罪人
    母が亡くなり、身寄りのない主人公のあまりは、母が遺した言葉を頼りに六綱家へ向かう。
    北の館で暮らすこと

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    2026年07月14日
  • リカーシブル

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    米澤穂信さんの『リカーシブル』を読んだ。最初は退屈でつまらない作品だと思った。でも後からじわじわと主人公の心情や置かれた境遇、家族に対する想いなどが思い出され、応援したくなる。どうやら自分のなかでこの物語はまだ続いているらしい。地味で目立たないけれど、しっかり余韻が残る。さすが…

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    2026年07月12日
  • Iの悲劇

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    無人となった集落を復活させるIターンプロジェクト。
    なんとか移住者を集め、開村式を行なったものの、立て続けに問題が起こり、一人また一人と集落を去っていく・・・
    感じ方は人それぞれでしょうが、個人的にはあまりスッキリしませんでした。

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    2026年07月12日
  • 本と鍵の季節

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    ⭐︎3.5

    『本と鍵の季節』を読み終えた後、静かで深い余韻が長く心に残った。

    本作に派手な事件や劇的な展開はない。高校の図書委員である堀川と松倉の二人が、持ち込まれる日常の謎を解き明かしていく物語だ。しかし、その過程で浮かび上がるのは、人間の心の複雑さや、簡単には割り切れない感情である。それこそが本作最大の魅力だと感じた。

    軽妙でありながら適度な距離感を保つ二人のやり取りには、高校生らしい未熟さと、どこか大人びた落ち着きが同居している。互いを信頼しつつも踏み込みすぎず、冷静に推理を重ねていく姿が実に魅力的で、事件そのものだけでなく、二人の関係性にも引き込まれた。

    また、本作では「真実を

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    2026年07月10日