米澤穂信のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレボトルネック
リアルタイムでは無く「過去作」として読んでいる為、発売当時の読者とは違った印象になるかも知れない。米澤穂信は面白い作品を数多く発表しており僕の中では圧倒的な作家である。
古典を読むときには、特に年代は気にしないが、リアルタイムで読んでいる作家の作品は、どうしても時系列が気になってしまう。この時代には何があったとかそういうことではないが、少なからずまだ様々な作品が発表されていない、新進気鋭の作家であっただろうこの時代とたくさんの作品が生み出され一流作家と言われるようになった、現在の作品と比べたときの取り方はどうしても異なってしまう。
今作は、主人公であるリョウと、亡くなった彼の恋人 -
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Posted by ブクログ
連続放火事件の表題作他、群馬県警が扱う事件捜査を題材にした5篇。葛警部は集めた情報を丁寧に確実に見極め、先入観や安易な想定を徹底的に避けながら真実を追求していく。実際の警察の捜査というのはこういうものなのだろうと思う。一つ一つが地道な捜査活動の積み重ねによって集められていく情報、それに元にした疑いようのない論理と事実から犯罪を暴いていく。
小説としてそこがきちんと書かれているだろうとは思うが、これは推理小説であるので読み手がどのように感じるかという視点も重要。数多くの傑作を生み出してきた現代有数の推理小説作家の作品としてはどうなんだろう。この作家の本は10冊目になるが相対評価とすると下位になる -
Posted by ブクログ
まず最初に謝らないといけない…
以前「古典部シリーズ」を2冊ほど読み、結構ひどい評価をし、多分もう二度と米澤穂信作品は読まないだろう…とか書いてしまいました…
まあ、今考えても「古典部シリーズ」は私には合わなかったので、そこは勘弁して欲しいのですが、これはとても面白くて、米澤作品がどれもこれもどうせ私には合わないだろうという思い込みは間違えてました…ごめんなさい!!
では、仕切り直しまして…
一番好きなのは「夜警」でした。分かりやすくて面白かった!次は「関守」。
その他の作品も★にするとこんな感じ…
夜警★★★★
死人宿★★★
柘榴★★★
万灯★★★
関守★★★★
満願★★★
解説に松本清張を -
Posted by ブクログ
作品全編渡って作中に出てくる金沢の街のようにドンヨリとした雲がかかっているような、薄暗く不穏で希望の見えない作品だった。
本格ミステリー作品と比べると流石に謎解きや推理要素は少ないが、その分メッセージ性や人物像への言及が多くあり、社会派小説の感じで退屈することなく最後まで読めた。
感想としては、読んでいてとても辛いものがあった。私も家庭問題で苦しんだときがあり、主人公達の気持ちに共感できた。もちろん私も当時は、この家庭内不和をどうにかできないか、どうしたら良かったのかと考え苦しんだ時代もあった。もちろんそんな苦悩は的外れであったのだが。
だからこそ、諦めと納得のフェーズに入ったところで、も