米澤穂信のレビュー一覧

  • 氷菓(14)

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    コミックの帯には「直木賞受賞・米澤穂信の原点!」、予想よりも早い刊行でうれしい限り。
    内容は前回の折木奉太郎誕生日会の後半と、伊原摩耶花の漫研騒動の前半で、巻末には摩耶花(ペンネーム井原花鶴)の努力賞が発表された漫画雑誌の再現ページもある。前巻と同じくアニメ(手本)がない中でのビジュアル化は新鮮で、おなじみの面々が意外な形で所々に再登場する。
    最後の原作者コメントより。「私は不幸な出来事の大きさよりも、それらすべてを歴史的遠近法の彼方でやがて古典にしてしまう、日常の強さにこそ圧倒されます」。

    ※原作の動向…『小説 野性時代』(電子書籍のみ、2022年6月25日発売)は米 澤穂信特集。そして古

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    2022年03月26日
  • 妖し

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    地に足がつかない。結末は、個々に委ねられる。短篇でしかたないけど、展開の変化や末路に至る解説を欲してしまう。不自由な自分に星3つ。

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    2022年02月27日
  • 紙魚の手帖Vol.02

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    ★★★『羅馬ジェラートの謎』米澤穂信
    小鳩くんと小山内さんの掛け合いが楽しい。テンポが私と友達の会話に似てて少し親近感。
    だんだんと気がつくのだが、手がかりは、あちこちに散りばめられている。
    それも?え?それも?そうつながる?
    ハラハラドキドキはないが、納得できる結末と…ちょっとした余韻が、癖になるのかな。。

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    2022年02月25日
  • 時の罠

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    〈時〉をテーマにしたアンソロジー。
    辻村さんは父子の人情話、万城目さんは神様が夢を叶えるトリッキーなファンタジー、米澤さんはSF、湊さんはミステリ。
    アプローチも語りも異なった競演。読みやすく楽しかった。タイムカプセルに始まりタイムカプセルに終わったけれど、二つともパンドラの匣にならなくて良かった。
    個人的に意外性No. 1は米澤さん。

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    2022年01月15日
  • 時の罠

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    どの話も面白かったが、
    特に湊かなえさんの話が良かった。
    耳の障害で、音が3秒遅れて聞こえる主人公の話。

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    2021年11月27日
  • 妖し

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    ネタバレ


    短編集は知らなかった作家さんに出会えるのが楽しい。
    今回いちばんのお気に入りは村山由佳さんのANNIVERSARY。
    「俺が寂しいの」に不意にきゅんとしてしまった。
    話のあらすじとはズレちゃうけど、こんな旦那さんと結婚したいなあとしみじみ思いました。笑

    真珠星スピカはちょっとうるっと来たし、
    マイ、マイマイは思春期のムズムズ感を思い出したし、
    わたしキャベンディッシュはぞわっとした。

    一冊で色んな感情を引き出される本でした。

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    2021年10月24日
  • 時の罠

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    再読。
    というよりも、湊かなえさんワールドに浸かりたくて
    湊さんの話だけ読もうと思って手に取ったら
    他のも結局読み返してしまった!

    アンソロジーなので、一つ一つのお話は短くて
    でもしっかりと世界観を魅せてくれる安心の4名……
    湊かなえさんの「長井優介へ」がすごくすき。
    15年は長すぎるけど、またこれからの15年は
    長井にとって明るい15年であってほしいなと思いました!
    そして辻村さんの「タイムカプセルの八年」は
    胸が熱くなった。
    親父たちがすごい!かっこいい!
    小学校卒業から成人までの八年と、
    成人からの八年は本当に全く違うだろな。
    他二編はファンタジー?要素もあり
    不思議な感覚で面白いです

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    2021年08月15日
  • 氷菓(13)

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    "「折木さんって真夜中の赤信号は無視するタイプですか」
    「真夜中には出歩かないタイプだ
    お前は守りそうだな」
    「わたしは真夜中に出歩く範囲内に信号がないタイプです」
    「………暇だし本でも読んでる」
    「だめです」"[p.53]

    アニメ化されてない二年生編、もとい「ふたりの距離の概算」に突入。
    原作読んでるけど内容覚えてないな……千反田は過去に家に来たことがあるんだったけ?

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    2021年05月02日
  • 巴里マカロンの謎

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    高校生の小鳩君と小佐内さんは慎ましい小市民を目指し、日々の安寧のためお互いの存在を盾に使うという互恵関係を結ぶ仲。
    そんな二人の謎解きを綴った日常ミステリ短編集。

    11年ぶりの小市民シリーズ。
    前のお話はすっかり忘れてしまいましたが、互恵関係という事は覚えていたので何となく読み進められました。

    どの短編も読みごたえがありましたが、一番面白かったのは「伯林あげぱんの謎」。
    小鳩が新聞部の部室を訪れたところ、あげぱんをめぐって思案している新聞部員四人がいた。
    あげぱんのロシアンルーレットを行ったが、辛子入りを誰も食べていないという。嘘をついている部員は誰なのか――。
    小鳩は部員との会話から手が

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    2025年02月24日
  • 妖し

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    「怪異」をテーマにした奇譚アンソロジー10篇。

    作家それぞれの色々な「妖し」が表現されてます。
    冒頭の恩田陸さんの「曇天の店」 ページ数少ないのに終盤で一気に不穏な空気にしていくのが秀逸。
    「李果を食む」阿部智里 どっち?どっち?表現の生々しさが印象的だった。

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    2021年01月27日
  • 米澤穂信と古典部

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    古典部シリーズのガイドブック。

    対談集や、書き下ろし短編の「虎と蟹、あるいは折木奉太郎の殺人」を収録。

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    2021年01月23日
  • 氷菓(13)

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    12巻での発売予告から半年遅れての刊行となった13巻。原作者や漫画家のコメントに影を落とすのは去年の「京都アニメーション放火殺人事件」、あのような事件がもう2度と起きませんように。
    さて内容は、前巻から続く『遠まわりする雛』の終盤、そしてアニメ化されていない2年生編『ふたりの距離の概算』の序盤で、新入生「大日向友子」が登場。ただし原作と違って、漫画は時系列順で話が進行しており、主人公「折木奉太郎」の誕生会に入ったところで話は終わる。時系列順が『ふたりの距離の概算』内にとどまるか、はたまた『いまさら翼といわれても』や『米澤穂信と古典部』収録の「虎と蟹、あるいは折木奉太郎の殺人」をも含めたものにな

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    2020年11月28日
  • 米澤穂信と古典部

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    古典部シリーズのファンブックみたいは内容。
    奉太郎の切り口はとても面白かった。
    米澤穂信さんとゲストとの対談集。北村薫・恩田陸・綾辻行人・大崎梢って豪華メンバーだなと思う。

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    2020年11月17日
  • 米澤穂信と古典部

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    ネタバレ

    面白かった。
    前にメロスの感想文を読んだ時に、ホータローの読書感想文をもっと読んでみたいと思っていたのでとても満足。感想文の中身はもちろん、ホータローが実は楽しんでいたということにニヤニヤしてしまう。
    加えてホータローが読書をしている描写を読むたび本棚を見てみたいと思っていたので、そちらに関しても満足。まさか古典部メンバーみんなの本棚が覗けるなんて。知らない本も多くあったので、ぜひ読んでみたい。実はこの本と同時にモモを買ったので(小学生の時に読んで良かった覚えがあり読み返したくなった)、千反田の本棚にモモがあってなんだか嬉しくなってしまった。
    そして多くのインタビュー。ミステリは元々好きだった

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    2020年11月13日
  • 氷菓(12)

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    "『もともとはこいつが悪いとはいえ
    俺は里志に言いたくなかっただろうことを言わせてしまった
    言うべきだろうか?
    『すまん 俺は福部里志のことを何も知らなかった』ーーと
    ……ま 言えないな』"[p.80]

    ついに雛まで。
    次巻は2020春予定とのことだけど、秋の今でも出ていない……休載でもして遅れてるのかな?

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    2020年09月20日
  • 時の罠

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    湊かなえ、米澤穂信等、よく読ませていただいている作家さんの短編小説。
    自分自身、教育に携わるものとして、ハッとされられる場面が何回かあった。
    人と関わる仕事の責任の重さ、影響力について改めて考えさせられた。

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    2020年09月06日
  • 時の罠

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    4人の作者による短編集。
    すべて時間・時がメインテーマとなっている。

    辻村深月の「タイムカプセルの8年」の登場人物である父親は正直なところ、いい父親では無い。
    私が妻であれば今すぐにでも離婚したいと思うような父親である。
    何しろ我が子の誕生日やこどもの日のようなイベントから、運動会や授業参観のような学校行事もよく忘れ、挙げ句の果てにクリスマスプレゼントまで買い忘れる有様!
    それらを別にたいしたことがない、プレゼントなど実用的ではないと言ってのける。
    あんたはそうかもしれないが、と腹立たしい。
    心がないのではないかと読んでいて心底嫌になったものだ。
    確かに祝い事やプレゼントなど実用的でもないし

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    2020年07月05日
  • 妖し

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    時代小説がどうしても苦手で読み飛ばし

    ホラーをほとんど読まないんだけど
    あの、滴るような甘い果実がとても気になる。

    あの果実は‥

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    2020年07月01日
  • 妖し

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    【収録作品】「曇天の店」 恩田陸/「わたしキャベンディッシュ」 米澤穂信/「ANNIVERSARY」 村山由佳/「真珠星スピカ」 窪美澄/「マイ、マイマイ」 彩瀬まる/「李果を食む」 阿部智里/「フクライ駅から」 朱川湊人/「細川相模守清氏討死ノ事」 武川佑/「かぐわしきひと」 乾ルカ/「喪中の客」 小池真理子

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    2020年06月20日
  • 妖し

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    十人の人気作家が作る、妖しげな世界。

    「ANNIVERSARY」は言葉の持つ明るい世界とは異なる、なんだか奇妙な、悲しい世界だ。
    世界がループするのだ。
    ちょうど今読み返している『D.Gray-man』にも、繰り返される日々の話が出てきていた。
    この漫画について語るのはまた別の機会として、とにかく元の世界においてきた子供のことが気になってしまう。
    愛する者との離別を考えると、胸が苦しくなる。

    『李果を食む」は、私が感じ取ったおぞましさは二つあった。
    どちらだ。
    どっちなんだ。
    いや、どちらでも構わないだろう。
    もうすぐ、スモモの季節。
    あの甘酸っぱいすももを、私はこの話を思い出さずに食べら

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    2020年05月16日