米澤穂信のレビュー一覧
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正確に書くと星3.6。
私は米澤さんの文章が好きなので+0.1。
話の内容で言えば、二つの事件(依頼)がところどころ混じり合ってるかと思えば実は重要だったりして、そこが魅力だったかなと思う。
ただ、最後の重要な部分とかが種明かしの前に分かっちゃったりして、残念だな。
でもChapter6の最後とか、Chapter7の最後とか新鮮で面白かった。米澤さんらしい。
私は、ずっとミステリーの種を分からない読者だったので、ミステリーを読むと大体トリックなどで驚かされて、それを面白がって好んでいた。
ただ、ここ数年でミステリーをかなり読んだことにより、だんだんと種が分かってきてしまった。同じ作者さんの話 -
Posted by ブクログ
ネタバレあえて王道の展開から外したなぁ、という感じの終わり方だった。リアルっぽい雰囲気の作品によくありがちな、フィクションほど吹っ切れてないせいで感じる不完全燃焼感がどうしても気になる。
途中(半分越えたあたり)は面白かった。
やや閉鎖的で退廃の香りがする街での謎の風習、それを調べていた人が危険な目にあって、超常ホラーか?!とワクワクした。
あと個人的には、お母さん……お母さんがものすごく引っかかった。エンディング後あんなんいる家に帰らなきゃいけないの……?
古典部シリーズからの流れで他のも読んでみたい!と買ったうちの1本目だけど、正直女子中学生視点書くの向いてないかな……と思った。奉太郎がすごい -
Posted by ブクログ
ネタバレ魔術の存在する十二世紀ヨーロッパにおけるミステリ。
制約の存在する超能力の上で展開される論理パズルという趣向はデスノートやハンターハンターなどにも見られる。
この種の作品で重要なのは作品世界における能力の妥当性を醸し出すこと、言い換えれば作品世界の法則を論理的思考の範疇に収めることだといえる。そうしないとミステリとしてはフェアとは言えないだろう。
この作品はその観点で言えば上記の範疇に収まるかどうかはギリギリのところだろう。
まず、物語のベースとなるのは中世ヨーロッパの世界観だが、これは歴史的事実に則った精密な描写がなされている。
問題なのはもちろん魔術だ。
この作品には複数の系統の魔術が存在 -
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”時間“をテーマにした4人の作家たちの競演
辻村深月「タイムカプセルの八年」
不器用な父親と息子の物語、ジワリと涙腺がやられるやつです。
万城目学「トシ&シュン」
この人の感性は本当に面白い。
“時間”をテーマにしたとき、よくこの発想へたどりつくなと、感心してしまう。
米澤穂信「下津山縁起」
今度の時間は気の遠くなるほどの長さ。
“時間”という概念について少し前いろいろ本が出ていたけど、”知性“という概念と合わせて編年体にして描く、お上手です。
湊かなえ「長井優介へ」
“イヤミスの女王“と言われた作者らしい短篇。でも最後に少し光が見え読後感がいい。
辻村深月と湊かなえが少しかぶり気味