米澤穂信のレビュー一覧
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青春ミステリというよりは、青春要素がメインでミステリがちょこっと添えてあるかんじ。ミステリ要素は、日常に潜む謎をささやかなきっかけから拾いあげるようなもので、どことなくウミガメのスープっぽい謎解きだったけれど、海外からやって来た少女マーヤの視点が加わるとぐっと面白くなる。マーヤに出会って、守屋の世界は急に開けたんだろうなあ。自分がほんとうに小さくて、手を伸ばしても遠く届かない。
全体的に面白かったけど、個人的には、米澤穂信作品は日常系よりもがつんとしたミステリのほうが好みなのかも(ほんとうに個人の好みの問題だけど…)
『王とサーカス』を読んでみたくて先に本作を読んでみたけど、太刀洗よりも守屋の -
Posted by ブクログ
古典部3作目に予定されていたとは思えないほど異国の政治情勢に踏み込んでいる作品。元は古典部シリーズということで一応キャラクターを(個人的に)当てはめてみるなら、守屋≒折木、福原≒文原といったところだろうか?千反田の要素は分散しており太刀洗万智とマーヤに少しづつあると思う。マーヤの「それは哲学的意味ですか?」は千反田の「私気になります」であるだろうし、太刀洗の方が高身長かつ大人びた雰囲気をしているものの、彼女の容姿は千反田に近いと思う。白河いずるが当てはまりそうな人は居ないが、強いて言うなら千反田だろうか。伊原要素もまた、あまり感じることは無かったが、頑固で面倒くさい所は文原と共通していると感じ
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Posted by ブクログ
ネタバレ誇れることがあるとすれば、それは何かを報じたことではなく、この写真を報じなかったこと。それを思い出すことで、おそらくかろうじてではあるけれど、だれかのかなしみをサーカスにすることから逃れられる。
一番最後の文が印象に残った。
全てのジャーナリストが同じマインドでいるとは思わないが、あえて語るべきでないこと、語ることによって知られるべきでないことが世に出て生まれるべきでないかなしみを生むこと、それを避けることはできる。一方で、人の知的好奇心を他人が抑えることはできないし、その判断が結局は個人に委ねられるのであれば、一人一人のリテラシーがものをいうということなのだと思った。そしてそれは、ジャー -
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大学休学中の男子大学生が住み込みで働いている古本屋で死んだ父親のリドルストーリー(結末がない物語)を探してほしいと依頼を受ける。
話を集めているうちに「アントワープの銃声」という
事件に著者は容疑者だったと知る。
虚しさの残るラストとなりながらも、ミステリとして切れ味がある。それぞれのリドルストーリーの結末を知るとなんとも言えない残念感が味わいがある気もする。
主人公の虚しさのもかなり後を引く。
希望していたことはなにも叶わずに推理結果だけはうまくいき、感謝される。
どこに向けていいのわからないやるせなさがある。
10年ほど前に読んで再読。