米澤穂信のレビュー一覧

  • Iの悲劇

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    無人となった集落を復活させるIターンプロジェクト。
    なんとか移住者を集め、開村式を行なったものの、立て続けに問題が起こり、一人また一人と集落を去っていく・・・
    感じ方は人それぞれでしょうが、個人的にはあまりスッキリしませんでした。

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    2026年07月12日
  • 本と鍵の季節

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    ⭐︎3.5

    『本と鍵の季節』を読み終えた後、静かで深い余韻が長く心に残った。

    本作に派手な事件や劇的な展開はない。高校の図書委員である堀川と松倉の二人が、持ち込まれる日常の謎を解き明かしていく物語だ。しかし、その過程で浮かび上がるのは、人間の心の複雑さや、簡単には割り切れない感情である。それこそが本作最大の魅力だと感じた。

    軽妙でありながら適度な距離感を保つ二人のやり取りには、高校生らしい未熟さと、どこか大人びた落ち着きが同居している。互いを信頼しつつも踏み込みすぎず、冷静に推理を重ねていく姿が実に魅力的で、事件そのものだけでなく、二人の関係性にも引き込まれた。

    また、本作では「真実を知ることが、必ずしも誰かを幸せにするとは限らない」という現実も静かに描かれている。謎が解けても、すべてがすっきりと解決するわけではない。その余白があるからこそ、読み終えた後も登場人物の思いや選択について考え続けてしまう。

    私たちの日常の中にも、気づいていないだけで「誰かの事情」や「見えない謎」が潜んでいるのかもしれない。そんなことを思わせてくれる本作は、派手なトリックではなく、人間そのものを描くことで読者の心を惹きつける米澤穂信らしさが存分に味わえる青春ミステリーだった。

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    2026年07月10日
  • 秋期限定栗きんとん事件 下

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    ネタバレ

    上下巻。
    本作はアニメ2期の前半に当たる。
    アニメ2期に対して、1年前、こう書いた。
     @
    大期待していた2期。
    結果、最高。
    瓜野高彦くん、仲丸十希子さんの部が前半で、
    ひき逃げにあった小鳩常悟朗くんが入院して、現在の事件と過去の事件が交錯する中で、小佐内ゆきさんとの過去に言及されるのが後半。
    小佐内ゆきさん、いい……。
    悪魔かとも思われる所業をするのだが、それって実は、小佐内さんが常に謂れなき暴力や侮りに遭い続けているからゆえの反動でもある。
    と、いってもまあ規格外なふたり(瓜野高彦くん、仲丸十希子さんとの比較で際立つ)が、また付き合いだすのも、善き哉……。
    おそらく原作小説でも、コミカライズでも、見え方が全然違うのだろう。
     @
    き、キモい……「いい……」って、もう語彙なくしとるやん。
    しかも2期後半ではなく、前半ばかりで、もうヨガっとるやん。
    アニメで展開を知っているからこそ、瓜野くんの「あらかじめ決められた尊厳破壊」の運命が、読んでいてひしひしと。
    この少年、高校生ならそんなもんよねという程度に承認欲求が根底にあり、年齢相応に他者を見下していて、おっさんから見たら可愛い高校生じゃん、と。
    しかし彼の不幸は、小佐内さんの復讐ラインに触れてしまったこと。
    ただそれだけで、本書中に書かれていないが(この点は作者の意地悪さ!)、その後、精神的には死……嗚呼恐ろしい。
    小佐内さんが小鳩くんに、「わたし、知りたかったの。恋とはどんなものかしらって」などと言っているまさにそのとき、家で生ける屍のようになっているのではないかと想像。
    こわ……ヨガってる私……。
    小鳩くんの実に実にイヤなところも、仲丸さんとのトマトなどのくだりを通じて判ってくる、ああなんてキツいシリーズなんだ(歓)。

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    2026年07月10日
  • 裏切りの捜査線 警察小説アンソロジー

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     5人の作家の警察小説アンソロジー。現役警察官だけではなく退職して探偵になっている主人公がいたりと米澤穂信目当てで購入し初読み作家さんもいたけれどそれぞれが違って楽しめた。個人的には「コールバック」が一番印象に残ったかも。

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    2026年07月09日
  • 裏切りの捜査線 警察小説アンソロジー

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    米澤穂信作品、葛刑事が同期の丸山と会う居酒屋のメニューおいしそう。物事の見方を変えると見えるものがある、これは刑事ものの定番だろうけど私はいつもわからないので解説されてなるほど〜と毎回思ってる。オカルト系は苦手だった。

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    2026年07月09日
  • 栞と嘘の季節

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    はじまりは主人公たちが本に挟まれた押し花の栞をみつけ、それが毒性をもつトリカブトと気づいたところから。
    中毒で倒れた先生、裏庭に咲くトリカブトそれらと栞の関係を追っていく。
    図書委員シリーズの2作目。1作目読んでなくても楽しめるとおもう。
    青春ミステリーて感じでいいけど、主人公が高校生ということを考えると賢すぎて、めっちゃ違和感ある笑

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    2026年07月09日
  • ボトルネック

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    主人公の主観で物語は語られていくが、この少年が(家庭環境が残念であるとはいえ)とても暗いので、読むテンションがあまり上がらないというか…。
    これが物語上いろいろを乗り越えて、ちょっと前向きになる話かなと思っていたら、全然変わらずに終わったので、設定の面白さはあったけど、納得いかんなぁという感じが残る。
    別にハッピーエンド至上主義ではないつもりだけど、何も変わらんというのは読んでいて虚しい。

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    2026年07月06日
  • 追想五断章

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    起承転結の転であろうところで怒涛にページを捲る手が止まらなかった。
    物語の中に物語がある
    不思議な作品だった
    叶黒白の名前の通り、叶うなら白黒つけたかったのだろう…

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    2026年07月05日
  • 折れた竜骨 下

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    ネタバレ

    上巻とうってかわり、戦闘シーンもある緊迫した展開の下巻。ファンタジーらしさをきっちり出しつつ、終盤の種明かしはミステリらしい展開。

    ただ、少し展開が読めてしまいやすいかも。ファンタジー要素のおかげで全員あからさまに怪しいので‥。論理よりメタ的な予測ができてしまうのが惜しいところ。

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    2026年07月05日
  • 時の罠

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    ネタバレ

    タイムカプセルに少し憧れる思いもあったが、いざ開けてみると、自分の稚拙さに唖然としそう。それをきっかけとした再開に、醍醐味があるのだろうと思う。
    最後の話が、1番楽しめた。家庭教師の先生ナイス!
    途中まで、湊ワールドに入ると想像したので、少しの意外性も含め楽しめた。

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    2026年07月04日
  • 追想五断章

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    事前情報なく、なんとなく読んでみた作品。
    最初はよく分からなかったけど…
    徐々に分かり始めてからは一気に引き込まれる。
    全体通して暗さはあるけど、意味が分かった上で5つの短篇を読み解いてみると非常に感慨深い。
    なんとも米澤先生らしい。

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    2026年07月01日
  • ボトルネック

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    転生系のお話。自分が存在しなかった世界を体験する主人公。そこで出会った人と解決を模索する展開。大きな波はなく淡々と進む物語で面白くなくはない。

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    2026年06月29日
  • あなたも名探偵

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    ネタバレ

    折角なので、名探偵の気持ちで挑んだ。以下メモ程度の感想。

    『赤鉛筆は要らない』
    ・犯人当て成功、トリックも大体当てられた。
    ・静かな感じがして文体が好み。
    ・個人的には納得いかない部分は無かった。
    ・タイトルの回収が好き。

    『伯林あげぱんの謎』
    ・既に読んでいたため、サラッと復習。
    ・日常の謎なので、人が死なず安心して読める。
    ・小鳩くんの鼻につく感じが嫌いではない。

    『アリバイのある容疑者たち』
    ・犯人当て成功、トリックは見破れず。
    ・会話文が多くてサクサク進む。
    ・トリックはあまり好みでは無いが、そういうこともあるんだろうなの気持ち。
    ・作品の言葉を借りるなら、自分は2.5流探偵であろう。

    『紅葉の錦』
    ・何も分からず。
    ・とりあえず人の名前が覚えられなかった。
    ・被害者当てからやるのは面白いと思った。
    ・最後の海野はよく分からなかったし、犯人の動悸などが気になるので教えてほしい。

    『心理的瑕疵あり』
    ・何も当てられず。
    ・情報がどんどん出てくるので整理されてて読みやすい。
    ・納得いかない部分はないが、少々物足りなさを感じた。長編になると面白いだろうか。

    『尻の青い死体』
    ・何も当てられず。
    ・初日にセックスした人当てになったのはちょっと笑ってしまった。
    ・動機やトリックはあまり好みでは無かった。
    ・終わり方はさっぱりしていて話に入り込む前に終わってしまった。

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    2026年06月28日
  • インシテミル

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    その昔、おすすめミステリーとして読み、面白かった記憶があったので再読。この小説でクローズドサークルを知りました。
    時給11万2千円のバイトのため集まった10人の男女。デスゲームっぽさと、本格ミステリが楽しめる作品なのだが、米澤穂信らしい軽さが面白かった。人物の癖は強いし、誰がなんの凶器を持っているのか考えるのも楽しい。報酬で釣って事件を引き起こそうとするという露悪的な設定だが、読んでいて不愉快にならない。あくまでもミステリーとして楽しめる範囲の面白さ。

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    2026年06月28日
  • 本と鍵の季節

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    オーディオブックで聴きました。
    短編集。栞と嘘の季節はこれの続編だったのね。短編集のほうが好みだった。

    詩門、これで高校生って、どんな大人に育つのだろう。変な事件に自ら巻き込まれに行く、厄介な探偵みたいなのにならないといいけれど。(なってもいいが。)

    「やばいときこそ、いいシャツを着ろ」という台詞は一見格好いいが、それを信じてさらに大失敗する輩もたくさんいるだろう。「胸をはれ」くらいのほうがよいと思う。

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    2026年06月27日
  • さよなら妖精

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    audible
    思っていたより、ダークだった。今まで読んできた米澤作品と趣きが違う方向にいっていた。
    出てくる人物は、地頭のいいアクのある人達なのは変わらない。
    そこに世界情勢が加わってきた。
    マーヤのあどけない感じの裏に自国に対する責務が見え隠れする。それに比べ守屋(日本の学生)の遠い国でのお話のような感覚という捉え方。同世代というのに。
    今もまた紛争が起きている。自分は昔と比べどれほど関心を持っているか考えさせられる。

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    2026年06月26日
  • 神様の罠

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    自分の読書歴では初のアンソロジー。
    トリック満載のミステリとコロナ禍で起きた世の中の異変に触れた作品もあり。
    六者六様のお話が展開されているので、合う合わないは結構大きく分かれたかも。

    やはりトップで読み応えあったのは、
    辻村深月『2020年のロマンス詐欺』だった。
    "闇バイト"に関する話は年月の経った今でも、
    というか更に横行しているからこの作品は教科書に載せて恐ろしさを知ってもらいたいくらい。
    孤立無援の環境で追い込まれていく緊張感がとにかく怖い。しんどい時期でも不逞な輩を近付けないように日頃から対策していけますように。

    芦沢央『投了図』もコロナ禍が招いた事件。あの頃はみんな辛い我慢が多かったなと思い出させる作品。こんな悲しいことがまた起きてしまわないように。将棋の知識は皆無だけど読みやすかった。
    のちの新作『おまえレベルの話はしてない』でも
    将棋を通した人間模様が描かれているようなので
    文庫化の暁にはそちらも読んでみようかなと思った。

    個人的に新しく見つけた「好き」だったのは
    大山誠一郎『孤独な容疑者』だった。
    死角から現れたトリック!シンプルに読み物として面白かった。ネタバレは避けて読んで欲しい。

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    2026年06月23日
  • それはそれはよく燃えた

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    私も積読チャンネルから
    ショートショートなので物足りなさがあったももの色んな伏線を回収していく作品もあり、お話の好みに差がありました。
    しかし、歴史人物や神の名前に関わるお話は個人的には珍しかったので、かなり楽しめました。

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    2026年06月23日
  • 裏切りの捜査線 警察小説アンソロジー

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    米澤穂信・方丈貴恵の並びなんて初めて見た気がする。
    その時点で読むしかなかった!

    コールバック 芦沢央
    芦沢さんは初めて読んだけど、収録作の中でこの短編が1番印象的だった。
    重すぎないけど、ずっしりくる読後感。
    なぜこれを1番最後にしたんだろう?

    米澤さんと方丈さんは、裏切らないおもしろさ。
    収録作は両方ともだいぶ短かったので、おふたりの新作長編が待ち遠しくなった。

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    2026年06月23日
  • 犬はどこだ

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    米澤穂信全部読もう!トークショーあるし!と思ってたけどトークショー落ちたけどせっかくなので気になってたし読みました。

    犬探し全然してなくて笑う。
    こういう二軸展開からの最後一つに絡むような展開大好きです。今回は完全に一つになるってわけではなかったけど。
    日常ミステリ系って、それは偶然が過ぎるやろみたいなご都合展開が多かったりして、本作も若干そんな感じするところはあるけど、実はそれが恣意的だった!みたいな展開なので納得感ある。
    田舎の村の歴史を紐解きつつ別の謎もたくさん出てきてって感じで若干リカーシブルを彷彿とさせたり。
    ネット使って色々調べるのは自由研究には向かない殺人をほんのり思い出したり。

    私は古のオタクなので理解できましたけど、若い子が読んだらBBSってなに??自作サイト??日記??みたいになるのかな。

    相変わらずなんとも言えない後味ですね。
    これシリーズ化する予定だったのかな?いつか続編も読みたいです

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    2026年06月22日