あらすじ
人気ミステリ作家の新作が勢ぞろい!
ミステリの最前線で活躍するスター作家が各々の趣向を凝らした珠玉の6作を一気読み! 驚きも面白さも絶対保証の豪華アンソロジー。
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
最近のアンソロジーは本当に豪華というか、ハズレがなくおもしろいよね。
有栖川有栖『ミステリ作家とその弟子』は【砂男】で既読だったけれど、再読でも作家と弟子のやり取りがおもしろい。
退職代行とかZ世代とか、境界知能、ペロペロ動画に闇バイト…すごく今が詰まっている一冊だった。
何十年後かに読まれたら「あ~令和っぽい」ってなるんだろうな。
米澤穂信『供米』は途中まで「うーん、好きな米澤穂信ではない」なんて思ったけど、最後がすごく良くてさすが!という感じ。
中山七里『ハングマン-雛鵜-』は最後続きが気になる終わり方だったな。スッキリさせてほしい!
せっかくだから『祝祭のハングマン』を読んでみよう。
Posted by ブクログ
最近勢いのあるミステリー作家6人の競演。オール讀物か別冊文藝春秋などが初出の読み応え抜群の一冊でした。もし気になる作家さんが入っていたら試し読みに最適です。タイトル的にスカッと爽やかとはいかない内容が多いので、読み心地良いもの求めている人には向きません。
「ヤツデの一家」新川帆立
三代目を継いだ女性政治家の語り。暴君だった父の後妻の連れ子、渉は美しく世渡りがうまく、面倒なことは嫌い。でも私にアプローチしてきて、私も渉なしではいられない。そして私は醜いが、美しく身体の弱い妹がいる。
女の国会みたいな話かと思ったら全く違いました!珍しくドロドロっとしたお話です。
「大代行時代」結城真一郎
世の中流行りの退職代行を使って、銀行の当たり新人がやめていった。残ったのは私についた総合職の使えない猪俣君。一年もしたらすぐ異動してどんどん出世するんだろうけど、とにかく私に声をかけられないでずーっと後ろでもじもじしてるようなダメっぷり。私は時々友人の香奈子に会って愚痴るのだ。
なるほどっていうオチ。捻りが効いた話の多い著者っぽいと思いました。
「妻貝朋希を誰も知らない」斜線堂有紀
ファミレスのスプーンを舐めて元に戻す画像で炎上し、訴訟に発展しそうな妻貝朋希。その彼を追う記者2人が周りの友人知人にインタビューしていく記事やメールだけで構成されている。タイトル通り少しずつ妻貝朋希のことが分かっていくのだが、大題の“罠”も絡んできて更に話が深くなります。
斜線堂有紀の本領発揮!っていう一作。構成やプロットだけでなく、妻貝のような性質のこと、SNSへの過激な投稿など、幾重にも感情が深まるネタが仕掛けられていて深み(あく)が凄い。
「供米」米澤穂信
私は詩の道を志したが諦め銀行員となった。しかし親友春雪はその才を発揮し研ぎ澄まされたその詩集は詩人文人に評価高かったのだが、夭折。遺稿集がでたのだが、その推敲具合から、本人には人に見せる意思がなかったのかと思い…。
紡がれた文章や語彙が設定年代や詩人の考察というのに合致していて美しかった。それに反しでオチが…。不協和音な印象。それが良いのかも。
「ハングマン ―雛鵜—」中山七里
単行本の続編。今回の主人公は裏の機械操作で情報収集役の比米倉。大学生活が少しだけ語られ、少ない友人の一人だった久水が闇バイトのニュースで映像写っており、やがて死体となり発見された。比米倉は真実を追及していく。
「ミステリ作家とその弟子」有栖川有栖
刑部はミステリー重鎮作家。最近弟子を取ったらしく、逗子の自宅へ訪問した編集者の西川は2人のミステリー会話(指導)を興味深く隣室で聞く。ミステリー談義は幾話も続き…しかし、事件が起こる。
Posted by ブクログ
流石にこれだけの作家さんが揃うとどれもが覆されました。この前読んだホラーとやはりミステリーは違って、自分はホラーでなくミステリーが好きなのも確かめられました。
有栖川さんの創作物は色々な想像力を掻き立てられて、こんな宿題を出したらみんな喜んでやりそうだなって思ったりしました。
読んだことのないさっかさんのも読みたくなりますね
Posted by ブクログ
文春文庫のアンソロは面白い!
前作の「神様の罠」が好きだったので今回も購入。
新川帆立「ヤツデの家」
初読みだったけど読みやすかった。アンソロの最初のとっかかりに最適。内容も好みで二回読んだ。
結城真一郎「大代行時代」
こちらもまた初読み作者だったけど面白かった。ありえそうな話だ。
こういう新入社員おるおる~。最後のオチもよかった。
米澤穂信「供米」
この話を読めただけで大収穫です。大好き米澤穂信。愛してる米澤穂信。
3ヶ月ぶりに本を読んだんだけど、2023年最後にこのお話を読めてよかった。やっぱ本読むの大好きだ。
最初読み始めたときは「うわっ苦手な歴史ものだ!」と若干引いたものの、あれよあれよと読み進められた。文章がうますぎる。途中まではどういう話なのよと不思議に思っていたけれど、最後の奥さんとの会話で鳥肌。ああああそういうことだったの!?慌てて読み直し。もう大好きすぎる……。見事でした。
あとはそんなに心に残りませんでした。
斜線堂有紀「妻貝朋希を誰も知らない」
なんとなく彼の正体がわかっていたので特に心に響かず。
てかこれを読んでなにを思うべきなのだろうか。
中山七里「ハングマン」
これなんかのスピンオフ?
そろそろ中山七里だからといって買うのはやめそうです。
有栖川有栖「ミステリ作家とその弟子」
ウサギとカメについての着眼点は面白かったし、なるほどと思った。
でも肝心のオチがわかりきっていたので、うーんって感じ。
Posted by ブクログ
えっ凄いな。どれも面白い。
これは良いアンソロ。
大好きな斜線堂さんの『妻貝朋希を〜』は、若干暗い気持ちになるけどイチオシです。
米澤さんの『供米』も良かったなあ。
相変わらずオチが秀逸で好き。
結城さんの『大代行時代』は本当に愉快だった。
冗談みたいだけど、多分、実際にあると思う。
えっそんな事まで!?という呆れ半分、嫌なもんは仕方ないかーという納得が半分。
代行して欲しい事の1つや2つ、誰しもあるよねえ。
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先に気づけばよかったのですが、
かなりダークな感じだったので面白かったですがタイプではなかったです。
新川帆立さんが好きなのですが、
設定の面白さはかわらず、
いつもと違うテイストの物語を読めたのはとても嬉しかったです!
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有名作家6名によるミステリ短編集。後腐れのない読み切り。面白かった!
普段読まない作家に触れられたのも良い。
火曜サスペンスみたいだなと思った。
中山七里さんの短編の題名は『ハングマンー雛鵜ー』
他の作者の短編は題名と内容が重なっていたけど、中山さんの題名はそうは思わなかったなあ。どういう意味なのだろう。
Posted by ブクログ
6人の作家によるアンソロジー。
それぞれ個性豊かで良かった。
斜線堂有紀氏の動画と宝石強盗に殺人事件を絡めた聞き取りによる作品が面白かった。
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読んで良かった。アンソロジーだから、読んだことのない作家の作品も気軽に読めるし、と手を出してほんとに良かった。
どれも、趣向が違うし、雰囲気もそれぞれだけど、とっても面白い。
トリックの面白さというより、人の面白さ。
しばらくしたら、また読もう。
Posted by ブクログ
6人のミステリ作家のアンソロジー。
どれも面白かったけど、ワタシにとってお初の中山七里さんの話が後引く面白さ。シリーズモノの一編だけど、違和感なく読めて、シリーズを最初から読みたくなった。
なんか豪華な一冊でした。
Posted by ブクログ
めっちゃ面白い、長編作家って短編もすごい!当たり前なんだけど、改めて凄さがわかった。
時事的な内容も多く、世相を切ったシュールなオチ。
短編だから展開も早くすぐに話に引き込まれる、とても読みやすかった。
長編で創り上げる世界観とはまた違い、あれだけの展開をこんな短編にギュッと詰め込みしっかりオチつけるなんて天才だと思う。
文章力って短編の方がより力量が問われるのではと感じた。
読んだことのない作家に触れる良い機会にもなりました。
Posted by ブクログ
ヤツデの一家:新川帆立/大代行時代:結城信一郎/
妻貝朋希を誰も知らない:斜線堂有紀/
供米:米澤穂信/ハングマンー雛鳥ー:中山七里/
ミステリ作家とその弟子:有栖川有栖
六人が書いた六つのミステリー さて ……
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短篇は気軽に読めて良いですね。どのお話しも面白かったです。前から好きな米澤さんの本もまた読みたくなりましたし、はじめましての作家さんの本も読んでみようって気持ちになりました。
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大代行時代 結城真一郎
これが1番好きだった!
読後感もよかった!
供米 米澤穂信
とっつきにくい文体だなと思ったが、そんなの一瞬で、おぉ、、、となる結末まで一気に読み進めてしまった。
Posted by ブクログ
全6編の豪華書き下ろしアンソロジー。
「ヤツデの一家」新川帆立
疑心暗鬼が仕掛ける見えない罠。短編でも冴える描きぶり。
「大代行時代」結城真一郎
Z世代の生き様を描く。いっそ清々しいほどの割り切りが印象的。
「妻貝朋希を誰も知らない」斜線堂有紀
他人の本質は最後まで掴みきれない。果たして誰の罪だったのか。
「供米」米澤穂信
直木賞受賞後の小品ながら、丁寧に紡がれた物語。亡き夫の罠にかかりにいった妻。
「ハングマン」中山七里
副題の雛鵜は、無知ゆえ罪に落ちる若者の象徴か。操られた末の強盗事件。
「ミステリ作家とその弟子」有栖川有栖
弟子は師匠作家の教えを実行する。作品と現実が重なる趣向が光る一編。
皆さんお忙しい売れっ子作家。そんな中、お題の決まったアンソロジーまで完成度がお高いものでした。
Posted by ブクログ
面白かった。禁断の罠ってタイトルにあるけど、あんまり禁断の雰囲気も、罠の感触も伝わらなかった。どちらかといえば「遠回しな表現」とか、「婉曲技巧集」と言った感じ。
中山七里さんの「ハングマン〜雛鵜〜」がおもしろかった!短編ながらもしっかり殺人事件を解決してた。長編の「祝祭のハングマン」も読みたい。
米澤穂信さん目当てで読んだのだけど、ラストがいい感じだし、この時代の日本鉄道旅が風情があってよき。一際毛色が違うので、この短編集に含めるのがよかったのかどうかは、やや疑問。
「妻貝朋希を誰も知らない」と「大代行時代」も楽しく読めた。
Posted by ブクログ
個人的に好きなのは『大代行時代』と『ハングマン─雛鵜─』のふたつ。
ハングマンはとても設定が好きなのでせっかくならこの短編よりも長尺で読んでみたいと思った。大代行時代はまとまりが綺麗で満足感がある。
1人の作家目当てで購入した本だが、どの話もそれぞれの面白さがあった!
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時代を感じさせる内容のものがいくつかあったけれど意外性という点では物足りなかった。それでも1作目のラストや4作目の動機の切なさは個人的には好みのものだった。
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「ヤツデの一家」新川帆立
「大代行時代」結城真一郎
最近の話題で面白い。さすが『#真相をお話しします』の作者。
「妻貝朋希を誰も知らない」斜線堂有紀
すごくいたたまれない気持ちだった。近年になって受け入れられつつあるとはいえ、田舎の閉じられた世界でなんの支援にも繋がっていない10代の子ども。
「供米」米澤穂信
近代文学界の当事者であろう主人公とその友人と。美しいラストだった。感動した。(文ストの横溝正史を重ねました)
「ハングマンー雛鵜ー」中山七里
シリーズもののひとつのよう。復讐代行。
「ミステリ作家とその弟子」有栖川有栖
コテコテの時刻表ミステリ読みたくなった。それにプロットを考える作家さんの思考回路ってこんなかんじなんだって大御所作家の指南を読んでいて思いました。
Posted by ブクログ
名だたる作家さんたちの短編集。読みやすい。サクッとサラッと。斜線堂有紀の短編(所謂バカッターの話)が今まで読んだ著者の長編と雰囲気がずいぶん違い皮肉が効いててとっても良かった。
Posted by ブクログ
斜線堂さんは現代の病理を描くのが上手いなぁ。本人ですら本当の自分の姿を知り得ないこともある。米澤さんの作品はミステリーとしても読み応えがあり、淡々と続く語り口なのに人情にあふれ、感嘆。とても好きだった。
Posted by ブクログ
【収録作品】「ヤツデの一家」 新川帆立/「大代行時代」 結城真一郎/「妻貝朋希を誰も知らない」 斜線堂有紀/「供米」 米澤穂信/「ハングマン -雛鵜-」 中山七里/「ミステリ作家とその弟子」 有栖川有栖
いずれも2022年~2023年に雑誌に掲載されたもの。世相を反映しているものが多い。
「ヤツデの一家」 父親の後継者として政治家になった娘の、後妻の連れ子である兄と実妹への執着を描く。
「大代行時代」 代行業者の話。新入社員の一人は退職代行を依頼。もう一人が依頼したことは。
「妻貝朋希を……」 迷惑動画で炎上した男について、記者の取材に周囲の人間が答える形で事情が説明される。ファンタジー要素なしの実録ドキュメント風ミステリ。気が滅入る。
「供米」 小此木春雪という詩人の遺稿集を出版した未亡人の思惑。盟友の目から語られる詩人の姿と二人の育んできた友情が美しい。
「ハングマン」 シリーズものの一篇。メンバーの一人で情報収集担当の凄腕ハッカー・比米倉内記の視点で語られる。闇バイトがらみの事件。これで終わりではなさそうなので、単行本化が待たれる。
「ミステリ作家と……」 ミステリへの皮肉、というか自虐かな。スランプ気味のミステリ作家の下に弟子入りした男の思惑は。ミステリ講義として持ち出される話が面白い。
Posted by ブクログ
「ヤツデの一家/新川帆立」
「大代行時代/結城真一郎」
「妻貝朋希を誰も知らない/斜線堂有紀」
「供米/米澤穂信」
「ハングマン/中山七里」
「ミステリ作家とその弟子/有栖川有栖」
6話収録の短編集。
一番インパクトがあったのは新川作品。
不器量な長女と美男美女の兄妹が織り成す歪な三角関係が描かれる。
長女の視点で進行しイヤミス感満載。
完璧だと思っていた計画は崩れ落ち、悲哀を感じるラスト。
結城作品も良かった。
伏線に全く気付かずしてやられた。
斜線堂作品は実際に起きた炎上を下敷きに描いたドラマ。
タイトルが絶妙にマッチしていた。
Posted by ブクログ
※
ー禁断の罠ー
ヤツデの一家 新川帆立
大代行時代 結城真一郎
妻貝朋望を誰も知らない 斜線堂有紀
供米 米澤穂信
ハングマンー雛鵜ー 中山七里
ミステリ作家とその弟子 有栖川有栖
ボリューム不要、濃度に魅せられる
読み応え十分の短編集。
個人的に
後味の良さなら、『大代行時代』『ハングマン』
ひねりを求めるなら、『ミステリ作家とその弟子』
物悲しさと悲哀なら、『ヤツデの一家』『供米』
やるせなさと憐憫なら『妻貝朋希を誰も知らない』