米澤穂信のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ上巻時点ではそこまで盛り上がるシーンがなく、淡々と状況の理解、情報収集だけで終わった印象。
登場人物が多くて誰が何者なのか理解するまでに時間がかかり、それもあまり入り込めてない要因かも。(これは自分がカタカナの登場人物を覚えるのが苦手という理由もあるが)
最後の「小ソロンへ渡る方法が実はあるのだ!」という引きも、まぁアミーナさんが「小ソロンの守りは固いんだ!」といって散々フラグ立ててたしなぁというところでそんなに意外性もなく。
魔術の要素も意外というよりは「そういう世界なんだね~」くらいの受け止めで読んでるので、味方に魔法使いがいました!っていうのもそんなに衝撃度がなかった。
ということで -
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Posted by ブクログ
青春ミステリというよりは、青春要素がメインでミステリがちょこっと添えてあるかんじ。ミステリ要素は、日常に潜む謎をささやかなきっかけから拾いあげるようなもので、どことなくウミガメのスープっぽい謎解きだったけれど、海外からやって来た少女マーヤの視点が加わるとぐっと面白くなる。マーヤに出会って、守屋の世界は急に開けたんだろうなあ。自分がほんとうに小さくて、手を伸ばしても遠く届かない。
全体的に面白かったけど、個人的には、米澤穂信作品は日常系よりもがつんとしたミステリのほうが好みなのかも(ほんとうに個人の好みの問題だけど…)
『王とサーカス』を読んでみたくて先に本作を読んでみたけど、太刀洗よりも守屋の -
Posted by ブクログ
古典部3作目に予定されていたとは思えないほど異国の政治情勢に踏み込んでいる作品。元は古典部シリーズということで一応キャラクターを(個人的に)当てはめてみるなら、守屋≒折木、福原≒文原といったところだろうか?千反田の要素は分散しており太刀洗万智とマーヤに少しづつあると思う。マーヤの「それは哲学的意味ですか?」は千反田の「私気になります」であるだろうし、太刀洗の方が高身長かつ大人びた雰囲気をしているものの、彼女の容姿は千反田に近いと思う。白河いずるが当てはまりそうな人は居ないが、強いて言うなら千反田だろうか。伊原要素もまた、あまり感じることは無かったが、頑固で面倒くさい所は文原と共通していると感じ
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Posted by ブクログ
時は戦国。織田を裏切り、有岡城を根城に反駁の機会を伺う村重だったが、頼みの綱である毛利の援軍が来る気配は無く、荒木家は存亡の機に晒されていた。そんな中立て続けに起こる奇怪な事件。それらの真相は何か、そして荒木家の命運は如何に。
物語の軸は、地下に幽閉された官兵衛という圧倒的なブレーンを頼りに、消えた弓、入れ替わった首、何処からともなく穿たれた銃弾、そういった城内で起こる様々な奇異的事件の真相を追及するミステリ。しかしながら本作の魅力は努努それだけに留まらない。戦国という時代設定を存分に活かした言霊力、知略、武略、武士精神、政治、宗教といった要素が綿密に編み込まれており、そこに官兵衛や或いは予想 -
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ネタバレ誇れることがあるとすれば、それは何かを報じたことではなく、この写真を報じなかったこと。それを思い出すことで、おそらくかろうじてではあるけれど、だれかのかなしみをサーカスにすることから逃れられる。
一番最後の文が印象に残った。
全てのジャーナリストが同じマインドでいるとは思わないが、あえて語るべきでないこと、語ることによって知られるべきでないことが世に出て生まれるべきでないかなしみを生むこと、それを避けることはできる。一方で、人の知的好奇心を他人が抑えることはできないし、その判断が結局は個人に委ねられるのであれば、一人一人のリテラシーがものをいうということなのだと思った。そしてそれは、ジャー