【感想・ネタバレ】王とサーカスのレビュー

あらすじ

2001年、新聞社を辞めたばかりの太刀洗万智は、知人の雑誌編集者から海外旅行特集の仕事を受け、事前取材のためネパールに向かった。現地で知り合った少年にガイドを頼み、穏やかな時間を過ごそうとしていた矢先、王宮で国王をはじめとする王族殺害事件が勃発する。太刀洗はジャーナリストとして早速取材を開始したが、そんな彼女を嘲笑うかのように、彼女の前にはひとつの死体が転がり……。「この男は、わたしのために殺されたのか? あるいは――」疑問と苦悩の果てに太刀洗が辿り着いた痛切な真実とは? 『さよなら妖精』の出来事から十年の時を経て、太刀洗万智は異邦でふたたび、自らの人生を左右する大事件に遭遇する。/解説=末國善己

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Posted by ブクログ

とても面白かった。政治的な緊張が伝わってきてアクションありちょっとした謎解きありで最初から最後までダレることなく読み切れた。書くことって難しい。

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2026年02月18日

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ミステリーとしてはイマイチ納得と理解が伴わなかったが、ジャーナリズムに対して日々感じている違和感や欺瞞といったものが描かれていて、単純に物語やメッセージとして興味深かった。

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2026年02月12日

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audible 。またカトマンズだ。つい先日、当地に蹴り出された若者の旅日記を読んだばかりだ。
さすがの米澤穂信。面白かった。主人公の女性記者が魅力的で、たまたま出会ったネパールの王族殺害事件
を舞台に展開するミステリー。
実際の事件も真相はわかっておらずミステリーのままだそうで、そちらの解明も進めばいいな。

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2025年12月16日

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本作も教養溢れる米澤穂信作品。「ミステリ」として捉えると中盤まで何も起こらず少々地味であるが、終盤全てを理解した時の衝撃はとてつもなかった。この作品は永遠に心の片隅に存在すると思う。真実は1つの側面からだけではわからない。情報を発信する側に立つ時も、受け手側にいる時も、情報の真偽や、その情報が与える影響を主体的に考えて行動したい。

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2025年12月14日

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初めは、人との触れ合い的な感じで、淡々と進んでいったのですが、主人公に降りかかった事件の真相が、明かされていく過程がワクワクスリルで面白かった。種明かしは、悲しかった。でも、やはり、日本にいるとなかなかわからない「貧しい」の基準が違うよね。先進国が、良かれと思ってやっていることって、本当にその国のためになるのかとか、考えさせられた。そんな中でも、少年と主人公の中に愛のような思いやりのような、友情だとか信じるものとか、そんなものが、ほんの少しあったのかな。憎しみや悲しみがあったとしても、人と関わるってことはそこに、何かがあるのかな。ネパール王族の殺害事件が、物語の下地にあり、それを取材するときに主人公にふりかかってきたことの謎解きでした。ネパールのこと、あまり知らなかったので、そのあたりも興味深く読みました。

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2025年12月07日

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ミステリーの中の人間ドラマでした。
ジャーナリズムとは何か、中堅記者の主人公が身の回りで起こる事件に巻き込まれながらも、ひたすら考え抜く姿勢がとても好きだなと思った。
この時代は、まだ1人一台携帯電話を持っていない時代。情報はテレビ、新聞、ラジオ、雑誌に頼るしかなく、今より拡散もされにくい。
そんな主人公がまさに国際的な大事件の最前線にいる。冷静も持ち合わせながら、行動力もすごい。そのモチベーションは、記者としての使命感なのか、出世欲も垣間見えるのが人間らしくていい。
自分が報道する意味を問われ、悩みながらも、最終的に答えを見出す。
ミステリーとしてももちろん、こういう人間ドラマも熱いところが米澤穂信らしい。

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2025年11月15日

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全く予備知識を持たないまま読んだが、まさか実際に起きたネパール王族殺害事件から始まる小説だとは思わなかった。
ネパールという国につき国名と位置関係くらいしか知識を持ち合わせていないため、地図を見ながら、知らない風俗を確認しながら、なるべく想像しながら読んでみた。
いろいろなテーマが並行している中、壮大かつダイナミックなミステリに引き込まれた。
米澤穂信さんの作品については、重苦しい内容なのだが読み進めずにはいられない、という印象だが本作も同様に期待通りの内容だった。
特に印象に残ったのは以下の2点だった。
・ラジェスワル准尉の考え方=自分に似た考え方
・主人公の近況にて「疑い、調べ、書き続けている」
解説では「真実の10m手前」が時系列的に続きにあたるとのことなので、是非読みたい。

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2025年09月18日

Posted by ブクログ

本当に面白い本は冒頭からページを捲る指が止まらなくなり、気が付いたらその世界に没頭してしまう。こんな体感はかなり稀で、本当に価値のある作品は数年に一度しか出会わない。
 僕が米澤穂信を好きになったのは「満願」と「王とサーカス」を読んだからで、その後、過去作も含めて読み漁り、「氷菓シリーズ」や「小市民シリーズ」等ののライトな作品や、「折れた竜骨」や「追想五断章」等数々の傑作と出会うきっかけになった。今回、再読になるが、改めてこの作品の面白さに取り憑かれ、二度目の余韻を感じている。

 大刀洗万智が初登場した「さよなら妖精」は未読の作品でまだ読めていない。
 今回は彼女が主人公であるが、一人の記者の葛藤や成長が見事に描かれており、万智が一連のネパール王族事件をきっかけにカトマンズでの自身と向き合う姿勢や取材を通して新たに関わる軍人の殺人事件など、かなり濃密な作品である。
 ネパール王族事件は2001年に実際に起きた事件であり、一部ノンフィクション的な要素も含まれている。ネパール王族事件の真相は明らかになっておらず、その中でネパールに滞在しているフリーライターの大刀洗万智が事件に巻き込まれていく。
 単純な歴史ミステリー、サスペンスというだけではなく、真相が分かった時の薄気味悪さは一級品だ。これ程までに純粋に、ストレートに表現される作品は少ないと思うし、万智が成長し、物事の本質を見抜く力の上達していく一連を、一緒に感じとる、読者自身も成長している様に思える程濃密である。

 現地の少年であるサガルは屈託のない純粋な少年に写りながら、どことなく大人びた雰囲気を時折見せる。彼と万智とのやりとりはどこか微笑ましくどことなくよそよそしいイメージがある。また、カトマンズでであうロブというアメリカの学生やシュクマルという商人、トウキョウロッジのチャメリや日本からやってきて数年来住み着いている坊主の八津田等多くはないが深く物語に関わる登場人物達も魅力ある役割をこなしている。

 本当に最後まで目が離せない作品だった。面白い事は当然だが恐怖心も相まって読み終えてもまだ彼女達の世界から抜け出せない。
 再読で2025年に読んだが、現在はネットがインフラとして整備され、当時とは違った環境下になる。
改めて「ネパール王族事件」の情報を得ながら余韻に浸る。

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2025年08月31日

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ネタバレ

米澤穂信さんの作品は、まずタイトルが好きです。この内容を、「王とサーカス」というタイトルで表現される感性が素晴らしい。
「さよなら妖精」のシリーズとして読みましたが、まさか主人公が万智だとは!
日本が舞台の「さよなら妖精」から、今度はネパールへ。
描写が丁寧なので、本当にネパールに行った気分にもなりました。
事件を調べていく上でバラバラだったものが、記事をまとめるようにどんどん明らかになっていって、
犯人が誰だったのかの先にある真実……
報道しない選択、ジャーナリズムの在り方について問うような、そんな物語でした。

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2025年08月30日

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ネタバレ

米澤穂信作品のなかで、いや、これまでに読んだ小説の中でも私にとって一、二を争うレベルの作品。時間を空けて読み直すたび、そう実感する。

偶然ネパールに居合わせたにすぎない太刀洗万智が、王族殺害事件の記事を書くことになる。取材していく中で、彼女は「なぜ書くのか」「なにをしたいのか」ということに向き合っていく。現実と地続きでありながらも異国情緒あふれるストーリーは、私たち読者にもある種の傲慢さを突きつけてくる。本格ミステリとして謎を解き明かした先にある真実には、いろんな意味で認識を反転させられる。
万智を見下ろす多数の子どもの目と、INFORMERの写真を見つめるラストシーンがとても心に残っている。

読む前には戻れない。これぞまさに至高の作品だと思う。

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2025年07月21日

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娯楽に変えてるのは読者か...考えさせられる(この言葉こそただ目の前の文を消費してるだけの空っぽなヤツかもしれないが)
殺人事件に関して一直線という、想像するようなミステリではないが、ジャーナリズムとミステリがかけ合わさりながらカトマンズの情景や人物の心情が描かれた、素敵に不思議な物語だった

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2025年03月21日

購入済み

面白い!

ミステリーだけでなく、報道をする意味も考えさせられたと思う。確かに、当事者にとっては悲しい事でも他の人にとっては娯楽だな

#ドキドキハラハラ #深い #タメになる

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2024年02月15日

K

ネタバレ 購入済み

歴史に疎く、物語中、ネパールの王宮で事件が起きたとき、フィクションにしては妙にリアリティがあると思い調べてみると史実だった。それから万智はジャーナリストとして、これを好機とし、記事にするため事件について調べていくが、その途中、万智が王宮事件を調べていたせいで殺されたとしか思えないような死体が現れる。そうして万智は職業としてのジャーナリズムの正しさについて考える。その中で、事件の謎は明かされていく。坊主が麻薬を密輸していることには気づけたが、サガルについては思いもよらず、驚いた。純粋に面白かった。いい小説。

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2023年02月13日

Posted by ブクログ

ネタバレ

正直そんなにミステリーとしては驚かなかったけど。ジャーナリズム的な観点から見ると結構興味深いものでした。主人公の淡々としてるけどなんだか人間臭い部分もあるところ結構好きです。だけどサガルが結構気に入ってただけに、最後ちょっと複雑でした。でもそれも私が主人公目線でもの見て勝手に持った幻想だったなて思った。

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2026年03月15日

Posted by ブクログ

ネタバレ

物語に終始漂う異国情緒と緊張感は独特。物語冒頭から丁寧に伏線が張り巡らされ、なんとなく印象に残っていた単語が実は事件解決へのキーワードであった、ということが後半でいくつもあって、しかもそれが大袈裟ではなく非常にさりげなく感じさせられるのも気持ちが良かった。
カトマンズの人々や宿の宿泊客に対する主人公の接し方が好きだなと思った。観察眼が鋭く記者として冷静な視点を持っているが、決して利己的ではなく人と人として関わろうとしているのが良い。
宿の主人であるチャメリがとても良い人だなと思った。自国で動乱が起こっている中で淡々と働き、仕事の一環としてただこなしているだけかもしれないが、度々主人公たちの宿泊客に茶や軽食を提供する場面ではあたたかさを感じた。最後に太刀洗に簪をくれたのも彼女の優しさが垣間見えたような気がした。
ただのミステリーとしての面白さだけではなく、メディアのあり方、報道の倫理について立ち止まって考えさせられる一作。

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2026年03月07日

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高評価のミステリ小説だったけど、評価に違わぬ凄いミステリでした。

前作に引き続き、国際情勢に絡めたミステリ。
主人公が抱える根本的なテーマも前作由来。

ただ降ってきた謎を解くのではなく、『自分が解くべき謎は何か?』『何故謎を解くのか』から始まるミステリはかなり新鮮でしたし、複数回挟まる緊張感のある問答もあいまって、物語の重厚さが凄まじかった。
心の奥を抉り出されながら、主人公が1つの答えに辿り着く、その物語性だけでも十分な読み応えです。

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2026年02月26日

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ネタバレ

積読消化中の土瓶さんの高評価に刺激されて
読んでみました。
事前にきちんと調べず予約してしまったのですが、本作は米澤氏のいわゆる記者連作の一作で、
「さよなら妖精」「真実の10メートル手前」と同じく太刀洗万智を主人公に、ジャーナリストとして「何を信じ、何を伝えるのか」を手探りしていく物語です。みんなはちゃんと知ってるみたいだけど。

米澤作品とは相性が良いのか、冒頭から文章が滑らかに流れ、イメージは自然とネパール、そしてカトマンズの喧騒の中へ入り込んでいきます。

2001年に実際に起きたネパール王族殺害事件が、
物語の背景の一つとして描かれています。
主人公である女性ジャーナリストの行動力や、
情報に向き合う姿勢には惹かれるものがありました。
ただ、前半で大きく描かれる王族殺害事件は、読み進めるほどに「これは物語の核ではなく、背景でさえないのではないか」
という感触も残ります。

本作 、王とサーカス は当時、
このミステリーがすごい! や
このミステリーが読みたい!
といったランキングにも選出されていますが、
そこで評価されている「ミステリー性」は、王族殺害事件そのものと直接結び付きません。

ジャーナリズムへの不信や憎悪が引き起こした事件として受け止められるかどうかで評価が変わりそうです。
そこに納得できれば、静かながらも強く惹き込まれる作品だと思います。

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2026年02月22日

Posted by ブクログ

土壇場地団駄ダンダダーン!

さらに追加で
ダッダーンボヨヨンボヨヨン!

はい。わからない子は置いていく方針の積読消化14冊目ずら。

ヅラ?(笑)

祝!★4\(゜ロ\)(/ロ゜)/ワーーッイ!!
少々オマケですが。


意外と読んでる米澤穂信さん。
しかしよくこんなの書けるなぁー!
感心しきり

実際にネパールで2001年に起きた王宮事件。多くの王族が一夜にして殺害された事件を舞台の背景としている。

話のメインではなく、あくまで背景としてってのが賢い。

「さよなら妖精」で登場した太刀洗万智がジャーナリストとしてネパールへ。
そこで偶然起こってしまった王宮事件。
ジャーナリストとして情報を求める太刀洗の前に死体が現れる。

いやネパールなんて知らん知らん。きっと説明だらけで読みづらいんじゃないのと思ってたら、意外にこれが読みやすいのよ。
うまいなー。
登場人物もけっこう多いんだけど特に覚えなくてもいい。特に王族関係はまったく覚えなくていい。なんとなく流して読んでも平気。人物一覧もないけど困らん。
きっと文章がうまいんだろうなー。

思慮深くて冷静な太刀洗のキャラは悪くない。

巻き込まれタイプの探偵役。

王宮事件を記事にするべくインタビューを試みた軍の准尉の死。准尉の背中にはINFORMER(密告者)の文字が彫られていた。

表のテーマは単純な謎解きではなく、本文のある部分「王とサーカス」がタイトルとなっているようにジャーナリズムとはなんぞやってことだろう。

「自分に降りかかることのない惨劇は、この上もなく刺激的な娯楽だーー」
「タチアライ。お前はサーカスの座長だ。お前の書くものはサーカスの演し物だ。我々の王の死は、とっておきのメインイベントというわけだ」本文抜粋。

なるほどその通り。

そしてもうひとつの裏のテーマは、人間の多面性というか誰もが多重構造であるということだろう。

「軍人も密売人になれる。密売人も誇りを持てる。誇り高い言葉を口にしながら、手はいくらでもそれを裏切れる。ずっと手を汚してきた男が、譲れない一点では驚くほど清廉になる。……どれも当たり前のことじゃないか。あんた、知らなかったのか」本文抜粋。

そう。100%の善人もいなければ100%の悪人もいない。そうと知っているはずなのに聖職者が性犯罪を犯すと衝撃を受けるし、逆に痴漢が人助けをすることもあるだろう。
人間なんて単純な白黒だけじゃ計れないヘンテコな生き物なのだ。

さすがは
「このミステリーがすごい!」(宝島社)
「ミステリが読みたい!」(早川書房)
「ミステリーベスト10」(週刊文春)
などで1位になっただけのことはある。

加えてネパールの歴史や情勢なんかも知ることができた。

で……、そもそもネパールってどこ?(笑)
インドのとなり、かなー?

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2026年02月01日

Posted by ブクログ

海外旅行特集の記事のため、取材前に事前調査がてらネパールへ飛んだ大刀洗。トーキョーロッジという施設を拠点に、そこに住む人や町並みについて凡そのみこめてきた頃、王宮で国王殺人事件が勃発し、急遽その取材をすることに。

当事者と記者という視点の違いで、そりゃあ嫌悪感を抱くものである。環境の違いなどによる人間ドラマの話かと思いきや、ちゃんとミステリー小説だった。

実際に起きた国王殺害事件をモチーフにしている点など、思い切ったことをしていて好感が持てる。
真相シーンも面白かった。

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2026年01月19日

Posted by ブクログ

やはり長編の方が面白い!
ストーリーもさることながら、ネパール王宮事件が実際にあった事件とは。。。
実際の事件も描きながらサイドストーリーという形で進んでいきました。
伏線もひとつひとつが丁寧。丁寧すぎて少し勘づくところもありましたが、面白かったです。

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2026年01月14日

Posted by ブクログ

ネパール王宮事件を始めて知り、事件について検索していたら、この作品を見つけ、興味を持って読むことが出来た。

カトマンズの雰囲気や、ホテル内の様子が伝わり、読書中はカトマンズにいる気分になった。

犯人探しも楽しんだ。
女性1人であの環境にいるのは、かなり危険すぎて、現実味はない。
現実味のなさが、ドラマチックでいいのかも。

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2026年01月04日

Posted by ブクログ

やはり米澤穂信は文章が抜群に巧い。
前半はスローペースだが後半は加速。
ロジカルな犯人当てとしての本格ミステリをベースとしつつ、有名なピューリッツァー賞の『ハゲワシと少女』の事例を交え、ジャーナリズムの是非を問う社会派要素もある。
ラストにはどんでん返しも。

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2025年12月07日

Posted by ブクログ

ネタバレ

サガルがとっても切なかった。
事件も複数で犯人も複数で複雑だった。単純なミステリじゃなくておもしろい。

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2025年11月14日

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途中まで実話かと思っていたけど、完全なるサスペンスだった。カトマンズの情景や問題とリンクして勉強にもなりながら、ゾクゾクする場面もあり、読み進めるのが楽しかった。

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2025年10月30日

Posted by ブクログ

悲劇を報じることは、他所で起こっている者たちに、娯楽を提供していることに他ならないのではないか。
それ以外の意味は一体何なのか。
国内外問わず、起こる悲劇を知り、心を痛めることが良くあるが、それを私が知って一体何になるのだろう。
私のような人々に知らせるために、取材するジャーナリストは何がしたいだろう。
そんなジャーナリズムの本質をストーリーを通じて問う。

この物語の舞台はネパールのカトマンズ。
経済的に裕福でない国の子どもたち(本当は国ではないかも)の逞しさと強かさにゾッとした。
常識では思いもつかない、計り知れないようなことを軽々とやってのける。
だから日本は平和ボケと言われるのかも。

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2025年09月03日

Posted by ブクログ

一冊目よりも深い話だった。
仕事が無いのに人だけ増えても豊にはなれないとか、人体に有害でも生きることの方が重要であるとか、なんだか予期せず社会問題的内容だった。

我々が娯楽として悲劇を消費することしか出来ないならば、いっそ知らないままでいたい。

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2025年08月05日

Posted by ブクログ

ネタバレ

ネパールカレー屋でよく見たチヤやらモモやらが出てくるたびにちょっとうれしくなる。作中最大の事件が実在の出来事だったとは驚きだが、仮に創作だとしたらネパールに大層失礼な話だとも思ったので納得。
作品としてはミステリー小説に分類すべきか迷うくらい、HowよりもWhyに振られている印象。「インシテミル」の頃から思っていることだが、こういう話とそれに対する向き合い方が書きたいのだろう多分。「氷菓」の例外さが際立つ。

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2025年07月17日

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題名の意味は割と早くから明かされてそれが物語のテーマになっている。報道の役割はなんなのか?万智の葛藤する姿とネパールの市中の様子がまざまざと浮かぶ。面白かった。このミス2016年の1位。

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2025年12月05日

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ネタバレ

米澤穂信さんの作品は「満願」に続き、2作目。もともとあまりミステリーを好まないので、自分から買ったり借りたりはしないのだけれど、今回も夫が買ってきたので。
「満願」の時に抱いた感想と変わらず、米澤さんの文章は本当に端整というか、スキがないというか。一文一文から、作者の思惑、登場人物の伝えたいことが存分に伝わってくる。どうしたらこうも無駄なく、言いたいことをきちんときれいな文章で伝えることができるのか。こんなふうに文章が書けたら、と思わざるを得ない。

で、肝心の内容・・・(ネタバレになります)。
2001年6月にネパールはカトマンズで実際に起こった国王殺害事件を主軸に、ジャーナリストはどうあるべきか、報道とは、といった作者の「知ること」への小さなひっかかりを、主人公を通して問題提起し、内省、そして主人公なりの答えを見出す物語。と、こんなに簡単にまとめていい作品ではないのだけれど。

王宮での事件の取材を依頼した軍人の言葉は、報道者側だけでなく、それを受け取る側にとってもハッとさせられるものだと思う。ネパールの王宮の事件を、日本人ライターの主人公・太刀洗が日本語で書いて、日本に向けて報じたところで何になるんだ、と。この事件がサーカスの見世物のようになるだけではないか、と。そしてその事件を報じようとする太刀洗をサーカスの団長と非難する軍人。
日々世界中から集まる悲劇の報道は、確かにそういった側面もある、いや、むしろほとんどが一時的に娯楽のように扱われ、すぐに次の悲劇へと人々の関心は移っていくのではないか。太刀洗はこの軍人の指摘に答えられなかった。その後、軍人の他殺体が発見され、ここから物語が大きく動き出す。

事件の真相に迫っていきながらも、常に太刀洗の頭にあるのは、あの軍人から突き付けられた言葉への自分なりの答えを探すこと。なんとか報道の意義、自分が書き、伝えることの意味にたどり着くのだけれど、終盤、サガルが太刀洗に突き付けた言葉は私にとってはとても衝撃的だった。
サガルの主張は、このようなもの。外国人記者の報道によって、ネパールの子供が働く劣悪な環境の工場が閉鎖された。するとその工場で働いていたサガルの兄は稼ぐ術を失い、がれき拾いのようなことをするしかなく、そのことで傷を負い、亡くなったと。それでサガルは記者やカメラマンを憎むようになり、太刀洗を貶めるつもりだったと。
サガルの考えは子供っぽく短絡的過ぎる、と切り捨てることは絶対にできないと思う。遠いところから来た者が正義のつもりで行ったことが、現地の人々にとって必ずしも良かったとはならないことは長い歴史の中で多々起きている。それでも、真実を書き、伝えていくことを決意する太刀洗・・・。
報道の在り方について改めて考えるきっかけとなると同時に、物事も人も多面的だと痛感した。誇り高き軍人が密売に手を出すこともあるし、穏やかに説教をする僧が人を殺めることもある。太刀洗が八津田に「冷たいものを抱えている」と言われた時には、うーんと唸ってしまった。

相変わらず、レビューとしてはまとまっていないけれど、特に中盤からは先が気になる読書となった。

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2025年12月11日

Posted by ブクログ

ネタバレ

政治要素は苦手だけどそれでも楽しめた。サガルがいいキャラで好きだったので読後感…だけど考えさせられるな。大刀洗目線で読んでいるからバイアスかかっているけど、普段マスメディアに対してあまりいい印象は持たないので、当事者目線ではもっともだと思う。作者の聡く達観している主人公は好きなのだけど、大刀洗さんにあまり興味がわかないのはなぜだろう?守屋や同僚の話とか今後明らかになるのかなぁ。

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2026年02月18日

Posted by ブクログ

大刀洗は傷心を癒すためネパールに訪れていた。
記者仲間の同期が自殺した、会社の関係者は大刀洗が原因と噂を立てる。
そんな会社が嫌になり、ネパールへ逃げた。
そんなネパールで国王が暗殺され暗殺者は王子だとラジオからの緊急放送が流れる。
大スクープが目の前に、しかし、危険も伴う。
国王の死の真相はいかに、大刀洗はスクープを書けるのか?
謎解きが始まる。

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2025年10月20日

Posted by ブクログ

途中までミステリーとは思わず、読んでいるとネパールを旅した気分になれました。主人公の太刀洗さんは他の作品にも出ていると知り、時系列に彼女が出る作品を追ってみたくなりました
ちょっと切ない感じが好きです

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2025年08月20日

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