米澤穂信のレビュー一覧
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ネタバレタイトルに太刀洗万智シリーズと入っているように、本作の主人公は『さよなら妖精』『王とサーカス』に登場した太刀洗万智。シリーズとしては「ベルーフ」シリーズと名付けられているようで、今のところは本作を含めて3冊が刊行されている。
シリーズとしては、前作にあたる『王とサーカス』が長編であったのに対し、本作は著者の得意とする短編集という形になっている。さらに『さよなら妖精』のように全体として1つの流れがあるタイプの短編集ではなく、時系列もバラバラな作品が収められているということで、形としては『満願』に近い作品と言えるだろう。シリーズの過去2冊は社会的な問題と日常の謎を掛け合わせた中で物語が展開してい -
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ネタバレ本作は<古典部>シリーズの一冊として描かれたと言うだけあり、米澤穂信が得意とする日常の謎を説く短編集という位置付けになっている。ただし個々の話が独立している<古典部>シリーズとは異なり、全体として一本の大きな謎も最初に提示される構造となっており、長編としても楽しむことが出来る。
物語の舞台となるのは、架空の観光都市である藤柴市。Wikipediaによれば岐阜高山をモデルにしたとされるこの地方都市に住む主人公守屋が謎の少女マーヤ・ヨヴァノビッチと出会うところから物語は始まる。
彼女は2025年の今では消滅してしまった国家であるユーゴスラビア出身であり、日本には「何かしらの理由」で2ヶ月だけ滞在 -
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ネタバレ同業者として共感と同情で読んだ。
不穏な雰囲気で集落の人離れが始まり、
集まった移住者たちも、一人一人事件が起こり、一人一人離れていく。
主人公は一生懸命なのに、報われなさすぎて泣けちゃう。
対照的に後輩ちゃんが、進むにつれて頭の良さがあるのにわざとかってくらいアンバランスな発言してくるので、ちょっと不思議に思ってた。
そしたら最後のあの展開。
課長がそういう目的なのは話が進むにつれ薄々わかっていたけども。
自治体運営は難しい。ない袖は振れない。
雪深い僻地ではライフラインの他にも除雪がないと命にかかわる。
予算をどこに割り振るか、それが肝なのも良くわかる。
だけども。弟との会話からの主 -
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米澤穂信さん著「真実の10メートル手前」
前回読んだ名作中の名作「王とサーカス」に続き大刀洗シリーズの第二弾。
今回の作品は6篇からなる短編集となっている。
ジャーナリストである大刀洗万智が全ての篇に絡む短編集。全ての篇において別々の主人公が存在しており、そこに大刀洗が絡んでくるという設定。どれも物語は面白かった。
ただ前作「王とサーカス」が自分の中で名作すぎた為、今回の作品にはそれと同様それ以上のものを期待してしまった。
そういう意味では前作のような唸らされる感覚はなかった。
タイトルからも想起させられるように今作品も「真実」というテーマがあるにはあるが、その「真実」の正体や言葉の意味 -
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大学を休学し、伯父の古書店を手伝っている主人公は、死んだ父親が残した5つのリドルストーリーを探している女性の依頼を受ける。
人間関係から各掌篇を探すうち、書くに至った経緯と込められた意味がわかっていく。
この本で初めてリドルストーリーという形を知りました。
初めの方は、鬱屈とした様子の主人公と、作中に出てくる掌篇のなんとも苦い内容にちょっと気圧されましたが
リドルストーリーに秘められた背景が明らかになるにつれ、真相を推理する面白さがありました。
辿り着いた真相が、途中考えていたものと合っていて、その一点はスッキリ達成感。
しかし同時に少し理に合わない部分もあって、
結果謎の残る作品