米澤穂信のレビュー一覧
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ネタバレ最初は、海外から来たお客様と高校生の交流の物語かと。切れ者の女の子と真面目でちょっと鈍い男の子の組み合わせには既視感があるけど、安定感があるし、お話しのテンポもよく読みやすい。特に弓道の試合の章は青春そのもの。試合中の描写は流れるような様子が目に浮かび、とても好きだった。
それが、すこしずつ、物語の空気感が変わっていく。舞台は1991年、ユーゴスラヴィアは確か内戦がひどかったはず…と、少し気になることも。
それでも異文化の交流は面白かったし、主人公がマーヤのおかれている環境やそれでも将来政治家になりたいという強い思いと、自分の環境を比べてしまい焦る気持ちを青春だな、なんて読んでいた。
後半、 -
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ネタバレがまくら市事件の短編集の2冊目です。
1冊目に登場した人物も出てきますが、こちらから読み始めても問題はないと思います。
1.さくら炎上
今まで読んできた北山猛邦さんの作品はどれも面白かったので一番期待していましたが、続きが気になるところで終わってしまいました。
個人的には、一緒のクラスになりたかったという理由で殺された生徒たちが気の毒に思えてしまい、あまり読後感は良くありませんでした…。
2.毒入りローストビーフ事件
この作品は犯人が指摘されずに終わっていますが、おそらくよく読めば犯人を当てられる仕組みになっているように思いました。
謎解きしがいがありますが、解答が欲しいです(泣)
3. -
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「名探偵」ことにコージーミステリなどに多く現れる「素人探偵」なる存在は、自分の頭の良さを見せびらかしたいという、自己顕示欲丸出しの動機で、他人の不幸に土足で踏み込んで果てはコサックダンスでも踊ろうかという人種である。これはある意味犯人よりも罪深い。故に「名探偵の業」を問題として取り扱うミステリも数多く書かれているわけで(例えば阿津川辰巳氏の〈館四重奏〉シリーズとか)我らが小鳩くんもそうした「名探偵の業」に憑かれた人物である。彼の陥ったシチュエーションはそこまで絶望的とは言えず、むしろ善意が必ずしもよい結果を生むわけではないという、世界の不条理に突き当たったと言うべきなのかも知れないが、それでも
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[1]剣と魔法のある世界でのミステリ、おもろかったです。誰が暗殺騎士の「走狗/ミニオン」なのか。消えたトーステンとその方法は(謎というほどではない)、彼の主とは。
[2]呪われしデーン人(ほとんどゾンビ)来襲。島は阿鼻叫喚の戦場と化し、新領主アダムはクソの役にも立たずアミーナ奮闘す。
[3]気に入ったのは《不可解にも扉が閉ざされている場合、それは『何らかの方法で』閉じられたのだと解すべき》(p.188)というくだり。要するに密室を作る方法は無限にあるしそこに密室的なものがあるなら何らかの方法でなされたと判断すればよく、わざわざどうやって密室が作られたか解明しようと余計な時間をかける必要はないと -
Posted by ブクログ
[1]剣と魔法の世界での殺人事件を推理するミステリ。という設定が楽しい。
[2]英雄は呪われしデーン人を敵とし、「暗殺騎士」に狙われ、背後にいるかもしれない黒幕に狙われ、そして死んだ。英雄の娘アミーナは誰が犯人なのか捜査する。観察と論理を重視する外国の騎士ファルクとともに。
[3]条件:暗殺騎士は魔術で他者を操ることができる。/操られた者は自然なこととして自分のとれる方法で殺人を犯す。/その後殺人者は殺したことを忘れている。/小ソロン島に夜間渡ることは、海上を歩くか飛べない限りほぼ不可能(ということはたぶんできる)。
■簡単な単語集
【アダム・エイルウィン】ローレント・エイルウィンの息子。