米澤穂信のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
一度無人になった集落を蘇らせるべく、移住促進のプロジェクトのお話
以下、公式のあらすじ
----------------------
一度死んだ村に、人を呼び戻す。それが「甦り課」の使命だ。
山あいの小さな集落、簑石。
六年前に滅びたこの場所に人を呼び戻すため、
Iターン支援プロジェクトが実施されることになった。
業務にあたるのは簑石地区を擁する、南はかま市「甦り課」の三人。
人当たりがよく、さばけた新人、観山遊香(かんざん・ゆか)。
出世が望み。公務員らしい公務員、万願寺邦和(まんがんじ・くにかず)。
とにかく定時に退社。やる気の薄い課長、西野秀嗣(にしの・ひでつぐ)。
彼らが向き合うことになったのは、
一癖ある「移住者」たちと、彼らの間で次々と発生する「謎」だった-?。
徐々に明らかになる、限界集落の「現実」!
そして静かに待ち受ける「衝撃」。
『満願』『王とサーカス』で
史上初の二年連続ミステリランキング三冠を達成した
最注目の著者による、ミステリ悲喜劇!
----------------------
最終的に誰もいなくなる結末は約束されているように思われる
途中から、思惑が推測できる
序盤にも切れ者っぽい行動をしていたので、そのあたりから疑ってはいた
最初は、閑職に回されたので部署そのものを潰して舞い戻るためかと思ってたけど
中盤あたりから、もしかしてもっと上からの指示?という疑問も湧き
種明かしのあたりでは、だよねーという納得感があった
ただ、「やっぱりお前もか」という意外性もあったし
あと、不発だったものも含めて色々と仕込みまでしていたという、えげつなさには恐れ入る
マッチポンプのお手本のようだ……
昔、社会科の授業でUターン、Jターン、Iターンという言葉を習ったけど
「Iはターンしてなくね?」と思った事がある
この物語での意図もそうだけど、元々都会に住んでた人が幻想を抱いて田舎に来ても、定着するのは難しいと思う
田舎の程度にもよるけど、元から限界集落のような集落なんかはまず無理だよなぁ
そもそも、既に無人になった村に人を呼ぶプロジェクトをする地方自治体なんてありえないんですよねー
市もありえないけど、移住してくる人たちもその辺に疑問は抱かなかったのだろうか?
登場人物達の行動に疑問が残る
ただ、そんな浅はかな人たちだからこそあんな行動をするのだろうという納得感もある -
Posted by ブクログ
米澤穂信が描く、因習村っぽい雰囲気が漂うミステリ
以下、公式のあらすじ
---------------------
越野ハルカ。父の失踪により母親の故郷に越してきた少女は、弟とともに過疎化が進む地方都市での生活を始める。だが、町では高速道路の誘致運動を巡る暗闘と未来視にまつわる伝承が入り組み、不穏な空気が漂い出していた。そんな中、弟サトルの言動をなぞるかのような事件が相次ぎ……。大人たちの矛盾と、自分が進むべき道。十代の切なさと成長を描く、心突き刺す青春ミステリ。
---------------------
因習村ものミステリの雰囲気を感じる
未来予知をして村に利益をもたらした後に、自信も命を落とすタマナヒメの伝承
田舎町の民間信仰としての庚申講
代々のタマナヒメのもたらした利益と非業の死
高速道路の誘致を望む街の人達、そして現代のタマナヒメ
弟のした予知や過去見としては、置き引きの居場所、報橋での惨事など
外から来た、しかも男である弟が今代のタマナヒメという事があり得るのか?
果たして、その不思議な力は本物なのか?
訳ありで越してきたハルカ
弟のサトル
中学校で知り合ったリンカ
「ボトルネック」の例もあるので、不思議なことは不思議なまな終わる可能性も考えながら読んだけど
ある程度はちゃんと説明のつく構造の物語でよかった
ただ、すべてが説明のつく事柄ではない
それこそ、物語の後、ちゃんと登校してくるのか疑問が残る
そんなスッキリしない終わり方なあたりがとても米澤穂信っぽい
タイトルの「リカーシブル」
言葉の意味としては「再帰性」だけど
タマナヒメの再帰性について言っているのだろうか?
だとすると、本物という事になるのだが…… -
Posted by ブクログ
ネタバレシリーズ3作目!
今回は短編集で、主人公はそれぞれ変わりますが、各章必ず万智がパートナーとして登場します。
第三者から見た万智は、やっぱり表情が読みにくい。その万智の状態を言葉の微妙なニュアンスや書き方で上手く表現されていて、米澤先生〜!!ってなりました。いつも圧倒されています。
時系列的には『王とサーカス』の後かな?と思いますが、万智がまた一段階大人になっているような気がしました。子供の頃から大人びていたので、逆に大人になったら若く見られるようですが…
この短編集で語られていたお話しは、おそらく万智の報道人生のごく一部で、ここに書かれていない辛くてきつい仕事もいくつもこなしてきたんだろうなと想像できます。
久しぶりに、センドーのあだ名が出てきたのもよかったですし、マーヤのお兄さんが出てきたのもワクワクしました!
「名を刻む死」と「ナイフを失われた思い出の中に」が特に印象に残っています。報道することによって、世論をその情報が正しいか間違っているか?に考えをシフトさせる、とかあんまりそんなこと考えてこなかった人生だったので、米澤さんはこのシリーズを書くのに、どれほどの取材をしたのだろう?と思いました。熱量がすごいです!
あと、根拠となる文を自然に置いておくのがとても上手いですよね。いつも物語終盤になると、「あ!確かに書いてた!」て毎回驚かされます。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ下巻は序盤から刺客が訪れたり呪われたデーン人が襲いかかって来たりと話が展開し始めたのでおもしろかった。ここまでの紹介や調査でどんな傭兵がいるのか頭に入って来ていたので、彼らが戦っているシーンも楽しく読めた。
一方で推理パートはあんまりスッキリしない終わり方だったなーと思った。
ファルクが走狗というのはびっくりしたし、政治的な判断であえて弟子に殺させるというのも想定外の展開だった。けど本命だった弟のエドリックが別で死んでいると言われて、なんだかあっけないなと感じてしまった。
(他の方の感想を読んで)
剣と魔法の世界観とミステリ調和しているのが異質な点で、それでもちゃんと論理の通った推理になっているのがポイントらしい。確かにそういう物語って珍しいしあっても何でもありみたいになっちゃうかもだからなるほどなって思った。 -
Posted by ブクログ
古典部シリーズ⑥
今回は短編集だった。
個人的に好きだったお話は一番最後の。
悩んでいる千反田にやさしく声をかけている
様子や、なめくじが移動しているのに
気づかないぐらい懸命にえるのことを思って
話していることから、ほーたろーの
モットーの「やらなくてもいいことなら、やらない。
やらなければいけないことなら手短に」
の根っこのもう少し深部にある、友達へのやさしさ
が読み取れる気がする。
千反田のお父さんには娘の進路相談も合わせて
話をしてほしかった。笑
今までは後を継ぐんだと言っていたのに、急に
もう自由な道を進んでいいといわれても確かに困る。
経験したことはないけど、自分も親からそういわれていたら、
将来自分がやりたいことなどあまり考えず、
継ぐことに徹するだろうから、進路を自由に決めてよい
と言われても自分が何をしたいのかわからず、すごく悩むと思う。
だから、千反田のお父さんには娘をカウンセリングするではないけど、
「どういうことに興味があるんだい」とか。
「知らない業界も多いだろうから、一緒に調べてみようよ」とか。
責任をもって、娘のやりたいこと見つけに付き合うべきだと思った。
最初の作品と比べても、今思えば、最初は起きた事柄や
すでに分かっている事実から推理をしていたように
思うが、今回の作品では、
「あいつ(千反田)は責任感が強いやつだから、こうはしないだろう。」
とかのセリフから、これまでかかわってきて分かった
人物像から推理をしているような気がして
高校から一緒の千反田とほーたろーもそんな仲に
なってきたんだなぁと感じた。
ここまで読んできて、ミステリーとしてではなく、単純に小説として面白い。
続編待ってます。