米澤穂信のレビュー一覧
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文庫本に巻かれた帯にこうあります。
「超人気ミステリー作家が むさぼるように読んだ本約700作、敬愛する作家350人超たち」
「読書好き必読のビブリオエッセイ」
本文437ページ。充実の索引(作品名別・作家別)付きの920円(税別)。本文の下には、著者の独り言のような親しみやすい著者註があり、紹介図書の書影も。
ミステリーには詳しくないわたしですが、本屋さんで即買いしました。
索引をフル活用しながら、折に触れ手にしたいと思います。
棚から秘蔵のブランデーを取り出してたしなむように、しめしめとちびちびと読んでいきますね。お気に入りのシオリをはさみましょう。
みのり註:わたしはブランデーは飲みませんw -
Posted by ブクログ
こんな本があるとは。私が何も知らなかっただけで、本当に人気シリーズなのだなあと七年遅れで嬉しくなる。
この本によると、既刊最新の六冊目『いまさら翼といわれても』も六年ぶりの発行ということで、二〇一六年当時、サイン会等で盛り上がったようだ。それから八年。続編は今出ても、来年出ても、数年後出ても、おかしくはないですよね? そのときは私も盛り上がれるぞ、と楽しみな一方、他の米澤作品を一切読んでいないのでこのあとどうしようかなという楽しい悩みも。小市民シリーズにまだなんとなく食指が動かないので、もともと古典部シリーズのひとつとして出す予定だったがそうしなかったと本書でも書かれていた『さよなら妖精』が良さそうかな。
▼短編「虎と蟹、あるいは折木奉太郎の殺人」
ホータローの読書感想文がまた読めます!大日向さんのいる古典部も全然悪くなかったよなあ、と惜しいような気持ちに。
▼いろんな人との対談
北村薫、恩田陸、綾辻行人、大崎梢。ミステリー語りが多く興味深い。日常の謎論など。
・やっぱり「逆説」がわからない。
・(後の質問コーナーも含め)泡坂妻夫の言及回数の多さに歓喜。
・クイーンのライツヴィルシリーズを自分流でいつかやりたいと言う恩田陸さんとのトークで、「クイーンも、彼がいるから大丈夫!という感じがしない」「あの不安感、神経症な雰囲気をやりたい」と後期エラリーの頼りなさが槍玉に挙がっていてニヤニヤした。
・綾辻行人の十角館はみんな読んで影響を受けてるようだからきっと読むべきなんだろう。
・北村薫さんとの脱線個所、佐佐木幸綱「サキサキとセロリ嚙みいてあどけなき汝(なれ)を愛する理由はいらず」の解釈をめぐるやりとりには笑ってしまった。思わぬところで、米澤さんにホータローを見たというか……。そしてまたそこからミステリーに戻ってきてしまうところがさすが〈日常の謎〉のお二人。
▼講演録「物語のみなもと」
なぜ人は物語を読むのか。なぜ自分は物語を書くのか。面白かった。
▼作者本人による古典部語り
作者本人による作品紹介文、オマージュ等の隠れネタ、古典部四人の本棚公開、古典部ディクショナリー(設定集的なもの)など。楽しい。四人のキャラクターがどう生まれたか、そこには当然彼らが果たすべき役割があるのだが、特に千反田えるが米澤さんの中で役割を脱却して人間味を帯びていく過程が興味深い。
あ、そうそう、ホータローたちの高校入学年度が私と全く同じことが判明!一作目の刊行年からするとそれくらいかなとは思っていたが、ぴったり同じでちょっと嬉しい。今彼らもどこかで私と同じ四十路をがんばりつつ昔の出来事がたまに小説化されているのか〜という設定でこれからは読もう。
▼米澤穂信さんの印象
・本書自体が米澤穂信ムック的なものなので、基本的には「作者大いに語る」な本なのだが、読者や作家等有名人からの質問に答えるコーナーで時折見せる「答えなさ」が大人だなと思った。作家として見せるべき素顔と人として見せなくていい素顔とのわきまえ感が。物足りなさも感じなくはないが、ホータローたちの品の良さもここからきているのだなあと納得。
・自分の文章は「理が勝っている」タイプなので、ミステリーというジャンルに合うと思った、という自己分析も印象的だった。 -
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ネタバレ米澤さんの作品が読みたくて、手に取った。
ジャーナリスト太刀洗万智が名探偵役として出てくる六つの短編集。
太刀洗がとにかくつかみどころのないキャラクターで、温かいなぁと思いきや急に厭世的な一面を覗かせたりと、一読者として翻弄されました。
とても魅力的なキャラクターです。
六つの短編、バッドエンドなわけではありませんが、それぞれ残酷な現実を孕む話でありました。
「真実の10メートル手前」「ナイフを失われた思い出の中に」「綱渡りの成功例」は、カタルシスをすごく感じました。
「正義漢」はちょっとしてどんでん返しが待ち受ける。
「名を刻む死」は、感じたことのないタイプの苦い読後感が残りました。
「恋累心中」は、黄燐自殺に隠された恐ろしい事実にゾワっとしました。
六作品の中で、報道というものの存在意義を考えさせられました。
王とサーカスや、さよなら妖精にも太刀洗が出てくるようなので、楽しみです。 -
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ネタバレがまくら市事件の短編集の2冊目です。
1冊目に登場した人物も出てきますが、こちらから読み始めても問題はないと思います。
1.さくら炎上
今まで読んできた北山猛邦さんの作品はどれも面白かったので一番期待していましたが、続きが気になるところで終わってしまいました。
個人的には、一緒のクラスになりたかったという理由で殺された生徒たちが気の毒に思えてしまい、あまり読後感は良くありませんでした…。
2.毒入りローストビーフ事件
この作品は犯人が指摘されずに終わっていますが、おそらくよく読めば犯人を当てられる仕組みになっているように思いました。
謎解きしがいがありますが、解答が欲しいです(泣)
3.密室の本
最後のあたりまで彼女が犯人だと気付かなかったので、真相を知ってびっくりしました。
真知博士は本当に気づいてなかったのでしょうか…?でも自分のファンだからといって、殺人犯が目の前にいるのにわざと見逃がすはずが…う〜ん(悩)
4.観客席からの眺め
個人的には全11作品の中で一番好きな作品でした。
今村くんが本当に星野さんのことを愛していて守りたいんだって伝わってきて、でもこのラストだと二人が結ばれることはこの先ないんじゃないかって思って心苦しい思いでいっぱいになりました。
二人がやらなくても、遅かれ早かれ勝田には天罰がくだっていたと思います。
ただ、現場に髪の毛をばら撒いたことと、今村くんが宗教団体に所属した理由が今一つよく分からなかったです。読み返せば分かるのかな…?
5.消えた左腕事件
これも最後のあたりまで犯人が分からなくて驚きました。ただわたしがポンコツなだけかもしれませんが…!
でも真知博士も分かってなかったみたいですし、つまり真知博士もポンコツ仲間ですね!(怒られそう)
6.ナイフを失われた思い出の中に
他の作品に比べて難しい表現が多く出てきましたが、推理自体は分かりやすいと思います。
良和さんの無罪が一日も早く判明してほしいですね。そしてあの布の服の隠し場所の分かりやすさは、太刀洗さんだけじゃなく読者全員びっくりしていたと思います。