米澤穂信のレビュー一覧
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久しぶりの王道ミステリー。
米澤穂信さんは「儚い羊たちの祝宴 」がかなり好きで、その後「満願」を経ての三冊目。
サクッと楽しめました。読後、映画も見ましたが、とっても美味しそうな和食(須和名目線だと改善の余地ありって細かいオチ好き)という、遊び好きだったのに普通に洋食を割り箸で食べてて残念(笑)というか全体的にこの小説の私にとって良いところを全部無しにして王道クローズドサークルってる感じでした。
インシテミルのタイトルは私は感じとれなかったのですが、あとがきを読んで作者なんか粋で良きでした。
『オーソドックスなミステリー空間に根底から揺さぶりをかけること。それについて著者は、「ミステリ -
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・巴里マカロンの謎
マカロンの中に指輪なんてプロポーズ以外にない。単純に店員さんが置く席を間違えただけと思っていたら、そうではなかった。プロポーズを妨害した理由は分かる。いつかは納得して許せる時が来るかな?
・紐育チーズケーキの謎
何故小佐内さんが拉致されたのか?と思ったけど、そーいう事だったのか。あれは暴かれなくてはいけない事件だ。そして小佐内さんはやはり、マシュマロの恨みを果たしていた(こっそりと)
・伯林あげぱんの謎
これはアニメになったやつだ。5つある揚げパンの中から激辛タバスコ入りを引き当てたなんてミラクルすぎる。だから小佐内さんは目を赤くして、呂律がまわらない感じだったんだ(笑)
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ネタバレ高額のバイト代に釣られた12人が、洋館を模した閉鎖空間でミステリ小説の真似事をさせられる。各々に武器が配られ殺人者の存在を演出された密室で、どんな心理が働きどんな悲劇が起こるのか。トリックと動機に拘った新感覚ミステリ。
『そして誰もいなくなった』などの歴史的名作をオマージュし、その世界を主人公たちにロールプレイさせるという構図は、現実性はともかく舞台として面白い。メインヒロインが超然とし過ぎているし主人公も推理マニアとはいえ切れ者過ぎる気がするが、参加者全員でパニックになって殺しあうという陳腐な展開に入らないためにもこれはこれでよかったのかもしれない。 -
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出版社はこの作品を「爽やかでほんのりビターな米澤穂信の図書室ミステリ」と紹介するのはどうかと思う。まあそれは置いておくととても面白かった。自分が米澤穂信の書く日常学生ミステリーが好きだということは知っていたが、さらに男性キャラクターが好きだということに気付かされた。小市民、古典部どちらも読んでいるが松倉、堀川ペアは福部、折木ペアに並んで好きだ。キャラクターはあちらのほうが立っているがこの2人なんと言っても自分の水に合う。読んでいてストレスがない。会話が淀みなく頭に入ってくる。少々嫌味な所はあるがいつも通りなので目をつむりとする。ストーリーではミステリである以上何かしらの謎があり、その謎解きを迫
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ネタバレタイトルに太刀洗万智シリーズと入っているように、本作の主人公は『さよなら妖精』『王とサーカス』に登場した太刀洗万智。シリーズとしては「ベルーフ」シリーズと名付けられているようで、今のところは本作を含めて3冊が刊行されている。
シリーズとしては、前作にあたる『王とサーカス』が長編であったのに対し、本作は著者の得意とする短編集という形になっている。さらに『さよなら妖精』のように全体として1つの流れがあるタイプの短編集ではなく、時系列もバラバラな作品が収められているということで、形としては『満願』に近い作品と言えるだろう。シリーズの過去2冊は社会的な問題と日常の謎を掛け合わせた中で物語が展開してい