米澤穂信のレビュー一覧
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面白かった。
劇的なことも起こらず前に進んでいくその世界観は、少し陰鬱でありながら思春期の人間の心に寄り添ってくれているような不思議な魅力があり、さわやかな読後感だった。
「赤いトマトのことを考えているとき赤信号に引っかかったからといって、この二つを結びつけて考えるなんておかしなことだ。」作中に出てくるちょっとした一文だが、リカーシブルを象徴するようなフレーズだと思う。本作のどことなく陰鬱で不気味な雰囲気の中でも、目の前の不思議な出来事に飛びつかず筋道立てて1歩ずつ論理が進んでいくのが面白い。
同作者の『ボトルネック』でもそうだったが、もう一つ印象的だったのは作中の天気。曇っていたり雨が降 -
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ネタバレある実験のために用意された施設を舞台にした、密室もの(クローズドサークル)だった。完全な密室ものは初めてだったし、今作のようなゲーム性?のある作品も久しぶりだった(クリムゾンの迷宮以来?)が楽しめた。最初に彼らが考えたように、誰も何もしなければそれだけで2000万円近くもらえる環境だったが、その口火を切る形をどう作るかと思っていたら自殺というのはまんまとやられた。互いの武器を知らず、また互いに信頼できる相手とそうでない相手がいることで、推理が複雑になっていくのもよく考えられていると感じた。人間ドラマはなかなか入れにくい設定だと思うが、関水の真の目的が何だったのか腑に落ちなかったのは少し残念だっ
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ネタバレ王とサーカスで前のシリーズも読みたいと思っていたので今回読めて良かった。太刀洗万智は主人公ではなく、友人の守屋の視点でストーリーが進んだが、ネパールで取材をしていた太刀洗と比較して、学生時代の太刀洗はより無口で不思議な印象を受けた。紛争の起きたユーゴスラビアに帰ったマーヤの安否を心配し、連邦の中のどこに彼女がいるか明らかにする、というのが大筋だが、ほとんどのシーンはマーヤとの回想に割かれ、ミステリーという感じがしないあたりは、著者の特徴を感じさせた。何事にも特に打ち込むということがない主人公が、マーヤをきっかけにユーゴスラビアのために何かしたいと思い、しかしそれは本当の当事者から見れば観光に来
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「王とサーカス」からの太刀洗女子逆読み。
各短編時系列の詳しくは土瓶さんの本棚でどうぞよろしく。
短編集ですし、ストーリーは読んで楽しんでいただければと思うのですが、
米澤さんは作品のタイトルをつけるのがお上手だなと、あらためて感じました。
「真実の10メートル手前」という作品から始まり、この本のタイトルにもなっているんですが、
この短編集のいずれにも当てはまる言葉かなと思いました。
ジャーナリストは真実の10メートル手前まで迫る。
けれど、このシリーズはミステリーの完全な解決を目指しているわけではない。
2作目の「正義感」は、一瞬にして視点が反転し、
3作目の「恋累心中」は、連城三紀 -
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「王とサーカス」からの太刀洗女子の逆読み。
米澤さんの「儚い羊たちの祝宴」や「満願」は、とても好きな作品です。
そして、このデビューに近い「さよなら妖精」
初出は2004年。著者の米澤穂信は1978年生まれですから、25、6歳の頃の作品になるのかと思います。そう考えると、驚くほど練れた、深い考察させる小説だと思いました。
遠い東欧の地、ユーゴスラビアから来た少女との数か月。
彼女が日本を去った後、残された言葉の端々から、彼女の国とその現状を考えていく物語となっています。
物語の始まる1991年、旧ユーゴスラビアでは崩壊が始まり、やがてボスニア・ヘルツェゴビナ戦争へとつながっていきます。
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小市民シリーズ第4弾です。
途中、番外編的な本があるので小市民シリーズとして5作目です。
この作品で春夏秋冬と揃います。
そしてこちらは、2025年このミステリーがすごいの10位になります。
これを読むために、前の4作品を読みました(笑)
その甲斐があって、面白かったし、ちゃんとミステリーでした!
小鳩くんと小山内さんが下校中に轢逃げ事故に遭って、小鳩くんが大怪我を負って入院した。
事故にあった場所が3年前、同級生が轢逃げにあった場所で、小鳩くんと小山内さんはその事故を通して互恵関係を結んだ。
その回想と小鳩くんの今回の事故、入院生活が綴られていき‥。
まぁ、偶然が過ぎると言えばそ