【感想・ネタバレ】冬期限定ボンボンショコラ事件のレビュー

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米澤穂信の「小市民シリーズ」完結編?の冬の巻。
小市民を目指す高校生:小鳩常悟朗と小山内ゆきが帰宅途中に轢き逃げにあい、小鳩が入院する事に!その入院中に過去の事件と向き合い、記憶を辿っていく過程と、轢き逃げ犯を突き止めていく過程を織り交ぜて描いています。
ちょっとツラい展開もありますが、クライマックスで一気に・・・
え?これで完結??ホントに???な感慨ですが・・・
これはこれで、まぁ・・良いのかな(^_^;)
7月のアニメ化がちょっと気になります。

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2024年05月19日

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ネタバレ

『春期〜』『夏期〜』『秋期〜』『巴里〜』と随分長きにわたって小鳩くん、小佐内さんのこの小市民シリーズを楽しんできた。
この、甘々な題名にそぐわず、ちっとも甘くない関係にずっとツンとした、でれっとした思いを抱いていた。
ふたりの出会いのきっかけと互恵関係を結ぶ事件の記憶の中での推理。伏線回収的な今回の事件。そのふたつが繋がった時、思いがけない真相が見えてきた。
ミステリー的にもこのふたつの事件は層が深く重なり合い小鳩くんのさり気ないけれど鋭い推理と小佐内さんのひねった簡潔なヒントの提示の仕方に相変わらず舌を巻く思い。
これでコンビ解散となってしまうのかと思うとザンネン。
ずっと先でも良いので一年遅れで大学生となった小鳩くんとのふたりでまた新たな謎解きをスイーティーな味付けで読んでみたい。

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2024年05月19日

Posted by ブクログ

ネタバレ

長くなりそうですので悪しからず。

巴里マカロンを挟むとはいえ、「秋期限定…」刊行からなんと15年…さすがにシリーズ全巻再読してから取り掛かることにしました。

ところが…枕元に積んでおいた中から春夏と続けて読んで、秋を手に取るときに、うっかり下巻から読んでしまったんです。

結果的にいえばこれはとても有益なハプニングでした。一度読んであるからこそなのですが、米澤穂信作品の伏線の多さは半端ではありませんよね。それをストーリーの結末をしっかり把握した段階から回収して回る…この読み方は上下巻だったからこそできたことですが、それはそれは楽しかった。

と同時に、今作を最初から読んでいくための絶好のリハビリになりました。

今作はもう…一言で言うと
「小市民シリーズここに極まれり」です。
人間物語としての深さにしてもミステリーの良質さにおいても、私の中では絶賛の嵐です。

…にも関わらず、ですよ。

このシリーズ、終わらせたくない。終わってほしくない。

最後まで読んで、高校を卒業してからの小鳩と小山内を見たいと思わないシリーズ愛読者はいないでしょう?

もし続くとすれば…舞台は京都ですよね?
ならば一年先に行く小山内は、京都中の絶品スイーツを片っ端から食べ歩き、後から必ず来るはずの小鳩をあちこち引っ張り回せますよね。

新しい春夏秋冬、それはスイーツの世界の広がりとしても、2人の関係の進展としても、目が離せない物語の新たな始まりになるのではないでしょうか。

米澤先生、本当に、心から、シリーズの新展開を読ませてください。10年でも20年でも、私の命続く限り、お待ちしています。


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2024年05月18日

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前回が短編だったのでもう完結したのかと思ってました。ちゃんと冬があって良かったです。最初に春を読んだ時に、色々分からなくて何かの続編なんだろうか?と思いながら読みましたが、それがこの冬でちゃんと説明されてて、もう一回春に立ち戻って読み直したくなりました。あと、解説の方のミステリの紹介が上手で、色々読んでみたくなりました。

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2024年05月15日

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ネタバレ

小山内さんが忍者みたいな設定でシュールだったけど、なかなか面白かった
中学時代の轢き逃げ事件解決について、中学生探偵団らしくわかりやすい推理で物語が進んでいくのが面白い。なのに解決編のストーリーは衝撃的
小山内さんとの出会いも、なぜ小市民を目指そうと思ったのかも綺麗にまとまっていて、シリーズラストに相応しい1冊だった

「ひき逃げ犯は車をどう処理したのか」についての真相が少し残念だった
「コンビニの店員が画像データを偽装していた」とか「車を川に沈めた」とか、もうひとひねり欲しかったなあ

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2024年05月15日

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遂に冬が来た!
嬉しくも寂しい小市民の高校生活が終わったのかな。
続編期待したいけど、高校生で終わってもらいたい気持ちも。

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2024年05月14日

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とうとう終わった。最後の締めくくりに、小市民を目指した事件と絡めてくる。面白かったです。小市民ロスになるけど、7月からのアニメに期待します。

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2024年05月14日

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小市民を志す小鳩君はある日轢き逃げに遭い、病院に搬送された。目を覚ました彼は、朦朧としながら自分が右足の骨を折っていることを聞かされる。翌日、手術後に警察の聴取を受け、昏々と眠る小鳩君の枕元には、同じく小市民を志す小佐内さんからの「犯人をゆるさない」というメッセージが残されていた。小佐内さんは、どうやら犯人捜しをしているらしい・・・。

読み終えるまではもどかしくて、読み終えたら放心状態で。本当にあっという間に読み切った。時系列は高校3年の冬ですが、エピソード0の話が交互に明かされるので、ふたりの過去を振り返りながら、甘くて苦い3年間を噛みしめる時間でした。術後の話もリアルだから完全に騙されましたし、そもそもボンボンショコラのネタは全然気が付かなかった。小佐内さん流石すぎるし相変わらずキュートにやることが怖いです(笑)あくまで互恵関係に過ぎなかったふたりが、お互いをかけがえのない存在として認識する、そして次善という言葉ではありますが次に進んでいく予感を残す終わり方がとても良い。切ないだけでなく、良かった!と思えた。今度はふたりでいちごタルトを仲良く食べて欲しい。

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2024年05月14日

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超★5 小鳩君と小山内さんが小市民を決めた苦い思い出、二人の未来は #冬期限定ボンボンショコラ事件

■あらすじ
高校三年生の冬、小鳩君と小山内さんが帰宅途中にひき逃げにあってしまう。小山内さんに怪我はなかったが、小鳩君は病院に搬送され、入院生活を送ることになってしまったのだ。小山内さんは犯人を捜すべく奔走する。
一方入院中の小鳩君は、中学時代に同じ場所でおきた同級生のひき逃げ事件を回想していて…

■きっと読みたくなるレビュー
本作単品で超★5、小市民シリーズ全部とおして鬼★5
青春ミステリーの完全体ですね、参りました… もうすごかった。

●はじめに
青春ミステリーっていうと、未成年の学生が事件の捜査に関わる物語なんてリアリティがないよ、という批判を言われることがある。個人的には所詮エンタメでしょ、楽しければいいじゃんと思っているのですが、人によっては受け入れがたいんです。お子様も読む本だし。

たしかに現実の世界であれば、捜査を妨害してしまったり、犯人から害悪を受けたり、関係者に様々悪影響がでる可能性が高い。そもそも個人が警察組織よりも先に事件解決できるはずもなく、リスクを取るだけとって手間と時間を無駄にするのが関の山。

このアンチテーゼを背景に描かれるのが、一連の小市民シリーズなんです。最終話を迎えた本作で、どういった結末を迎え、どんな回答を提示してくれるのでしょうか…

●ほろ苦い青春小説
本作では二つのひき逃げ事件についてストーリーが展開される。まず小鳩君のひき逃げ事件は、復讐心に燃える小山内さんが捜査を進め、小鳩君へのメッセージという形で導かれてゆく。それに並行して、三年前の中学時代日坂君に起こった事件を回想していく流れ。

中学時代の事件が物語の主軸なんですが、彼らがその後小市民として生きていくことになったきっかけがありました。まだ幼い二人は真面目で可愛いんだけど、やっぱりまだ子供。何が正しいのか、そしてそれは誰のための意思なのか。幼稚な正義は、他人を追い込み、傷つけ、そして自分自身にも不幸をもたらしてしまう。読めば読むほどビタ―なチョコレートを食べているようで、ほろ苦さが広がってくるんです。

でも、多少行き過ぎた行動はあったかもしれないけど、みんな一生懸命で気持ちわかるじゃん… 若いときはどうしても視野が狭くなるもので、これらの経験を学びにして明るいこれからを歩いてほしいと願ったのです。

●練りに練られた謎解き
中学時代のひき逃げ事件は、少年少女の冒険小説ともいえる内容でエンタメ要素がしっかりしてる。多少長めの筋運びなんですが、プロットが理解しやすく、読み手に負担をかけさせません。後半、切り口が変わってくるのですが、事件の背景や犯人は全く煙に巻かれる。私の想像力では見抜けませんでしたね。

そして小鳩君の事件、もうあまりページもないけどもと思っていたら…驚きの急転直下。あっという間に思いもよらない真相が明るみになり、しかもこれまでの事柄が収束していくんですよ。

明かされてみると、どちらの事件もなるべくしてなった事件。ストーリーの組み立てのうまさには圧巻でしたね。

●小市民たちのこれから
シリーズものって、基本同じパッケージで新しい事件に取り組むのが一般的です。そこに時折キャラを追加したり、関係性を変化させたりする程度ではないでしょうか。

本シリーズの恐ろしいのは、全巻同じテーマにも関わらず、アプローチや人間関係の深度が全然違うんです。

春:連作短編、小市民たちの日常
マカロン短編:短編、新キャラ後輩ちゃん
夏:連作短編、二人のXX(※ネタバレ懸念のため伏字)
秋:長編、二人のXX(※ネタバレ懸念のため伏字)
冬:長編、中学時代の出会い回想、そして未来へ…

春、夏、秋、マカロン短編、冬、それぞれの話で小市民メソッドへの強弱が違うし、二人の距離感も変化していく。時系が経過するごとに、この二人にしか理解できない価値観も深まっていくんですよね。

さて、これから二人はどうなるのだろうか…

どこか遠くの街の喫茶店、大学生の男女が向き合って座っている。小山内さんは甘味に浸っていて、小鳩君は甘味以外の別のことを考えながらケーキをつついている。未来の二人の姿が、目に浮かんできたのです。

■ぜっさん推しポイント
悩み多き若者たちの成長の姿が眩しすぎる。コレ。

失敗して、反省して、努力して、その経過の中でお互いの良いところも悪いところも理解して… そして感謝の気持ちを持ち続けられる関係性を築いてゆく。

自分の考えや欲望があるのはわかるけど、その人がいるから自分が救われることもある。人が幸せになるって、こういうことだと思うわ。

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2024年05月14日

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小市民シリーズのラストを飾る作品。小鳩くんと小佐内さんがどうして小市民を志すようになったのか、そのきっかけとなる事件が現在と並行して描かれます。これで完結かと思うと寂しい。進学した小鳩くんと小佐内さんのその後も読みたかったなぁ。

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2024年05月13日

Posted by ブクログ

小市民シリーズはミステリの小ジャンルの中で「日常の謎」に分類されるとと思うけど、このジャンルの作品は特に、ミステリという構造自体への視線が際立つ傾向にあるのではと思う。日常の謎の場合、ミステリというお題が目の前にぽんと置かれているのではなく、謎そのものを発見するところに面白さの一面がある。顕在化していない謎。誰も気にも留めない謎。誰も困っていない謎。つまり、解き明かす必要がない謎。日常の謎というジャンルにはある種の通底音として、謎を顕在化させる力が働いている。つまりそれは、本来なら謎を解き明かす役割を担っている探偵が、ある意味では謎を生み出す役割を同時に担っているということになる。と思う。顕在化していない謎を探偵が発見するという構造が作品に織り込まれているがゆえに、日常の謎はミステリという構造そのものに意識的にならざるを得ない。そしてその視線も含めてこのジャンルの魅力なのだと思う。
『ぼくは、本当に馬鹿だったんだ。轢き逃げ犯がわかれば、僕は褒められる。認められるって思ってた。そのうえ日坂くんは賠償金がもらえるし、家族の負担も軽くなる。日坂くんを助けられる。きっと、きっと日坂くんも喜んでくれるに違いないって……。ぼくは、本気で思っていたんだよ』
謎を解き明かすという行為の功罪と、探偵という本領を発揮したいという功名心のブレンド。探偵活動の面白さを十分に描きつつ、その裏返してして存在する探偵という行為の持つ本質的な愚行ぶりも同時に描いた本作は、まさしく小市民シリーズの終わりそのものだっと思う。

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2024年05月13日

Posted by ブクログ

おもしろかったー!!!!

現在と過去を行き来して、謎を解いていく流れで、完全に騙された。過去の日坂くんの事件にしか目が向いてなかった。

春季限定から始まった小鳩くんと小佐内さんの物語の終わりが、とても素敵な終わり方で心が満たされた。

でも、贅沢を言うなら、アフターストーリーがほしい。小鳩くんと小佐内さんの日常編が読みたい。

アニメ化楽しみだ〜!

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2024年05月12日

Posted by ブクログ

主人公小鳩君の小賢しさが高校時代よりも顕著に描かれてるので、若干のしんどさがありました。が、展開の意外性や解決パートの「してやられた感」は圧巻でした。やっぱりこの作家さん本当にすごい。

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2024年05月12日

Posted by ブクログ

やはりすばらしかった。春期から20年経っていたなんて!構成がうまい。セリフがうまい。人物が魅力的。大団円。優れた推理作家は数あれど、こんなのそこらの作家には書けないよ。また春期から読み直そう。大学生になった二人に会いたいなー-とも思う。米澤先生に感謝!

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2024年05月09日

Posted by ブクログ

小市民シリーズ、感動のフィナーレでした!小山内さんと小鳩くんの出逢いもわかったし大満足です。ミステリの方も、黒がにじみ出て来るような違和感と、しっかりした終わりがあって私は感無量!

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2024年05月08日

ネタバレ 購入済み

小市民シリーズ完結 残念です

今回は甘味成分がボンボンショコラだけで、他の話と比べるとスイーツ度が少ないけれど、密室の謎あり最後に犯人との対決ありと、このシリーズでは一番推理小説らしくて面白かった。これでシリーズ完結らしいけど、米澤作品のヒロインでは小山内ゆきチャンが一番好きなので、ちょっと残念です。京都を舞台に大学生編も読んでみたい気もするけど、蛇足かな?でも、マカロンみたいにこれまでの事件の間に起こった事を短編で出して欲しい気もします。

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2024年05月07日

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現在と過去の回想と現在の伏線にいろいろと騙されながら楽しく読めました。
大学生になった小市民2人の活躍もいつか見たいです。

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2024年05月07日

Posted by ブクログ

なんとほろ苦い……。
こんなにもほろ苦いシリーズだったっけ?
小市民シリーズを初めて手に取ったのは2009年の2月、13時間の空の旅のお供にするためだった。
時が流れすぎてこれまでの3作を詳細には思い出せないけれど、もう少し飄々としていた気がする。
本作を読んで、こんなことがあったなら小市民を目指さざるを得なかったであろうと納得。
けれどまたもう少し飄々とした二人が見たい。
米澤先生、大学生シリーズも書いてください。

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2024年05月07日

Posted by ブクログ

そして彼らは結託し、共謀して、何か事実を隠している。隠すということは、隠したい何かがあるということだ。解くべき謎は、いま、具体的に形を与えられた。
なんてすばらしいんだろう!
あとは解くだけじゃないか!

「小佐内さん」
「なあに」
「答えたくなかったら、答えなくてもいいんだけど」
「じゃあたぶん答えないけど、なあに?」

結果が降ってくるのを待つだけでは、エサを待って口を開け続ける雛鳥と変わらない。いや、雛鳥だってエサをよこせと鳴き騒ぐ。じゃあぼくは、どんなふうに鳴けばいいのだろう。

ー不思議な顔してるじゃないか、小鳩。
ーまるで、自分が何をしたのかわかっていないみたいじゃないか。
ーなあ。
ーおまえ、
ー鬱陶しいよ。

ぼくは結局のところ、自分があまり好きではない。賢しらに振りまわした知恵の刃が誰かの胸をえぐっても、その返り血で自分の手が汚れたことばかりを嘆いている。そんなぼくを、どうして好きになれるだろう。けれど、それでも……自分を恥じていても、自分を受け入れていくしかない。これからはもう、一人なのだから。

「おやすみ小鳩くん。わたしの次善。あなたが生きていてよかった。お大事にね。そしてどうぞ、よいお年を」

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2024年05月06日

Posted by ブクログ

 春夏秋ときて、これがラスト作なのか
 待望の《小市民シリーズ》新作でした
 ワクワクしながら読み始めたものの、とても重たいストーリー
 轢き逃げ事件に遭遇した主人公が入院している《現在》と、同級生が遭遇した類似の《過去》の事件が交互に語られる
 トリック自体は稚拙なものだけど、解き明かす過程に価値があるという逸品

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2024年05月05日

Posted by ブクログ

最新刊、めっちゃ待ってました!
めちゃくちゃ面白かったです!最高
シリーズで買っちゃうほどのよさです♪

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2024年05月05日

Posted by ブクログ

ネタバレ

面白かった。2つの似通った事件が同時進行で読み解かれていくのに、自分の中では全く混線することなく楽しく読めた。
春季限定から始まり、冬季限定で終わってしまうということが寂しかったが、(解説の松浦さんの言う通り)小佐内さんがその先の話をしてくれるのがとてもうれしかった。

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2024年05月04日

Posted by ブクログ

小鳩くんと小佐内さんの物語がついに完結した。感慨深い。今回の轢き逃げの話と語られることが無いだろうと思っていた2人が小市民を目指すきっかけの話が本書では語られている。

彼らの今後の人生について読者視点ではもう知ることが出来ないだろうことが寂しく思う。しかし一方で、彼らの人生はこれからも続くということがはっきりと感じられたことが嬉しく思う。改めて小説というものの良さ(と言って良いのか分からないが)を認識することが出来た。
2人の将来に幸あれと願いたくなる結末であり、本書及び本シリーズに出会えたことは、私自身にとってもこの上なく幸せなことだったと感じられた。

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2024年05月04日

po

購入済み

小市民シリーズ、完結

ショッキングな事件、小鳩君と小佐内さんの馴れ初め、緊張感のあるラストと、シリーズ完結作として文句ない出来。
アニメも盛り上がって最後までやってもらえたら、そして他のシリーズもこれくらい綺麗に完結してもらえるといいなぁと思います。

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2024年04月30日

Posted by ブクログ

轢き逃げ事件をきっかけに中学時代の同様の事件を振り返り、過去と現在を行き来しつつ真相に迫っていく。高校生活の小市民時代が終わってしまうが、小山内さんの思いを受け、小鳩はどんな進路を目指すのか見てみたいと思う。

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2024年05月18日

Posted by ブクログ

中学生2人が轢き逃げにあいその事件の謎を解こうと奮闘する物語。3年前の事件と照らし合わせながら推理していくが2人とも中学生とは思えないような行動力ややり方で思考も中学生では考えつかないだろうな。と度々現実離れしているなぁと思ってしまった。ストーリーはどんどん読み進めていきたくなるほど面白く最後はそんな所にも鍵が隠されていたのかと一気読みした。

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2024年05月17日

Posted by ブクログ

「名探偵」ことにコージーミステリなどに多く現れる「素人探偵」なる存在は、自分の頭の良さを見せびらかしたいという、自己顕示欲丸出しの動機で、他人の不幸に土足で踏み込んで果てはコサックダンスでも踊ろうかという人種である。これはある意味犯人よりも罪深い。故に「名探偵の業」を問題として取り扱うミステリも数多く書かれているわけで(例えば阿津川辰巳氏の〈館四重奏〉シリーズとか)我らが小鳩くんもそうした「名探偵の業」の憑かれた人物である。彼の陥ったシチュエーションはそこまで絶望的とは言えず、むしろ善意が必ずしもよい結果を生むわけではないという、世界の不条理に突き当たったと言うべきなのかも知れないが、それでも重い。ミステリ読者は名探偵の事後従犯みたいなもんだから、人ごとにはできないしね。とはいえ描写はあくまでも軽やか。探偵役二人のオフビートな会話の妙には惚れ惚れしてしまう。ラストは密室の謎をミステリとしてはあるまじき形で解く、と言うか踏み潰す。苦くて甘いね、これは。

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2024年05月15日

Posted by ブクログ

春・夏・秋と続いた小市民シリーズ最終巻。小鳩君が轢き逃げに逢うショッキングな場面から始まり、小鳩君と小山内さんの出会いのきっかけとなった過去の事故の回想と、現在が絡まり合いながら2つの事故の謎が最終的に解明されます。回想の小鳩君の虚栄心や自信過剰な姿にあああ…と痛々しさを覚えたり、ん?と引っかかるところがありつつ読んでいて、最後まで読んでなるほど、だからか!と納得させられる気持ちよさがあったり、素敵な余韻があるラストなど、いろんな気持ちを呼び起こさせられる本でした。

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2024年05月14日

Posted by ブクログ

ネタバレ

これでこのシリーズは終わりなのかな?
2人が京都の大学生になった話も読んでみたいなぁ。
2人が小市民になろうとしたキッカケの過去の事件と現在の事件がうまく絡まり交互に話が展開していく。
ゆっくりと読みたかったのに続きが気になって一気に読んでしまった。
日坂姉の動機は身勝手なもので、八つ当たりだとは思うけど、日坂姉弟の気持ちもわかるのでなんとも言えない気持ちになった。
日坂くんに姉のやったとこを見せるのは、ちょっと酷かなぁと思うけど、違うのだろうか?
小鳩くんと小山内さんの2人が小市民を目指すのはそらそーだろうなぁという感じ。
私的には日坂姉弟に感情移入をちょっとしてしまったので、ラストはほろ苦いものだった。

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2024年05月09日

Posted by ブクログ

いやー,面白かった.高校生編が本当に綺麗に完結したという感じです.けど小市民シリーズがこれで終わりでは余りにも寂しいので,米澤先生,古都を舞台とした大学生編あるいは浪人生編をぜひお願いします.

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2024年05月09日

Posted by ブクログ

ネタバレ

最後の、大晦日の真夜中の病室の場面がとても美しくて余韻に浸っている。
なんだかじわ〜っと泣きながら読んでいた。
自分を好きにはなれないけれど、高校三年間もがき続けたこと。そこに同志がいたこと!
これが小鳩くんと小佐内さんにとって本当に良かったことなんだと思えるラストだった。
もがき続けることは間違いじゃないんだな…というか高校三年間に限らず、人生全部がそうだよね…
読み終わって、ああ〜米澤穂信先生好きだ〜となった。

先生がSNSで、

なんだかずっと〈小市民〉のことを考えている。思いがけない形で誕生し、悩んだり、悩んでいるふりをしたりしていた、自称小市民志望たち。読者に『冬期』を楽しんで頂けることを願う一方、かれらには、それほど悪くない終章を用意してやれたんじゃないかと思っている。でも少し、さみしいですね。

と言っていて、本当に良い終章でした、と感謝を伝えたくなった!
さみしいけど、短編は出すかも?とおっしゃっていたので、また2人に会える日を楽しみにしている。

ミステリ部分は2人に感情移入しすぎてあまり推理せずに読んでしまった。
まさか殺意があるとは思わなかったし…
振り返ると小佐内さんもかなり危険な目に遭っていたので、かわいらし〜いタイトルに反してきっちり危険を描くところも米澤穂信先生の信頼できるところだ〜
そしてこの危険な感じが古典部シリーズとは全然違うところだな〜と改めて思った。

小鳩くん、小佐内さん、卒業おめでとう!!

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2024年05月07日

Posted by ブクログ

小市民シリーズ最新作、一作目は何年前だったかな。前作からもだいぶ空いているんじゃないかな。
序盤から重たい展開、もっと日常の謎的な軽い話じゃなかったっけ?
小鳩くんの人生狂わすほどの大事件、三年前の事件とどうリンクしていくのか、中学の頃の二人の回想と交差していくのが、ややこしくならず気持ちよく進められる。
高校生でも大人からあんなに正面から悪意をぶつけられたら怖いだろうな。トラウマ級のダメージを残しそうだ。
非を認めるとこは認めつつも、立ち向かった小鳩くん立派です。
春夏秋冬揃ってしまったのでこれで終わりなんだろうけど、久しぶりに二人に会ってしまったらやはり惜しく寂しいな。

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2024年05月06日

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