あらすじ
小市民を志す小鳩君はある日轢き逃げに遭い、病院に搬送された。目を覚ました彼は、朦朧としながら自分が右足の骨を折っていることを聞かされる。翌日、手術後に警察の聴取を受け、昏々と眠る小鳩君の枕元には、同じく小市民を志す小佐内さんからの「犯人をゆるさない」というメッセージが残されていた。小佐内さんは、どうやら犯人捜しをしているらしい……。冬の巻ついに刊行。/解説=松浦正人
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Posted by ブクログ
本編の最後の話としてすごく綺麗な終わり方で心地いい余韻に浸れる。
とても面白かった。
春期のいちごタルトや夏期のパフェについて、苦い経験だったものが未来に向けて明るい形での言及があって嬉しい。
出会ったばかりの小佐内さんとの淡白なやり取りと入院後の小佐内さんが小鳩君に投げかける言葉の数々のギャップがすごい。
苦々しい話だけども最後の日坂君とのやり取りで救われる気持ちになる。
最後の最後に向かう未来が小佐内さんの(小鳩君への)報復と小鳩君の謎解きで〆られるのが本当に綺麗だ。
小市民シリーズを知れて良かった。
倫敦スコーンの謎も楽しみです。
Posted by ブクログ
小市民シリーズ!冬期!!
これを読んでしまったら、小市民シリーズが終わってしまうと思ってずっと温めていましたが、『倫敦スコーンの謎』が発売されたので読みました。
面白かったです!最高!やっぱり米澤先生すごい!!!
ずっと気になっていた、小鳩くんと小佐内さんの過去のお話に触れられていました。
現在と過去で同じ場所で同じような事件が起こって、それを交互に描写していくスタイルを読むと、やっぱり『水車館の殺人』が浮かんできますよね。現代版水車館ですね。
中学時代の小鳩くんと小佐内さん。はじめましての会話も見られましたが噛み合ってない(笑)どちらも変わり者、というかどちらもそれぞれの考え方を強く持っている人達なので、初対面はこんなに噛み合わないものかと思ったり、今まで見てきた高校生の二人は、ある程度関係ができてて、ああいうやり取りができているんだと思ったりもしました。
「ベリーショートの看護師さん」という言葉を知らず知らずの内に受け入れちゃってましたね。水車館でいう「仮面の男」というかんじでしょうか?違いますね(笑)叙述トリックのような、本ならではの表現が素敵です。
狼のぬいぐるみには、小鳩くんと同じように騙されてしまいました。
本作品で中学時代の二人のことを遡ることができましたが、お互い成長しているというか。小市民を目指そうとしたことも、小市民としては存在できないかもしれないことにもがいてしまうことも、色んなことを全て糧にして現在の二人に至っている印象を受けました。特に小鳩くんすごい成長!あぁ、このまま『倫敦スコーンの謎』にいってしまったらこの世界が終わってしまう……けど読みたい、読まなきゃいけない!!!
Posted by ブクログ
小鳩くん轢き逃げ事件という衝撃の内容から始まり、過去回想へと繋がる面白い書き方になっていた。
秋から冬にかけて小鳩くんと小山内さんの関係性が少しずつ変わっているのが見て取れたし、小鳩くんと事故後初めて話すシーンとか最後の一言とか、きちんと小山内さんが小鳩くんを好き始めていることが分かって人間味が出てきてとても良かった。
小鳩くんの過去はかなり衝撃だった。傲慢で不遜だった。
個人的には最後の小鳩くんが最後にきちんと謝るシーンで小山内さんが影で涙していたのが、アニメオリジナル描写だったことが意外だった。
Posted by ブクログ
二つの事件が重なりつつ、二人の過去と現在が描かれる構成。中学生の頃の思い出に苦い思いをしながらも、小佐内さんが現在に残したメッセージの意味が回収される現在の解決編が気持ちいい。そして緊迫の場面を終えた後のラスト。この本の評価は白馬の王子様が現れるまでの「次善」といたします。
Posted by ブクログ
米澤穂信の文体はするする読める。高校卒業後もふたりの関係がきっと続いていく感じ、素敵だなあ。最初の頃の殺伐とした感じとはずいぶん違うよね。感情がある。
そしてどんどん事件が大きくなってきたけど、これはもう続編てないのかな。ここで終わりなのかな。さみしいけど、きれいな終わり方かなとも思ったり。
小市民シリーズ完結 残念です
今回は甘味成分がボンボンショコラだけで、他の話と比べるとスイーツ度が少ないけれど、密室の謎あり最後に犯人との対決ありと、このシリーズでは一番推理小説らしくて面白かった。これでシリーズ完結らしいけど、米澤作品のヒロインでは小山内ゆきチャンが一番好きなので、ちょっと残念です。京都を舞台に大学生編も読んでみたい気もするけど、蛇足かな?でも、マカロンみたいにこれまでの事件の間に起こった事を短編で出して欲しい気もします。
Posted by ブクログ
audible
小市民としての原点が…
アニメで観ていて犯人はわかっているが、結末はあやふやだった。中学時代と現代が交差していて、楽しく読めた。
小鳩くんがずっと気になっていたことに終着ができて良かった。彼の優しさをしみじみ思った。
ただ、本人は納得しているようだが、大学受験ができないってちょっとモヤモヤした。代償が大き過ぎる。
小佐内さんは謎少女のままだった。
Posted by ブクログ
私はアニメ化した小山内さんの像を追いかけるために、原作を追っているところがあるのだが、なんと「秋季」と「冬季」の間は、15年も!
そりゃ半生かけて追っている人も多いだろう。
筋はもうわかっているので、確かに叙述トリックなところがあるなとか、小鳩くんの内面とか、楽しみはいろいろ。
「おわあ、こんばんは」(萩原朔太郎「猫」)を引用しちゃう小山内さんとか。
個人的には、各章の題が、きっとミステリのパロディなんだろうな、でもロマンチックだな、と。
特に「黄金だと思っていた時代の終わり」の後に「報い」って、すごい。
今読む読者なので、すぐに「倫敦スコーンの謎」に手を伸ばせるのだ。
【目次】
序章 小市民空を飛ぶ
第一部 狐の深き眠り
第一章 置き手紙によると小山内さんは
第二章 わが中学時代の罪
第三章 わたしたち本当に出会うべきだったのかな
第四章 小鳩くんと小山内さん
第五章 秘密さがしにうってつけの日
第二部 狼は忘れない
第六章 痛くもない腹
第七章 乾いた花に、どうぞお水を
第八章 幸運のお星さま
第九章 好ましくない人物
第十章 黄金だと思っていた時代の終わり
第十一章 報い
終章 小市民は空を飛ばない
Posted by ブクログ
小市民シリーズの完結。
大好きなシリーズだったため完結は寂しいが、シリーズものを最後まで読むことがなかったので感慨深いものがある。
主人公が小市民を志すきっかけとなった事も明らかになったので、また春から読み直してみても面白いかと思った。
Posted by ブクログ
春から始まって、とうとう冬(高3)。
終わってしまうと思うと惜しくて大事に読んだ。
一つ一つの経験が、感情が、その人を形成していくんだ。
どんなときも思考し続ける小鳩君、小佐内さんの前で泣いた小鳩君、褒めてもらいたかった小鳩君、小鳩君が大好きになった。
爪を研ぐ余り牙まで鋭くなった小佐内さんも好きになった。
小佐内さん視点のお話が読めたら、もっと好きになれるかもしれない。
今まで知りたかったことや読みたかったことが書かれていて、締めくくりとしては大満足だったのだけど、最後に小鳩君と小佐内さんの会話を読んでいて、ものすごく大学生(あるいは浪人生)編が読みたくなった。
それだけ二人の未来が明るく感じられたからだと思う。
ビターな味わいだったけど、そればかりじゃなかった。
――――
アニメを見終えたが、小鳩君の語り(心の声)がなく残念だった。
そこが好きだったのになあ。
岐阜の街並みは素敵だった。