〔引用〕どうしてわたしたち あえないのかな?(p.196)/おやすみ小鳩くん。わたしの次善。(p.417)
〔小鳩くん〕自動車にはね飛ばされ重傷で入院中。大学入試もフイにした。
〔小佐内さん〕自分をかばったらしい小鳩くんがはね飛ばされたので復讐フェチの小佐内さんは犯人に復讐を誓っている。
〔日坂祥太郎〕三年前の回想。同じ堤防でひき逃げに遭った。小鳩くんは嬉々として捜査をし、事故に巻き込まれ夏服を台無しにされ復讐を誓っている小佐内さんと出会う。
〔ボンボンショコラ〕入院した小鳩くんへの小佐内さんからのお見舞い。一日ひとつしか食べてはいけないらしい。
〔眠け〕小鳩くんはすごく眠たい。そのせいで見舞いに来ているはずの小佐内さんとなかなか会えない。
〔密室〕三年前の堤防道路は全長九キロの巨大な密室。なぜ二度とも車が防犯カメラに映らなかったのか。
〔感想〕犯人当ては難しくないと思うけど、相変わらずキャラも会話もいいし、お話として面白い。シリーズは終わりなのかもしれないけど大学生になった二人で新シリーズを…
■小市民についての簡単な単語集
【秋津屋】制服取扱店。
【麻生野瞳/あそや・ひとみ】コンビニの娘。石和馳美となんらかの関係があったらしい。
【尼そぎ】小佐内さんの髪型。ボブカットで少し古風。
【アリス】マンションの一階にある小さなケーキ屋。小佐内さん御用達?
【飯田】健吾と同学年の新聞部員だがあまり部活に来ない準幽霊部員。
【石和馳美/いさわ・はせみ】小鳩くんや小佐内さんが中学生のときドラッグ騒動で補導された。
【五日市公也/いつかいち・きみや】新聞部員。健吾の一年下。真面目で気弱。「はい。……断れない雰囲気だったから」栗きんとん下p.39。小鳩くんは「人生の師」と思った。
【伊奈波川】その堤防道路で小鳩くんは車にはねられて入院を余儀なくされて大学入試をフイにした。
【牛尾】小鳩くんの中三時代のクラスメート。バドミントン部のキャプテン。
【瓜野高彦/うりの・たかひこ】新聞部員。健吾のイッコ下。部の方針について部長の健吾とは意見が合わない。
【おいしいココア】健吾はおいしいココアを淹れられる。って、ぼく的にはこの方法が普通の淹れ方なんやけど。
【大浜】卒業した美術部員でとある絵を描いた。高橋由一が好きなんだとか。
【岡橋真緒/おかはし・まお】日坂祥太郎と交際していた。
【小佐内ゆき/おさない・ゆき】主人公の一人。ちっちゃくて童顔で小動物っぽい。小動物っぽいという表現はご本人も気に入ってるらしい。甘いものと、復讐が好き。籠絡や懐柔、地道に資料を調べたり、情報戦が得意。小鳩くんとは同じ中学で小市民になりたい互助会の同志らしい。「いいよ、わたし、待つのは好きだから」いちごp.41。気配を殺して小鳩くんの背後に立つ特技を持っている。正座をしたまま後ずさるという特技を持っている。小市民化計画以前はちょっと怖い女の子だったフシがある。いや、今でも充分怖いが。つきあっているとケーキ代で財布が軽くなってゆく。《ぼくたちは、互いに近親憎悪をかき立てるほど似てはいない。けれど、同好の士という感覚を持つぐらいには……いや、どちらかというと、同病相憐れむぐらいには、似ているところがある。》ボンボンショコラp.131
【小佐内ゆきの母】すごく若く見える。大学生くらいに見えないこともない。小佐内さんの童顔は母親ゆずりのようだ。
【小佐内スイーツセレクション・夏】小鳩くんが小佐内さんから渡されたご近所のスイーツランキングリスト。その夏小鳩くんは小佐内さんのスイーツ巡礼につきあわされることとなった。いくらか自業自得で。
【オモテダナ】小佐内さんが教えてくれた喫茶店。民家にしか見えない。ミルク系が美味しい。
【夏期限定トロピカルパフェ】セシリアというスイーツ屋の商品。「小佐内スイーツセレクション・夏」というリストの堂々一位に入っている。おそろしく背が高いパフェ。果物の美味しさとほぼ等価。
【勝木】木良警察署交通課刑事。
【勝木亜綾/かつき・ああや】黃葉高等学校(おうようこうとうがっこう)商業科。小鳩くんたちが中学三年のときここの三年だった。
【勝部】美術部の三年。穏やかな丸顔の女子生徒。性格まで丸いとは限らない。
【茅津未月/かやづ・みつき】礼智中学三年。古城秋桜と同じクラスで停学になった三人組のリーダー格。大人びた感じ。蓮っ葉なもの言いだがイヤなヤツではなさそう。
【川俣さなえ】薬物がらみのなにかに巻き込まれているかもと妹のかすみが健吾に言ったらしい。ちなみにかすみは健吾の彼女である可能性もなきにしもあらず。
【勘】小佐内さんいわく「勘のいい人は好きよ。わたしのことを見抜かない限りはね」マカロンp.239
【観察】《思考と推論だけで彼女を助けられず、観察が決め手になってしまったのはやはりいささか残念だ。》マカロンp.41。小鳩くんは観察に頼るのは好みでないようだ。
【岸完太/きし・かんた】新聞部員。健吾の二年下。
【木良市民病院】日坂くんが入院し、後に小鳩くんが入院した病院。内科・消化器内科・外科・整形外科・脳神経外科・循環器科・放射線科・リハビリテーション科などがある。
【月報船戸】新聞部の出す新聞。小佐内さんいわく「うん。普通の中の普通。類希なる普通。わたし、『月報船戸』を読むといつも、これってただごとでなく普通だなって思うの」栗きんとん上p.45
【健吾/けんご】堂島健吾。船戸高校に合格した。小鳩くんと同じ小学校で旧知ではあるが友人というほどの関係ではない。粗野っぽくてがっちりした男。裏表のない性格。正義感の強いいいヤツではあるがお節介。とはいうものの、すごく押しつけがましいわけではない。いちごタルトではできごとを運んでくる役目。新聞部に入り、後に部長になりちゃんとやってる。
【恋】《そのキーワードが絡むと、関係者の行動に合理性が欠けるせいで推論を進めにくくなり、不本意な結果に至ることが多い。》マカロンp.57
【古城春臣/こぎ・はるおみ】パティシエ。若い頃はイケメンだがネックレスは似合っていない。東京で地位を不動のものにした後、地元名古屋に出店した。小佐内さんはこの店のマカロンを食べにいく。お供は小鳩くん。
【互恵関係】小鳩くんと小佐内さんは中学生のときある事件を契機に互恵関係を結んだ。《小山内さんには覚悟と行動力がある。ぼくには、たぶんだけれど、観察力とひらめきがある。だけどぼくたちは中学生だ。》ボンボンショコラp.139
【秋桜/こすもす】とあるできごとで知り合った女の子。名古屋でわりと厳格な校風の礼智中学お菓子づくり同好会所属。小佐内さんに懐く。男嫌い。
【小鳩常悟朗/こばと・じょうごろう】主人公の一人で語り手。健吾いわく《頭を使うことで、お前がしくじるとは思っていないがな。》いちごp.21。賢いようだ。謎が目の前にぶら下がっていると解きたくなってしまう性て、そのせいで他者を不快にしたことがあったようで小市民を目指すことになった。現代のトレンドは他者を不快にさせないことということがあると思うので小鳩くんは時流に乗っている。籠絡や懐柔、地道に資料を調べたり、情報戦は得意ではない。感情の起伏は小さい。健吾によると以前は言いたいことがあったら全部口に出さないと気がすまなかったタイプだが今は腹に一物あるタイプに見えるとか。小市民計画はなかなかうまくいってないようだ。健吾いわく「泣き言を聞かせるにはお前が二番目に適している」トロピカルパフェp.113。適当に聞き流してくれるだろうから。ちなみに一番目は穴掘って埋めとくこと。
【サカガミ】水上高校の生徒と思われる。小佐内さんの自転車を乗り逃げした。春限定いちごタルトももろともに。どうやら所属するグループの下っぱで悪事に荷担する予定だったからと思われる。
【作為】《その証拠は捏造されたもので、そこには作為がある。作為とは足跡だ。辿ることができる。》マカロンp.263
【佐多七子/さだ・ななこ】礼智中学三年。古城秋桜と同じクラスで停学になった三人組のひとり。とげとげしい感じ。あだ名はナナ。
【里村】瓜野のクラスメート。キツいタイプ。園芸部員。
【里山】小鳩くんのクラスメート。クラス委員。
【三本木/さんぼんぎ】秋桜の通う礼智中学の生徒指導教諭。強面だが話のわからないタイプではなかったはずなのに…
【三夜通り/さんやどおり】「ベリーベリー」というケーキ屋があり、毎夏祭りが行われる。
【事情聴取】聴取後印刷されたものには小鳩くんが話した言葉がほとんど使われていなかった。そういう規則でもあるのだろうか?
【シャルロット】「ジェフベック」という店のシャルロットはめちゃくちゃ旨かったらしい。
【春期限定いちごタルト】「アリス」という店のいちごだらけのお菓子。小佐内さんがとても楽しみにしている。毎年どこかしら異なる仕様のようだ。
【杉幸子/すぎ・さちこ】小柄で丸眼鏡の新聞部員。こんな人おったっけ? パラレルワールド?
【鷹羽中学校/たかばちゅうがっこう】小鳩くんや小佐内さんの出身中。
【小市民化計画】小鳩くんと小佐内さんは小市民になろうと決心しいわば互助会をつくった。しかし、小市民に「なろうとする」という段階ですでに小市民になるのは難しい。小市民には自然になってしまうものだものね。
【小市民とは】探偵ではない。《あんまり人情派ではない。けれど、冷血でもないのだ。》いちごp.92。《冷淡とかクールとかは小市民的徳目ではない。》いちごp.93。《理不尽を受け流すのは小市民心得の筆頭といっていい。》いちごp.177。私有財産は大事にする。一番大事なのは《現状に満足すること》いちごp.190。レゲエっぽい格好やロックっぽい格好をしている連中には近寄りたくない。荒事には近寄らない。
【推測の前提】マカロンで小鳩くんが前提にしたのは三つ。健吾の断言したことは事実とする。超常現象は絡まないものとする。犯人の行動には合理性がある。
【洗馬/せば】新聞部で健吾の一年先輩。バンドをやっていてそのボーカル。編集長だが部長ではない。
【俗物】小佐内さんいわく《いつだって最高のものを求めるのは求道者っぽくて格好よく見えるかもしれないけど、実際は何を食べても「あれに比べればね」なんて言っちゃうスノッブに過ぎない》マカロンp.89。うーん、でも、小市民ってだいたいスノッブだよねえ…。それを避けてちゃ小市民への道は遠いかも?
【田坂瑠璃子/たさか・るりこ】古城春臣の出店した名古屋のパティスリー・コギ・アネックス・ルリコの店長。悲しげな目のほっそりとした穏やかそうな女性。
【知里/ちさと】健吾の姉。船戸高校の先輩のようだ。姉弟そろってくっきりした顔立ちは知里さんの場合「目鼻立ちの派手な人」という印象になっている。
【堂島健吾】→健吾
【栃野みお/とちの・みお】礼智中学三年。古城秋桜と同じクラスで停学になった三人組のひとり。日焼けしている。あだ名はマロ。なぜそう呼ばれるのかは不明。たぶん栃やからやろうね。
【戸部】小鳩くんのクラスメート。てクラス委員。
【仲丸十希子/なかまる・ときこ】小鳩くんに交際を申し込んだ女子生徒。ちょっと遊んでるふうの外見だが気立てのいい子。小鳩くんにリア充を与えてくれた。小鳩くんのことを小鳩ちゃんとか崩して「こばっちゃん」とか呼ぶ。つきあっていると衣装代で財布が軽くなってゆく。
【名古屋】小鳩くんたちの街から電車でだいたい二十分で行ける。ここなら小山内さんのスイーツ行脚の範囲内。
【新田】生徒指導の教師。パンチパーマにヒゲにグラサン。知らなければヤクザ屋さんに見える。離婚したそうだ。
【早く言え】小鳩くんが人生で一度は言ってみたかった言葉《どうしてそれを早く言わないんだ!》マカロンp.198
【ハンプティ・ダンプティ】ケーキ屋さん。おいしすぎるので小佐内さんは封印中。
【日坂和虎/ひさか・かずとら】
【日坂祥太郎/ひさか・しょうたろう】小鳩くんの中学三年時代のクラスメート。バドミントン部のエースだったが、後に小鳩くんがはねられたのと同じ堤防道路で車にはねられた。
【氷谷優斗/ひや・ゆうと】瓜野くんの友人。頭脳優秀だがあまりやる気を出さない。《冷谷が来るだけで場が和み、話が弾む。》栗きんとん上p.98。どことなく小鳩くんを彷彿とさせるタイプ。
【深谷/ふかや】礼智中学で秋桜の担任。
【復讐】小佐内さんの復讐は相手の人生を破壊するレベルの恐ろしさだ。そして、復讐したいがために自分に対してなにかするよう誘導することさえある。恐怖だ。
【藤寺真/ふじでら・まこと】日坂くんの事故の目撃者。バドミントン部の後輩。
【船戸高校/ふなどこうこう】とりあえず公立の難関校。小鳩くんも小佐内さんも受かった。床も廊下もリノリウム張り。
【ベリーショートの看護師さん】入院した小鳩くんの面倒をみてくれてる。モブにしては妙にキャラが立っている。
【ベルリーナ・プファンクーヘン】なんでも、お菓子の名前らしい。バームクーヘンの仲間か?
【ボンボンショコラ】入院した小鳩くんへの小佐内さんからのお見舞い。一日ひとつしか食べてはいけないらしい。
【マカロン】小山内さんはマカロンを食べに小鳩くんをともない名古屋まで行く。個人的にはマカロンは見た目からモナカみたいなもんかと思っていたが実際に食べてみたら違っていた。どっちかいうとモナカ(アンコのやつ)のほうが好きかなあ。
【真木島みどり】新聞部員。女子。健吾と同学年。こんな人おったっけ?
【間違い】小佐内さん「小鳩くんは気づいてないかもしれないけど、自分が間違ったと思った時、そうだねって言えるのはすごいと思う」ボンボンショコラp.264
【馬渕/まぶち】木良市民病院の理学療法士。レスラーのように体が大きい。とても親切。
【三笠速人/みかさ・はやと】健吾や小鳩くんが高校二年のときバドミントンで県大会まで行った選手。その彼が中学時代一度も勝てなかった後輩が日坂祥太郎。
【水上高校/みなかみこうこう】近くに「アリス」がある。
【宮室/みやむろ】木良市民病院の若い医師。たぶん整形外科医。
【三好】新聞部顧問。
【むらまつやのりんごあめ】三夜祭りだけでゲットできる絶品のりんごあめ。と小佐内さんが言っている。
【メイルシュトロム】郷土料理も出すファミレス。
【メモ】《本当に大事なことはたいていの場合、一枚のメモ用紙でも伝えられることを、おれは知っている。》栗きんとん上p.89
【モットー】小鳩くんと小佐内さんのモットーは「小市民たれ」。
【門地譲治/もんち・じょうじ】新聞部員。健吾の一年下。教養系の新書ばかり読んでいる。ふっくらした体形。マカロンでは堂島と同学年のようだ。パラレルワールド?
【約束】小市民になるため小鳩くんと小佐内さんの約束は「互いに互いを逃がすこと」
【山里/やまざと】小鳩くんが入院した木良市民病院の清掃員。手際がいい。
【誘拐】小佐内さんが誘拐されたらしいとき小鳩くんは推理できると高揚している自分に気づき愕然とした。
【吉口/よしぐち】ポシェットを盗まれた一年女子。ぼぉっとしていてはかなげ。本人に自覚はないが学校の情報通。誰と誰がつきあってるとか別れたとか。
【理解】《たったひとり、わかってくれるひとがそばにいれば充分》栗きんとん下p.212。この言葉がこんなに殺伐としてるなんて。
【礼智中学】名古屋の中学校。
【和倉/わくら】木良市民病院の初老の医師。