米澤穂信のレビュー一覧
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世界線が繋がっていない完全な短編集。どことなく仄暗い作品という共通項はありつつも、異なる世界観・テイストが楽しめる6つの作品がおさめられている。
著者の作品は、「可燃物」「儚い羊たちの祝宴」「黒牢城」を読んだことがあり、世界観を深掘りするのに秀でた作家だなと思っていたが、連作短編ではない短編作品でこれだけ物語の厚みを出せるのは素晴らしいと思ったし、著者の幅の広さを思い知らされた。
「儚い羊たちの祝宴」はサイコホラー重視の作品、「満願」はストーリー性重視の作品という感じ。
どの作品もそれぞれの良さがあって甲乙つけ難いが、結末の意外性が尾を引いたので「柘榴」「万灯」が推し作品。 -
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ネタバレデスゲームを彷彿とさせるクローズド・サークルもの。
ChatGPTに私の好みのミステリーの傾向を話して、オススメしてもらった知った作品です。あらすじを読んでものすごく惹き付けられて、購入。
あらすじから期待するものに十二分に応えてくれる内容だった。
クローズド・サークルはやはり、色々な登場人物のキャラクター性があってこそ!
徒党、派閥、対立、孤立、観察、疑心暗鬼……最高です。
私はミステリーを読んでると、前提知識のターンが必要なのも分かるが、長すぎると不謹慎にも「早く誰か死んでくれ!」って思ってしまうので、緊張感が常にあるのはとっても良かった。
そして主人公がミステリーの主人公として私 -
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最初は「なんだこのタイトル。犬捜し専門?何それ?」って思ったし、正直ちょっと侮ってた。
とんでもない発掘本だったわ。
もうね、ごめんって言いたくなるくらい面白くてビックリした。
米澤さんの作品、片っ端から読みたくなったもん。
スイスイ読める文章が良いし、気になる謎も多いからついつい頁をめくってしまう。
リハビリがてら始めた探偵仕事(?)で紺屋の心境が変化していく様子も好ましい。
ワケアリ失踪人捜しと村で保管されていた古文書の解読。
一見、事件性なんて無さそうな二つの依頼が、まさかそんな風に繋がるなんて誰が予想できただろう。
ほのぼの系かと思いきや、予想外のところでヒヤリとさせられる。
他作品を -
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バブルがはじけて失意のうちに亡くなった父親と、立ち行かなくなった家業のために学費を払えず、大学を休学している芳光。
古書店を経営している伯父を手伝いながら居候している時に、ある女性から亡き父が書いた五つのリドルストーリーを探して欲しいと頼まれる。
金が欲しい芳光は、伯父に内緒で引き受けるのだが…。
ミステリの部分は、面白かった。
亡き父が関係した未解決事件の真相や、五つの作品に込められた想いを推理しながら読むのは楽しかった。
けれども、圧倒的に登場人物が、のっぺらぼうだ。
実家に母だけを残し、大学に戻れず田舎に帰る気にもならないという宙ぶらりんな状態の芳光が、依頼された物語を見つけることに -
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この一冊にこの作者のこの作品。
どの作品も重厚でした。
贅沢な一冊です。
作家さんてすごいなぁ、と特に感じたのは
一話あたりのページ数です。
この短いページ数でこの内容を紡ぐことができて
さらには登場人物たちのキャラクターをたたせる。
どのお話も人物たちのキャラクターが現実にいるような
リアルさがある。
物語の構成もしっかりしていて、この頁数で
よく物語のまとめができるな。
と、そういう観点からもおすすめします。
一話がしっかりしているので、一話読み終わると
本を一冊読み切った感じがして、
次の話にすすんだとき前の話を思い出すのが
難しかったくらいです。
それぞれの作家さんの別の未読本に -
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自分が生まれた世界と自分の代わりに誰かが生まれた世界を比べて後者の世界の方が良かった時、、私なら生き直すことができるか。
この物語は主人公リョウと何らかのきっかけで別次元に生きる姉サキと出会い、姉が生まれた世界を3日間体験する。
読み終わってターニングポイントとなった部分をいくつか読み直したら、作者が伝えたかったことがクリアになってきた。
リョウは何事も受け入れるが性格は卑屈。
対してサキはお節介で想像力が高い。
サキに関わる人達は本人の意思に関わらずサキから何らかの影響を受けてその後の人生が変わっていく。サキと3日間過ごしたリョウはサキから受け取った何かで人生を好転していくことができる