米澤穂信のレビュー一覧

  • 栞と嘘の季節

    Posted by ブクログ

    ミステリー作品なので具に作品を振り返ったり、結末が明らかとなり、これなら読む人の楽しみを失わせてしまうことは避けたい。

    ゆえに、ボンヤリとした書き方になるが、飄々とした登場人物のやりとりの中で差し込まれる嘘。そして、その嘘の先にある一途な、切実な思いが、ミステリー作品を読み終え、謎を解き終えた、読み終えた達成感や爽快感とは異なる、心にちくりとした痛みを残して風のように去ってゆく。いかにも米澤穂信作品という、良い小説でした。
    絶妙な距離感の友人的存在、冒険、そして大いなるエネルギーや情念に突き動かされる行動、一途さ。そのほろ苦さ。
    私めのようなオッチャンにはそういうものは非常に懐かしく感じ、青

    0
    2025年09月05日
  • 可燃物

    Posted by ブクログ

    淡々としたお話だけどせつない。主人公の刑事はかなり無理をしてがんばってるのに、事件が解決したからといって関係者たちが幸せになるわけではない(むしろ解決しなければよかった)のもつらかった。短編だけで終わってしまったけど、エピローグみたいなのがほしかった。

    0
    2025年09月05日
  • ボトルネック

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    高校の頃に読んで、すごく好きだったお話です。自分がいなくてもなにも問題なく世界は回るどころか自分がいないほうが上手くいってるという…この…つらさが好きです。私自身「自分いなくてもいいんじゃないか」と考えることが多いので、勝手に共感しながら読んでいました。終わり方もすごく好きです。あの終わり方じゃなかったらこんなに印象に残っていないと思います。

    0
    2025年09月05日
  • Iの悲劇

    Posted by ブクログ

    地方創生を題材にした連続短編集。タイトルは海外の某名作を彷彿させるが内容に関連性はない。1つひとつの短編自体はまずまず面白いかな、という程度であるが最終章でどんでん返しが来る。

    0
    2025年09月04日
  • さよなら妖精

    Posted by ブクログ

    物語の舞台は1991年、本書の出版は2004年。2025年に読んで思った事は、遠さ。今でもユーゴは遠い。

    0
    2025年09月03日
  • 真実の10メートル手前

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    シリーズ3作目!
    今回は短編集で、主人公はそれぞれ変わりますが、各章必ず万智がパートナーとして登場します。
    第三者から見た万智は、やっぱり表情が読みにくい。その万智の状態を言葉の微妙なニュアンスや書き方で上手く表現されていて、米澤先生〜!!ってなりました。いつも圧倒されています。
    時系列的には『王とサーカス』の後かな?と思いますが、万智がまた一段階大人になっているような気がしました。子供の頃から大人びていたので、逆に大人になったら若く見られるようですが…
    この短編集で語られていたお話しは、おそらく万智の報道人生のごく一部で、ここに書かれていない辛くてきつい仕事もいくつもこなしてきたんだろうなと

    0
    2025年09月03日
  • 王とサーカス

    Posted by ブクログ

    悲劇を報じることは、他所で起こっている者たちに、娯楽を提供していることに他ならないのではないか。
    それ以外の意味は一体何なのか。
    国内外問わず、起こる悲劇を知り、心を痛めることが良くあるが、それを私が知って一体何になるのだろう。
    私のような人々に知らせるために、取材するジャーナリストは何がしたいだろう。
    そんなジャーナリズムの本質をストーリーを通じて問う。

    この物語の舞台はネパールのカトマンズ。
    経済的に裕福でない国の子どもたち(本当は国ではないかも)の逞しさと強かさにゾッとした。
    常識では思いもつかない、計り知れないようなことを軽々とやってのける。
    だから日本は平和ボケと言われるのかも。

    0
    2025年09月03日
  • 本と鍵の季節

    Posted by ブクログ

    堀川次郎と松倉詩門
    図書委員で親友の二人が持ち込まれた事件や不思議を
    解決していく

    その過程で
    感じる二人の考え方の違い

    読後に感じる
    切なさとほろ苦さそして希望

    一人では解決できない
    二人だからこそ
    解決してきた不思議な事件

    ずっと見ていたいと思う二人の関係だけど…

    この二人の何気ない会話や
    暇つぶしの会話が何となく好きだなと感じる

    0
    2025年09月01日
  • 本と鍵の季節

    Posted by ブクログ

    肩の力を入れなくてすむけれど、しっかりとミステリーとして、伏線が散りばめられた連作小説。
    図書委員の男子高校生二人の距離感が絶妙で、熱くもなく、冷めてもいない友情が心地よい。
    そして最後の2話では、これまでとは違った二人の話が展開する。青春小説としても読み味が良いと思う。

    探偵役は基本的に松倉なのだが堀川も賢く、賢い二人のやり取りはロジックが整っていて気持ちがいい。
    また、取り上げる謎もこれまで読んだミステリー小説とは違った視点で新鮮だった。
    図書委員だが、いわゆるビブリオ系ミステリーとはちょっと違う。本が主役になることはないので、マニアックな本の話が出ることはないのもよかったと思う。

    0
    2025年08月31日
  • 可燃物

    Posted by ブクログ

    意外性のある5つの事件も面白いけれど、
    葛警部の人物造形が際立って面白い。
    人間関係をさらっと無視して部下にうざがられるところ、
    そこに気づく上司に抑えられるところ、
    いつも菓子パンとカフェオレなところ、などなど。
    警部の思考がはっきり書かれていて移入できるのに、
    警部が語るまで、解決が見えないところも絶妙。

    0
    2025年08月31日
  • 栞と嘘の季節

    Posted by ブクログ

    米澤穂信の「図書委員シリーズ」第二弾
    高校で図書委員を務める生徒達の元へ返却された本の中に挟まれていた押し花の栞、その花が猛毒のトリカブトだった事に端を発した騒動の顛末を、一人の男子高校生の視点から描いています。
    前作から間があったので少し戸惑う部分もありましたが、概ね楽しく読みました(^_^;)
    謎は解けても腑には落ちない・・いかにも米澤穂信らしい、あまりハッピーじゃない読後感でした。

    0
    2025年08月31日
  • 本と鍵の季節

    Posted by ブクログ

    ミステリーでもあり友情の物語でもあり、あと少しあと少しとページを捲りたくなる本でした
    少しほろ苦い感情にもなりますが、人間味があってとても好きです

    言いたいことだけ言うのは難しい。言いたくないことまで伝わってしまう。言いたいことの方は歪んでしまうのにというのは響いたセリフです

    0
    2025年08月31日
  • インシテミル

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    素晴らしい。
    いつも読者を楽しませてくれる作者。
    設定が良い。そして誰もいなくなった、映画のCUBE、イカゲームを彷彿とさせられた。

    0
    2025年08月30日
  • 冬期限定ボンボンショコラ事件

    Posted by ブクログ

    やっと読めたあああああああああ!!!!

    小市民シリーズの冬期。
    主人公の小鳩常悟朗が、小佐内ゆきと下校している時にひき逃げにあってしまって入院を余儀なくされるところから始まる。
    今回の事件の真相を考えながらも、過去の因縁?の事件を思い出しながら、徐々に真相に近づいていく、という形。

    実は先にアニメを見てしまっていたので、結末とかは知ってたけど、やっぱり字で読むと細かいところが分かっていいよねー
    あの時の間、とか、空気感とか、読み終わってからこそちゃんとアニメを見返したいっ!て思えますん

    何よりも何よりも、今までのシリーズのタイトルで「限定」ってついてる意味がちゃんと解説されてて、ほわぁそ

    0
    2025年08月29日
  • 秋期限定栗きんとん事件 下

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    犯人が瓜野くんに言った「ごめんな」。
    これは色んな意味が含まれる本心だったんだろうな。
    でも、そこで犯行を辞められなかった…

    0
    2025年08月29日
  • さよなら妖精

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    ひさしぶりの米澤さんの青春小説。

    古典部シリーズの予定だった作品ということで
    なんとなく古典部の面々が思い浮かびました。

    平々凡々な守屋の前に現れた、探究心がいっぱいで目標に向かってどんどん進んでいくマーヤ。
    守屋くんにすごく共感してしまった。

    「幸せ」ってなんなのか、生きているだけで私たちは幸せなのか、日本で不自由なく生きている私達は幸せなのか。
    いろいろと考えさせられた。

    0
    2025年08月29日
  • 秋期限定栗きんとん事件 下

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    前作の続きとなります。

    やはり小佐内はブレないということを感じながらも面白く読むことができました。

    結局環境は変わりながらも根本は変わらない2人でしたが、安定しながら面白く読むことができます。

    0
    2025年08月28日
  • 秋期限定栗きんとん事件 上

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    小市民シリーズ続きになります。

    前作とは人間関係などの変化点は大きいものの相変わらず小佐内さんが何かを企んでいるかもというところで話が終わり次が気になります。

    0
    2025年08月28日
  • あなたも名探偵

    Posted by ブクログ

    謎を愛し推理を愛する読者の皆様は、問題編の文章を読んで、真相に辿り着けるででしょうか。謎を解く愉しみが満喫できる犯人当て小説アンソロジー。六人の推理作家からの挑戦状!

    0
    2025年08月27日
  • 本と鍵の季節

    Posted by ブクログ

    男子高校生の短編ミステリー。2人の掛け合いがテンポ良くさらっと読めた。最後は少しほろ苦くもあるけどこちらも謎解きしてるかのように違和感を探しながら読めて面白かった。続編も読むー!

    0
    2025年08月27日