米澤穂信のレビュー一覧

  • 儚い羊たちの祝宴

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    満願がよかったので買ってみたけど、期待通りだった。
    ホラーまでいかないけど夢に出てきてうなされそうな話の短編集。表紙の雰囲気と内容がぴったり。

    昭和の富豪たち×薄暗い雰囲気や適度なゾワッと感をエンタメとして楽しみたいときにおすすめです。

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    2026年04月12日
  • 巴里マカロンの謎

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    ネタバレ

    小鳩くんと小山内さんの『小市民シリーズ』短編集。
    謎解きや物語は小粒だけど、二人のやりとりが小気味よい。
    米澤穂信の青春ミステリはほろ苦いものが多いけど、最後の一編のラストは(特に小山内さんにとって)ハッピーエンドだったので良かった。
    冬期まで読んだあとなので余計にね。

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    2026年04月11日
  • 栞と嘘の季節

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    図書委員会シリーズの第二作。
    米澤穂信特有の読後のほろ苦い感じが絶妙。

    第一作にて、松倉のその後がどうなったか気になっていたので、今作で元気な姿を見ることができて大満足。
    相変わらず息を吐くようにしっかり嘘をついてて安心した。

    瀬野さんも始めはとんでもない奴だと思っていたが、話が進むにつれて内面が深掘りされていき、読み終わる頃にはすっかりお気に入りのキャラになってしまった。
    次回作があれば、是非瀬野さんにも再登場していただきたい。

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    2026年04月11日
  • 栞と嘘の季節

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    本当か嘘かわからない会話の中で深まる謎。少しの違和感も見逃せない。
    お互いの関係に執着せず一見淡白に見えるが、関わった人が悪い方向に転がって行くのを黙って見過ごせない堀川と松倉の物語がまた読めて嬉しい。

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    2026年04月07日
  • リカーシブル

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    面白かった。
    劇的なことも起こらず前に進んでいくその世界観は、少し陰鬱でありながら思春期の人間の心に寄り添ってくれているような不思議な魅力があり、さわやかな読後感だった。

    「赤いトマトのことを考えているとき赤信号に引っかかったからといって、この二つを結びつけて考えるなんておかしなことだ。」作中に出てくるちょっとした一文だが、リカーシブルを象徴するようなフレーズだと思う。本作のどことなく陰鬱で不気味な雰囲気の中でも、目の前の不思議な出来事に飛びつかず筋道立てて1歩ずつ論理が進んでいくのが面白い。

    同作者の『ボトルネック』でもそうだったが、もう一つ印象的だったのは作中の天気。曇っていたり雨が降

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    2026年04月07日
  • インシテミル

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    ほんとに長編小説です。長くて読み応え抜群です。ひとつひとつの謎をきちんと理解していないと、気持ちよく納得できないと思いました。「淫してみる」ということらしいです。

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    2026年03月29日
  • ボトルネック

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    ネタバレ

    オチが俊逸。
    ラストの電話が面白い。サキはツユと言うことで、リョウに罪悪感を感じさせず、生きる事を選んでほしい。ただ、リョウに生きるか死ぬか選んでほしい。そこも汲み取ったうえで、もし違うと言うならあなたはもう死んでる。私たちと同じ。
    リョウは最後まで受け入れることに懸けた。誰かに選んでほしかった。それが皮肉にも、ノゾミが求めた「母」からのメール。彼はボトルネックである事を自覚して生きていくんだろうなと思う。

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    2026年03月28日
  • 本と鍵の季節

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    日常系ミステリーとでも言ったらいいのか、人が死んだりするような大きな事件は出てこない(とはいえ詐欺や窃盗等の事件は出てくる)けど、二人の高校生が様々な事件を解決する。淡々とテンポよく話が進んでいくので読みやすくて面白い。
    「昔話を聞かせておくれよ」の章を読んで引っ掛かるところがあったが、最後の章で見事に回収してくれた。そしてほろ苦い終わり方も良き。
    にしてもこの高校生二人、頭が良すぎる。

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    2026年03月28日
  • 黒牢城

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    進めば極楽、退かば地獄。

    本作の主人公である黒田官兵衛は、秀吉も恐れた策略家であり、単に事件を解く人物ではない。彼は人の心理や状況を読み切り、それを利用して現実そのものを動かしていた。その姿は恐ろしくもあり、同時に圧倒的な凄みを感じさせる。一方で、息子の存在によって人間としての一面も垣間見え、その点も大きな魅力である。

    また、荒木村重も魅力的な人物である。彼は黒田官兵衛の危険さを勘で理解していながらも、見栄や置かれた状況からその判断を貫くことができなかった。その姿は愚かとも言えるが、同時に非常に人間らしく、脆さも感じさせる魅力的な人物である。

    本作は史実そのものではないが、歴史に基づいた

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    2026年06月02日
  • 神様の罠

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    アンソロジーはいつも読まない作家さんの作品に出会えるのでたまに読むのですが、正直一作のクオリティがイマイチだなと思うことがたまにあって。今回は作家さんが豪華で期待も大きくなってしまいましたが、見事に期待を超えてきました。さすが!
    大山さんだけ初読み作家さんでした(ドラマでは拝見してました。)が面白い‼︎他の作品もチェックしてみたいと思います。

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    2026年03月27日
  • 可燃物

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    ー どこまでもスタンダードに情報を集めながら、最後の一歩を一人で飛び越える ー

    葛警部がとにかく有能

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    2026年03月26日
  • いまさら翼といわれても

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    今までの古典部のみんなの心の成長と今の葛藤と過去の経験などがギュッと詰まった短編集。

    欲を言えば里志視点の話も読みたかった。

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    2026年03月25日
  • 栞と嘘の季節

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     突然発見されたトリカブトの花の栞、生徒からの評判が悪い男性教師の中毒事件、連続する猛毒の栞の発見など一連の不可解な出来事を探偵役の二人と事件の関係者の同級生女子が捜査する展開と全体に漂う不穏な雰囲気が合わさって、ビターな余韻を残す青春ミステリーになっていて面白かった。

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    2026年03月24日
  • 王とサーカス

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    行ったことない国の風景をこんなリアルに感じられる小説。
    些細な違和感から相手のことを感じ取って行く様子が爽快。
    子どもは助かったけれど生きていくための仕事がない。きっと世界のどこかしこでそういった状況があるんだろう。

    米澤穂信さんの本は何気にはじめてで他も読んでみようと思える読後感でした。

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    2026年03月23日
  • Iの悲劇

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    実直な(そうでもない)公務員のIターン施策を進める奮闘記。と思いきや、そして誰もいなくなるかのような悲劇が続き…?
    米澤様の真骨頂、最後の最後がたまりません。

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    2026年03月22日
  • インシテミル

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    ネタバレ

    ある実験のために用意された施設を舞台にした、密室もの(クローズドサークル)だった。完全な密室ものは初めてだったし、今作のようなゲーム性?のある作品も久しぶりだった(クリムゾンの迷宮以来?)が楽しめた。最初に彼らが考えたように、誰も何もしなければそれだけで2000万円近くもらえる環境だったが、その口火を切る形をどう作るかと思っていたら自殺というのはまんまとやられた。互いの武器を知らず、また互いに信頼できる相手とそうでない相手がいることで、推理が複雑になっていくのもよく考えられていると感じた。人間ドラマはなかなか入れにくい設定だと思うが、関水の真の目的が何だったのか腑に落ちなかったのは少し残念だっ

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    2026年03月21日
  • 王とサーカス

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    ネタバレ

    序盤はミステリ感は全くなく、紀行小説のような雰囲気だったが、中盤から事件が起き、ミステリになっていく感じだった。そこまで殺伐とした感じはなく、万智の取材活動と心の動きが丁寧に描かれていて良作と感じた。実際に起きた事件を題材にしていることもあり、ジャーナリズムのあり方の議論にもリアリティが出ていた。悲惨な事件を伝えるニュースを見て、共感した気になっていても、実はサーカスのように楽しんでいるだけなのかもしれず、考えるところはあった。セルロティを食べてみたくなった。

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    2026年03月21日
  • さよなら妖精

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    ネタバレ

    王とサーカスで前のシリーズも読みたいと思っていたので今回読めて良かった。太刀洗万智は主人公ではなく、友人の守屋の視点でストーリーが進んだが、ネパールで取材をしていた太刀洗と比較して、学生時代の太刀洗はより無口で不思議な印象を受けた。紛争の起きたユーゴスラビアに帰ったマーヤの安否を心配し、連邦の中のどこに彼女がいるか明らかにする、というのが大筋だが、ほとんどのシーンはマーヤとの回想に割かれ、ミステリーという感じがしないあたりは、著者の特徴を感じさせた。何事にも特に打ち込むということがない主人公が、マーヤをきっかけにユーゴスラビアのために何かしたいと思い、しかしそれは本当の当事者から見れば観光に来

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    2026年03月21日
  • ボトルネック

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    金沢や東尋坊という、表紙の印象とは少し違う土地が舞台の物語。読みながら「これはどういう意味だろう」と思っていたのですが、読み終えてカバーを外し、改めて表紙を見たときにようやく腑に落ちました。

    主人公の選択は、最良とは言い切れないものもあるけれど、その時の自分を守るためには必要だったのかもしれません。結末は重たく、読後はしばらく気持ちの整理が追いつかないような感覚が残りました。

    「考えることをやめたら、自分の存在がぼやけてしまうかもしれない」。そんなメッセージを静かに受け取った気がします。
    良くも悪くも、自分で選ぶことから逃げないようにしたい──そんな気持ちになる一冊でした。

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    2026年03月18日
  • 王とサーカス

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    ネタバレ

    おもしろかったです!前作を全く覚えてませんでしたが問題ありませんでした。難しい外国の情勢が絡む内容なのにするする読めてしまう不思議に、作者のすごさを感じました。タイトルの回収もすばらしく、事件とそれを娯楽として楽しむ人間たちの対比に、報道のあり方に、ドキリとしました。真犯人の正体にも虚をつかれます。続きも買ってあるので早めに読もうと思います。

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    2026年03月17日