米澤穂信のレビュー一覧
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ネタバレ全ての短編が心にドロっと余韻が残る、好みの話ばかりで良かった。すべてのエピソードで各々が守りたい何かがあり、そのために人を殺したり嘘をついたりする切実さが印象に残った。
夜警
拳銃を使いたいから警官になったという動機と、都合が悪いことを隠したがる気の小さい性格が引き起こした事故が最悪の結末を引き起こすという出来事の流れがきれいで好き。
死人宿
ヒントが散りばめられており、推理小説として面白い。オチの救いのなさ、人の死は他人にはどうにもできないというどうしようもなさが虚しい。
柘榴
長女怖すぎ。男を自分のものにできる確信があるところが、母の血を引いてて怖かった。次女もいずれ同じ思想になるの -
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米澤穂信の『満願』を読んで、短編集なのに一つひとつの物語がとても濃く、重厚な作品だと感じた。それぞれ内容や舞台は異なっているのに、登場人物の心情がしっかりと伝わってきて、どの作品にも強く引き込まれた。
この作品には全体的に、少しホラーのような不気味さがある。ただ、怖がらせるような「きゃー」という恐怖ではなく、読んでいるうちにじわじわと感じる「ゾクゾクする」怖さだった。その正体は、幽霊や怪物ではなく、人間そのものなのだと思う。
特に印象に残ったのは「関守」だった。物語が思いもよらない方向へ転換していくたびに、「ここでそうくるのか」と驚かされ、その展開の不気味さが強く残った。「柘榴」も、どんで -
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ネタバレ私はアニメ化した小山内さんの像を追いかけるために、原作を追っているところがあるのだが、なんと「秋季」と「冬季」の間は、15年も!
そりゃ半生かけて追っている人も多いだろう。
筋はもうわかっているので、確かに叙述トリックなところがあるなとか、小鳩くんの内面とか、楽しみはいろいろ。
「おわあ、こんばんは」(萩原朔太郎「猫」)を引用しちゃう小山内さんとか。
個人的には、各章の題が、きっとミステリのパロディなんだろうな、でもロマンチックだな、と。
特に「黄金だと思っていた時代の終わり」の後に「報い」って、すごい。
今読む読者なので、すぐに「倫敦スコーンの謎」に手を伸ばせるのだ。
【目次】
序章 小市 -
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伏線の張り方が秀逸で、ミステリーとしての巧妙さと、ジャーナリズムの倫理や責任を問う重層的なテーマが絶妙に融合した、読後に深い余韻が残る一冊。
些細な描写や何気ない会話の中に、さりげなく伏線が散りばめられており、気づきにくいのに、後になって回収された瞬間に「あぁ、なるほど」と納得する。
そんな心地よい驚きが何度も訪れる。
加えて、舞台となるネパールの情景描写が非常に緻密で、異国情緒が鮮やかに立ち上がってくる。
カトマンズの喧騒や、埃っぽい空気、独特の色彩までが目に浮かぶようで、そこにいるような没入感があった。
また、単なるミステリーとして完成度が高いだけでなく、深いテーマを内包しており、主 -
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古本屋にて購入。米澤穂信を読むのは2冊目。淡々と話は進んでいき、いつの間にか話の渦に巻き込まれている。そんな印象。後半になり、前半の淡々とした情景の中に多くの伏線が散りばめられていたことに気付く。1文字たりとも流し読みできない。読み終えてしまってから「あっ」と思う。ネパールの国王一家殺害事件は史実なので、途中でその史実をWikipediaで調べた。調べてから再び本書に戻っても、やはり事件関係者の名前がこんがらがってイマイチ頭に入らない。しかしまぁ、それでも『王とサーカス』の面白さには影響しない。最後のどんでん返しも、どうだ!どんでん返しだ!と言った印象ではなく、これも淡々と明かされる。そう、こ
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裏切りの捜査線
警察ミステリーをテーマにしたアンソロジー。
お見通し 米澤穂信
有名な芸能人のコンサートに殺害予告が届く。警察はコンサート会場付近の公園で過去に逮捕歴のある男を見つけ取調べをする。そして公園からは男が以前に持っていたものと同じナイフが発見される。
警察官の葛と丸山の酒の席での会話だが、警察官同士受け持っている事件の共有は出来ないが、偶然という形で丸山は葛に今回の事件の不満点を相談する。ある意味後味の良い作品であるが、米澤穂信独特の短編描写が見受けられとても面白い作品だ。
何故、「ナイフがその場所から見つかったのか」という一つの疑問から衝撃の理由に連なっていく。
メゾン・イ -
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舞台設定や、それぞれに配られる固有の凶器といったデスゲームとしてのワクワク感があり、エンターテインメント小説としては結構面白かった。
ただ、デスゲームのルールがガチガチに固まっているのが裏目に出ているように感じる。謎解きが「複雑なパズルのピースを手探りで探していく」ようなスリルに乏しく、どこか消去法的にピースを埋めていくだけの作業になってしまっており、トリックに対する驚きなどは全くない。
このようにミステリー要素が物足りなかった分、人が殺されても、犯人が分かっても、心の底から引き込まれるような衝撃はなく「へーそうなんだ」くらいの感想しかなかった。そのため、解決編に差し掛かってからの失速感は -
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ミステリーのアンソロジー。色んな作家をお試しで読めるな、と思って古本屋で買った。たまに思い出したように行く小さな店。今回は、店主のマダムがしばらく留守にしていて、代わりにお客さんが「ちょっとそこまで出かけてらっしゃいます」と店番代わり。どうしよう買おうかなぁ、今日はやめようかなぁと思いながら、いつもは店主の背中側にあってなかなか手が出せない棚をじっくり見たりしていると、掘り出し物を見つけたり。やっぱ待つことに。おかげで買い過ぎず、少な過ぎず、良い本を買えた。
さて、いきなり1話目からどんでん返し。これはやられた。短いこともあり、読み終わってすぐにまた冒頭から読み直した。乾くるみ『夫の余命』。 -
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ネタバレ前作から一年後。
アニメ「小市民シリーズ」でいえば、第1期後半、第6話から第10話まで。
確かアニメを見たときは、え、10話で終わりなの!? こんなヤベェ女子教えてくれたのに!? 半年も待たせるなんて! と悶えていた。
以下セルフ引用。
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テレビで全10話視聴。
米澤穂信でアニメといえば京都アニメーションの「氷菓」だが、本作は比較されてもしかたない状況を頭抜ける試みをいくつもしている。
・シネスコサイズ。
・会話シーンにおける、背景の移り変わり(イメージ映像ふう)。
・声優の芝居。
・設定や時間的前後関係の説明を排した、あえて不親切な作劇(互恵関係云々)。
そのどれもが好み。
そしてえるた