米澤穂信のレビュー一覧

  • 儚い羊たちの祝宴

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    お嬢様たちが集う大学の読書サークル「バベルの会」。その会員たちの身に起こる事件の数々。五篇の連作集。

    連作集ではあるが、それぞれは独立しており、重厚なミステリが編まれている。個人的には四篇目の「玉野五十鈴の誉れ」が好き。ラストのさりげなさがミステリっぽい。答えがないっていいよね。

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    2026年07月25日
  • いまさら翼といわれても

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    古典部はさらに過去に遡りますね
    古典部メンバーの、今に至る理由を、時には小学校時代まで振り返ったエピソード短編集
    またキャラクターに深みが出て本当に愛おしくなる
    今回は伊原がすごい活躍してる
    本人のエピソードもだが奉太郎が誤解されてた謎を解いたのすごいよかった
    子供・学生の話なのに全体的に重い
    大人よりももっといろいろ考えて悩んでるのかもしれないなぁ

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    2026年07月24日
  • 満願(新潮文庫)

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    ネタバレ

    全ての短編が心にドロっと余韻が残る、好みの話ばかりで良かった。すべてのエピソードで各々が守りたい何かがあり、そのために人を殺したり嘘をついたりする切実さが印象に残った。

    夜警
    拳銃を使いたいから警官になったという動機と、都合が悪いことを隠したがる気の小さい性格が引き起こした事故が最悪の結末を引き起こすという出来事の流れがきれいで好き。

    死人宿
    ヒントが散りばめられており、推理小説として面白い。オチの救いのなさ、人の死は他人にはどうにもできないというどうしようもなさが虚しい。

    柘榴
    長女怖すぎ。男を自分のものにできる確信があるところが、母の血を引いてて怖かった。次女もいずれ同じ思想になるの

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    2026年07月23日
  • 満願(新潮文庫)

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    米澤穂信の『満願』を読んで、短編集なのに一つひとつの物語がとても濃く、重厚な作品だと感じた。それぞれ内容や舞台は異なっているのに、登場人物の心情がしっかりと伝わってきて、どの作品にも強く引き込まれた。

    この作品には全体的に、少しホラーのような不気味さがある。ただ、怖がらせるような「きゃー」という恐怖ではなく、読んでいるうちにじわじわと感じる「ゾクゾクする」怖さだった。その正体は、幽霊や怪物ではなく、人間そのものなのだと思う。

    特に印象に残ったのは「関守」だった。物語が思いもよらない方向へ転換していくたびに、「ここでそうくるのか」と驚かされ、その展開の不気味さが強く残った。「柘榴」も、どんで

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    2026年07月22日
  • 冬期限定ボンボンショコラ事件

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    ネタバレ

    私はアニメ化した小山内さんの像を追いかけるために、原作を追っているところがあるのだが、なんと「秋季」と「冬季」の間は、15年も!
    そりゃ半生かけて追っている人も多いだろう。
    筋はもうわかっているので、確かに叙述トリックなところがあるなとか、小鳩くんの内面とか、楽しみはいろいろ。
    「おわあ、こんばんは」(萩原朔太郎「猫」)を引用しちゃう小山内さんとか。
    個人的には、各章の題が、きっとミステリのパロディなんだろうな、でもロマンチックだな、と。
    特に「黄金だと思っていた時代の終わり」の後に「報い」って、すごい。
    今読む読者なので、すぐに「倫敦スコーンの謎」に手を伸ばせるのだ。

    【目次】
    序章 小市

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    2026年07月21日
  • 王とサーカス

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    伏線の張り方が秀逸で、ミステリーとしての巧妙さと、ジャーナリズムの倫理や責任を問う重層的なテーマが絶妙に融合した、読後に深い余韻が残る一冊。

    些細な描写や何気ない会話の中に、さりげなく伏線が散りばめられており、気づきにくいのに、後になって回収された瞬間に「あぁ、なるほど」と納得する。
    そんな心地よい驚きが何度も訪れる。

    加えて、舞台となるネパールの情景描写が非常に緻密で、異国情緒が鮮やかに立ち上がってくる。
    カトマンズの喧騒や、埃っぽい空気、独特の色彩までが目に浮かぶようで、そこにいるような没入感があった。

    また、単なるミステリーとして完成度が高いだけでなく、深いテーマを内包しており、主

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    2026年07月21日
  • 本と鍵の季節

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    図書委員の高校生二人による青春ミステリ短編集。
    一つ一つの短編が読みやすいうえに、本格的なミステリで面白かった。

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    2026年07月19日
  • 儚い羊たちの祝宴

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    昭和調な世界観、主従関係から展開される奇妙で美しい物語。短編でありながら読み手を奇妙世界に迷い込ませる、退屈させない逸品でした。

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    2026年07月18日
  • 王とサーカス

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    古本屋にて購入。米澤穂信を読むのは2冊目。淡々と話は進んでいき、いつの間にか話の渦に巻き込まれている。そんな印象。後半になり、前半の淡々とした情景の中に多くの伏線が散りばめられていたことに気付く。1文字たりとも流し読みできない。読み終えてしまってから「あっ」と思う。ネパールの国王一家殺害事件は史実なので、途中でその史実をWikipediaで調べた。調べてから再び本書に戻っても、やはり事件関係者の名前がこんがらがってイマイチ頭に入らない。しかしまぁ、それでも『王とサーカス』の面白さには影響しない。最後のどんでん返しも、どうだ!どんでん返しだ!と言った印象ではなく、これも淡々と明かされる。そう、こ

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    2026年07月18日
  • リカーシブル

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    面白かった。ハルカに邪険にされても着いてくるサトルはお姉ちゃんに対する大好きが溢れてて微笑ましかった。ハルカもなんだかんだ最初からお姉ちゃんしてたし。
    大人がひたすらダメ。3年後にハルカとサトルがどうなるのか、そこまで書いてほしかったけどきっと泣くのを我慢して強く生きているんだろうな。

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    2026年07月18日
  • 裏切りの捜査線 警察小説アンソロジー

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    裏切りの捜査線
    警察ミステリーをテーマにしたアンソロジー。

    お見通し 米澤穂信
    有名な芸能人のコンサートに殺害予告が届く。警察はコンサート会場付近の公園で過去に逮捕歴のある男を見つけ取調べをする。そして公園からは男が以前に持っていたものと同じナイフが発見される。
    警察官の葛と丸山の酒の席での会話だが、警察官同士受け持っている事件の共有は出来ないが、偶然という形で丸山は葛に今回の事件の不満点を相談する。ある意味後味の良い作品であるが、米澤穂信独特の短編描写が見受けられとても面白い作品だ。
     何故、「ナイフがその場所から見つかったのか」という一つの疑問から衝撃の理由に連なっていく。

    メゾン・イ

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    2026年07月18日
  • インシテミル

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    舞台設定や、それぞれに配られる固有の凶器といったデスゲームとしてのワクワク感があり、エンターテインメント小説としては結構面白かった。
    ​ただ、デスゲームのルールがガチガチに固まっているのが裏目に出ているように感じる。謎解きが「複雑なパズルのピースを手探りで探していく」ようなスリルに乏しく、どこか消去法的にピースを埋めていくだけの作業になってしまっており、トリックに対する驚きなどは全くない。
    ​このようにミステリー要素が物足りなかった分、人が殺されても、犯人が分かっても、心の底から引き込まれるような衝撃はなく「へーそうなんだ」くらいの感想しかなかった。そのため、解決編に差し掛かってからの失速感は

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    2026年07月17日
  • 秋期限定栗きんとん事件 下

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    甘いお菓子のタイトルとは裏腹に、張り詰めた空気と巧妙な伏線が最後まで続く長編ミステリー。
    小鳩くんと小佐内さん、それぞれの思惑が交錯する展開に夢中になり、読み終えた後は「やっぱり米澤穂信さんはすごい」と思わずうなった。

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    2026年07月14日
  • 神様の罠

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    ミステリーのアンソロジー。色んな作家をお試しで読めるな、と思って古本屋で買った。たまに思い出したように行く小さな店。今回は、店主のマダムがしばらく留守にしていて、代わりにお客さんが「ちょっとそこまで出かけてらっしゃいます」と店番代わり。どうしよう買おうかなぁ、今日はやめようかなぁと思いながら、いつもは店主の背中側にあってなかなか手が出せない棚をじっくり見たりしていると、掘り出し物を見つけたり。やっぱ待つことに。おかげで買い過ぎず、少な過ぎず、良い本を買えた。

    さて、いきなり1話目からどんでん返し。これはやられた。短いこともあり、読み終わってすぐにまた冒頭から読み直した。乾くるみ『夫の余命』。

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    2026年07月13日
  • 裏切りの捜査線 警察小説アンソロジー

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    米澤 穂信、方丈 貴恵、荒木 あかね、松嶋 智左、芦沢 央
    5人の人気作家によるミステリ短編集
    帯書きの「裏切り!衝撃!どんでん返し!!5人の人気作家が描く、珠玉の警察ミステリー」に惹かれて読みましたが・・・
    松嶋 智左の作品は警察小説?
    芦沢 央に至っては退職した刑事が探偵となって活躍・・・ま、面白かったけど(^_^;)
    重い話もありますが、概ね楽しめます。

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    2026年07月12日
  • いまさら翼といわれても

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    マストではないとこは極力やらない主義を嘯く折木奉太郎君の本質に迫る短編集。
    元来の細かなことまで気づいてしまう観察眼と推理小説から小学生の頃は便利屋に使われるほど、まさに奉仕の奉を名前に持つ性格だった彼が何故省エネ主義になったのか、そしてその殻を徐々に破る様子がほろ苦い経験を通して描かれています。
    表題作のラストも良かったですが、走れメロスの感想文が秀逸でした。

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    2026年07月10日
  • 満願(新潮文庫)

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    タイトルである「満願」を含む、異なる6つの短編ミステリーという構成でした。それぞれの物語が短編であるため内容を圧縮して作成されていました。

    それぞれの内容に思いは違えども、全てに共通するものは「願い」だと気づきました。

    計6編の各人生における「願いを達成させたい」という思いが必死さが伝わってきました。

    それぞれの短編の中で、文章の横に点て表示されている内容がキーワードになり、ゾクッとする場面もありました。

    全編が「満願」=「願いが叶うこと」を意図しているのかと感じました。

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    2026年07月10日
  • 儚い羊たちの祝宴

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    バベルの会という読書サークルでつながる5つの短編集。短くても濃い話。ずっと不穏な空気が流れていてこの後どうなるの?と最後までしっかり楽しく読める。
    知らない言葉がたくさん出てきたけどスラスラ読めて面白かったー◎

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    2026年07月08日
  • 冬期限定ボンボンショコラ事件

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    アニメからですが、アニメではあまり語られなかった小鳩くんの心の内がたくさん知れて面白かった。

    小山内さんの過去は語られないのかしら…

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    2026年07月08日
  • 夏期限定トロピカルパフェ事件

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    ネタバレ

    前作から一年後。
    アニメ「小市民シリーズ」でいえば、第1期後半、第6話から第10話まで。
    確かアニメを見たときは、え、10話で終わりなの!? こんなヤベェ女子教えてくれたのに!? 半年も待たせるなんて! と悶えていた。
    以下セルフ引用。
     @
    テレビで全10話視聴。
    米澤穂信でアニメといえば京都アニメーションの「氷菓」だが、本作は比較されてもしかたない状況を頭抜ける試みをいくつもしている。
    ・シネスコサイズ。
    ・会話シーンにおける、背景の移り変わり(イメージ映像ふう)。
    ・声優の芝居。
    ・設定や時間的前後関係の説明を排した、あえて不親切な作劇(互恵関係云々)。
    そのどれもが好み。
    そしてえるた

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    2026年07月07日