米澤穂信のレビュー一覧
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ネタバレ「遠回りする雛」編に突入する12巻である。
タスクオーナさんご自身もコメントしておられるが、ようやく雛までたどり着いた感のある12巻だろう。内容的には手作りチョコレート事件と遠回りする雛で半々である。
丁寧なコミカライズが進められている本作であるが、やはり難関は刊行速度に由来する「あれ、前の巻はどうなってたっけ?」という部分だろう。
今回の手作りチョコレート事件では若干その感もあって、物語を楽しむ上での妨げとまではなっていないが、読書する上で入り込む助走が足りない印象は受けている。
物語の内容的に、やや後味の悪い(おおむねエピソード全体でギスギスしている)面もあり、かつ「遠回りする -
購入済み
リドルストーリー?
先生の作品にリドルストーリーがテーマのとてもおもしろい物語があります。この作品にもいくつかのエンディングが想像できることがもどかしい。犬は私が用意しますから、続編をお願いします。ちなみに私の犬は保健所からもらってきた雑種です。
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ミステリーにそんなに興味はないのだけど、「日本語が美しい」と方々から噂に聞く連城三紀彦氏。飛行機移動のおともに、さくっと読めそうな短編をチョイス。
噂に違わぬ美しい日本語!美しすぎて、読んでいる間めっちゃ幸せだった。私もこういう日本語を使える人になりたい…
「ゴースト・トレイン」と「白蘭」がよかった。「他人たち」もよかったけど、いやそんな風にならんやろ!と心の片隅で思ってしまったので…短編でミステリーって、すごく難しいんだろうと思うけど、すべてがおさまりの良い仕上がり。趣の違うミステリー短編を多数生み出している作家さんなんだな、というのを改めて認識。
1作目と比較すると、恋愛小説的な要素の -
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ネタバレ〇 概要
菅生芳光は、バブル崩壊と父の事故死により学費が払えなくなり、大学を休学する。そして、東京で伯父の古書店に居候している最中、死んだ父・叶黒白(かのう こくはく)の筆名で書かれた5つの『リドルストーリー』を探してほしいという依頼を受ける。依頼人は、一つ見つけるたびに謝礼として10万円を支払うという。全て見つけることができれば、大学に復学できるかもしれない。期待を胸に、彼は5つの『リドルストーリー』を探し始める。やがて、その過程で依頼人の父親が『アントワープの銃声』という事件の容疑者だったことが判明する。依頼人の父親が5つのリドルストーリーに込めた思いとは──?
〇 総合評価 ★★★★☆ -
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クドリャフカ編もいよいよ大詰めの9巻である。犯人にまでたどり着き、あとは解決編を待つのみというところで物語はクローズされている。
いや、それにしてもよくまとまった良い巻だった。奉太郎が、氷菓が売れることにじんわりと快感を感じている様など、なかなか読ませるところも多く、全体的な動きの少なさがちっとも気にならない。本当にこの辺は、タスクオーナさんの達者なところだろう。
難所と言ってもいい(どうしても内容的に間延びしてしまうだろう)クドリャフカの順番も順調に消化されていて、読者としては嬉しいところである。さすがに中弛みしたところもあったが、少なくともこの巻はよく読ませる内容だった。
という -
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ネタバレしばらく感想書いてなかった。
カンヤ祭終了まで。十文字編も次巻で解決。そういうのが多い。
相変わらず摩耶花のコスプレが渋い(褒めてる)…フロル、アッコちゃんときて、鳥を見ると縮む刑事…七色いんこの千里刑事。ただ、こういうところもだけど、クリスティのくだりも読んでないと何のことやら。想像するしかないのだが。こういう一部にしかわからない話はどうなんだ…パロディってそういうものか。
ここでも奉太郎姉がすごい役回り。偶然なんだろうけど、カンヤ祭で宝物を見つけた人は他にもいるかもしれない。でもそれが、宝どころじゃない人も…こういうのは難しい。 -
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クドリャフカの順番編、メインエピソードの怪盗「十文字」事件がだいぶ進行し、物語は収束に向かっているところだろうか。
いつものように千反田さんの殺し文句でこの巻は始まっているが、群像劇としての物語がそちらに収束していっているように描かれているのは、原作のストーリーもさることながら、漫画としての丁寧な描き方もあるだろう。
巻末を読むに、次巻ではあの人も登場する模様だが、このエピソードが締まるようではないので、今少しクドリャフカを楽しむことになるようである。
ここでも星四つと評価した。しかし、刊行速度から考えると、この長大なエピソードはやや酷だなと思わなくもない。 -
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文化祭編、あるいはクドリャフカの順番編も本格的にスタートを迎えた。オールキャストでの長いエピソードの始まりである。
ベースラインとしては刷り過ぎた文集を捌くために各自奮闘する群像劇であるが、今回はその中で、クイズ大会と、漫画研究会での諍いの緒戦と、お料理対決の途中までが収録されている。
それぞれよく描かれているけれど、どうしてもまだ物語の途上としての感が強く、少し尻切れトンボの感は否めないかもしれない。
星四つと評価したが、ここでばら撒かれたネタが回収される様を楽しみに待ちたいところだ。
あと、萩尾先生の推薦にはさすがに驚かされた。いや、次巻でその経緯については詳らかにされているが