米澤穂信のレビュー一覧

  • ボトルネック

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    ネタバレ

    痛い。心に突き刺さるのは文章と北陸の冬の寒風。
    自分が生まれてこなかった世界では自分がいる世界より尽くが上手く回っている、そして、その原因は自分の存在と自分の代わりに生まれてきた姉に起因する。
    本来産まれてこなかった姉は持ち前の想像力と行動力で様々な問題を意識的に、時には無意識に解決していた。
    本当に産まれてくるべきだったのはどっち?
    こんなに自分の存在を否定された主人公がかつていたかな?
    『 もう、生きたくない』と零した瞬間に元の世界へと戻される。これも酷く残酷だ。
    無味無臭な人生において唯一意味のある存在であったノゾミは自らの死を望んでいる。こっちにこいと手招きしていた。
    そこにラストのあ

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    2025年11月03日
  • 黒牢城

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    ネタバレ

    荒木村重。ゲーム「信長の野望」で優秀な武将としてその名前は知っていたが、謀反を起こしたことやその生涯は知らなかった。本書でもなかなかの知将として描かれている。途中、その生涯を調べたくなる誘惑に駆られながら読み進めた。
    籠城中の城内で事件が起き、村重が「探偵役」となって調べ、わからなくなって官兵衛にヒントをもらって解決、という流れが面白い。
    3つの話の後、4つ目ではまさかの「黒幕」が。一つ一つの事件の伏線回収されスッキリ。この「黒幕」の語りには迫力があり考えさせられる。
    そして、最後に官兵衛の真の狙いが明らかになる。
    ミステリーではあるが、宗教などについて考えさせられる。また、人の世の中「信用」

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    2025年11月02日
  • 黒牢城

    購入済み

    直木賞には歴史物が有利

    知勇兼備の名将荒木村重が織田信長に叛逆し、有岡城で籠城。籠城中に様々な事件が起きるものの、牢に囚われた名軍師黒田官兵衛が安楽椅子探偵風に謎解きをしていく。歴史&ミステリの直木賞作品で、悪くはない。🏯しかし、米澤穂信の青春ミステリファンとしては、米澤が落選続きの直木賞受賞を狙って、受賞に「有利な」歴史物を、あえて執筆したような気がした。本作は軽妙洒脱な「いつもの」米澤成分が足りないのだ。果たして、受賞第一作は青春ミステリ。ライト文芸ファンの想いが垣間見れる。🏯

    #タメになる

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    2025年11月01日
  • 黒牢城

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    時代物の小説をあまり読まないのと戦国時代が苦手で知識も乏しいゆえに、大好きな米澤穂信さんの本なのになかなか手が伸びなかったのだけど。最後まで読んでよかった。よく知らない人物や城を調べながら読むのも楽しかったです。最初は籠城とはいえどまだ開放感があったのに、ゆっくりと閉塞感で満ちていくのがお見事。

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    2025年11月01日
  • 黒牢城

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    織田信長の家臣有岡城主となった摂津守荒木村重が謀反、同じ高槻城の高山右近、茨木城の中川瀬兵衛などが織田側へ寝返り、秀吉の命で使者となった黒田官兵衛は有岡城の地下牢に閉じ込める。城内では中川家の人質が何者かに殺害されるという事件、手柄の首がすり替えられる事件、「五本鑓」の中でも刀法の抜群の遣い手である秋岡四郎介が何者かに斬殺される事件、そして「寅申」が庵より持ち去られ、密書も読まれた形跡の事件、内通していた武士が雷で死亡するが実は鉄砲での事件とみなされるが犯人が見つからず等。城内での様々な事件と長い籠城戦が城主と家臣との信頼を揺るがし「不忠の風聞」を起こした。城主として取った行動は関係者への対面

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    2025年11月01日
  • 本と鍵の季節

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    著者が得意とする高校生活を舞台とした作品ではあるが、これまで著者が生み出してきたキャラクターとは全く関係がない作品となっている。

    形式としては著者の得意とする短編集となるが、出版にあたっては全てのストーリーが通して読めるように書き下ろしも含まれている。Wikipediaの初出一覧を見ると、最初に配置されている「913」は2012年、最後の「昔話を聞かせておくれよ」が2018年と、かなり時間をかけて書き継がれてきたことがわかる。著者はデビュー当初に比べてかなり内省的な作風になってきているが、長い期間をかけて書かれた本作は、最初からやや暗いテイストがあるものの、全体としては爽やかな終わり方をする

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    2025年10月26日
  • 黒牢城

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    ネタバレ

    信長に謀反を起こした荒木村重を主人公に、囚われの黒田官兵衛が安楽椅子探偵となる異色の時代小説ミステリ。著者初の時代小説となる本作で、以前の『可燃物』などを読んでいると分かる通り、小説の内容に合わせて文体を変えられる作家と知ってはいたものの、いざ読むとこれほどまでに時代小説に適応しているとは思わなかった。元々、教科書に残り続けるような「古びない」文体を得意としているが、本作は時代小説特有の言い回しがそれに合致しており、違和感がないどころかかなり本格派の時代小説に仕上がっている。『氷菓』などのイメージで読むと面食らうかもしれないが、言い回しがややクセが強いだけで、信長をぼんやりと知っている程度の歴

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    2025年10月21日
  • 黒牢城

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    戦国時代✕ミステリーという異色作。
    時代物らしい語句と言葉遣いだけど読みやすい。
    ミステリー部分も面白いけど、籠城の中でどんどん行き詰まっていく閉塞感を感じられる雰囲気もいい。

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    2025年10月15日
  • 冬期限定ボンボンショコラ事件

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    小市民シリーズ第4巻。

    小鳩くんが交通事故に遭い、入院生活を送ることに。実は似たようなひき逃げ事件が中学3年生の時に起こっていて…小鳩くんと小佐内さんが3年越しのひき逃げ事件の真相を探す話。 

    小鳩くんと小佐内さんの中学生の時の初めての出会いも知れて、長い2人の関係性をなんだか羨ましく思った。

    これからも続いてほしいシリーズ!

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    2025年10月15日
  • 黒牢城

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    作者が時代小説をこれほどものにしているのには驚いた。時代小説とミステリーの見事な融合。時代物が苦手だという方もこれならば充分楽しめるだろう。ハンニバル・レクターのように牢の中から村重にヒントを与える官兵衛の不気味さがいい。

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    2025年10月10日
  • 栞と嘘の季節

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    ネタバレ

    「本と鍵の季節」の続編。
    スピンオフとかではなく、しっかり目の続編なので前作の状況がちらほら出てきて面白い。

    個人的に好きなポイントは主人公格の堀川と松倉の知能水準が明らかに高くて推理力というか察する能力が高いところと「THE・友情」とは程遠く2人の関係性が友人というより同級生に寄っていてドライなところ。

    内容は切り札と称して毒性植物のトリカブトの栞をばら撒く犯人を探すというもの。
    王道なミステリーで伏線回収もしっかりされてて満足感が高い。変に「登場人物」って感じじゃなくて相手の感情を推し量ったり嘘をついたりというやり取りひとつひとつの人間味が強くて好み。

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    2025年10月10日
  • 巴里マカロンの謎

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    なんとなくで読んでなかったことを後悔するくらいおもしろかった
    この2人の話を読み終わってしまったのは寂しいけど
    読めてよかった

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    2025年10月09日
  • ボトルネック

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    SNSでも「救われないミステリ」として紹介され、興味があった分期待も大きかった。
    所謂パラレルワールド物で、賛否はあるだろうがSFミステリとしての完成度や著者が伝えたいメッセージが渾々と伝わってきた。
    ラストの一文が主人公の人生をどう左右するのか、想像しながら誰かと語り合いたくなる、極限まで心理に迫る作品。

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    2025年10月09日
  • 栞と嘘の季節

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    ネタバレ

    2人の高校生のテンボの良い会話が楽しい。
    それぞれが
    沢山の嘘を解き明かしていく。

    みんなの無事を確認して
    引き際が鮮やかな二人でした。

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    2025年10月06日
  • 本と鍵の季節

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    米澤穂信さん、間違いなくおもしろい。
    古典部シリーズや小市民シリーズも昔から好きなんですが、この方は男の子同士の気安いけどどこかひりつく感じの緊張感書きたいんだろうなーと思う。男女間の恋愛というより、人間の些細な心の揺れや表現の仕方に敏感に反応して推理していく過程が緻密で面白い。日常系ミステリの最初に上がる書き手さんだと思うけど、この日常がまた曲者だとも思う。
    高校生も、ふとしたことで日常に犯罪が潜んでる。巻き込まれないように、人間関係を損なわないように、意外と綱渡りに生きてる。図書委員なんて荒事からは切り離されてそうな役員にすら、そんなスポットが当てられる作家ってすごいと思う。

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    2025年10月05日
  • 本と鍵の季節

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    利用者が少なく、静かで寂しい高校の図書室。その貸出カウンターで静かに…いや、下らないことを言い合いながら業務をこなす図書委員の堀川次郎と松倉詩門。このふたりの元に、先輩から「開かずの金庫」を開けてほしいという依頼が舞い込みます。短編集の最初を飾るこの物語のタイトルは「913」。この数字が謎を解くヒントになっているのですが・・。
    高校生とは思えないキレキレでロジカルな思考、そしてふたりの人間性の違いが絡み合った、独特な信頼関係が癖になる面白さです。
    ふたりの何気ない日常会話や言葉の違和感から、絡み合った糸がほどけていくように謎が解けていく爽快感と、読後に訪れるほろ苦い余韻が胸に残ります。

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    2025年10月05日
  • いまさら翼といわれても

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    これまでより古典部のメンバーの内面に踏み込んでいくお話が多く、読んだあとはほろ苦さのを感じる。奉太郎の過去の話はなんだか不憫だけれど奉太郎らしいなとも思ったり。「連峰は晴れているか」「私たちの伝説の1冊」「いまさら翼といわれても」が同率で好き。思いがけず開けた未来を前に立ちすくんでしまった千反田のこの後が気になるのに、新作が出ずこの続きをもう6年待っている…。そろそろ古典部メンバーにまた会いたいなあ

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    2025年09月30日
  • 可燃物

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    短編が5本だが、最後の最後で真相が明らかになるパターンだったので、最終ページをドキドキして捲った.葛警部の脳裏に何か引っかかるものが出てきて、それが真相に結び付く.放火犯人を突き止める表題作「可燃物」も良かったが、最後の「本物か」が楽しめた.カラスミパスタの調理時間が重要になるとは予測できない.

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    2025年09月29日
  • 本と鍵の季節

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    どっちも探偵だけど、ジャンルが違うってすごい新鮮だし、この人だからこそ書き分けられる心理描写というかキャラ分けというか、とにかく面白すぎ

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    2025年09月28日
  • さよなら妖精

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    太刀洗万智シリーズを逆に読んでしまっている。
    最後が1作目で、主役ではない

    日常にある謎をメインに高校生による青春も感じさせるが、
    ユーゴスラビアのマーヤとの出会いによって社会情勢を取り入れているので『青い』という言葉では終われない。

    特に行動力に関していえば、高校生3年生という設定がまたもどかしさを助長させているように思う。
    日常という世界から出るのが難しい。
    しかし何だかんだ大人も『日常』に縛られている、というのは大人にならないと気付けない。

    見た目通りの人間なんて、いない。
    それはマーヤでも、太刀洗でも、きっとそうで、
    決めつけてかかると痛い目みるよね。

    -人間は、 殺されたお父

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    2025年09月19日