米澤穂信のレビュー一覧
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春季限定いちごタルト事件の大人しい小佐内さんの雰囲気も好きだったけど、本作のように謀略を練る活発な小佐内さんも面白い
各章で微妙に違和感を感じるところがあって、なんでこういう展開になってるんだろうと考えているうちに、ちゃんと伏線を回収してくれて非常に気持ち良い
結構ミステリーを読んでると一緒に考える要素がなくてとにかく答えに辿り着きたくなってしまうことが多いが、小市民シリーズは適度に気になる部分を置いておいてくれるからちょっと考えながら読めるというのがいいのかもしれない
本作では大量のスイーツが登場するけど、どれも美味しそうで甘いものが食べたくなってしまう... (特にシャルロット) -
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古書店に居候する主人公は、ある女性から死んだ父親が書いた五つの物語を探して欲しいと依頼を受ける──。
「結末のない物語」を集めて欲しいという不思議な依頼。物語が集まるにつれ明らかになる20年前の未解決事件「アントワープの銃声」。
主人公が置かれている幸福とは言い難い状況や、どことなく薄暗く落ち着いた文体で綴られているので、真相に近づく高揚感よりただ静かに受け入れる気持ちで読み進めた。
このひんやりした温度感がとても肌に合い、すっかり没入してしまった。今まで読んだ米澤さんの本の中で一番好み。
そして私は「リドルストーリーが好き」と言う新たな発見があった。
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ネタバレ小市民シリーズ第3弾の上巻。
アニメが始まっているが、常悟朗と小佐内さんのその後が気になってしまい、
さっさと原作を読んでしまうことにした。
そして予想どおりというか一気に読んでしまった。
小佐内さんの拉致に使われた車が河川敷で炎上。
また小佐内さんが暗躍しているのか??と思ってしまうよね。
そこからは一気に読むペースも上がってしまったな。
〈桜庵〉で小佐内さんが瓜野くんにマロングラッセの作り方を説明する場面。
「あなたがわたしの、シロップなのよ」なるほどね~と。
常悟朗が仲丸さんの「兄貴の家にドロボーが入った」話を聞く場面もおもしろかった。
小市民たらんとがんばる常悟朗だったが、あと少しのと -
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ネタバレ思ったよりかなりビターだった。
10代のほろ苦さすべて詰まってますという感じ。
大人になるとなかなかない感情だから、今読むとなんだか素直に心に残る。
表題作は、千反田さんつらいね。
だけど気持ちを理解してくれる仲間がいることが、これまでの千反田さんの過ごしてきた結果だし、この先もきっとうまくいく。
親なんて勝手だから自分が言ったことの責任なんてとってくれず、またそれに気付いてしまうのが10代後半~20代前半だよね。
まだまだ高校二年生だし、ここから自分の道を進んでほしい。
『わたしたちの伝説の一冊』は学校生活が全てではないと気付く、パーッとドアが開くようなそんな感じがすごく青春で、心にズド -
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1.登場人物
守屋路行…高校3年生。物事にあまり執着しない。弓道部。
太刀洗万智…高校3年生。言葉少ないが、優れた洞察力を持つ。あだ名はセンドー。守屋の友人。
文原竹彦…高校3年生。がっしりとした体つき。無骨な印象を与える。守屋の友人。弓道部。
白川いずる…高校3年生。旅館の娘。人のいい女子高生。
マーヤ…ユーゴスラヴィアから来た少女。好奇心旺盛。いずるの旅館に泊まる。
2.物語の始まり
雨の日。高校からの帰り道。守屋と太刀洗は潰れた写真館の前で雨宿りをしている外国人の少女・マーヤと出会う。ユーゴスラヴィアから来た彼女は、泊まるところがないという。いずるの人の良さを知っている守屋と太刀洗は、 -
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最近勢いのあるミステリー作家6人の競演。オール讀物か別冊文藝春秋などが初出の読み応え抜群の一冊でした。もし気になる作家さんが入っていたら試し読みに最適です。タイトル的にスカッと爽やかとはいかない内容が多いので、読み心地良いもの求めている人には向きません。
「ヤツデの一家」新川帆立
三代目を継いだ女性政治家の語り。暴君だった父の後妻の連れ子、渉は美しく世渡りがうまく、面倒なことは嫌い。でも私にアプローチしてきて、私も渉なしではいられない。そして私は醜いが、美しく身体の弱い妹がいる。
女の国会みたいな話かと思ったら全く違いました!珍しくドロドロっとしたお話です。
「大代行時代」結城真一郎
世の中流