米澤穂信のレビュー一覧
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太刀洗万智シリーズを逆に読んでしまっている。
最後が1作目で、主役ではない
日常にある謎をメインに高校生による青春も感じさせるが、
ユーゴスラビアのマーヤとの出会いによって社会情勢を取り入れているので『青い』という言葉では終われない。
特に行動力に関していえば、高校生3年生という設定がまたもどかしさを助長させているように思う。
日常という世界から出るのが難しい。
しかし何だかんだ大人も『日常』に縛られている、というのは大人にならないと気付けない。
見た目通りの人間なんて、いない。
それはマーヤでも、太刀洗でも、きっとそうで、
決めつけてかかると痛い目みるよね。
-人間は、 殺されたお父 -
Posted by ブクログ
全く予備知識を持たないまま読んだが、まさか実際に起きたネパール王族殺害事件から始まる小説だとは思わなかった。
ネパールという国につき国名と位置関係くらいしか知識を持ち合わせていないため、地図を見ながら、知らない風俗を確認しながら、なるべく想像しながら読んでみた。
いろいろなテーマが並行している中、壮大かつダイナミックなミステリに引き込まれた。
米澤穂信さんの作品については、重苦しい内容なのだが読み進めずにはいられない、という印象だが本作も同様に期待通りの内容だった。
特に印象に残ったのは以下の2点だった。
・ラジェスワル准尉の考え方=自分に似た考え方
・主人公の近況にて「疑い、調べ、書き続けて -
購入済み
目次が親切
紙の本と比べて電子書籍の不便なところの一つが、イラストのページを見返したいときに、ページをパラパラとめくってイラストページを探すことができないことだ。しかし、本書は、章のタイトルだけでなく、事件「現場周辺図」などの図版(イラスト)を、目次の中に含めてくれている。これはとても便利なので、是非他の本も見習ってもらいたい。
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最近のアンソロジーは本当に豪華というか、ハズレがなくおもしろいよね。
有栖川有栖『ミステリ作家とその弟子』は【砂男】で既読だったけれど、再読でも作家と弟子のやり取りがおもしろい。
退職代行とかZ世代とか、境界知能、ペロペロ動画に闇バイト…すごく今が詰まっている一冊だった。
何十年後かに読まれたら「あ~令和っぽい」ってなるんだろうな。
米澤穂信『供米』は途中まで「うーん、好きな米澤穂信ではない」なんて思ったけど、最後がすごく良くてさすが!という感じ。
中山七里『ハングマン-雛鵜-』は最後続きが気になる終わり方だったな。スッキリさせてほしい!
せっかくだから『祝祭のハングマン』を読んでみよう -
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ネタバレこれまで短編がメインだったこの<小市民>シリーズ、本作が突然長編になったことで、やや戸惑いを覚えた読者も多かったのではないかと思う。実を言うと自分もそうで、特に上巻は木良市内で発生する連続放火殺人事件が少しずつ盛り上がってくるとはいえ、どちらかというと常吾郎と小山内が別れた後のそれぞれの学生生活が描かれていて、冗長に感じる部分もあった。
これまで小市民として生きようとしてうまくいかなかった2人が、バラバラになって突然カップルとなり、それぞれの学生生活をそれなりに過ごしていく……という青春小説としては自然な展開ではあるが、この<小市民>シリーズでそういった展開を読みたかったかと聞かれれば、おそ -
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ネタバレ5つのリドルストーリーにあるはずのない結末5文が見つかってそれが現実の事件と、繋がってるという話。ひとつの話の中に5個の短編があって、小説の中で小説を読むという不思議な体験をした。一つ一つの話が、「黒白叶」が書いたという個性がはっきり分かって米澤穂信さんの書き分け力が素晴らしいなと思った。これは結局、母親が「死んでやる!」と言ってじさつをほのめかし、それを4歳だった娘が実際にやってしまって、父親がそれを隠したということで合ってるのかな?すごい、家族愛というか。それを隠し通したのはすごい娘への愛を感じた。でも結局、「俺は本当はやってないんだ!」って言うことをアピールしたかったんだなあ、と思い、ほ
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ネタバレ米澤穂信の<小市民>シリーズの第3弾が本作になる。前作で主人公である常悟朗と小佐内の互恵的関係が切れた後の展開を描く本作だが 初の上下感ということで登場人物が多くかなり大掛かりな話となっている。
前作までは2人が一緒に行動していたために基本的には1人称で物語を語ろうが、3人称で物語を語ろうがあまり違いはなかったのだが。本作では2人が別々に動くので それぞれの人間模様が交互に描かれという形をとっている。そして驚くことに 本作では冒頭から2人がそれぞれカップルになるということもあり、二人の恋愛模様も描かれると....期待したのだが,この小市民シリーズではそんな甘い話は全く起こらない。
常悟朗も -
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ネタバレわたしたちの伝説の一冊
最後の一文は前作の段階でそうなる事は分かっていたけれど、その文字に込められた意味合いが予想と正反対の熱いもので面食らった すごいな
中盤あたりまで苦々しい展開でどんな風に着地するんだろうと考えていたけど、その息苦しさを吹き飛ばす終盤のカタルシスがすごく良かった そんな前向きな決断だとは おもしれ〜
長い休日
この短編に今までの古典部における俸太郎の全てが詰まってて良い
最後の姉の言葉がじんわり染み入る
米澤穂信作品全般もそうだし"いまさら翼と言われても"にも強く感じるんだけど、どの作品も終わりの一文に深みがあって余韻が心地いい
遠回りする雛 -
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春夏秋冬が進んでいく合間の、たぶんおさこば1年生のこぼれ話を集めた短編集。各編の「地名+事物」という名づけかたは、エラリー・クイーンの国名シリーズのオマージュかな。
パティスリのお嬢さん、古城(こぎ)コスモスという少女が3編に登場して、なかなかいい味を出していて、特に書きおろしである「花府(フィレンツェ)シュークリームの謎」は名作。謎解きがトントンと小気味よいのに加えて、古城家の親子関係まで描いていてジンとくる。
「秋期」では小佐内さんの一筋縄ではいかない恐ろしさばかりが目立ってしまったけど、この短編集では、頭の回転のするどさはそのままに、どこまでもスイーツを愛し、ちょっと思いやりもある女 -
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全編面白かった〜
なんて豪華な作家陣なの…!
ハラハラしたり驚いてみたり、あっという間に読み終えました。
夫の余命
余命わずかと知りながら結婚した2人。
時間を遡りながら思い出を振り返るが…
崖の下
スキー場で遭難した4人。
そのうち1人が他殺体で見つかる。
この何もない雪原で凶器は一体何…?
誰が殺したのか?
投了図
将棋ファンと夫と暮らしているが、地元でタイトル戦が開かれることになった喜ばしい時、なぜか夫の様子がおかしい。
孤独な容疑者
23年前に殺人を犯した男。
事件が再調査され…。
2020年のロマンス詐欺
コロナ禍、軽い気持ちで始めたバイトが詐欺の -
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ネタバレ2025/07/04
p.239
車椅子のタイヤの固定が甘かったのだろうか。ぼくが座ろうとした瞬間、車椅子はわずかに後ろに下がった。
椅子に座るつもりで腰を下ろし、寸前で椅子を引かれれば、誰でもろくに受身も取れずに倒れ込む。声にならない悲鳴が、喉の奥でくぐもる。心拍数が跳ねあがる。
瞬間的な恐怖という尺度で言えば、車にはねられた時よりも怖かったかもしれない。けれど幸い、車椅子が動いたのはほんの少しだった。看護師さんがハンドルを握り、車椅子は止まって、ぼくは無事に座面に腰を下ろす。
2025/07/21
p.231
見つめていてもサンデーが復活したりはしないという現実を受け入れたのか、