米澤穂信のレビュー一覧

  • 妖し

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    電車の乗り換え時に構内の本屋で購入

    「妖し」という固有名詞を題材にするとこんなにも作者のカラーが出るのかと…!

    大好きな恩田陸さんの作品のじっとり感がたまらなかったです。
    バナナの話は、一生忘れないと思います。
    情景描写が秀逸で、主人公視点の光景が目に浮かびすぎて怖い。そして情景は目に浮かぶのに主人公の感情が絶妙に言語化されないままそこにある感じが凄かったです。

    たまたま手に取った本でしたが大好きな一冊になりました。

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    2025年08月24日
  • 秋期限定栗きんとん事件 下

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    ネタバレ

    小市民シリーズ第3弾
    前回の夏期限定から2人はどうなっていくのかと思ったら、最終的にそういう結末になるなんて!!
    米澤穂信先生さすがです!!2人のこんな関係はどうやって小説として起こされていくのか気になります。
    日常ミステリーの真骨頂ですね。あ、今回はちょっと日常は少し超えてますが…
    栗きんとんがそこに繋がるとは……

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    2025年08月22日
  • 秋期限定栗きんとん事件 下

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    ネタバレ

    解決編の夜にふたりが本当に楽しそうに話しているのが微笑ましい一方、そりゃあ小市民になれるわけないよと思ってしまうほどの頭脳と行動力で大満足でした......!

    ともあれ、終盤の会話劇が好きすぎてかなり深く読み込んだのだけれど、小佐内さん、めちゃくちゃ小鳩くんのこと好きじゃない!? 夏期限定のラストからしばしば思ってたけど、言葉の節々に「小鳩くんしかいない感」が滲み出てる。「次善」も本心はもちろん、小鳩くんの意見を尊重するために1歩引いた表現にしている感じもするし、もしかしたら思っていたよりも小佐内さんは乙女なのかもしれない。

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    2025年08月17日
  • 冬期限定ボンボンショコラ事件

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    これ、アニメ化が決まったときはまだ影も形もなかったってすごくないですか。そこからこの前日譚を書き起こして、小鳩-小佐内コンビがなぜ小市民をめざすに至ったのか、小鳩くんがなぜ謎解きをするとき、いつも軽い自己嫌悪を感じるような振る舞いをするのか、とても納得のいく事件を設定する……。
    それだけでなく、秋期限定では復讐の女神ネメシスなのかという、底知れぬこわさを感じさせた小佐内さんに、グッと来るせりふを言わせ。米澤穂信さん天才ですか。

    わたしは「春季限定」だけ発売当時に読んで、あとはアニメをぜんぶ見終えてから順に読んでいったのだけど、ほんとにすばらしいシリーズだなと思う。「日常の謎」というのは、かな

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    2025年08月17日
  • 冬期限定ボンボンショコラ事件

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    アニメで春夏だけ見て小説は初でしたが非常に楽しめました!
    まさに求めていた青春ミステリ!!
    3年前の轢き逃げ事件の捜査と今回轢かれた小鳩くんの病院内での心情が交互に描かれている。
    ボンボンショコラとかノリでつけたのかな思ってたらきちんと伏線上にあったのもすごい。
    推理の小鳩くん、行動力のおさないさんの魅力が文字だと語れないくらい好きでした!
    春夏秋も本で読んでみます!

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    2025年08月16日
  • 禁断の罠

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    最近のアンソロジーは本当に豪華というか、ハズレがなくおもしろいよね。

    有栖川有栖『ミステリ作家とその弟子』は【砂男】で既読だったけれど、再読でも作家と弟子のやり取りがおもしろい。

    退職代行とかZ世代とか、境界知能、ペロペロ動画に闇バイト…すごく今が詰まっている一冊だった。
    何十年後かに読まれたら「あ~令和っぽい」ってなるんだろうな。

    米澤穂信『供米』は途中まで「うーん、好きな米澤穂信ではない」なんて思ったけど、最後がすごく良くてさすが!という感じ。
    中山七里『ハングマン-雛鵜-』は最後続きが気になる終わり方だったな。スッキリさせてほしい!
    せっかくだから『祝祭のハングマン』を読んでみよう

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    2025年08月13日
  • 秋期限定栗きんとん事件 上

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    面白かったです。
    連続放火事件がどうなるのか、下巻が楽しみです。
    上巻のラスト、小鳩君が可哀想でした。

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    2025年08月09日
  • 秋期限定栗きんとん事件 下

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    ネタバレ

    これまで短編がメインだったこの<小市民>シリーズ、本作が突然長編になったことで、やや戸惑いを覚えた読者も多かったのではないかと思う。実を言うと自分もそうで、特に上巻は木良市内で発生する連続放火殺人事件が少しずつ盛り上がってくるとはいえ、どちらかというと常吾郎と小山内が別れた後のそれぞれの学生生活が描かれていて、冗長に感じる部分もあった。

    これまで小市民として生きようとしてうまくいかなかった2人が、バラバラになって突然カップルとなり、それぞれの学生生活をそれなりに過ごしていく……という青春小説としては自然な展開ではあるが、この<小市民>シリーズでそういった展開を読みたかったかと聞かれれば、おそ

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    2025年08月07日
  • 追想五断章

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    ネタバレ

    5つのリドルストーリーにあるはずのない結末5文が見つかってそれが現実の事件と、繋がってるという話。ひとつの話の中に5個の短編があって、小説の中で小説を読むという不思議な体験をした。一つ一つの話が、「黒白叶」が書いたという個性がはっきり分かって米澤穂信さんの書き分け力が素晴らしいなと思った。これは結局、母親が「死んでやる!」と言ってじさつをほのめかし、それを4歳だった娘が実際にやってしまって、父親がそれを隠したということで合ってるのかな?すごい、家族愛というか。それを隠し通したのはすごい娘への愛を感じた。でも結局、「俺は本当はやってないんだ!」って言うことをアピールしたかったんだなあ、と思い、ほ

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    2025年08月03日
  • 米澤屋書店

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    これを読んでいるとき、米澤さんの頭の中を覗き込んでるような感覚になりました。
    これを読むと、米澤さんがこれまで何をどんなふうに読んできたのか、本や書店とどう付き合って来たのか、何を考えて小説を書いているのかなどがわかります。
    米澤さんファンは必見でしょうし、米澤さんを知らない人が読んでも楽しめると思います。

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    2025年07月22日
  • 王とサーカス

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    ネタバレ

    米澤穂信作品のなかで、いや、これまでに読んだ小説の中でも私にとって一、二を争うレベルの作品。時間を空けて読み直すたび、そう実感する。

    偶然ネパールに居合わせたにすぎない太刀洗万智が、王族殺害事件の記事を書くことになる。取材していく中で、彼女は「なぜ書くのか」「なにをしたいのか」ということに向き合っていく。現実と地続きでありながらも異国情緒あふれるストーリーは、私たち読者にもある種の傲慢さを突きつけてくる。本格ミステリとして謎を解き明かした先にある真実には、いろんな意味で認識を反転させられる。
    万智を見下ろす多数の子どもの目と、INFORMERの写真を見つめるラストシーンがとても心に残っている

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    2025年07月21日
  • 秋期限定栗きんとん事件 上

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    ネタバレ

    米澤穂信の<小市民>シリーズの第3弾が本作になる。前作で主人公である常悟朗と小佐内の互恵的関係が切れた後の展開を描く本作だが 初の上下感ということで登場人物が多くかなり大掛かりな話となっている。

    前作までは2人が一緒に行動していたために基本的には1人称で物語を語ろうが、3人称で物語を語ろうがあまり違いはなかったのだが。本作では2人が別々に動くので それぞれの人間模様が交互に描かれという形をとっている。そして驚くことに 本作では冒頭から2人がそれぞれカップルになるということもあり、二人の恋愛模様も描かれると....期待したのだが,この小市民シリーズではそんな甘い話は全く起こらない。

    常悟朗も

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    2025年07月21日
  • 冬期限定ボンボンショコラ事件

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    ネタバレ

    小市民シリーズも5冊目となるとハイハイ、これは伏線ね。これ明らかに怪しいでしょ。と思いながらも、簡単に全てを明らかにさせない、かといって何が何やら分からん!とゆう複雑すぎない面白さ。そしてシリーズ最高の2人の相棒感。
    上手く表現できないけれど、小鳩くんと小佐内さんが『小市民』を目指す、その前提全てが青春って感じですごく良かった。これでアニメの方も楽しめるかな。もしも大学生になった2人の話があるのなら、きっとそれはこのシリーズのような青春ミステリーでは無くなるんだろうなと思うけど、それはそれで読んでみたいなと思う。とりあえず小鳩くんは京都の大学に行くといいな。

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    2025年07月16日
  • いまさら翼といわれても

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    ネタバレ

    わたしたちの伝説の一冊
    最後の一文は前作の段階でそうなる事は分かっていたけれど、その文字に込められた意味合いが予想と正反対の熱いもので面食らった すごいな
    中盤あたりまで苦々しい展開でどんな風に着地するんだろうと考えていたけど、その息苦しさを吹き飛ばす終盤のカタルシスがすごく良かった そんな前向きな決断だとは おもしれ〜

    長い休日
    この短編に今までの古典部における俸太郎の全てが詰まってて良い
    最後の姉の言葉がじんわり染み入る 

    米澤穂信作品全般もそうだし"いまさら翼と言われても"にも強く感じるんだけど、どの作品も終わりの一文に深みがあって余韻が心地いい 

    遠回りする雛

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    2025年07月14日
  • 巴里マカロンの謎

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    春夏秋冬が進んでいく合間の、たぶんおさこば1年生のこぼれ話を集めた短編集。各編の「地名+事物」という名づけかたは、エラリー・クイーンの国名シリーズのオマージュかな。

    パティスリのお嬢さん、古城(こぎ)コスモスという少女が3編に登場して、なかなかいい味を出していて、特に書きおろしである「花府(フィレンツェ)シュークリームの謎」は名作。謎解きがトントンと小気味よいのに加えて、古城家の親子関係まで描いていてジンとくる。

    「秋期」では小佐内さんの一筋縄ではいかない恐ろしさばかりが目立ってしまったけど、この短編集では、頭の回転のするどさはそのままに、どこまでもスイーツを愛し、ちょっと思いやりもある女

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    2025年07月10日
  • 秋期限定栗きんとん事件 下

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    アニメで「ひいっ」となった上であらためて読んだんだけど、やっぱりラストの小佐内さんのひと言で「ひいっ」となった。こわいよー(笑) 
    瓜野くんは、みずから招いたとも言えるけど災難だったね。小市民が手を出しちゃいけない相手だったんだ。ていうか、本物の小市民ならそれを自覚しなさいという残酷なストーリーでもあるのか。

    で、小佐内さんと小鳩くんは、いくら小市民をめざそうとも本質的にむりで、小市民の皮をかぶることはできないんだとはっきり自覚する。ここまでぐるぐるとずいぶん遠回りだったのでは? でも、そうまでして「小市民」を目ざそうとした理由が(あるいは傷つきの記憶が)「冬期限定」で語られることになる。す

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    2025年07月09日
  • 神様の罠

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    全編面白かった〜
    なんて豪華な作家陣なの…!

    ハラハラしたり驚いてみたり、あっという間に読み終えました。

    夫の余命 
     余命わずかと知りながら結婚した2人。
     時間を遡りながら思い出を振り返るが…

    崖の下 
     スキー場で遭難した4人。
     そのうち1人が他殺体で見つかる。
     この何もない雪原で凶器は一体何…?
     誰が殺したのか?

    投了図
     将棋ファンと夫と暮らしているが、地元でタイトル戦が開かれることになった喜ばしい時、なぜか夫の様子がおかしい。

    孤独な容疑者
     23年前に殺人を犯した男。
     事件が再調査され…。

    2020年のロマンス詐欺
     コロナ禍、軽い気持ちで始めたバイトが詐欺の

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    2025年07月08日
  • 真実の10メートル手前

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    『真実の10メートル手前』
    『正義漢』
    『恋累心中』
    『名を刻む死』
    『ナイフを失われた思い出の中に』
    『綱渡りの成功例』
    短編6作品。

    米澤穂信の短編はやはり良い。
    そして太刀洗万智というキャラクターが表情も感情も読めず、凛としていて追いたくなってしまう魅力がある。

    真実とは人によって違うものであり、それが人を救うとは限らないのだな。
    それを知っている太刀洗の記事が読んでみたいものだ
    『名を刻む死』の最後の台詞で彼女のファンになってしまったのです。

    太刀洗万智シリーズはまだ3冊だそうで、肝心の1作目である『さよなら妖精』も読まねば。

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    2025年07月07日
  • 王とサーカス

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    海外旅行の特集のためにネパールに訪問した大刀洗万智。描写が良くてゆっくりと進むかと思ったが、国王殺害事件と、身近に起こる事件から一気に進んでいく。取材から得られた情報をどう記事にまとめるのか報道倫理を追求するだけでなく、ミステリとしても完成されていて引き込まれやすい。面白かった。

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    2025年07月06日
  • 夏期限定トロピカルパフェ事件

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    ここまでいくか…という展開。アニメでも驚いたけれど、原作のクオリティあってこそ。短編と思いきや全部つながってる。早くその先が知りたい、とページをめくるスピードが上がった。

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    2025年07月06日