米澤穂信のレビュー一覧

  • 冬期限定ボンボンショコラ事件

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    これ、アニメ化が決まったときはまだ影も形もなかったってすごくないですか。そこからこの前日譚を書き起こして、小鳩-小佐内コンビがなぜ小市民をめざすに至ったのか、小鳩くんがなぜ謎解きをするとき、いつも軽い自己嫌悪を感じるような振る舞いをするのか、とても納得のいく事件を設定する……。
    それだけでなく、秋期限定では復讐の女神ネメシスなのかという、底知れぬこわさを感じさせた小佐内さんに、グッと来るせりふを言わせ。米澤穂信さん天才ですか。

    わたしは「春季限定」だけ発売当時に読んで、あとはアニメをぜんぶ見終えてから順に読んでいったのだけど、ほんとにすばらしいシリーズだなと思う。「日常の謎」というのは、かな

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    2025年08月17日
  • 禁断の罠

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    最近のアンソロジーは本当に豪華というか、ハズレがなくおもしろいよね。

    有栖川有栖『ミステリ作家とその弟子』は【砂男】で既読だったけれど、再読でも作家と弟子のやり取りがおもしろい。

    退職代行とかZ世代とか、境界知能、ペロペロ動画に闇バイト…すごく今が詰まっている一冊だった。
    何十年後かに読まれたら「あ~令和っぽい」ってなるんだろうな。

    米澤穂信『供米』は途中まで「うーん、好きな米澤穂信ではない」なんて思ったけど、最後がすごく良くてさすが!という感じ。
    中山七里『ハングマン-雛鵜-』は最後続きが気になる終わり方だったな。スッキリさせてほしい!
    せっかくだから『祝祭のハングマン』を読んでみよう

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    2025年08月13日
  • 秋期限定栗きんとん事件 上

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    面白かったです。
    連続放火事件がどうなるのか、下巻が楽しみです。
    上巻のラスト、小鳩君が可哀想でした。

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    2025年08月09日
  • 秋期限定栗きんとん事件 下

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    ネタバレ

    これまで短編がメインだったこの<小市民>シリーズ、本作が突然長編になったことで、やや戸惑いを覚えた読者も多かったのではないかと思う。実を言うと自分もそうで、特に上巻は木良市内で発生する連続放火殺人事件が少しずつ盛り上がってくるとはいえ、どちらかというと常吾郎と小山内が別れた後のそれぞれの学生生活が描かれていて、冗長に感じる部分もあった。

    これまで小市民として生きようとしてうまくいかなかった2人が、バラバラになって突然カップルとなり、それぞれの学生生活をそれなりに過ごしていく……という青春小説としては自然な展開ではあるが、この<小市民>シリーズでそういった展開を読みたかったかと聞かれれば、おそ

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    2025年08月07日
  • 追想五断章

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    ネタバレ

    5つのリドルストーリーにあるはずのない結末5文が見つかってそれが現実の事件と、繋がってるという話。ひとつの話の中に5個の短編があって、小説の中で小説を読むという不思議な体験をした。一つ一つの話が、「黒白叶」が書いたという個性がはっきり分かって米澤穂信さんの書き分け力が素晴らしいなと思った。これは結局、母親が「死んでやる!」と言ってじさつをほのめかし、それを4歳だった娘が実際にやってしまって、父親がそれを隠したということで合ってるのかな?すごい、家族愛というか。それを隠し通したのはすごい娘への愛を感じた。でも結局、「俺は本当はやってないんだ!」って言うことをアピールしたかったんだなあ、と思い、ほ

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    2025年08月03日
  • 米澤屋書店

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    これを読んでいるとき、米澤さんの頭の中を覗き込んでるような感覚になりました。
    これを読むと、米澤さんがこれまで何をどんなふうに読んできたのか、本や書店とどう付き合って来たのか、何を考えて小説を書いているのかなどがわかります。
    米澤さんファンは必見でしょうし、米澤さんを知らない人が読んでも楽しめると思います。

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    2025年07月22日
  • 秋期限定栗きんとん事件 上

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    ネタバレ

    米澤穂信の<小市民>シリーズの第3弾が本作になる。前作で主人公である常悟朗と小佐内の互恵的関係が切れた後の展開を描く本作だが 初の上下感ということで登場人物が多くかなり大掛かりな話となっている。

    前作までは2人が一緒に行動していたために基本的には1人称で物語を語ろうが、3人称で物語を語ろうがあまり違いはなかったのだが。本作では2人が別々に動くので それぞれの人間模様が交互に描かれという形をとっている。そして驚くことに 本作では冒頭から2人がそれぞれカップルになるということもあり、二人の恋愛模様も描かれると....期待したのだが,この小市民シリーズではそんな甘い話は全く起こらない。

    常悟朗も

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    2025年07月21日
  • いまさら翼といわれても

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    ネタバレ

    わたしたちの伝説の一冊
    最後の一文は前作の段階でそうなる事は分かっていたけれど、その文字に込められた意味合いが予想と正反対の熱いもので面食らった すごいな
    中盤あたりまで苦々しい展開でどんな風に着地するんだろうと考えていたけど、その息苦しさを吹き飛ばす終盤のカタルシスがすごく良かった そんな前向きな決断だとは おもしれ〜

    長い休日
    この短編に今までの古典部における俸太郎の全てが詰まってて良い
    最後の姉の言葉がじんわり染み入る 

    米澤穂信作品全般もそうだし"いまさら翼と言われても"にも強く感じるんだけど、どの作品も終わりの一文に深みがあって余韻が心地いい 

    遠回りする雛

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    2025年07月14日
  • 巴里マカロンの謎

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    春夏秋冬が進んでいく合間の、たぶんおさこば1年生のこぼれ話を集めた短編集。各編の「地名+事物」という名づけかたは、エラリー・クイーンの国名シリーズのオマージュかな。

    パティスリのお嬢さん、古城(こぎ)コスモスという少女が3編に登場して、なかなかいい味を出していて、特に書きおろしである「花府(フィレンツェ)シュークリームの謎」は名作。謎解きがトントンと小気味よいのに加えて、古城家の親子関係まで描いていてジンとくる。

    「秋期」では小佐内さんの一筋縄ではいかない恐ろしさばかりが目立ってしまったけど、この短編集では、頭の回転のするどさはそのままに、どこまでもスイーツを愛し、ちょっと思いやりもある女

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    2025年07月10日
  • 神様の罠

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    全編面白かった〜
    なんて豪華な作家陣なの…!

    ハラハラしたり驚いてみたり、あっという間に読み終えました。

    夫の余命 
     余命わずかと知りながら結婚した2人。
     時間を遡りながら思い出を振り返るが…

    崖の下 
     スキー場で遭難した4人。
     そのうち1人が他殺体で見つかる。
     この何もない雪原で凶器は一体何…?
     誰が殺したのか?

    投了図
     将棋ファンと夫と暮らしているが、地元でタイトル戦が開かれることになった喜ばしい時、なぜか夫の様子がおかしい。

    孤独な容疑者
     23年前に殺人を犯した男。
     事件が再調査され…。

    2020年のロマンス詐欺
     コロナ禍、軽い気持ちで始めたバイトが詐欺の

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    2025年07月08日
  • 真実の10メートル手前

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    『真実の10メートル手前』
    『正義漢』
    『恋累心中』
    『名を刻む死』
    『ナイフを失われた思い出の中に』
    『綱渡りの成功例』
    短編6作品。

    米澤穂信の短編はやはり良い。
    そして太刀洗万智というキャラクターが表情も感情も読めず、凛としていて追いたくなってしまう魅力がある。

    真実とは人によって違うものであり、それが人を救うとは限らないのだな。
    それを知っている太刀洗の記事が読んでみたいものだ
    『名を刻む死』の最後の台詞で彼女のファンになってしまったのです。

    太刀洗万智シリーズはまだ3冊だそうで、肝心の1作目である『さよなら妖精』も読まねば。

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    2025年07月07日
  • 夏期限定トロピカルパフェ事件

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    ここまでいくか…という展開。アニメでも驚いたけれど、原作のクオリティあってこそ。短編と思いきや全部つながってる。早くその先が知りたい、とページをめくるスピードが上がった。

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    2025年07月06日
  • 秋期限定栗きんとん事件 上

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    おもしろいなー。アニメの緊迫感もすごかったけど、ぜんぶ見終えてから原作を読んでもちゃんと面白い。肩に力が入りまくりの瓜野、小鳩ちゃんのことけっきょくわかってない仲丸さん、別れたのにやっぱり最大の理解者同士である小鳩くんと小佐内さん。
    アニメが拾わなかった小さな謎解きもあったりしつつ、小市民的であろうとしながらどうしても謎解きに喜びを見出してしまう(そしてそれがとてもうまくできる)小鳩の自己嫌悪を照らしだしながら、やはりそういうふうに生きるしかないんだという自己理解へ向かっているように見える。

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    2025年07月05日
  • 冬期限定ボンボンショコラ事件

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    ネタバレ

    2025/07/04
    p.239
     車椅子のタイヤの固定が甘かったのだろうか。ぼくが座ろうとした瞬間、車椅子はわずかに後ろに下がった。
     椅子に座るつもりで腰を下ろし、寸前で椅子を引かれれば、誰でもろくに受身も取れずに倒れ込む。声にならない悲鳴が、喉の奥でくぐもる。心拍数が跳ねあがる。
     瞬間的な恐怖という尺度で言えば、車にはねられた時よりも怖かったかもしれない。けれど幸い、車椅子が動いたのはほんの少しだった。看護師さんがハンドルを握り、車椅子は止まって、ぼくは無事に座面に腰を下ろす。

    2025/07/21
    p.231
     見つめていてもサンデーが復活したりはしないという現実を受け入れたのか、

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    2025年07月04日
  • 夏期限定トロピカルパフェ事件

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    アニメ第一期の後半。前半がほのぼの日常系だっただけに、この夏期限定に入ってからの展開に驚愕したわけだけど、あらためて原作を読んでもやっぱり小佐内さんのキャラが強烈でとてもよかった。

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    2025年07月01日
  • 折れた竜骨 下

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    上巻とは違って盛り上がる場面がいくつもあり、最後の解決編も全く予想できない展開で非常に面白かった
    犯人を特定する場面でも一人ずつ除外できる理由を納得できる論理で述べていて、ファンタジーだから何とでもできるのではないかという疑いを覆してくれた
    唯一大変だったのは、中世時代の聞き慣れない登場人物の名前を覚えること...

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    2025年06月28日
  • あなたも名探偵

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    『伯林あげぱんの謎』は既読だったけれど、他は初読みでどれも楽しめた。

    前はアンソロジーって好みでない作品が必ずあったけれど、最近は本当におもしろい作品つめこみました!ってものが増えて嬉しい。

    ちなみに、どの作品も謎を解くことができなかった。
    それでも自分なりに推理して読むのはいいね。

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    2025年06月26日
  • 夏期限定トロピカルパフェ事件

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    ネタバレ

    小市民シリーズはひと通り読み終えていますが、
    アニメ化されたので再読中です。

    夏期限定は隙を見せて誘拐させて復讐する小山内さんの本性わ描いた作品かな?

    何度か読み返すとまた新しい理解があり楽しめると思います、

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    2025年06月21日
  • 秋期限定栗きんとん事件 上

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    前作の最後では小鳩くんと小佐内さんは袂をわかったため、今作は他の登場人物に焦点を当てた展開
    小鳩くんから見る小佐内さんの行動は普通の人だと気づかないやろうという気持ちで読んでたから、今回は小佐内さんの人を操る上手さを他人の視点から描いているのが面白かった
    上巻ではあまり行動の意味などが描かれてなかったから下巻が楽しみ

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    2025年06月10日
  • Iの悲劇

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    最近になってすっかりハマってしまった米澤穂信のノンシリーズ作品の一つが、本作『Iの悲劇』だ。往年の本格もののような雰囲気を匂わせるタイトルだが、このタイトルの”I”は「Iターン」のIである。過疎に悩む地方が、都会に住んでいる人間を呼び寄せる取り組みを行う……という、地方活性化施策の一つだ。

    本作は、限界集落となってしまい現在は無人となっている山間地域である蓑石への移住希望を推進する、「南はさま市Iターン支援推進プロジェクト」を舞台に、主人公たちの悲喜こもごもを描く短編集だ。このプロジェクトを推進するのは、通称「甦り課」に所属する主人公・万願寺と、彼の同僚・観山(かんざん)、そして上司の西野で

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    2025年06月08日