五十嵐律人のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
「新しい法律ができた。」という一文から始まる短編小説が25編載っています。
25人の書き手が、もしこんな新しい法律ができたら、という視点でお話を綴ります。
「新しい法律」ができた理由がそれぞれ興味深いです。
例えば、
・金子玲介さん「ルパちゃん」では、「少子化対策」のために「子どもがわりに人口知能を搭載したぬいぐるみを所持することを禁止する法律」ができます。
・日野瑛太郎さん「推し活制限法」では、「推し活にハマり過ぎて身を持ち崩す人が出た」ために「推し活への課金上限を制定する法律」ができます。
(わたしが、ぜひ読んでみたいと思っていた、くどうれいんさんの場合は、)
・くどうれいんさん「ショ -
Posted by ブクログ
新しい法律ができた、から始まる物語を色んな書き手が描く1冊。
新しい法律ができているわけだから、世界設定がSFっぽかったりディストピア感を感じるものがあったりして、楽しく読めた。
その他にも、ぞっとする物語、切なくなる物語、短い中でミステリーのような作りになっている物語…
叙述トリックが含まれているものや、ばかばかしいと思ってしまうような内容の法律が大真面目に取り扱われる物語など、本当に色んな味がする1冊。
なかでも殺人を罰する法律が"新しい"法律として制定される「もう、ディストピア」が特に良かった。
有り得ないはずの世界に説得力があって冷たい汗をかく。
「ルパちゃ -
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Posted by ブクログ
第62回メフィスト賞受賞作
そして筆者デビュー作
いわゆるリーガルミステリですが、これは、すごい。
法律用語目白押しで、ちょっと辛いですが、楽しめました。
事件が何も起きないで、どうなると思っていたら、いきなりの殺人事件とその真相という展開
まずは、ロースクールでの「無辜ゲーム」
ちょっとした模擬裁判ですが、これも大きな伏線になっています。
メインの登場人物は、法律家を目指す学生の清義、美鈴、そして無辜ゲームの審判者の馨。
清義と美鈴には何か共通の秘密があるのですが、前半では明かされません。
恋人同士?という感じでもなく、どういう関係かが気になります。
そして、美鈴への嫌がらせ
その犯人は? -
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Posted by ブクログ
ネタバレ第1部の「無辜ゲーム」で張られた伏線が、第2部の「法廷遊戯」で次々と回収されていく様には、読んでいて引き込まれるものがあった。
美鈴が黙秘し続けた理由、そしてその理由を清義にすら伝えなかった理由には驚かされ、またそれが馨の目的を達成するための最良の手段であったことを突きつけられたときには強い衝撃を受けた。
ただ瑣末な点かもしれないが、これが許されたら公判前整理手続の意味がないのではないか、とも感じた。裁判所としては実は犯行を記録したビデオカメラがあるから提示命令をかけてくれ、と言われたらそうせざるを得ないだろうし、そこに実際に殺人を否定する映像が入っていれば証拠採用せざるを得ないのかもしれない -
Posted by ブクログ
これが最後の仕事になる、の共通センテンスからスタートするショートアンソロジー。
ショートで色んな作家さんがかく中でインパクトを、となるとどうしてもドキッとするような内容に寄る。
そのなかで違う角度で楽しませてくれたのは
・半分では足りない/呉勝浩
→うぉぉーーー読み直したよ!
・闇バイト/柿原朋哉
→タイトルと違ってちょっとほっこり
・天岩戸の真実/高田崇史
→この作者さんテイスト満載
あとストーリー好きだったのは
・悪魔との契約/須藤古都離
→オチ!良き!
・魔法少女ミラクルミルキー/一穂ミチ
→ヒーローも魔法少女も辛い仕事。。。
・時効/米澤穂信
→この長さで収まる起承転結具合が秀逸! -
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