五十嵐律人のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
文庫版になって初めてこの本のことを知りました。
「これが最後の仕事になる」という一行の後は、各作家独自の世界が広がっています。
1編6ページなのでスキマ時間に読みやすく、飽きたらブックマークして、他のことをしながら読み進めることができます。飛ばし読み・つまみ食い読みもできます。
わたしは、病院の待合室で読んでいましたw
文章構成のお手本としてもオススメです。
オチがある作品は落ち着きます。オチだけにw
〔作品紹介・あらすじ〕
最初の1行は全員一緒。
1編6ページ、24種の「最後の仕事」。
早起きした朝、昼の休憩、眠れない夜ーー。
ここではないどこか、今ではないいつかへ、あなたを連れ出す7分半の物語。
著者一覧(掲載順)
小川哲
五十嵐律人
秋吉理香子
呉勝浩
宮内悠介
河村拓哉
桃野雑派
須藤古都離
方丈貴恵
白井智之
潮谷験
多崎礼
真下みこと
献鹿狸太朗
岸田奈美
夕木春央
柿原朋哉
真梨幸子
一穂ミチ
三上幸四郎
高田崇史
金子玲介
麻見和史
米澤穂信
『黒猫を飼い始めた』『嘘をついたのは、初めてだった』に続く、会員制読書倶楽部:Mephisto Readers Club(MRC)で配信(公開)された大人気ショートショート集第三弾。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ冷静に考えれば、お兄ちゃんは逮捕されても病院行って治療した方が彼のためになるなんて分かるのに、パニックになってとりあえず隠しちゃうところとか、自分たちでなんとかしようとする(なんとかできると思っちゃう)ところが、なんか10代の少年少女がやりそうなことでリアルだと思った。
著者は弁護士さんなんだね。こういうジャンルの話って「え、現実だったら絶対そんな流れにならないだろ」みたいな、無理矢理こじつけ感でガッカリしてしまうことが多いんだけど、弁護士さんだからか、ちゃんと法のところや捜査の部分の辻褄が合っていて、個人的にはスッキリ読み終えられた一冊だった。
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Posted by ブクログ
心霊×リーガルミステリー
…といっても、完全に非現実のファンタジー系ではなく、限りなくリアルに寄っていて、心霊要素を実に上手く混ぜ込んだミステリー。
死者の姿が視える検察官と弁護士が協力して、死者の死の真相に迫っていく。
罰せられるべき生者が裁きを受けない限り、死者は成仏できず現世に留まる。
死者がいる=死に至らしめた“犯人”がいて、まだ本当の意味で解決していない、ということ。
既に被告人がいて判決が決まっているのに、死者が成仏できない、というのは、真犯人が別にいるということを示す。
でも「死者が成仏していないから犯人は別にいる」なんて説明では当然受け入れられないので、納得を得るべく、検察官&弁護士のタッグが奔走する。
「真犯人が確実にいる」という答えがわかっているところから、逆算的に事実や証拠を追っていく形に新鮮さがある。
筆者の五十嵐律人さんは法学部卒で現役の弁護士でもいらっしゃるとか。
法律面の解説や、法曹界が抱える深刻な課題点なども丁寧に描かれていて、門外漢にもすっと入ってくる。
五十嵐さんのリーガルミステリー、他にもたくさんあるみたいなので、ほかの作品も読んでみようと思う。 -
Posted by ブクログ
いろんな切り口のミステリーの集まりで、ボリューム薄めなので、サクッと読みやすい。
誉田さんの『それはない』でスタートするのが良かった。こじれた話だけど、全体的に温かめのストーリー。
葉真中さんの『21グラム』のオバケが見える設定、荻堂さんの『コンカフェ探偵ロゼ』のオクスリオッケーな設定、といった、事件内容は現実的だけど、基本設定が異常、が良かった。
中山七里さんのミステリーを楽しみにしてたけど、私的にはミステリーというよりも、ヒューマンドラマを見ているような、このストーリーでは、脇役の善吉中心の温かいドラマにつながる“ゼロ”的な要素のストーリーな感じがして、とても良かった。この後佐知子さんと一緒になるのか気になる。 -
Posted by ブクログ
鏡沢高校は自由闊達という校訓を持ち、基本的に校則が存在しない。あらゆる選択において生徒の自主性が尊重され、服装や髪型は自由で、部活も委員会も加入義務もない。ただ無法地帯であることが許されているわけではなく、違法行為に対しては厳重な処罰が待っている。学校内には三十個を超える防犯カメラの目がある。違法は絶対に許さない。しかし一方で、この学校では適法ないじめが野放しになっている。週三回の透析治療を行いながら、鏡沢高校に通う和泉宏哉はその学校の在り方に違和感に抱き、時におかしな状況に対して行動に移していく中で、触れてはいけないものに触れてしまう……。
読みはじめた時と読み終わった時、見えている世界が180度違う小説が好きです。そして本書はまさに小説でした。他とはすこし違う雰囲気の高校で起こった事件と対峙することになった少年の(ちょっとダークな読み味ではあるけれど)青春学園ミステリという導入から一転して、中盤以降はまるで様相の異なる世界が広がっていくのですが、世界観が一変するだけでなく、そこから二転三転して、予想も付かないところへ連れて行かれる後半の展開も魅力的でした。
自分の信じていた足場は思いのほか大きく揺らいでいて、そしてそれは突然気付かされる。不確かな世界を確かな足取りで歩こうとした少年の想いがいつまでも心に残る傑作です。 -
Posted by ブクログ
タイトル『それはそれはよく燃えた』の1文から始まるショートショート集。
ネットの炎上、恋心、火事など、こんなものまで「燃える」のかと思える作家25人の25作を1冊の本で読めるのはとても贅沢。
でも後味は25作25様で、ほっこり甘いものもあれば苦々しいもの、ざらっと心地悪いものなど本当にさまざま。
クイズノックのファンなので河村拓哉さん目当てでこのシリーズを読み始めたが、矢樹純さん、三津田信三さんなど、このシリーズは毎回新しい作家さんと出会えて、読書の幅が広がって嬉しい
私は総じてホラーが好きなので、今回の『それはそれはよく燃えた』はぞくっとする話が多くて、とても好み。不穏で悲しくて残酷。年末年始たっぷり楽しめた