タイトルに一目惚れして購入。第62回メフィスト賞受賞作。
専門用語が多いにもかかわらずスラスラ読み進められ、映画化もしたそうで展開も面白い。冤罪、復讐、贖罪、貧困などについて考えさせられた。
今更ながら、法学部時代に模擬裁判をするゼミに入ればよかったとか、もっと授業に出て法律を勉強したかった、など
...続きを読むと思ってしまった。
あとはハンムラビ法典の同害報復が寛容の論理、という一説も興味深かった。
作者の他の作品も読んでいきたい。
余談だが第1回メフィスト賞受賞の森博嗣氏とのステイホーム対談(夢があってクールで面白かった)で、五十嵐氏が語った弁護士の仕事とAIの関係は考えたことがなかったので勉強になった。
『現在は法律事務所で修習中なのですが、弁護士に求められる技能のうち傾聴が占める割合の大きさに驚いています。なので、完璧な相槌を打つ聞き上手なAIが発明されない限り、弁護士は生き残れるはずです。とはいえ、法的な評価が求められる作業(養育費や慰謝料の算定、懲役や罰金の認定等)は、既に大量のデータが集積されており、いずれはAIの独壇場になる気がしています。』(森 博嗣 × 五十嵐律人 往復書簡 より抜粋)