五十嵐律人のレビュー一覧

  • だから捨ててと言ったのに

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    書き出しがすべて「だから捨ててと言ったのに」から始まるところで、もうなんか悪い予感しかないアンソロジー25編。
    同じお題でも作家さんによって毛色が違って、それが25人分も集まっているのがめちゃお得!
    とても短いのでサクサク読めるし、それぞれのオチにそれぞれ「あーあー」となりながら楽しみました。
    このシリーズは他もぜひ読みたい!

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    2026年10月09日
  • これが最後の仕事になる

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    書き出しの一文が同じで、これほど沢山の作家さんの話が読めるのは嬉しい!
    良かったな!と思った作品は小川さん、方丈さん、多崎さん、金子さん、米澤さんの5作品です。特に金子さんのは終わり方が良かった。

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    2026年09月24日
  • だから捨ててと言ったのに

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    ネタバレ

    ショート・ショートなので、一編が8ページくらい。その短い中で背景をぼかしつつも確信に迫る書き方してたりするものもあり、うまく咀嚼できないまま終わったものもあり、でも面白い短編集だった。

    始まりが不穏なので、大体不穏な話が多い中、最初から最後までハッピーに終わる「切れたミサンガ」が好き。
    人でも殺したんかと思いつつ、同じ格好ときたのでSFかと思ったら 笑

    安定のホラーの「こわくてキモくてかわいい、それ」も好き。
    それが不気味だけど、主人公が見下されてることに気付きながらも知らないふりして難を逃れてて、性格悪い私はざまみろと思ってしまった。

    「久闊を叙す」も良い。
    こんな形で、我が友李徴子を読むとは。新鮮な感覚だった。

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    2026年09月23日
  • それはそれはよく燃えた

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    積読チャンネルで紹介されていて手に取った一冊です。

    ショートショート集なので、少しずつ細切れに読めるのがよかったです。どの作品もそれぞれ面白かったのですが、なかでも米澤穂信さんの「燃えろ恋心」が圧倒的に好きでした。

    リズムもテンポもよく、一気に駆け抜けていくように読めて、最後のオチまできれいに決まっています。これはできれば、内容を何も知らずに読んでほしい作品です。

    特によかったのが、青春時代の「大人は自分たちのことをわかってくれない」「なんとなくこちらの味方ではない」という感覚の描き方でした。

    ラブレターを買ってから、実際に書くまでの過程もいいです。誰かに恋をしているというより、恋をしている自分ごと、恋そのものに精一杯恋をしているような書きぶりがとても素敵な文章でした。

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    2026年09月11日
  • だから捨ててと言ったのに

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    ネタバレ

    河村拓哉さんの『ミックス』が好き。Youtuberさんだとは知らなかった。このシリーズは書き手との出会いがやっぱり楽しい。

    累犯家族
    重政の電池
    その。をよく見ろ
    海に還る
    猟妻
    擲たれた手紙

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    2026年09月05日
  • 法廷遊戯

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    ネタバレ

    難しい法律用語が出てくるのに、すらすら読めた。法廷の場面には緊張感があり、ミステリーがあまり得意ではないが面白かった。
    一番残ったのは、「罰を受け入れる道」と「罪と向き合う道」は同じではない、ということ。
    美鈴と清義の罪を制裁すべきなのか。罪をなかったことにはできない。でも、二人が背負ってきたものを知るほど、どうしても罰してほしくないと思ってしまった。「罪には罰を」という正義が少し嫌いになるくらい、結論が出ない。
    裁判は終わったのに、罪の問題は終わっていない。その終わり方が悲しかった。
    リーガルミステリーでありながら、最後に残るのは法律を超えた問題だった。それでいて人情ものとして簡単にまとめないところが素晴らしいと思う。弁護士だからこそ、法律のできることとできないことの境界を書けたのではないかと思う。法廷そのものを「遊戯」にしてしまった、本当に新しいミステリーだった。
    ただ、台詞回しは気になるところもあった。特に馨の台詞は丁寧すぎて不自然だったり、少し説明的で冗長に感じた。編集者仕事しろと思った。
    それでも、読み終わったあとに残ったのはトリックよりも、罪を裁くことと、罪に向き合うことは同じなのか、という問いであった。

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    2026年08月22日
  • 法廷遊戯

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    法廷での緊張感あるやり取りと、法律という制約条件をハックしながら緻密にロジックを組み立てていく展開が面白い。本当の法廷がどんな感じかは分からないが、この作品の中では証言や証拠を積み上げて「心証」を形成していくロジックゲームなのだということがよく分かり引き込まれる。

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    2026年08月18日
  • 密室法典

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    ネタバレ

    よくありがちな大学生が校内の問題を解決するお話に法律要素が加わったような構成になっている。
    差別化ポイントは法律要素と法律担当と推理担当が別になっているとこであろうか。
    私は法律要素が存在するだけでそこそこ楽しめてしまうので、気軽に読める良い作品という印象。
    ちゃんと真相究明されない話も多いため、そういうのが嫌いな人にはあわないかもしれない。
    本巻で無法律の面々がそれぞれの道を歩み始めるような描写があり、今後の展開に期待したいところ。

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    2026年08月15日
  • ミステリアンソロジー 騙す

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    好き嫌いが分かれるかもしれないです。
    読んでてこの作家さんの話は好きだけどこの作家さんは微妙だなと思う所が正直ありました。
    「騙す」ということに着眼点を置いているので、集中して読みたいと思えました。

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    2026年08月15日
  • 法廷遊戯

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    やっぱり五十嵐律人さんのリーガルステリー大好き!!不可逆少年から入り、魔女の原罪、原因において自由な物語も読み、他のも読みたかったのでこちらのデビュー作?一番初期の作品を読みました。難しいところももちろんあるんだけど、それでも読むのをやめたくないほどの面白さでした。単なるミステリーではなく、法律知識もつくし、ヒューマンドラマとしても楽しめる。次は、幻告、真夜中法律事務所も読みたいです!

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    2026年08月12日
  • 原因において自由な物語

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    なんだか不意に自分の学生時代を思い出してみたり。たいした思い出はないけど、あの時の日々(過程)ってのはわたしのものと思ってる。じゃあ読むなよって話になりかねないけど、そーゆー矛盾も孕んで人間。痛かったなぁ。

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    2026年08月11日
  • それはそれはよく燃えた

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    読後感の詰め合わせのような1冊。
    多くの作家によるショートショートのため、1本1本が短く読みやすいのはもちろん、普段読まないジャンルにも出会える。ひとつ読み終わったときに爽快な気分になるものもあれば、ザワッとしたり、苦く残ったりもするのが良い。
    そして短いからこそ、好きな気分も苦手な気分もサラッと通り過ぎていくのがまた良い。

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    2026年08月08日
  • 法廷遊戯

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    ネタバレ

    タイトルと内容が噛み合っていないような気がするのは自分だけだろうか
    いや、内容は面白いし、タイトルもいいタイトルとは思うんだけどね

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    2026年08月08日
  • 密室法典

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    続きが気になってたので続編嬉しいです!

    ミステリー感強めでした。
    エピローグがあれなら続編ありますよね…??

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    2026年08月06日
  • 密室法典

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    無法律シリーズの2冊目。密室あり、遺産相続あり、毒混入問題ありとバラエティに富んだ短編集でした。無法律のメンバーそれぞれが進路を模索しており、シリーズが進めば、いずれ皆バラバラになっていきそう。今後どうなるんでしょうか。

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    2026年08月04日
  • 六法推理

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    感情理解が苦手な法律マシーンの古城と閃きの天才古賀の補い合うことで完成する推理が気持ちいいです!
    連作短編なのでいろんな法律事例が見れて、かと言って難しすぎない。面白くて久々に一気読みしました!
    読んでるうちに、「法律って面白いかもしれない」とすら思わせてくるミステリーってなかなかないと思います。大学内のゼミ設定なのでライトさもあり、始めてリーガルミステリー読む人には絶対おすすめです。

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    2026年07月15日
  • 魔女の原罪

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    ネタバレ

    重い。とてもやるせない。
    息子を信じてあげられたら、と思うけど、元旦那の裏の顔に全く気が付かずに生活していたことを思えば、自分の見る目なんか信じられなくなるだろうとも思う。実際元旦那の親だって気づいていなかったんだから。
    こういう街があることは、救いになるのかな。

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    2026年06月27日
  • 六法推理 (1)

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    2026/03/04新刊案内で気になった『六法推理』(五十嵐律人,如月香花)。

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    【内容】
    大学内で無料法律相談所を営む古城は、通称“血も涙もない法律マシーン”。法曹一家のサラブレッドである彼のもとに、戸賀が持ち込んだのは、「下宿先に起きる怪奇現象の正体の解明」という依頼だった。
    事件を「事故物件の規制」から切りこんでいく古城だったが、調査を進めるうちに、意外な事件の真相が浮き彫りになっていき――。
    理詰めの天才・古城と、閃きの天才・戸賀。正反対のコンビが贈る、痛快&新感覚のリーガル・ミステリー、待望のコミカライズ!

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    主人公コンビの中身は違えど、2人とも確実に頭の回転が速くて、

    話が進む度に「えーっと、これがこうなって……」と戻ったりの繰り返しよw

    でも勉強なる。

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    2026年06月11日
  • 法廷遊戯

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    ネタバレ

    ちょっと!何回ちゃぶ台返しするのよ!卓上の夕飯がぐしゃぐしゃじゃない!

    最近のメフィスト賞は構成が丁寧でとにかく読みやすい。
    新しい形のエンタメ小説。しかし本作は法廷もので大分メジャーな内容になっている。

    個人的に特筆したいのは時系列と再利用

    まずは時系列。法廷物といったら大人の弁護士、裁判官、検察官が戦う。ロースクールを描いた作品でさえ合格までを描くストリートなのに本作はロースクールから弁護士でもっと言えばロースクールで起きた事件が主人公が大人になって、弁護士として戦う。読む側は楽だが、書く側は大分負担がかかる。それを可能にしたのが弁護士バッジを持っている作者さんの能力なんじゃないかとも思える。

    そして再利用。痴漢冤罪の内容をまずサクの話で伏線を用意、そして美玲の過去へ持っていく。つまり、ここテストに出ますよって言って出してくれる優しい先生みたいな感じ。
    他にも権田さんがいたのは墓場。そしてUSBメモリが見つかる場所も墓場。
    つまるところ、核心に迫るもの以外で余計な情報を使わず再利用している。これが読者側のストレスを軽減している仕組みだと思う。

    同時に起こる裁判や過去回想も相まって退屈する暇がない。素晴らしい作品だと思います!
    あっぱれ!

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    2026年06月03日
  • 魔女の原罪

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    校則のない高校と、その街に隠されたしきたりのお話

    かつては鏡沢ニュータウンとして栄えた郊外の鏡沢町
    急激な人口減の対応策として、補助金制度などで移住者を優遇し多少は盛り返した
    しかし、昔から住んでいた住民と移住者との間には確執ができた

    そんな街にある鏡沢高校
    校則がなく、法律が絶対視される
    学校内には監視カメラが多数設置されている

    法律に反しない限り処罰は受けない環境では、罪を犯した者に対しては関わりを絶つという「無視」が正当化される

    その理不尽な状況に抗おうとする主人公の宏哉
    だが、その仕打ちは自らにも降りかかり
    そして、親しい友人が遺体として発見される事件と、その事件の容疑で母も逮捕されるという展開
    果たして、母は何をしたのか?街の住人たちが秘密にしている事とは?なリーガル・サスペンス



    監視されているかのような学校
    主人公が知らない街の秘密
    血を抜き取られた少女の変死体
    魔女の影に怯える大人達
    母親の行動への疑い
    自らの出自の秘密

    事件の真相と共に浮かび上がる、街の不自然さと異常さ

    現代に成立する因習村ですねぇ



    不作為を罰する法は作りにくいとは言うのは納得
    ただ、善管注意義務が生じるような場合は不作為も罪になり得る
    管理責任が発生するのであれば、見逃しは罪ですからね
    なので、高校のコンセプトも場合によっては罪になり得ると思うのだけど

    でもまぁ、無視だけで済むのであればいい方じゃね?とも思ってしまう


    ってか、現代に成立しうる因習村ニュータウン
    住宅補助アリ
    しきたりアリ
    儀式アリ
    しきたりを破った者は村八分か、村から追放

    実際にこんな街が成立しうるか?
    でもまぁ、「魔女」家族にとっては隠れ里みたいなものなので
    ある意味で救済であり、安息の地なのかもしれないなぁ

    魔女は生まれ持って悪人であると見なされる存在

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    「魔法使いと魔女の違いを知ってる?
    魔法使いは、どのように魔力を行使したかによって善か悪かが決する。しかし魔女は、悪魔と結託して神を裏切った時点で、悪であることが確定するの」
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    この物語だと正確に表現するなら、魔女の子、もしくは悪魔の子が魔女
    だろうか



    総じて、登場人物のどいつもこいつも、ぶっとんだ思考の持ち主ばかりだな
    街の住人然り、母親然り、それを許容する父親も然り
    そもそも、父親も傷害罪か医療的な何かの法律に抵触すると思うのだけど

    この後、宏哉くんがどう育ったのかが一番気になるところですね

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    法律が絶対視される学校生活、魔女の影に怯える大人、血を抜き取られた少女の変死体。
    一連の事件の真相と共に、街に隠された秘密が浮かび上がる。

    僕(宏哉)と杏梨は、週に3回クリニックで人工透析治療を受けなければならない。そうしないと生命を維持できないからだ。ベッドを並べて透析を受ける時間は暇で、ぼくらは学校の噂話をして時間を潰す。

    僕らの通う鏡沢高校には校則がない。ただし、入学式のときに生徒手帳とともに分厚い六法を受け取る。校内のいたるところには監視カメラが設置されてもいる。
    髪色も服装も自由だし、タピオカミルクティーを持ち込んだって誰にも何も言われない。すべてが個人の自由だけれども、〝法律〟だけは犯してはいけないのだ。

    一見奇妙に見えるかもしれないが、僕らにとってはいたって普通のことだ。しかし、ある変死事件をきっかけに、鏡沢高校、そして僕らが住む街の秘密が暴かれていく――。

    『法廷遊戯』が映画化され注目を集める現役弁護士作家の特殊設定リーガルミステリー。
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    2026年06月02日