五十嵐律人のレビュー一覧
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ネタバレショート・ショートなので、一編が8ページくらい。その短い中で背景をぼかしつつも確信に迫る書き方してたりするものもあり、うまく咀嚼できないまま終わったものもあり、でも面白い短編集だった。
始まりが不穏なので、大体不穏な話が多い中、最初から最後までハッピーに終わる「切れたミサンガ」が好き。
人でも殺したんかと思いつつ、同じ格好ときたのでSFかと思ったら 笑
安定のホラーの「こわくてキモくてかわいい、それ」も好き。
それが不気味だけど、主人公が見下されてることに気付きながらも知らないふりして難を逃れてて、性格悪い私はざまみろと思ってしまった。
「久闊を叙す」も良い。
こんな形で、我が友李徴子を読むとは。新鮮な感覚だった。 -
Posted by ブクログ
積読チャンネルで紹介されていて手に取った一冊です。
ショートショート集なので、少しずつ細切れに読めるのがよかったです。どの作品もそれぞれ面白かったのですが、なかでも米澤穂信さんの「燃えろ恋心」が圧倒的に好きでした。
リズムもテンポもよく、一気に駆け抜けていくように読めて、最後のオチまできれいに決まっています。これはできれば、内容を何も知らずに読んでほしい作品です。
特によかったのが、青春時代の「大人は自分たちのことをわかってくれない」「なんとなくこちらの味方ではない」という感覚の描き方でした。
ラブレターを買ってから、実際に書くまでの過程もいいです。誰かに恋をしているというより、恋をしている自分ごと、恋そのものに精一杯恋をしているような書きぶりがとても素敵な文章でした。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ難しい法律用語が出てくるのに、すらすら読めた。法廷の場面には緊張感があり、ミステリーがあまり得意ではないが面白かった。
一番残ったのは、「罰を受け入れる道」と「罪と向き合う道」は同じではない、ということ。
美鈴と清義の罪を制裁すべきなのか。罪をなかったことにはできない。でも、二人が背負ってきたものを知るほど、どうしても罰してほしくないと思ってしまった。「罪には罰を」という正義が少し嫌いになるくらい、結論が出ない。
裁判は終わったのに、罪の問題は終わっていない。その終わり方が悲しかった。
リーガルミステリーでありながら、最後に残るのは法律を超えた問題だった。それでいて人情ものとして簡単にまとめないところが素晴らしいと思う。弁護士だからこそ、法律のできることとできないことの境界を書けたのではないかと思う。法廷そのものを「遊戯」にしてしまった、本当に新しいミステリーだった。
ただ、台詞回しは気になるところもあった。特に馨の台詞は丁寧すぎて不自然だったり、少し説明的で冗長に感じた。編集者仕事しろと思った。
それでも、読み終わったあとに残ったのはトリックよりも、罪を裁くことと、罪に向き合うことは同じなのか、という問いであった。 -
Posted by ブクログ
2026/03/04新刊案内で気になった『六法推理』(五十嵐律人,如月香花)。
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【内容】
大学内で無料法律相談所を営む古城は、通称“血も涙もない法律マシーン”。法曹一家のサラブレッドである彼のもとに、戸賀が持ち込んだのは、「下宿先に起きる怪奇現象の正体の解明」という依頼だった。
事件を「事故物件の規制」から切りこんでいく古城だったが、調査を進めるうちに、意外な事件の真相が浮き彫りになっていき――。
理詰めの天才・古城と、閃きの天才・戸賀。正反対のコンビが贈る、痛快&新感覚のリーガル・ミステリー、待望のコミカライズ!
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主人公コンビの中身は違えど、2人とも確実に頭の回転が速くて、
話が進む度に「えーっと、これがこうなって……」と戻ったりの繰り返しよw
でも勉強なる。 -
Posted by ブクログ
ネタバレちょっと!何回ちゃぶ台返しするのよ!卓上の夕飯がぐしゃぐしゃじゃない!
最近のメフィスト賞は構成が丁寧でとにかく読みやすい。
新しい形のエンタメ小説。しかし本作は法廷もので大分メジャーな内容になっている。
個人的に特筆したいのは時系列と再利用
まずは時系列。法廷物といったら大人の弁護士、裁判官、検察官が戦う。ロースクールを描いた作品でさえ合格までを描くストリートなのに本作はロースクールから弁護士でもっと言えばロースクールで起きた事件が主人公が大人になって、弁護士として戦う。読む側は楽だが、書く側は大分負担がかかる。それを可能にしたのが弁護士バッジを持っている作者さんの能力なんじゃないかとも思える。
そして再利用。痴漢冤罪の内容をまずサクの話で伏線を用意、そして美玲の過去へ持っていく。つまり、ここテストに出ますよって言って出してくれる優しい先生みたいな感じ。
他にも権田さんがいたのは墓場。そしてUSBメモリが見つかる場所も墓場。
つまるところ、核心に迫るもの以外で余計な情報を使わず再利用している。これが読者側のストレスを軽減している仕組みだと思う。
同時に起こる裁判や過去回想も相まって退屈する暇がない。素晴らしい作品だと思います!
あっぱれ! -
Posted by ブクログ
校則のない高校と、その街に隠されたしきたりのお話
かつては鏡沢ニュータウンとして栄えた郊外の鏡沢町
急激な人口減の対応策として、補助金制度などで移住者を優遇し多少は盛り返した
しかし、昔から住んでいた住民と移住者との間には確執ができた
そんな街にある鏡沢高校
校則がなく、法律が絶対視される
学校内には監視カメラが多数設置されている
法律に反しない限り処罰は受けない環境では、罪を犯した者に対しては関わりを絶つという「無視」が正当化される
その理不尽な状況に抗おうとする主人公の宏哉
だが、その仕打ちは自らにも降りかかり
そして、親しい友人が遺体として発見される事件と、その事件の容疑で母も逮捕されるという展開
果たして、母は何をしたのか?街の住人たちが秘密にしている事とは?なリーガル・サスペンス
監視されているかのような学校
主人公が知らない街の秘密
血を抜き取られた少女の変死体
魔女の影に怯える大人達
母親の行動への疑い
自らの出自の秘密
事件の真相と共に浮かび上がる、街の不自然さと異常さ
現代に成立する因習村ですねぇ
不作為を罰する法は作りにくいとは言うのは納得
ただ、善管注意義務が生じるような場合は不作為も罪になり得る
管理責任が発生するのであれば、見逃しは罪ですからね
なので、高校のコンセプトも場合によっては罪になり得ると思うのだけど
でもまぁ、無視だけで済むのであればいい方じゃね?とも思ってしまう
ってか、現代に成立しうる因習村ニュータウン
住宅補助アリ
しきたりアリ
儀式アリ
しきたりを破った者は村八分か、村から追放
実際にこんな街が成立しうるか?
でもまぁ、「魔女」家族にとっては隠れ里みたいなものなので
ある意味で救済であり、安息の地なのかもしれないなぁ
魔女は生まれ持って悪人であると見なされる存在
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「魔法使いと魔女の違いを知ってる?
魔法使いは、どのように魔力を行使したかによって善か悪かが決する。しかし魔女は、悪魔と結託して神を裏切った時点で、悪であることが確定するの」
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この物語だと正確に表現するなら、魔女の子、もしくは悪魔の子が魔女
だろうか
総じて、登場人物のどいつもこいつも、ぶっとんだ思考の持ち主ばかりだな
街の住人然り、母親然り、それを許容する父親も然り
そもそも、父親も傷害罪か医療的な何かの法律に抵触すると思うのだけど
この後、宏哉くんがどう育ったのかが一番気になるところですね
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法律が絶対視される学校生活、魔女の影に怯える大人、血を抜き取られた少女の変死体。
一連の事件の真相と共に、街に隠された秘密が浮かび上がる。
僕(宏哉)と杏梨は、週に3回クリニックで人工透析治療を受けなければならない。そうしないと生命を維持できないからだ。ベッドを並べて透析を受ける時間は暇で、ぼくらは学校の噂話をして時間を潰す。
僕らの通う鏡沢高校には校則がない。ただし、入学式のときに生徒手帳とともに分厚い六法を受け取る。校内のいたるところには監視カメラが設置されてもいる。
髪色も服装も自由だし、タピオカミルクティーを持ち込んだって誰にも何も言われない。すべてが個人の自由だけれども、〝法律〟だけは犯してはいけないのだ。
一見奇妙に見えるかもしれないが、僕らにとってはいたって普通のことだ。しかし、ある変死事件をきっかけに、鏡沢高校、そして僕らが住む街の秘密が暴かれていく――。
『法廷遊戯』が映画化され注目を集める現役弁護士作家の特殊設定リーガルミステリー。
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