満州作品一覧

  • 復刻保存版 FRONT Ⅰ 海軍号・満州国建設号・空軍(航空戦力)号
    続巻入荷
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    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 第二次世界大戦時、プロパガンダのために制作されたグラフ誌「FRONT」。デザイン史に輝く圧倒的グラフィックが全3巻で蘇る。
  • 満州国演義(一~九)合本版(新潮文庫)
    5.0
    霊南坂の名家に生を受けた敷島四兄弟は、異なる道を歩んだ。奉天総領事館に勤務する外交官、太郎。満州で馬賊を率いる、次郎。関東軍の策謀に関わる陸軍少尉、三郎。左翼思想に共鳴する早大生、四郎。昭和三年六月、奉天近郊で張作霖が謀殺された。そして時代の激流は彼ら四人を呑みこんでゆく。「王道楽土」満州国を主舞台に、日本と戦争を描き切る、著者畢生(ひっせい)の大河オデッセイ。 ※当電子版は新潮文庫版『満州国演義』一~九巻をまとめた合本版です。
  • 先代旧事本紀 現代語訳
    5.0
    1巻7,480円 (税込)
    『先代旧事本紀』(十巻)は、『古事記』・『日本書紀』と並ぶ三大通史書のひとつである。自然や祭祀と密接な古代人の精神文化を背景に、物部氏の立場から日本古代を通史的に記す。最も古いとされる卜部兼永の写本(天理図書館蔵・国重要無形文化財)の現代語訳に詳細な註記を付して、謎多き古代史の実相を解き明かす研究者必読文献。 ●目次 先代旧事本紀の序 先代旧事本紀 巻第一 先代旧事本紀 巻第二―神祇本紀(天つ神と国つ神) 先代旧事本紀 巻第三―天神本紀 先代旧事本紀 巻第四―地祇本紀 先代旧事本紀 巻第五―天孫本紀 先代旧事本紀 巻第六―皇孫本紀または天孫と申し上げる 先代旧事本紀 巻第七―天皇本紀上 先代旧事本紀 巻第八―神皇本紀 先代旧事本紀 巻第九―帝皇本紀 先代旧事本紀 巻第十―国造本紀 安本/美典 1934年、中国東北(旧満州)に生まれる。京都大学文学部を卒業。文学博士。産業能率大学教授を経て、雑誌『季刊邪馬台国』(梓書院発行)編集責任者 志村/裕子 1959年、千葉県に生まれる。青山学院大学文学部日本文学科を卒業。日本鋼管(現JFEスチール)(株)を経て、邪馬台国の会・カルチャーセンターを通じ古代史を探究する(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

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  • 日本陸軍と大陸政策 新装版 1906–1918年
    -
    1巻6,820円 (税込)
    日露戦争後から第一次世界大戦末にかけて、陸軍が独立した政治勢力として登場する過程を解明する。大陸政策、満州経営政策をめぐる対立、陸軍内部の権力状況に光をあて、政党政治確立過程における藩閥と政党の対抗=提携関係の中に位置づけた名著、待望の復刊。全て新しく組み直し、「復刊によせて」を付す。 【主要目次】 はじめに 第一章 日露戦後における大陸政策と陸軍 序 説 明治四〇年帝国国防方針の成立 第一節 満州権益確立過程における陸軍 第二節 桂園時代における陸軍 第二章 明治末・大正初期における大陸政策と陸軍 第一節 満州権益確立後における大陸政策の模索 第二節 大正政変期における陸軍 第三章 大戦期における大陸政策と陸軍 第一節 積極的大陸政策の諸類型とその帰結 第二節 長州閥陸軍の変容過程 おわりに 地図 関係年表 資料および文献について あとがき 復刊によせて
  • 「無策大道」を往く
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    弁護士・政治家、そして理想を抱き満州国へ――。日本が戦争に突入していく時代、奉天で客死した“肥後モッコス”の苛烈なる五十七年の生涯を、祖父への秘めた思いとともにたどる。令之の長男・岑雄の手記「我が中国の青春―一兵士の記録より」を一部併録。
  • EST! カクテルブック
    3.0
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 【内容紹介】 東京は湯島、繁華な大通りから路地裏へ。スナックや焼鳥店など小体な店が連なる小路に「EST!」はある。重い扉を開けた先に広がる褐色の異世界。カウンターの真ん中で、白いバーコートを着たマスターの渡辺昭男さんが迎えてくれる。 バーを開いたのは1973年のこと。渡辺さんは1934年生まれ。日本のバーの黎明期を支え、真摯にカクテルを追求してきたバーテンダーだ。 「EST!」は、ラテン語の「ある」からきている。「酒の生き神様」として知られた農芸化学者の坂口謹一郎博士が名付け親で、もとになったのはとあるイタリアの昔話―酒好きの司祭が旅をしたときのこと、先発隊の従者によい酒のある宿屋の壁に「EST!」と印をつけるように命じた。従者はローマ近郊の宿の酒が格別だったので「EST!」を三つ書き残したという。「EST!」の看板にも「EST!EST!!EST!!!」とある。 つまり店名は、ここには素晴らしい酒が「ある!」ことを意味している。 渡辺さんの二人の息子もバーテンダーになった。長男の憲賢さんは新橋の「Bar Atrium en」のオーナーバーテンダーとして腕を振るい、次男の宗憲さんは自身のバー「Bar Atrium」を営みながら「EST!」のカウンターにも立っている。 渡辺さんにバーテンダーとしてのモットーを訊ねたことがある。渡辺さんは白いメモ用紙にさらさらと綴った。刹那、「あっ」とつぶやくと、メモ用紙に「お」と「様」を書き足した。「たいへん失礼しました。『お客様』でした」。そう言って差し出されたメモにはこう記されていた。 「お客様の心で主せよ」 【著者紹介】 [著]渡辺 昭男(わたなべ・あきお) 1934年8月5日、奉天(旧満州/現在の中国・瀋陽)で生まれる。父は満州鉄道の駅長を務めていた。1945年、終戦により11歳の時に父親の故郷である佐賀県唐津に引き揚げる。高校卒業後の1953年、薬剤師を目指して上京。「トリスバー」でのアルバイトをきっかけにバーの世界へ。銀座「静」(現在は閉店)に移り、棚にぎっしりと並んだ洋酒に強い衝撃と憧れを抱いたという。1年ほど働いた後、湯島の「琥珀」へ。18年の研鑽を積み、1973年「EST!」を開店する。 [著]渡辺 憲賢(わたなべ・のりたか) 1966年7月19日、渡辺昭男の長男として生まれる。1990年、大学卒業と同時に大手町「パレスホテル」に入社。「ロイヤルバー」などでバーテンダーとして働く。1994年、開業したばかりの恵比寿「ウエスティンホテル東京」へ。2003年、新橋に兄弟で「Bar Atrium」をオープンする。その後、ビルの取り壊しのために閉店を余儀なくされ、新たに新橋で「Bar Atrium en」を開店。2014年には、新橋で「Bar Caelum」をオープン。オーナーバーテンダーとして2店舗を切り盛りする。 [著]渡辺 宗憲(わたなべ・むねのり) 1970年3月15日、渡辺昭男の次男として生まれる。1988年、高校卒業後に札幌「バー やまざき」へ。1990年に帰京。「ジガーバー」「日比谷バー」を経て、1995年に友人と新橋に「Bar Atrium」を開店。2003年、店名はそのままに兄と一緒に独立を果たす。その後、移転。現在も新橋にて「Bar Atrium」を営む。2014年、父の入院を機に、兄と「EST!」のカウンターに立つ。父が復帰後も支える。2016年、父が圧迫性骨折で再び入院。今日まで「EST!」を守り続けている。 【目次抜粋】 「EST!」のこと。 グラスのこと、フレッシュフルーツジュースのこと、氷のこと。 三枝静代さん(「木村硝子店」デザイナー)が語る「EST!」のこと。 栗林幸吉さん(「目白田中屋」店主)が語る「EST!」のこと。 成田美歌子さん(「バー 街路」バーテンダー)が語る「EST!」のこと。 「EST!」の定休日のこと。 親子3人で話す「EST!」のこと。渡辺昭男 渡辺憲賢 渡辺宗憲
  • 戦時下女学生の軍事教練 女子通信手と「身体の兵士化」
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    1巻3,740円 (税込)
    戦前、女子の中等教育を担った高等女学校(高女)は「良妻賢母」の再生産の場とみなされてきた。しかし、満州事変から始まった15年戦争下(1931-45年)では軍人を指導教員に招聘して竹槍訓練・匍匐訓練、さらには銃や木銃を使った射撃訓練を含む教練を実施したり、生徒を地域の軍隊に短期入営させて軍人に教練指導を委託したりという高女もあり、身体を「兵士化」する訓練が日常化していった。 そうした軍事教練の実態を、関東地方を中心に5つの公立高女の卒業生を対象にした聞き取り調査から探り、高女の変容の要因を分析する。 同時に、女性の戦時動員のなかでも空白部分の女性軍属、とりわけ女性通信手に光を当てる。部隊や県庁への防空警報などの連絡係、敵機からの防衛を担う情報係、海上の船舶などからの略号による無線航空情報を翻訳する係、軍隊の機密を知ることができる任務などの軍属としての女性の正規軍への参入の内実を、北海道札幌と愛知県名古屋の軍隊に通信隊員として採用された高女卒業生への聞き取り調査から解明する。 高女での軍事教練と女性の通信隊員の歴史から、戦時下の女性の動員の実態を浮き彫りにする貴重な成果。
  • 異族
    NEW
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    空手道場に集まった胸に同じ形の青あざがある頑強な三人の男たち、路地に生まれたタツヤ、在日韓国人二世のシム、アイヌモシリのウタリ。そのアザの形に旧満州の地図を重ね見た右翼の大物フィクサー槙野原は三勇士による満州国の再建を説く。日本の共同体のなかにひそむうめき声を路地の神話に書きつづけた中上健次が新しい跳躍を目指しながらも、「群像」連載中急逝し、未完に終わった傑作大長篇小説。死してなお生き、未完ゆえに無限増殖する壮大なる中上サーガ。
  • 日独伊三国同盟の虚構
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    1巻3,410円 (税込)
    日本の進路を誤らせた実態のない同盟の虚構を暴く! 全くの無駄で、効果をも持ちえなかった軍事・経済相互援助同盟は、 日独それぞれが、短絡的な都合のもとに勝手な解釈を繰り返しただけで、 実質を伴わないまま成立したものだった。 日本側の状況を見るなら、その同盟の成立にあたって、陸軍や一部外交官 が独走し、それに同調する軍人・官僚・政治家を自らの無責任体制が支え維持し、 意思疎通不足、情報不足と情報解釈の誤りが、事態を更に硬直化させること となった。 当時の政治指導者達は、客観的な情勢判断の欠如から、決定的に判断を誤り、 人民を戦争に導いただけなのであった。 本書は、これまで、日本の史料に基づくものが多かった三国同盟に関する研究 とは一線を画し、ドイツにて公開された最新の資料までをも取り込んで追及し、 この同盟が、まったくの「幻の」同盟であった実態を明らかにし、 現代の情報化時代における外交問題に示唆を与えようと試みるものである。 本書の目的と構成 プロローグ (「演出された日々」 /日ソ関係/松岡の場合──ドイツへの傾斜 /僥倖頼りの発想/過去と現在  ほか) 第一章 ナチスドイツの登場(日独防共協定への途/戦勝国と敗戦国 /巧妙な再軍備化/赤軍との共同演習/リッベントロップ) 第二章 日独の接近と日独防共協定(大島 ─ リッベントロップの秘密交渉 /大島独断専行の容認 /人事配置/協定初発の事情) 第三章 親英米派と親独派(ドイツ重視の伝統 / リットン調査団のドイツ人/親独派の典型・大島浩/親英米派の抵抗 ほか) 第四章 ナチスドイツの対日工作(オイゲン・オット/秩父宮訪独 /電報に見える日独関係 /ヒトラー参り/満州国承認 ほか) 第五章 防共協定の強化(ドイツの用意周到/張鼓峰事件 /山本五十六の反対論 /錯綜する論議 /五相会議での決定 ほか) 第六章 日独関係の背景──日本側の事情(軍事技術の導入 /統制経済への傾斜/中国大陸での経済関係/日独文化交流の進展) 第七章 反ソから軍事経済同盟へ(日本外交の弱み/リッベントロップの電報 /日本の曖昧、ドイツの一枚岩/追い込まれ行く日本) 第八章 独ソ関係の実像と日本の対応(経済協力の進展 /スターリンの老獪さ/独伊の切り札、汪兆銘承認問題 /親独政権への展望) 第九章 太平洋戦争への道(日本の南進/独ソ決裂/松岡洋右 /親英米派の抵抗/なしくずしの傾斜/バルバロッサ作戦の開始 第十章 日独連携の真実(空虚な期待/「勝手読み」の横行 /独日経済委員会/カール・ツァイスの製品輸入/画餅としての日独協力) 補論1信州人の満州植民問題(1 はじめに/2 満州へ、満州へ! /3 満蒙青少年義勇軍/4 ある村長の記録/5 県政トップの考察 ) 補論2 トラウトマン工作:歴史は繰り返すのか ──ロシアのウクライナ侵攻(2022)と重ねて考える
  • もし世界が1つのクラスだったら 【2冊合本版】
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    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 主人公は高校生の日本くん、アメリカは番長、イギリスは学級委員、ロシアは…!? 難解な世界史や日本史が、国が擬人化した高校生たちによる学園バトル漫画になって、勝手に頭に入ってくる! 勉強感ゼロの「ビジネス教養マンガ」 社会人も学生も必読! 絶対知っておきたい「世界の力関係(パワーバランス)」と「日本の立ち位置」 あの戦争の原因もよくわかる! <収録作品> ・もし世界が1つのクラスだったら 上 日本開国編 ・もし世界が1つのクラスだったら 下 第二次世界大戦編 ・なぜロシアはウクライナに侵攻するのか? ・イギリスが日本と同盟を結んだ本当の理由 ・なぜアメリカが第二次世界大戦に賛成したのか? ・イギリスが恐れたドイツの経済力とは? ・マルクス主義とロシア革命はちょっと違う? ・ヒトラーとケインズ経済学の関係 ・世界恐慌でソ連が秘密にしていたこととは? ・満州事変に熱狂した当時の日本国民
  • 明夷待訪録
    完結
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    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 満州族のためにあえなく崩壊した明朝の遺臣だった著者は,二朝に仕えることを潔しとせず,山野に隠遁して切々と民意を訴える。中国のルソーとよばれる人物による特異な思想の書。
  • 三宅雪嶺 異例の哲学
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    三宅雪嶺は「明治維新後」の思想を代表する。三宅雪嶺は1860年生まれ、1945年没。明治維新から第二次大戦までを生きた哲学者、歴史家、ジャーナリスト。「国粋主義」を標榜した言論雑誌「日本人」の創刊で知られ、『真善美日本人』『偽悪醜日本人』ほか膨大な著作を残した。雪嶺の「国粋保存」は保守反動思想ではない。雪嶺の哲学は、旧物保存の正反対、開明社会の知識思想から生まれた宇宙論、人類論、社会論などで構成される百科全書的で、広大な思想体系である。雪嶺の魅力は、これまた膨大な歴史論、人物論、人生論にもある。司馬史観の源泉は雪嶺にあり。満州事変以降、「晩節を汚して」しまった雪嶺について、それはなぜ? を問う。
  • 皇室の秘密を食い荒らしたゾンビ政体
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    1巻3,146円 (税込)
    謎の京都皇統の舎人がもたらした極秘情報! 現代史の伏流にある世界を動かす正体とは? 帳に包まれた秘所に踏み入り禁を破って公開する ・京都皇統による秘密の伝授 ・『高松宮日記』をめぐる有象無象の策謀 ・ハープ(HAARP)の威力を知る皇室の情報力 ・石井紘基議員の刺殺事件の謎 ・不透明な総裁人事の日銀を蝕む満州人脈の亡霊 ・自衛隊を七面鳥にする自民党と公明党の犯罪 ・宮内庁と外務省の皇室イジメと小泉内閣の対米盲従の悲劇 ・異常気象の謎とカミオカンデの爆裂 ・満蒙を源流にする右翼の動きと大阿闍梨の持つ影響力の源泉 ※本書は同名書籍の電子版『皇室の秘密を食い荒らしたゾンビ政体』に序文、付録などを加え、加筆した書籍版です。

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  • 合本 天皇と東大【文春e-Books】
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    なぜ日本人は、あのバカげたとしかいいようがない戦争を行ったのか。 日本が大破局への道を歩き始めた昭和戦前期、日本の歴史の大転換を中心的に動かしたのは、天皇という存在だった。 その大転換が起きた主たる舞台は東大だった。 天皇イデオロギーと反天皇イデオロギーとの相克が最も激しく起きた舞台も東大だった。 「東大という覗き窓」を通して、近代国家成立の前史から、大日本帝国の終わりまでを見渡した著者、畢生の大作が一冊に! <主な内容> 東大は勝海舟が作った/慶応は東大より偉かった/早大の自立精神、東大の点数主義/「不敬事件」内村鑑三を脅した一高生/日露開戦を煽った七博士/元白虎隊総長・山川健次郎の奔走/東大経済は一橋にかなわない/大逆事件と森戸辰男/大正デモクラシーの旗手・吉野作造/“右翼イデオローグ”上杉慎吉と大物元老/東大新右翼のホープ・岸信介/新人会きっての武闘派・田中清玄/河上肇とスパイM/血盟団と安岡正篤/血盟団事件 幻の“紀元節テロ計画”/共産党「赤化運動」激化と「一人一殺」/日本中を右傾化させた五・一五事件と神兵隊事件/狂信右翼・蓑田胸喜と滝川事件/美濃部達吉、統帥権干犯問題を撃つ/ゾルゲ・昭和天皇・平沼騏一郎/天皇機関説論争が招いた二・二六事件/昭和天皇と満州事変/東条が心酔した平泉澄の皇国史観/「太った豚」による矢内原忠雄追放劇/「大逆」と攻撃された津田左右吉の受難/戦時経済の寵児・土方成美 絶頂からの転落/粛学の立役者、田中耕太郎の四面楚歌/反ファッショ人民戦線と河合栄治郎/平賀東大 戦時体制下の大繁栄/南原繁総長と昭和天皇退位論/天皇に達した東大七教授の終戦工作
  • 「笹目秀和」と二人の神仙
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    1巻3,025円 (税込)
    宮崎貞行氏による、 『小泉太志命 祓い太刀の世界』『松下松蔵と宇宙の大気』に続く、 忘れ去られた日本の神人たちを新たに世に出し続ける第三作目は、 日本のカルマを背負った男と呼ばれた笹目秀和翁である。 中央大学法学部四年の夏、笹目青年は満州旅行をした際に 白頭山で偉大なリョ・リンライ老師(神仙)と出会う。 200歳を超えたリョ・リンライ老師は、人の前世、現世、来世までを 見通す力を持ち、地場の呼吸を調整して、天変地異が起こらぬよう、 神通力を持った賢人を白頭山まで招き寄せ、養成していたと言う。 満州語がわからない笹目青年は、テレパシーでリョ・リンライ老師から、 三千年前の己れの前世を知らされ、さらにこれからの生涯は、 裏切られ騙され踏みにじられるという苦しみに満ちた人生になるが、 今世における大きな使命を果たすよう告げられる。 さらにその苦境から脱出する鍵は、十二年後に会うことになる、 コンロン山で鶴船を乗りこなす、500歳を越えたシュロ神仙から、 「太陽の精気を食む離火印」、「月の精気を食む坎下印(リョ神仙から 授かったのと同じ)、そして「離火印と坎下印を結ぶ坎離印」と 秘呪を授けられることだった。 いばらの道の三十年を過ごしたのち、耐えられれば成道し、 次の三十年に幸運が訪れる…。 壮絶な人生を生き切った笹目秀和翁から、 そして本書に登場する二人の神仙から、 私たち現代人は何を学ぶべきなのだろうか。 ・主な内容 いざ満州旅行へ・・・鶴船の術とは 三千年前の因縁を知る・・・全身から神に入れ モンゴルの独立のために・・・大本教のご神体を預かる 太陽と月の精気を食む・・・日本のカルマを背負う 極寒のシベリアで・・・二十五年の重労働の刑 光は東方より・・・神人不二とは

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  • ペストは冬、どこに潜むのか 満州で身を挺して解明に挑んだ医師
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    1巻2,860円 (税込)
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 満洲ペストというと、センシティブな問題として、ペスト菌を非人道的に扱った悪名高い戦前の軍部の仕業が連想されがちだが、満洲ペストはそれがすべてではない。戦前、満洲の地で蔓延するペスト患者を前に、治療と予防、また感染経路の解明に身を挺して挑んだ医師たちがいた。その先頭に立った医師・加藤正司はペスト防疫所の所長として、他の防疫官職員とともにペスト発生地帯である広大な満洲平原に散在する村に飛び込み、身の危険を顧みず、ペストで苦しむ患者の治療と予防に献身した。 それだけではない。満洲のペストは、夏に激しく蔓延し、冬に終息するのだが、春になると再び頭をもたげ、翌夏にまた流行する。これを毎年繰り返している。加藤はペスト流行の根元は冬にあると考え、従来からの畑リス説を覆し有菌ネズミ説を唱え、半家住性ネズミが冬、この主役を演じていることを突き止めた。 しかしそれには、凍土化する冬の直前、満洲平原のペスト村の地中を深く掘り下げ、生きたネズミを捉えねばならない。とてつもない作業を伴うのは目に見えている。だが、加藤の、満洲からペストを失くしたいという情熱と炯眼に所員は誰一人協力を惜しむ者はいなかった。こうして生きた有菌ネズミの捕獲に成功し、体内にペスト菌が宿っているのを発見した。  だからと言って、前提なしに加藤の事績を美化するつもりはない。中国の人々からすれば、如何なる立場に立つとしても、それは植民地統制の一翼を担わされたに過ぎないと思うかもしれない。 しかし、ペスト発生の最前線に立ち、いざ医療と予防に従事してみると、そこには夥しい数の満洲農民がいて、昔からペストに苦しんでいる。本書は満洲ペストで苦しむ農民患者を救いたい、満洲からペストを失くしたい、と不屈の精神を発揮した加藤の事績をペスト近代史の一コマとして辿ることにより、終戦後帰国途上で殉職した加藤の人となり、かつ、彼の指揮の下、協力を惜しまなかったペスト防疫所の職員たちが満洲ペストの防疫にどのように従事したか、そしてペスト研究の末に得た加藤の知見の中に後世に残しうる一条の光があったのだと、読者諸氏に思いめぐらせていただければ幸いである。 なお、本書には、国立保健衛生科学院名誉院長である林謙治医師により推薦文が寄せられている。
  • 越境のアヴァンギャルド
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    1巻2,816円 (税込)
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 「旧いものを打破する」。思想・文化の分野でも使われるようになった「アヴァンギャルド」。1930~70年代の昭和を通じて、〈日本〉文化とは何かを問い日本や満州でその形成を担った作家や芸術家の格闘を描く。
  • 人びとはなぜ満州へ渡ったのか――長野県の社会運動と移民
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    1巻2,750円 (税込)
    貧しさだけが移民の要因ではない。一般開拓団、青少年義勇軍ともに全国一多く送出した長野県は、社会運動の激しさでも際立っていた。経済要因では説明できない移民へいたる人びとの営みを、社会運動弾圧の影響や地縁などの視点から問い直す。
  • 逆転の大戦争史
    5.0
    ペリーによって砲艦外交の屈辱を嘗めた日本は 西周(にし・あまね)が、「侵略は善」たる「旧世界秩序」を学ぶ。 朝鮮を併合した日本にしかし、満州国は認められなかった。 一九二八年に世界は大きく変わっていたのだった。 「旧世界秩序」。戦争は合法、政治の一手段。戦争であれば 領土の略奪、殺人、凌辱も罪に問われない。しかし、経済封鎖は違法。 「新世界秩序」。戦争は非合法。侵略は認められない。 経済封鎖と「仲間外れ」によって無法者の国を抑止する。 が、どんな失敗国家も侵略されず内戦の時代に。 「パリ不戦条約」という忘れられた国際条約から 鮮やかに世界史の分水嶺が浮かび上がってくる。 【もくじ】 序章 一九二八年という分岐点 第一部 旧世界秩序 第一章 戦争を合法化したオランダ人弁護士 第二章 四五〇の宣戦布告文書を分析する 第三章 殺しのパスポートをいかに得たか 第四章 経済制裁は違法だった 第二部 移行期 第五章 戦争はこうして違法化された 第六章 日本は旧世界秩序を学んだ 第七章 満州事変は新世界秩序の最初の試金石だった 第八章 新世界秩序の勝利 第九章 ソ連を組み込む 第一〇章 ナチスの侵略を理論化した政治学者 第一一章 ニュルンベルグ裁判の論理を組み立てる 第十二章 戦争犯罪を個人の責任として裁く 第三部 新世界秩序 第一三章 一九二九年以降、永続的侵略は激減した 第一四章 国の数が増えたのには理由がある 第一五章 失敗国家の内戦 第一六章 「仲間はずれ」という強制力 第一七章 イスラム原理主義は違う戦争を戦う 終章 国際主義者たちを讃えよ
  • 再審請求「東京裁判」
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    1巻2,546円 (税込)
    東京裁判は通称で、正式名称は極東国際軍事裁判という。第二次世界大戦で日本が無条件降伏した後、連合国が設定した「平和に対する罪」、いわゆるA級戦犯を裁くために設置され、28名の被告人が死刑や終身禁固刑、有期禁固刑などに処せられた。 この裁判の一般的な受け止めは、議論はあるものの、大筋として日本が侵略戦争を行ったことは疑いないのだから、東京裁判を受け入れるのはやむを得ない、というところのように思われる。 しかし本書はまず、信頼性の高いさまざまな史料からアジア・太平洋戦争の史実を振り返り、その始まりである満州事変、それが拡大し日中戦争、さらに太平洋戦争に至り、「無条件降伏」に至る過程を明らかにし、「三段階征服論」そして裁判の被告人たちの「共同謀議」の構図を否定、侵略戦争との認定を「虚妄の図式」と結論付ける。加え、法律論的な観点からも、東京裁判を行うに際し定められた条例や、量刑の不当さなどを明らかにする。 特に、「無条件降伏」はルーズベルトが記者会見で突然言い出したもので、国際法上の定義もなく本人も説明を拒んでいたため、日本の受諾を難しくし2度の原爆投下につながったこと、戦犯のA・B・C級が重罪度の等級との誤解が広まったことなど、あまり知られていなかった指摘が多くある。 東京裁判があまりにも公平性と公正性を欠いていたことを改めて認識し、歴史と徹底的に向き合い問題を捉えることで、国際社会から信頼と敬意を受けることができると訴える。

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  • 夜の歌
    4.8
    1巻2,530円 (税込)
    サンデー毎日に連載された「夜の歌」の単行本化。まとめるにあたり大幅な加筆修正を行う。 本作品は、著者の咽頭がんが再発し、がんの穿孔による大量出血の危機が迫るなかで書き始められ、自らの人生と表現を集大成する「白鳥の歌」の重みを持つとなっている。 3つの時制からなる。病の進行におびえる現在と、著者が歌謡曲の作詩家として栄華を誇った70年代の芸能界と、著者の原体験とも言える満州での戦争と引き揚げの体験と。著者は『赤い月』などでは触れなかった、満州での人倫に背く自らの体験――自分が生き抜くために、他の日本人を犠牲にしたことなど――をも徹底して暴きながら、愛と官能に溢れた歌謡曲の名曲たちが、悪夢のような満州体験から生まれたものであることを初めて明らかにしていく。 70年代の芸能界における著者と安井かずみとの秘められた恋愛もこれまで語られたことがなく、本書のわかりやすい話題性になるだろう。 物語は、著者がレコード大賞二冠受賞の快挙をなしとげたまさにその時に、戦争の落とし子とでも言うべき極端な逸脱者である兄が、莫大な借金を著者に負わせるところで終幕を迎える。著者の戦後の華麗な日々にも、満州の不気味な闇が延々と続いていたのである。
  • アジア太平洋戦争新聞
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    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 今年(2021年)9月18日は、日中戦争の発端となった満州事変が起きてから 90周年にあたる日でした。そして12月8日は、太平洋戦争の開始となった 真珠湾奇襲攻撃・マレー侵攻から80周年にあたります。 太平洋戦争は1941年(昭和16年)に突然始まったものではありません。 そこには「暴支膺懲」という尊大なスローガンで臨んだ中国との戦争、 さらには東南アジアを占領して、欧米の植民国家に代わって日本が盟主となる という妄執(大東亜共栄圏)が、その初まりにありました。 本書は、満州事変以降、15年にもわたる一連の戦争を振り返りながら、 日本が国を挙げて戦争へとひたすらに突き進む過程と、最後は銃後の民間人まで 巻き込ながら無条件降伏に至るまでを、「新聞形式」のスタイルを通して 時々刻々と描くものです。 日中戦争・太平洋戦争をテーマにした書籍は、ともすれば前述した満州事変や 真珠湾攻撃を初め、満州国の建設、ミッドウェー海戦、東京大空襲、原爆投下 といった重大な局面がフィーチャーされるのが常ですが、 本書では戦争が長期化する中での「銃後の暮らし」の様子も数多く取り上げました。 1938(昭和13)年4月の「国家総動員法」公布によって、人的・物的資源の全てを 国家が全面的に統制できるようになると、民間人の生活も戦争に密着にしたものと なります。やがてそれは衣料や食糧の配給制度、軍需工場への動員、「建物疎開」 「学童疎開」へと続いていきます。それでも、作家の吉村昭はこう書いています。 「戦争は一部の者がたしかに煽動してひき起したものかも知れないが、 戦争を根強く持続させたのは、やはり無数の人間たちであったにちがいない」 (『戦艦武蔵』)。満州事変から90年、真珠湾奇襲攻撃・マレー侵攻から80年を 迎えた今だからこそ、日本と日本人が選んだ「戦争」をもう一度見つめ直す 学びの機会として、本書は刊行されるのです。
  • 父 岸田劉生 愛蔵版
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    この本を読まずに劉生の事を知ろうとする人は、劉生の画業を麗子像をぬかして話そうとする人に似ている――(武者小路実篤「序」より) 〈麗子像〉を通じて誰もが知る愛娘が、父・劉生の日記や手紙を引きつつ、その幼年時代から死までを綴った手記。新たな表現を求めて苦悩し、角力を愛し、時に癇癪を起こす――画家・劉生、そして人間・劉生を知るうえで欠かせない一冊。カラー口絵8P、著者が劉生の死後を綴った単行本初収録の随筆4篇、麗子の娘である画家・岸田夏子による解説を増補した新版。図版多数収載。【岸田劉生生誕130年記念企画】 【目次より】 序(武者小路実篤)  ○ 幼年時代から結婚まで 代々木時代 鵠沼時代 京都時代 鎌倉時代 満州へ  ○ 解 説(谷川徹三) 〈巻末付録〉岸田麗子随筆選 父の遺してくれたもの ある女の講演草稿 あれから三十年 母のこと ――劉生を夫に選んだひと  ○ 岸田麗子 ――「麗子像」の先へ(岸田夏子)
  • 三角寛「サンカ小説」の誕生
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    東京朝日新聞の記者 スクープ記者から『オール読物』を支える流行作家へ! 「説教強盗」「満州事変」「2.26事件」。三角寛は朝日新聞の事件記者から、その後『婦人サロン』『オール読物』等でサンカ小説家として、一世を風靡する流行作家に。彼の作品から、戦争とテロによって崩壊にいたる戦中の日本精神史を探る。「三角寛サンカ選集」全15巻(小社刊)で平成のサンカブームを喚起した。船戸与一氏推薦。 【目次】 はじめに 序章 池袋・人生坐の「日の丸」 第一章 疑惑の朝日新聞記者「三浦守」 第二章 説教強盗の暗躍と昭和天皇の即位大礼 第三章 岩の坂貰い子殺し事件の謎と『婦人サロン』 第四章 浜口雄幸随感録のスクープから満洲事変へ 第五章 満洲事変下の『オール讀物號』と三角寛 第六章 実話「昭和妖婦伝」を母胎にした「サンカ小説」 第七章 「日本怪種族実記」から「貅水窩のおりん」へ 第八章 時代は「丹沢山悲炎記」から天皇機関説の排撃へ 第九章 「サンカ小説」とウルトラ・ナショナリズム 【著者】 今井照容 1957年生まれ。株式会社出版人社長。評論家、編集者。小社が刊行し話題を呼んだ『マージナル』(1〜10号)の常連筆者。「三角寛『山窩小説』を歩く」などを担当する。共著『いま、三角寛小説を読む』。また、『三角寛サンカ選集』『別冊歴史読本』の編集にも携わる。
  • 中原の虹 全4冊合本版
    4.6
    「汝、満州の王者たれ」。予言を受けた親も家もなき青年、張作霖(チャンヅオリン)。天命を示す"龍玉"を手に入れ、馬賊の長として頭角を現していく。馬と拳銃の腕前を買われて張作霖の馬賊に加わった李春雷(リチュンレイ)は、貧しさゆえに家族を捨てた過去を持つ。栄華を誇った清王朝に落日が迫り、新たなる英雄たちの壮大な物語が始まる。圧倒的なスケールで中国近現代を描く『蒼穹の昴』シリーズ続編、待望の合本に!
  • 台湾 朝鮮 満州 日本の植民地の真実
    3.5
    真実を知らずして、安易に謝罪してはならない皇民化運動、創氏改名、総督府、満州国建国… 日本は、台湾、朝鮮、満州で植民地統治を行い、敗戦によりその統治から手をひいた。そして多くの教科書では、侵略行為が強調され、厳しい植民地支配の状況が記されているが、本当はどうだったのか。著者が10年の歳月を費やし、植民地の実態を実証的に検証した大作。 ※このコンテンツは扶桑社刊「日本の植民地の真実」(2003年10月30日 初版第1刷発行」をmもとに制作されております。
  • 絵はがきで見る日本近代
    -
    1巻2,200円 (税込)
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 文明開化、県名・県域の確定、路面電車・地下鉄の開通、博覧会、関東大震災、豪華客船と観光、2・26事件、明治・大正天皇の死去、満州国「建国」、太平洋戦争、広島と長崎の惨劇……。当時のニューメディア=絵はがき326枚が日本近代の諸相を照らし出す。

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  • 日本バレエのパイオニア ――バレエマスター小牧正英の肖像――
    -
    日本バレエ界のパイオニア小牧正英は、青年期〈上海バレエ・ルッス〉で活躍し、敗戦帰国後《白鳥の湖》全幕の日本初演を成功させるなど、日本バレエの発展に輝かしい功績を残した。そのエネルギッシュな活動の歴史は、日本バレエの発展史そのものである。 小牧正英の生誕100年を記念し、小牧の原点、生地・岩手江刺の伝承芸術の風土、戦前の満州や上海での本格的バレエダンサーとしての活動、帰国後、黎明期のバレエマスターとしての悩みや生き様に迫り、小牧の夢実現のストーリーを描く。 バレエはじめ舞台芸術愛好者には必見の書である。

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  • 興安嶺颪吹き荒れて 敗戦の満洲 脆く崩れていくものの影を 少年は見た
    -
    1巻2,200円 (税込)
    人間性を無視し人権を破壊するもの、それが戦争である 私は、終戦までの五年間を、満州国に住んでいましたので、激動期の戦前戦後の体験を書いてみました。また、もう一つの課題として、当時の白系ロシア人のおかれた悲劇的な状況を書き表しました。敗戦の満洲で、白系ロシア人ほど立場の弱い人たちはいませんでした。 いずれにしても、戦争というもののむごたらしさがもたらした結果です。私は、この作品に「平和への祈り」と、「遺言」を込めました。 【目次】 第1章  横道河子というところ 第2章  ヒットラーとロシナンテ 第3章  氷の家 第4章  復活祭 第5章  井上ホテルの崩壊 第6章  さらば横道河子 第7章  陶頼昭の夜 第8章  新京到着 木材会館 第9章  棄民=四等国民を生きる 第10章  李浩全との出会い 第11章  日本人狩り 第12章  日僑俘=日本人捕虜 第13章  雪の朝 第14章  半風子は知っている 第15章  死者の母音 第16章  新しい年に 第17章  兄・芳樹の日記抄 第18章  春節吉報 ソ連軍撤退 第19章  共産軍入城 タチヤーナとの別れ 第20章  父の長城 第21章  中央政府軍長春奪還 第22章  黄昏の別離 胡蘆島から佐世保へあとがき 【著者】 山本直哉 1935年生 横浜市立大学卒 本籍地・長野県
  • 野望の屍
    -
    1巻2,200円 (税込)
    一九二五年、刊行直後の『我が闘争』を熟読した石原はその野心をたぎらせていた。高まる自国主義のなかで共振する日独、満州の謀略。国家のスローガンに万歳が応え、日常は塗り潰されていく。そして瓦解、夥しい死者。冷静に史実を叙述しながら八六歳の作家は〈戦争の世紀〉に何を見たのか。命を削って書き上げた執念の遺作。
  • 昭和陸軍全史 全3冊合本版
    -
    日本を破滅へと導くことになった陸軍の独断専行はなぜ起きたのか? 彼らはいかなる思想の元に行動したのか? 日本陸軍という日本の歴史上、特異な性質を持った組織がいかに形成され、ついには日本を敗戦という破滅に引きずり込みながら自らも崩壊に至ったのか? 日中戦争未解決のまま勝算なき対米戦へ突入、リーダーなき陸軍は迷走を続け、膨大な数の犠牲者を出し日本は無条件降伏する。 (講談社現代新書) ※この電子書籍は、2014年7月に講談社現代新書として刊行されました『昭和陸軍全史 1 満州事変』、2014年11月に講談社現代新書として刊行されました『昭和陸軍全史 2 日中戦争』、2015年6月に講談社現代新書として刊行されました『昭和陸軍全史 3 太平洋戦争』を合本とし、電子書籍化したものです。この電子書籍とは別に『昭和陸軍全史 1 満州事変』、『昭和陸軍全史 2 日中戦争』、『昭和陸軍全史 3 太平洋戦争』もそれぞれ電子書籍で配信中です。
  • 明夷待訪録
    -
    1巻2,200円 (税込)
    ※本シリーズに使用している原版データは時間が経過している作品が多いため、一部不鮮明な箇所がある可能性がございます。ご了承下さい。 満州族のためにあえなく崩壊した明朝の遺臣だった著者は,二朝に仕えることを潔しとせず,山野に隠遁して切々と民意を訴える。中国のルソーとよばれる人物による特異な思想の書。

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  • 燕京歳時記
    -
    1巻2,200円 (税込)
    ※本シリーズに使用している原版データは時間が経過している作品が多いため、一部不鮮明な箇所がある可能性がございます。ご了承下さい。 満州貴族のとらわれない目に映った,清代末北京の一年の行事, 遊覧, 風俗, 物産, 技芸など。漢民族をはじめ,契丹,女真,蒙古,満州民族などの風俗が,簡潔に生き生きと伝えられる。

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  • 母の記憶に
    4.0
    不治の病を宣告された母が愛する娘のために選び取った行動をつづる表題作、明治時代の満州にやってきた熊狩り探検隊一行の思いがけない運命を描いた「烏蘇里羆(ウスリーひぐま)」など、あたたかな幻想と鋭い知性の交錯を透徹な眼差しで描いた16篇を収録した、待望の第二短篇集
  • 立憲君主 昭和天皇 (上巻)
    -
    昭和天皇伝の決定版! 昭和天皇でなければ、 日本は救えなかった。 立憲君主とはどうあるべきか。君主は政治とどう関わるべきか。 あの戦争で、終戦の「聖断」はどのように下されたか。 青年期の欧州歴訪を経て、国民とともに歩む立憲君主たらんと志した昭和天皇。現実政治の前で悩み、君主のあるべき姿を体現した87年の生涯を、宮内庁が24年の歳月をかけて編纂した正史『昭和天皇実録』をはじめ560点に及ぶ文献をもとに描く。 【第一部】君主とはどうあるべきか 序章 かくて「聖断」は下された 第一章 昇陽の日々 第二章 帝王教育 第三章 天子への道 【第二部】君主は政治とどう関わるべきか 第四章 青年君主の苦悩 第五章 満州事変と国際孤立 第六章 万歳とファッショ 第七章 二・二六事件 《昭和天皇に関する文献は数多あるが、本書は、(一)宮内庁が平成二十六年九月に公表した、正史といえる『昭和天皇実録』に依拠している(二)昭和天皇の言動を理解するため、時代背景を詳述している――点に、他書にはない特色があると考えている。加えて、激動の時代を追体験できるよう、分かりやすく、リアルな文章表現に努めてきたつもりだ。本書により、昭和天皇への理解をより深めることができればと願っている。》(本文より)
  • 転生 ~満州国皇帝・愛新覚羅家と天皇家の昭和~
    値引きあり
    5.0
    1巻2,079円 (税込)
    もうひとつの昭和を描く超弩級歴史大作。 ――歴史に「IF」はない。しかし、戦争が終わったあのとき満州国皇帝・溥儀が日本に亡命していたら…。  作家・浅田次郎の「蒼穹の昴」の時間と空間を舞台に、清朝のラストエンペラー・愛新覚羅溥儀と溥傑兄弟の数奇な運命を余すことなく辿る完全版評伝。  関東軍により担がれて満州国初代皇帝となり、戦後はソ連に抑留後、戦犯として中国へ送還、中国共産党の熾烈な文革の嵐にさらされた溥儀。一方、日本人の妻を生涯愛し、終戦直後に生き別れとなるものの、のち奇跡の再会を果たした弟・溥傑。ふたりの人生は、日本と天皇家の「昭和」を裏側から照射する。  『昭和解体』『暴君』という大著で知られざる歴史のディテールを描く第一人者の牧久が、“もう一つの昭和史”に挑む。
  • 絵巻 シベリア抑留者の想い出  ~満州での軍隊生活、そしてシベリア抑留での強制労働~
    -
    満州で軍隊生活を送り、 敗戦後シベリア抑留を体験した著者は、 その経験を絵巻物として遺した。 その絵巻物を原典のまま書籍化。 いつ内地に帰れるのだろう このシベリアでは絶対に死にたくない 32メートルの絵巻物として保存された郵便局勤務だった若者の記録 戦後77年、約60万人のシベリア抑留体験者の多くが亡くなり、 さまざまな経験が風化しつつあるなかで、貴重な史料的価値がある本書。 ウクライナへのロシア侵攻が深刻な事態を迎えている今、 戦争の現実とはどういうものかを多くの読者に伝える、時宜に見合った書籍といえる。 ■目次 ●第一章 夢多き学生時代から軍隊へ ●第二章 厳しかった満州軍隊 ●第三章 終戦からシベリアの抑留・強制労働 ●シベリア抑留についての解説・資料編 ・シベリア抑留とは何だったのか 有光健 ・戦争は最大の罪悪である。しかし・・・・ 中島裕 ・シベリア抑留の女性たち 渡辺えり ・父にシベリア抑留談とロシアの侵攻 小林玄徳 ・戦争体験を風化させないために 田所智子 ・おわりに 絵巻物のレプリカ作成を手掛けて教えられた残酷な戦争 ■画と文 澤田精之助(さわだ・せいのすけ) 1921年、山形県村山市楯岡生まれ。楯岡町役場勤務を経て仙台逓信講習所入学。 1941年に徴兵、1942 年に満州黒河省に下士官候補生として奉天第549 通信教育隊に配属される。 1945 年の敗戦後、シベリア抑留。シベリア鉄道でカラガンダ収容所に送致され炭鉱で働く。 1948 年、舞鶴に帰還後、山形県村山市村山郵便局に勤務。 復員後、書道を為し、1975 年には第2回山形県総合書道展で最初の県知事賞を受賞。 『シベリア抑留者の想い出』の制作を継続し、1984 年に完成させる。1985 年没。 ■編者 下山礼子 1950 年、山形県村山市楯岡生まれ。澤田精之助の姪。 10 歳の時に父と観た映画『人間の條件』(小林正樹監督)に描かれた「戦争における人間性」に衝撃を受ける。 学生時代には遠く離れたシベリア鉄道の旅に思いを馳せた。 2015 年、澤田精之助作の絵巻物に出会い、シベリア抑留の史実に触れ、叔父と父からの大切なメッセージに気づく。 2019 年、自宅(澤田精之助の生家に隣接)に「小さな小さな平和祈念館」を開設。 「命・戦争・平和」について語り継ぐ活動を続けている。
  • 図説 写真で見る満州全史
    3.0
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 満鉄の誕生から満州事変を経て、上海事変、皇帝傅儀、関東軍、開拓民の生活ぶり、ソ連侵攻と敗戦などを、初めて見る貴重な写真多数を含む約400点の図版とともに紹介する永久保存版。
  • わが母 最後のたたかい 介護3000日の真実
    -
    貴重な在宅介護の記録、 そして“母と息子の戦後史”を描く あるテレビ・ディレクターが認知症の母親の介護をしながら、その様子を撮影し続けた。本書は、その膨大な映像記録を、ディレクター自ら紐解きながら綴る、壮絶なノンフィクション。著者の筆致は、母の晩年の時間のみならず、戦争体験へと遡り、知られざる一つの戦後史を紡ぎ出していく……。大きな反響を呼んだNHKスペシャルの全貌が明らかに! [内容] プロローグ 第1章 遺されたメモ帳 第2章 母の戦争~満州での日々 第3章 遠隔介護 第4章 踏み切った同居 第5章 ゴールデン・フェスティバル 第6章 半歩前進一歩後退 第7章 別れの時 あとがき 母の年表
  • 大アジア主義と頭山満
    -
    戦後日本の政治外交を顧みた時、アジア諸国の同胞に熱いまなざしを向けて対応した政治家はいたのであろうか。神道ジャーナリストと評される葦津珍彦は、西郷隆盛の意志と精神を継承する者として大アジア主義を唱えた頭山満こそ、広い視野でアジア同胞と兄弟の如く接した人物であると高く評価する。 頭山が生きた時代、アジア諸国は西欧諸国の「収奪の場」とされていた。日本もまた明治維新の気風を失い、「有色人種の新興帝国主義国家に堕落」する中にあって諸外国の指導者たちから最も信頼され、求心力を持った人物こそ頭山であった。 本書は、明治から戦前にかけての国内外の政治や社会動向を見つめながら、頭山と関わった板垣退助、犬養毅などの政治家、内田良平、宮崎滔天をはじめとする多数の門人、訪日し祖国の独立運動を志した韓国独立党の金玉均、中国国民党の孫文、蒋介石、インドのビハリ・ボース、チャンドラ・ボースなどの人物像を通して、その生涯と生き方について描いている。そして頭山の唱えた「大アジア主義」を支えた信念の根底には、真の意味での「尊皇攘夷」思想と「八紘一宇」の精神があること語りかけている。 ■キーワード(目次の構成) ▲はじめに ▲明治維新と大アジア主義 ▲尊皇攘夷の抵抗思想 ▲征韓論の思想的意味 ▲玄洋社創立までの事情 ▲板垣、頭山に民権を説く ▲条約改正、国会開設を請願す ▲玄洋社、屈辱条約に反対す ▲伊藤・井上の欧化主義外交 ▲頭山・来島の英断、政府案を破砕す ▲沈勇沈才の古武士の気風 ▲韓国独立党と玄洋社 ▲頭山満と金玉均の親交 ▲大アジア主義と頭山満 ▲中国革命家孫文、日本に来たる ▲孫文、日本有志と相知る▲山田良政、恵州にて戦死す ▲日露戦争への道(上) ▲三国干渉に怒った中江兆民の論文 ▲ロシア革命予見の内田の著書 ▲日露戦争への道(下) ▲頭山満、伊藤博文に決断をせまる ▲玄洋社と満州義軍 ▲中国革命同盟会成る ▲孫文、黄興と同盟会をつくる ▲連戦連敗に屈せざる戦闘精神 ▲辛亥革命の前後 ▲武昌起義全天下に波及す ▲日本の革命干渉を制止す ▲袁世凱との妥協に反対す ▲第二革命で孫文日本へ亡命す ▲亡命者ボースを救援す ▲第三革命の時代 ▲第三革命の諸潮流 ▲満蒙における宗社党の挙兵 ▲大陸浪人の明暗二側面 ▲満州問題のもつれ(上) ▲その歴史事情について ▲満州問題のもつれ(下) ▲その近代化と変貌 ▲頭山・孫文の神戸会談 ▲追録 昭和時代、晩年の頭山満とその周辺 ▲孫文歿後の蒋介石と国民党 ▲満州事変に対する憂念 ▲日華事変後の汪精衛と蒋介石 ▲大東亜戦争と印度独立戦争 ▲チャンドラ・ボースと汪精衛 ▲富士山麓での臨終まで ▲参考史料  関係参考略年譜
  • 近代民主主義の終末
    -
    1巻1,980円 (税込)
    民主主義の根底に流れるものとは何か。著者、葦津珍彦は、俗物主義に依存した民主主義では、日本の理想とする国家は形成できないばかりか自壊する可能性をも内包する点を指摘している。また、現行の民主主義とは、キリスト教神観念の上に存在する思潮であることから、東洋古来の民権思想を学び、日本独自の道を再確認しながら、政治に理想や希望を持てる国家にしなければならないと警告する。そして、その核となるものこそ天皇の祭祀大権の確立と現行の民主主義制度では蔑視しているかのように見える「忠誠」や「神聖性」といった日本人が古くから培ってきた意識と信仰であることを説いている。本書は、我が国伝統の精神潮流と国家意識とは何かを近代の事例を紐解きながら解説する。 また若い世代に対して、憲法をはじめとする日本の現行制度について問題意識が育まれること、更には幕末明治の先人たちが命をささげて国事奔走の中から学びとったのと同様に、すぐれた政治思想と英知ある政治力学の法則を学びとり、日本国家再生に向けた活動を期待する内容となっている。 ■キーワード(目次の構成) ▲はじめに ▲近代民主主義の終末 ▲一票の無力さの実感 ▲近代民主主義破綻の論理 ▲東洋古来の民権思想 ▲典型的な近代民主国アメリカ ▲近代的個人と東洋の人間観▲英雄崇拝と指導権威の拒否 ▲必要悪としての政府の思想 ▲近代民主国と植民地人 種問題 ▲近代民主思想否定の論理 ▲ 日本思想の心理と論理 ▲憲法の思想と政治の力学 ▲憲法思想の形成時代 ▲帝国憲法の思想 ▲帝国憲法と独裁主義 ▲ポツダム憲法の政治力学 ▲将来の憲法についての展望 ▲忠誠とはなにか ▲忠にあこがれる精神伝統 ▲忠誠を不合理とする思想 ▲多様多彩な忠誠の道 ▲楠氏一門忠烈の精神 ▲神聖をもとめる心 ―祭祀と統治との間― ▲近代日本国の思想史 ▲明治維新と日本ナショナリズム ▲明治維新の世界史的意味 ▲尊攘精神とナショナリズム ▲天皇制と民権ナショナリズム ▲明治天皇 ―アジアの栄光― ▲満州事変から大東亜戦争へ ▲満州事変の決行者 ▲反日運動と張学良政権 ▲満州国の建国工作 ▲日華事変 ▲三国同盟から日米会談決裂まで ▲大戦と大東亜共栄圏 ▲関係参考略年譜
  • 日本の戦争はいかに始まったか―連続講義 日清日露から対米戦まで―(新潮選書)
    -
    当初から朝鮮支配を意図し、計画的に大陸中国を侵略して、軍部の無謀な暴走の末に対米戦が不可避となった、というのは本当か? 日清・日露戦争から第一次大戦、満州・支那事変を経て、先の戦争に至るまで、当事者たちがどんな決断を下したのか、それぞれの開戦過程を各分野の第一人者が実証的に語る「近現代史」連続講義。
  • 時を追う者
    3.3
    1巻1,980円 (税込)
    1949年、終戦から4年が経った東京。陸軍中野学校出身でかつて破壊工作員だった藤堂直樹は、歴史学者の守屋と物理学者の和久田から過去に時間を遡る手段を発見したと聞かされる。さらに二人は直樹に思いがけない依頼をしてきた――「過去に戻って、戦争を始めた者たちを排除して欲しい」。目指すは満州事変の阻止。未来は、それで本当に変わるのか? 2人の男女を仲間にした直樹の、時を遡る決死行が始まる!
  • ソ連兵へ差し出された娘たち
    4.5
    【2022年 Yahoo!ニュース|本屋大賞 ノンフィクション本大賞 ノミネート】 文芸評論家・斎藤美奈子氏激賞! 第19回開高健ノンフィクション賞受賞作 1945年夏――。日本の敗戦は満州開拓団にとって、地獄の日々の始まりだった。 崩壊した「満州国」に取り残された黒川開拓団(岐阜県送出)は、日本への引揚船が出るまで入植地の陶頼昭に留まることを決断し、集団難民生活に入った。 しかし、暴徒化した現地民による襲撃は日ごとに激しさを増していく。 団幹部らは駅に進駐していたソ連軍司令部に助けを求めたが、今度は下っ端のソ連兵が入れ替わるようにやってきては“女漁り”や略奪を繰り返すようになる。 頭を悩ました団長たちが取った手段とは……。 《開高賞選考委員、全会一致の大絶賛!》 作品は、共同体の「自己防衛」のために女性たちを「人柱」に捧げる「隠された暴力」の柔らかなシステムを浮かび上がらせている点で、極めて現代的な意義を有していると言える。 ――姜尚中氏(東京大学名誉教授) 本書は、変わることのできなかった日本人の問題として悲しいことに全く色褪せていないのである。 ――田中優子氏(法政大学名誉教授) 犠牲者の女性たちが著者の想いと心の聴力に気づいて、真実の言葉を発してくれたのだ。 ――藤沢周氏(芥川賞作家) この凄惨な史実をほぼすべて実名で記した平井の覚悟と勇気は本物だ。 隠された史実の掘り起こしだけではない。ジェンダー後進国であるこの国への果敢な挑発であり問題提起でもある。 ――森達也氏(映画監督・作家) ディテールの迫力が凄まじい。当時の触感や恐怖がそのまま立ち上がってくるような、生々しい感覚を見事に描き出した文章に圧倒された。 ――茂木健一郎氏(脳科学者) 《推薦》 今日の「性暴力」にまっすぐつながる過去の「性接待」。その事実に、あなたは打ちのめされ、そしてきっと覚醒する。 ――斎藤美奈子氏(文芸評論家) 【著者略歴】 平井美帆(ひらい みほ) 1971年大阪府吹田市生まれ。ノンフィクション作家。 1989年に高校卒業と同時に渡米し、南カリフォルニア大学に入学。同大学で舞台芸術と国際関係学を学び、1993年卒業。 その後、一時東京で演劇活動に携わるも1997年に再び渡米し、執筆活動を始める。2002年に東京に拠点を移す。 著書に『中国残留孤児 70年の孤独』(集英社インターナショナル・2015)、『獄に消えた狂気 滋賀・長浜「2園児」刺殺事件』(新潮社・2011)、『イレーナ・センドラー ホロコーストの子ども達の母』(汐文社・2008)など。
  • フイチンさん 復刻愛蔵版 上
    5.0
    伝説的傑作、歴史的復刻! ビッグコミックオリジナルの話題の連載、村上もとか『フイチン再見!』の主人公のモデルとなったのが、長谷川町子と並ぶ「女性漫画家」の開拓者 上田としこ。まだ、漫画家という職業も、まして女性の漫画家などその存在すらなかった時代に、その道を切り開いた上田としこの代表作が『フイチンさん』である。作者の満州体験を下敷きに、ハルピン一の素封家の下で、門番の父親と暮らす天真爛漫な女の子フイチンのエネルギッシュな活躍を描いた本作は、1957年~1962年「少女クラブ」で連載され大人気となり、当時としては異例の長期連載となった。あの手塚治虫氏も、上田としこを高く評価し姉のように慕っていた。単行本は何度か刊行されたものの、いずれも未完で、刊行されてもアミが抜け落ちていたり、扉が欠けていたりと不完全なものだったが、今回、連載時の雑誌、各種単行本、また新たに発見されたカラー原稿などを付け、初めてほぼ完全な形で、復刻する。 上巻には、カラー扉を多数収録、村上もとかの書き下ろしエッセイ収録。
  • お金の日本史 近現代編
    4.5
    政治、文化、宗教とともに、歴史をみる視点で欠かせない大きなテーマ=経済。しかし、教科書などでは政治制度や歴史的出来事の延長線として習うことはあっても、それを因果関係や「歴史のif(もしも)」という観点から通史的に読み解くことは少ない――。大好評の前作に続き、金解禁、関東大震災、モラトリアム、昭和恐慌、新円切替、スミソニアン体制、ニクソンショックなど、近現代史を彩った「お金の歴史」を独自の史観で読みとく。日本はなぜ経済大国への道を拓くことができたのか。お金の歴史が概観できる、必読講義。 第一章 新貨幣制と金本位制への道 一、商売は「悪」という呪縛 二、不換紙幣からの脱却 三、地租改正と松方デフレの功罪 第二章 日露戦争による飛躍 一、ロシア帝国の脅威と日英同盟 二、アメリカ対日支援への裏切り 三、日本の列強入りと韓国併合 第三章 揺れる大正デモクラシー 一、第一次世界大戦の「特需」と「負の遺産」 二、米騒動・大震災・共産主義 三、現代史の重大事――世界大恐慌 第四章 敗戦からの高度経済成長 一、満州こそ日本の生命線 二、資源なき国の戦中戦後 三、経済大国ニッポンの行方
  • 不屈の春雷 十河信二とその時代 上
    -
    1~2巻1,980円 (税込)
    ■東海道新幹線「生みの親」として知られる元国鉄総裁・十河(そごう)信二の波乱の前半生――。 東京帝大在学中に時の鉄道院総裁・後藤新平と出会い、鉄道院に入る。帝都復興院で関東大震災の復興事業に携わるなか、贈収賄の嫌疑をかけられる。無罪を勝ち取ったが鉄道省を去り、満鉄の理事として動乱の中国へ赴く。 十河が故郷・西条市に寄贈した膨大な資料をもとに、鉄道省贈賄事件の真相など埋もれた事実を丹念に掘り起こし、十河信二と彼の生きた時代を生き生きと描き出したノンフィクション。一代の風雲児、波乱の前半生――。 [目次] 序 章 「明治以来の夢なり」 第1章 ストライキの青春 第2章 「巌頭の感」の衝撃 第3章 恩師・後藤新平と鉄道 第4章 西条学舎と米国留学 第5章 「種田・十河時代」と盟友たち 第6章 関東大震災と帝都復興院 第7章 復興局疑獄事件 第8章 「友情」の無罪判決 第9章 動乱・満州の風雲児 <著者略歴> 牧 久(まき・ひさし) ジャーナリスト。一九四一年、大分県生れ。六四年、早稲田大学第一政治経済学部政治学科卒業。同年、日本経済新聞社に入社。東京本社編集局社会部に配属。サイゴン・シンガポール特派員。名古屋支社報道部次長、東京本社社会部次長を経て、八九年、東京・社会部長。その後、人事局長、取締役総務局長、常務労務・総務・製作担当。専務取締役、代表取締役副社長を経て二〇〇五年、テレビ大阪会長。現在、日本経済新聞社客員、日本交通協会会員。著書に『サイゴンの火焰樹――もうひとつのベトナム戦争』『特務機関長 許斐氏利――風淅瀝として流水寒し』『「安南王国」の夢――ベトナム独立を支援した日本人』(各小社刊)がある。 ※この電子書籍は株式会社ウェッジが刊行した『不屈の春雷 十河信二とその時代 上』(2013年9月28日 第1刷)に基づいて制作されました。 ※この電子書籍の全部または一部を無断で複製、転載、改竄、公衆送信すること、および有償無償にかかわらず、本データを第三者に譲渡することを禁じます。
  • 宮地貫道伝 -信念と気骨の明治人-
    -
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 本書は、木村達也著『宮地貫通伝 ―信念と気骨の明治人―』(平成30年9月15日発行)を電子版およびPOD版として、株式会社オーム社が出版者として発行するものです。原書は上製・カバー付きですが、POD版の場合には並製になります。また原書付録のCD-ROM内容は収録していません。 序文より  宮地貫道こと本名宮地利雄は、大正年間から昭和初期にかけて、上海に三十数年に亘って滞在して、上海を中心とする出版・報道界において活躍して、日中関係の方策に関する自己の信念を言論界・政界に唱道し、その後還暦を過ぎる頃から一転して南洋における棉花栽培を推進したという、極めて異色のある経歴の人生を送った人物である。しかしそれにも拘わらず、その業績の一側面が、限られた一部の研究者により注目されているのを除くと、その生涯の全貌は殆ど知られていない。つまり、「忘れられた明治人」とも言われている。 以下略。 -目次- 序文 宮地家の系譜 宮地利雄の青年時代 下田歌子との交流 上海作新社の活動 鈴木珪との結婚 海日日新聞の創刊 西田天香との再会 成民廬の建設 対支政策の唱道 「対支国策論」の出版 常夏の国への旅立ち セレベス島での棉花栽培 国内での棉花栽培普及と教育活動 「棉作国策」の出版 戦後の活動 《参考一》満州事変・上海事変関連   年表と宮地貫道の足跡 《参考二》関連資料 《参考三》棉花の成熟 あとがき 著者略歴
  • 戦中史
    -
    あの時、日本はなぜ破局を とめられなかったのか? 日本人が見のがした転換点とは!? 日本史講義の第一人者が4つのテーマから探る、圧巻の近現代史!! かつて、なぜ日本は破局にいたったのか。 いま、私たちは「戦後の終焉」と「戦中の到来」という、大きな歴史的転換点に直面している。既に、私たちの立っている地点が、後の歴史家から見れば「ポイント・オブ・ノー・リターン」なのかもしれない。だからこそ、この国でかつてあった“戦中史”を、破局を回避できなかった負の歴史を直視することが求められている。  政治と軍事、恐慌と戦争、思想と権力、満州と革命。日本人が見のがした転換点を、四つのテーマから探る。 日本史講義の第一人者が次代に贈る、渾身の近現代史!! かくして、日本人は破局へと歩み続けた。 「なぜ一度潰した制度(軍部大臣現役武官制)は甦ったのか?」 「なぜ、景気対策は軍需に頼ることになってしまったのか?」 「なぜ、思想は弾圧され、懐柔され、屈従してしまったのか?」 「なぜ、日本を超える議論(アジア主義)は潰されたのか?」 歴史の転換点をいまこそ、直視する。
  • 新装丁版 現代の帝王学
    4.0
    数多くの名経営者に「座右の書」「指南書」として読みつがれたロングセラーが「新装丁版」で登場! 「権力の効用」を信じないものは政治家にも経営者にもなれない。 人を組織し、党をつくり、会社を運営し、自ら、権力を握って、 これを自他のために役立てる、これが政治であり、経営である。 だが、権力くらい人を堕落させるものはない。 権力支配には名聞利達が伴い、道徳的腐敗を生じやすいのだ。 ここにとりあげた「帝王学」は、一言にしていえば、「権力の学問」であり、「エリートの人間学」である。 (はしがきより) 【著者紹介】 伊藤肇(いとう・はじめ) 1926年名古屋生まれ。旧満州国立建国大学七期生。 中部経済新聞記者、雑誌『財界』副主幹を経て評論家となる。1980年逝去。 主著:『一言よく人を生かす』(生産性本部)、『伊藤肇の人間対談』(経済往来社)、『男からみた男の魅力』(産業能率短大出版部)、 『経営者をささえる一言』(地方銀行協会)、『喜怒哀楽の人間学』(PHP研究所)、『十八史略の人物学』(プレジデント社)など。 【目次より】 ◆はしがき ◆第1章 原理原則を教えてもらう師をもつこと ◆第2章 直言してくれる側近をもつこと ◆第3章 よき幕賓をもつこと
  • 完全版 肉弾時代
    完結
    -
    全1巻1,980円 (税込)
    昭和20年、満州から祖国への道は、まさしく離れて遠き何百里だった。飢餓と危険におおわれた逃避行に、少年は生存の適応力を身につけ、暗い瞳を虚空にむすび身体を震えさせた。昭和34年、武居捨郎と名付けられた少年はボクサーとなっていた…。 虐げられた男たちによる敗者復活戦。そのゴングは鳴った。天才劇画家・宮谷一彦によるエロスと暴力の讃歌、もしくは日本近代文学へのひとつの返答! 「肉弾人生 嫁賣ジャイアンツ篇」併録。
  • [新装完全版]ロスチャイルドによる衝撃の地球大改造プラン 米国とイスラエルの力を借りて皇国の理念「NEW八紘一宇とNEW大東亜共栄圏」の実現へと向かうNIPPON!
    -
    1巻1,925円 (税込)
    かつて日本が作った北朝鮮は韓国を併合する/そして中国は4つに分かれる…etc. 水面下でいまも着々と進む世界情勢の知られざる超奥底! 世界支配層の中心ファミリーは天皇家である! 日米間の相互防衛援助協定「MSA」基づき運用された天皇の金塊の運用益こそがそのパワーの源である! 世界支配層は、「中国を4つに分割し、そのうちの1つにシオニストを住まわせる計画」だ。すなわち、中国東北部(旧満州)に「ユダヤ国家=ネオ・マンチュリア」を建国する。この大事業は、イスラエル(ユダヤ人国家=アシュケナジム系ユダヤ人の国)が進め、日本も資金的、技術的支援を行う。 さらに中国東北部の南側にある北朝鮮(金正恩朝鮮労働党委員長=元帥)に朝鮮半島を統一させて、「大高句麗国」(第2の日本)を建設させるという。この計画の中心には、イスラエルと米国、ロシア、日本が存在している。この結果、韓国は消滅する。 見えざる世界情勢のゆくえを独自情報ソースから活写した衝撃の書がここによみがえる! 小沢一郎を苦しめ抜いた米国最大財閥ディビッド・ロックフェラーが2017年3月20日、101歳でニューヨークにおいて死去し、世界支配権(覇権)の構図が一変している。 「世界政府樹立」を目指す世界支配層(ヘンリー・アルフレッド・キッシンジャー博士、小沢一郎代表が主導)が、文字通り、世界を動かし始めたのだ。 キッシンジャー博士は2016年2月3日、ロシアの首都モスクワを訪問し、プーチン大統領と会談、「世界新機軸」を打ち出すことで合意した。「世界新機軸」とは、1第三次世界大戦を回避する。2世界の原発を廃炉にする。3CO2を削減し地球環境を再生する。4「AI」中心の産業構造に変革する─ということである。 さらに世界支配層は、「原発ゼロ」を決定している。これを受けて、自由党の小沢一郎代表と小泉純一郎元首相は、日本の資源エネルギー政策について「原発ゼロ」で一致している。結果として、日本の政界は、「原発ゼロ政党」と「原発推進政党」の保守2大政党政治へと大転換していく。 世界はいま、キッシンジャー博士、トランプ大統領、プーチン大統領、習近平国家主席、投資家のジョージ・ソロス氏による「チーム」が、「新機軸」を実行するため、懸命に動いている。 小沢一郎は天皇陛下の勅命を果たすために総理大臣をも視野に入れ、懸命に動いている。 その最強の同志はキッシンジャーであり、小池百合子、前原誠司である。

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  • レーテーの大河
    3.5
    1巻1,881円 (税込)
    運命の車輪は回り始める。日本を揺るがす“危険な積み荷”とともに。 江戸川乱歩賞作家が時代の闇に挑むノンストップ・サスペンス! 終戦時の満州、そして五輪開催直前の東京。二つの「昭和」を貫いて走り始めた機密列車の後ろ暗い任務とは。 楔になろうとした男たちの、捨て身の作戦とは。 終戦間際の混乱で親を失った三人の戦災孤児。関東軍の機密物資を日本に運んだ2人の陸軍中尉。 焼け野原から復興へーーオリンピックを目前に急ピッチで東京の整備が進む中、日銀の現金輸送担当者が線路に転落死を遂げた。 事として処理されるはずだったその死を合図に、二度と交わるはずのない人生が再び交差する。 そして、運命の列車は走り始める。 俺たちは駒だ。だが、駒だって逆らう。
  • 羊は安らかに草を食み
    4.4
    認知症を患い、日ごと記憶が失われゆく老女には、それでも消せない “秘密の絆” があった―― 過去の断片が、まあさんを苦しめている。それまで理性で抑えつけていたものが溢れ出してきているのだ。彼女の心のつかえを取り除いてあげたい―― アイと富士子は、二十年来の友人・益恵を “最後の旅” に連れ出すことにした。それは、益恵がかつて暮らした土地を巡る旅。 大津、松山、五島列島……満州からの引揚者だった益恵は、いかにして敗戦の苛酷を生き延び、今日の平穏を得たのか。彼女が隠しつづけてきた秘密とは?  旅の果て、益恵がこれまで見せたことのない感情を露わにした時、老女たちの運命は急転する――。 八十六年の人生を遡る最後の旅が、図らずも浮かび上がらせる壮絶な真実。 日本推理作家協会賞 『愚者の毒』 を超える、魂の戦慄!
  • いまこそ読みとく 太平洋戦争史
    4.0
    1巻1,870円 (税込)
    満州事変からポツダム宣言受諾まで、数多くの戦いを年代順に解説し、戦局全体の中での位置づけを示します。アジア・太平洋全体を視野に入れながら解説するので、海軍の真珠湾攻撃よりも陸軍のマレー半島上陸の方が早かったとか、ミッドウェー海戦では5つの艦隊を西太平洋全域にわたって展開したため、1年分以上の石油を消費してしまい、その後の作戦行動に支障を来すようになったなど、戦争の全体像がつかめます。一方で、個々の戦闘においては日本艦隊が機動部隊と戦艦部隊とを別々に動かしていたのに対し、アメリカ艦隊は空母の周囲に戦艦などを配置する輪形陣で移動していたこと。太平洋諸島の攻防においては、日本が一島一島の防御を固めたのに対し、アメリカ軍は防御の手薄なところから攻めのぼってきたなど戦術の違いもよくわかります。 本書は日本とアメリカどちらの立場にも与せず、客観的な視点から史実を冷静に見つめ直します。これまで評論やドキュメント、あるいは小説などで太平洋戦争の断面を知る人たちとっても、数多くの示唆が得られることでしょう。

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  • もし世界が1つのクラスだったら 上 日本開国編 世界史と日本史の教養が知識ゼロから身につく
    5.0
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 主人公は高校生の日本くん、アメリカは番長、イギリスは学級委員、ロシアは…!? 難解な世界史や日本史が、国が擬人化した高校生たちによる学園バトル漫画になって、勝手に頭に入ってくる! 勉強感ゼロの「ビジネス教養マンガ」 社会人も学生も必読! 絶対知っておきたい「世界の力関係(パワーバランス)」と「日本の立ち位置」 あの戦争の原因もよくわかる! ・なぜロシアはウクライナに侵攻するのか? ・イギリスが日本と同盟を結んだ本当の理由 ・なぜアメリカが第二次世界大戦に賛成したのか? ・イギリスが恐れたドイツの経済力とは? ・マルクス主義とロシア革命はちょっと違う? ・ヒトラーとケインズ経済学の関係 ・世界恐慌でソ連が秘密にしていたこととは? ・満州事変に熱狂した当時の日本国民
  • 決定版 大東亜戦争(上下)合本版(新潮新書)
    -
    満州事変から始まり敗戦で終わる足掛け15年の戦争は、従来、「先の大戦」「あの戦争」などと曖昧な呼称で論じられてきた。しかし、本書のために集結した歴史家たちは今回、敢えて「大東亜戦争」の表現を選んでいる。イデオロギーを抜きにすれば、この呼称こそが「あの戦争」の全貌を最も的確に伝えるからだ。二分冊の上巻では、開戦後の戦略、米英ソ中など「敵国」の動向、戦時下の国民生活の内実などに迫る。 ※当電子版は新潮新書版『決定版 大東亜戦争』上下巻をまとめた合本版です。
  • 夕日と黒パン
    -
    1巻1,815円 (税込)
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 満州国の崩壊、そしてシベリア抑留へ。望郷の念にかられながらも、自分の信念に順じ、苛酷な条件下での労働と“民主化”の嵐の中で自己を貫いた一憲兵曹長の軌跡を通して描く極限下の人間模様。戦争とは?平和とは何かを問う。

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  • 関口宏・保阪正康の もう一度!近現代史 帝国日本の過ち
    3.5
    1巻1,815円 (税込)
    読者から待望の声殺到の大人気シリーズ、ついに完結! 昭和11年の二・二六事件から、昭和20年8月15日の玉音放送までの10年間。 満州事変、国連脱退、日中戦争、ノモンハン事件と、領土拡張への野望を隠さない日本軍部。政党政治も、皇族宰相も、そして天皇も、その暴走を止めることはできなかった。 1941年12月8日、マレー半島コタバルへの上陸、および真珠湾攻撃によってはじまった対英米戦争は、やがて全世界の連合国47ヵ国を敵に回す絶望的な戦闘へとドロ沼化する。 いっぽう、中国の蒋介石は、妻の宋美齢がたびたびワシントンに飛び、日本を相手に戦うことの正当性を訴え、支援を取り付けることに成功する。 アメリカ、イギリス、ソ連は中国を連合国の主要な一員と認定し、この枠組みは、戦後の国際秩序にも反映されることになる。 ビルマの首都ラングーンから、蒋介石政権の根拠地・南京を結ぶ「援蒋ルート」によって送り込まれた武器弾薬、および支援物資は、中国の抗日戦争を支えつづけた。 日本軍はミッドウェー海戦をきっかけに太平洋でも敗戦を重ね、南海のガダルカナル島争奪戦でも壊滅的な打撃を受けた。 東南アジアでも「史上最悪の作戦」と言われたインパール作戦など兵站・補給を無視し、戦力差をことさら軽視し、精神力のみに頼った日本の戦争は、やがて、人間の命をも兵器として利用する「特攻」という史上類例をみない過ちへと突き進んでいく。 自らの責任を追及されることを恐れ、面子にのみこだわった軍部は、それでも戦争を止められなかった。 東京大空襲による大火災で、民間人に多数の死傷者を出し、沖縄上陸戦で多くの人が命を落とし、広島・長崎への原子力爆弾投下という悲劇を招いても、なお自らの過ちを認めようとしなかった。 当時44歳の天皇は、「無条件降伏」という重い決断を一身に背負う――。 昭和史研究の第一人者と名司会者が語り合う、戦争の悲劇。
  • 赫衣の闇
    3.7
    ……じた、じた、じたっ。湿った地面を踏み締めながら、どこまでもおいかけてくる――闇市の路地に巣食う真っ赤な怪人の謎。 舞台は敗戦直後の東京。物理波矢多シリーズ最新作となる、渾身の書下ろし長編ホラーミステリー!! 「赤迷路」の通称を持つ闇市に、若い女性を付け回す怪人「赫衣(あかごろも)」が出没するという。 『黒面の狐』事件後、友からの依頼でその真相を探る物理波矢多(もとろいはやた)は、 闇市「赤迷路」に巣食う怪人「赫衣」の正体を調べるなかで、凄惨な殺人事件に遭遇する。 炭鉱を突如襲った連続怪死事件を追う――『黒面の狐』、 灯台に憑いた怪異は時を超える――『白魔の塔』 に連なる、ホラーミステリーの名手、シリーズ第3弾! 物理波矢多:満州の建国大学に学び五族協和の理想を求めたが、敗戦に接して深い虚無に囚われ、以後は国の復興を土台で支える職を求めようとする。
  • 安部公房の都市
    4.0
    1960年代、高度経済成長期の到来。この急激な社会変化に作家の想像力はどう応答したのか。拡大しながら刻一刻と廃墟へ向かう東京で紡がれてゆく膨大な物語を、都市、満州、廃墟、過去・現在・未来の断絶、失踪、夢等の主要モチーフを手がかりに、人気政治学者が読み解く。
  • 歴史からかくされた朝鮮人満州開拓団と義勇軍
    -
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 朝鮮人満州移民が朝鮮総督府によって実施されていたこと、大人だけでなく子どもたちも送られていたことを知る人は少ない。数十万と思われる開拓軍・義勇軍の実態を追う。
  • おとうとのねじまきパン ずっとむかし、満州という国であったこと
    -
    1巻1,760円 (税込)
    「満州国」を知っていますか? みなさんは、「満州」という言葉を聞いたことがありますか?かつて日本が、中国大陸につくった国の名前です。 しかし、なぜか、現代の人たちは、この国のことをほとんど知りません。(本文冒頭より) 戦争が終わった時、中国の「満州国」にはたくさんの日本人取り残された。13歳の少女和子さんは日本への帰国をめざすが、弟は病気になり・・・。「満州国」を知らない子どもたちへ、その悲しい歴史をやさしく語るノンフィクション。 小学校高学年~
  • 「講談社の絵本」の時代
    -
    1巻1,760円 (税込)
    少年少女を「歴史の虜」にした絵本の時代があった! 昭和11年から17年まで<読む雑誌から見る雑誌>へとして豪華な絵本を少年少女向けに刊行。著者が歴史作家になるほど魅入られた絵本の世界と戦時下の庶民の生活を描く。 【目次】 絵本との出逢い――序に代えて   胸をときめかせた絵本との出逢い   原画を集めた展覧会   『国史絵話』の原本はどこに 「講談社の絵本」の時代   満州事変と二・二六事件    小学校低学年の想い出   二宮金次郎とピアノの女教師 歴史絵巻『国史絵話』   日本の国の始まり、天地開闢の図   源平の時代   元弘の乱から南北朝時代   信長、秀吉、家康の戦国の世   幕末から明治維新の世   大正時代を飛び越して昭和の時代へ   支那事変を引き起こし、中国と全面戦争 昭和の残照――名古屋・下町の風景 一   幼児期は前世か   悪所中村遊郭の界隈   下町の風景と父の想い出   中村観音の前の活動写真館   洋画 「戦艦エムデン」 昭和の残照――名古屋・下町の風景 二   質屋と男装の麗人   カフェのある夜景   火事と消防自動車と銭湯と   「明治節」と「紀元節」の歌 『相撲画報』と大相撲と双葉山   相撲大好き少年   思い出の番付表   三横綱が敗れた名古屋準場所 懐かしい『童謡画集』   「あの町この町」   「まり と とのさま」   「青い眼の人形」   文部省唱歌の「汽車」 最初の絵本は『乃木大将』   武士と軍人   感動した『楠木正成』   壮絶な死だった『軍神西住大尉』   日露戦争と『廣瀬中佐』   『感激絵話 動物美談』   ふるさとの景色と『童謡画集』 「講談社の絵本」と東京への列車の旅   お上りさん   『国史絵話』の天の岩戸の場面と丹那トンネル   先祖は平家の一族 「講談社の絵本」と東京見物   省線電車の登場   二重橋の美しさと西郷隆盛の銅像   靖国神社と遊就館と明治神宮   見よ東海の空明けて― 「講談社の絵本」総目録 おわりに
  • 川島芳子 知られざるさすらいの愛
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    「男装の麗人」川島芳子――清朝末期の皇女として生まれ、満州を舞台に日本軍の女スパイとして活躍し、終戦後には中国国民党の「スリーパー」になり、”ラスト・ミッション”日中国交回復を成し遂げ、本当の死を迎えるまでの激動の生き様を、元産経新聞香港支局長、中国問題に精通する著者がまとめた、感動の大河ロマン! 「男装の麗人」「東洋のマタ・ハリ」の異名をとった旧満州の女スパイ・川島芳子。第二次大戦後、中国国民党政府によって銃殺刑に処せられたが、実は処刑されておらず、国民党政権によって特務機関員として生かされ続けたとする「生存説」が根強い。本書は、生き延びた晩年の川島芳子の世話をしたという人物の周辺から貴重な証言を紡ぎ出し、激動の20世紀に弄ばれた美女の知られざる全生涯を辿った、はじめての通史である。『SAPIO』誌での大反響連載をもとに、大幅に加筆、再構成した。
  • 満蒙開拓、夢はるかなり 加藤完治と東宮鐵男 上
    -
    1~2巻1,760円 (税込)
    ■教育者・加藤完治と軍人・東宮鐵男。満蒙開拓に情熱を傾けた二人の波乱の人生と、開拓移民の夢の行方を戦後70年に問うノンフィクション大作。 「共に往かん アムールの果て 韃靼の海」(東宮鐵男)。未墾の原野の開拓に情熱を傾けた農本主義教育者・加藤完治。「満州」に日本人の開拓村建設の夢を描いた軍人・東宮鐵男。関東軍作戦参謀・石原莞爾を介して二人の人生がクロスする――。「満蒙開拓の父母」と称される二人の生涯を通して、開拓の理想と現実の乖離、その悲惨な結末を描きつくしたノンフィクション。昭和史の闇に光を当ててきた著者渾身の力作。 [目次] 序 章 「渡満道路」を辿る 第1章 農本主義教育者・加藤完治の誕生 第2章 軍人・東宮鐵男と中国大陸 第3章 国民高等学校運動と加藤グループ 第4章 満蒙移民の胎動と満州事変 第5章 動き出した満蒙開拓移民 第6章 第一次武装試験移民(弥栄村)の入植 <著者略歴> 牧 久(まき・ひさし) ジャーナリスト。一九四一年、大分県生れ。六四年、早稲田大学第一政治経済学部政治学科卒業。同年、日本経済新聞社に入社。東京本社編集局社会部に配属。サイゴン・シンガポール特派員。八九年、東京・社会部長。その後、取締役総務局長、常務労務・総務・製作担当。専務取締役、代表取締役副社長を経て二〇〇五年、テレビ大阪会長。現在、日本経済新聞社客員、日本交通協会会員。著書に『サイゴンの火焰樹――もうひとつのベトナム戦争』『特務機関長 許斐氏利――風淅瀝として流水寒し』『「安南王国」の夢――ベトナム独立を支援した日本人』『不屈の春雷――十河信二とその時代』上下(各小社刊)がある。 ※この電子書籍は株式会社ウェッジが刊行した『満蒙開拓、夢はるかなり――加藤完治と東宮鐵男 上』(2015年7月27日 第1刷)に基づいて制作されました。 ※この電子書籍の全部または一部を無断で複製、転載、改竄、公衆送信すること、および有償無償にかかわらず、本データを第三者に譲渡することを禁じます。
  • 丹羽宇一郎 令和日本の大問題―現実を見よ!危機感を持て!
    3.5
    1巻1,760円 (税込)
    「世」という漢字には、30年という意味があります。 いまから30年前、日本のバブルがはじけました。 その30年前は高度経済成長がはじまり、 さらにその30年前は戦争へとつながる満州事変が起きました。 時代は30年ごとに大きな転換点を迎えるのです。 では、令和日本の30年はどうなるのでしょうか? 本書は、これからの30年を 私たち日本人がどう生きるかをテーマにしています。 大事なことは、 いま私たちの周りで何が起きている問題、 これから起こる問題などを正しくとらえることです。 急激な人口減少、大地震や大雨などの自然災害、 中国の台頭による国際関係の変化など、 私たちを取り巻く問題はあまりにも大きく多いです。 それでも、私たちは、働き、生きていくのです。 本書は、若者の未来を拓くために、 問題に目を背けることなく、 これからの時代を生き抜く知恵と知識を語り尽くした、 著者渾身のメッセージです!
  • 大空に夢を求めて 私の履歴書
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    ●2017年4月に連載された大橋洋治・ANAホールディングス相談役の「私の履歴書」を単行本化。 ●1964年、航空会社として後発の全日空(ANA)に入社して以来55年。国際線への進出、そしてアジアを代表する航空会社となることを目指し、我武者羅に仕事に邁進してきた著者が、同社と日本の航空業界をめぐるできごとを述懐する。 ●1940年、中国・満州(現・中国東北部)の桂木斯(ジャムス)市に生まれ。戦後の混乱期に、命からがら母親とともに中国から日本に引き揚げてきた。慶應義塾大学に入学して石川忠雄教授のもとで中国について学び、中国に深く関わってきた岡崎嘉平太・全日空第2代社長の知己を得て、全日空に入社する。 ●入社2年後には全日空羽田沖墜落事故が起き、悲惨な現場を経験。中堅として活躍していたときにロッキード事件に遭遇し、上司が事件に巻き込まれていくのを間近に目にする。事件の余波が続くなか、全日空は成田空港開港を機に国際線就航を目指す。著者はそのための労使交渉を現場で仕切り、汗を流した。ニューヨーク支店勤務から戻ると、実力者の若狭得治名誉会長と普勝清治社長の対立が表面化し、全日空は世間の注目を浴びることとなる。有名なお家騒動の舞台裏は、興味深い読み物になっている。 ●好業績のなか、著者は2001年春に社長に就任。しかし、同年9月にアメリカで同時多発テロが発生し、世界の旅客市場は大きく冷え込む。ライバルのJALは日本エアシステムを統合するなど、国内の競争環境も激変し、存亡の危機に直面。基本給5パーセントカットを断行するなど厳しい局面を乗り越え、2003年には復配をはたす。 追いつき追い越す目標だった日本航空の破綻と復活を経て、航空業界は新たな環境にある。著者は、アジアを代表する翼として全日空が「空のシルクロード」をつくる夢を描く。
  • 日中七〇年 戦争と反日・友好
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    1巻1,760円 (税込)
    70年間、日中の激動を自ら体験した衝撃の手記! 著者は、戦前、上海の大学に進学。そこでエリート教育を受けながら、視察旅行中に中国人ゲリラに撃たれ瀕死の重傷、学生仲間ひとりは死亡。戦局が激化する中、繰り上げ卒業し、満州国の首都・新京(現・長春)にあった満鉄に入社。そこで関東軍にも出入りし、関東軍の真相を知る。 敗戦後は進撃してくるソ連軍から日本人を退避させる業務を担当、満鉄社員の帰国、満鉄最後の総裁列車「特急あじあ号」も仕立てる。進駐したソ連軍からの日本人の庇護活動も担当し、その後の国共内戦に巻きこまれながらも、なんとか内地帰還。 戦後は、1984年から北京で中国共産党・中国政府の仕事を7年間務める。この間、1989年6月の天安門事件を目撃体験。さらに、1995年、73歳のとき、北京大学の教壇に立ち、中国の超エリート学生に日本語を教える。帰国後も日本に就職した教え子や来日した教え子と頻繁に交流している。
  • 赤塚不二夫 伝 天才バカボンと三人の母
    3.0
    1巻1,760円 (税込)
    【内容紹介】 強い、弱い、きれい、汚い……、 すべての存在をあるがままに 命がけで肯定した天才と その天才を生み育てた「母」の物語 3人の「かあちゃん」が大好きだった 赤塚不二夫のすべて 天才・赤塚不二夫。赤塚は、無防備な幼児だった。 3人の『母』がそれを理解し、補い、支え、天才を育てた。 実母、りよは、十歳の長男(赤塚)を筆頭に4人の子どもを連れ、満州から1人、引き揚げてきた。 漫画と接する機会を与え、漫画家を志した赤塚を応援した。 最初の妻、登茂子は、アシスタントとして、妻として、出世作『おそ松くん』を共に描き、 プロとしての漫画家・赤塚不二夫を育てた。 そして二番目の妻・真知子は、アルコール依存症になり、がんも患うなど、 どん底に落ちた赤塚を世話女房として復活させ、その命をつないだ。 3人の「母」を通して描く、知られざる赤塚不二夫の物語。
  • 国民国家と戦争 挫折の日本近代史
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    開国から明治維新の近代国家創設、日清・日露戦争を経て植民地帝国への拡大、満州事変から日中戦争、第二次世界大戦敗北による帝国崩壊まで……。日本は、アメリカ・フランスのような理念型ではなく、民族型の国民国家を形成し、天皇中心の国体に収斂してしまった。国民による戦争への積極的な関わりにも注目。「国民」をキーワードに、日本近代史を解明し、単純な支配・被支配関係ではない国民国家・日本の実像に迫る。
  • 合本 大地の子(一)~(四)【文春e-Books】
    4.9
    1巻1,760円 (税込)
    NHKでドラマ化された山崎豊子の感動巨篇「大地の子」全4巻が電子書籍の合本として登場。 松本勝男は、敗戦直後に祖父と母を喪い、妹と生き別れた。戦争孤児となった少年は、死線をさまよう苦難を経て、中国人教師に拾われ、中国人「陸一心」として育てられる。しかし、成人した一心を文化大革命の波が襲う。日本人の出自ゆえにリンチを受け、スパイの罪状で労働改造所送りに。終わりのない単調な重労働に明け暮れる日々、一心が思い起こすのは、養父・陸徳志の温情と、重病の自分を助けた看護婦・江月梅のことだった。 労働改造所から釈放された陸一心は、恩人である江月梅と結婚。中国と日本共同のプロジェクト「宝華製鉄」建設チームに抜擢された。一方、プロジェクトに協力することになった日本の「東洋製鉄」からは、松本耕次が上海事務所長として派遣される。松本は戦前、開拓団の一員として満州にわたった。しかし敗戦時妻子の生死も不明となり、傷心のまま生きてきた。戦後三十年を経て、両国で残留孤児探しが始まる──。 「あつ子、すまなかった、探し出すのが遅過ぎた」──陸一心こと松本勝男は、三十六年ぶりにめぐりあった妹・あつ子に泣いて詫びた。妹は張玉花という名で、寒村での過酷な労働の果てに、重い病いの床にあった。その頃、兄妹の実父・松本耕次は、生き別れた子どもたちの消息をつかめぬまま、奇しくも陸一心のたずさわる製鉄所建設に参加し、中国で苦労を重ねていた。 実の妹の臨終を看取り、悲嘆にくれる一心の前に、東洋製鉄の松本耕次が現れた。松本は、娘の消息がわかって駆けつけたのだ。あまりに唐突な父子の再会。一方で、宝華製鉄建設は大詰めをむかえていた。頭角を現す一心に、更なる悪意が襲いかかる……。最後に選ぶのは祖国日本か中国か。血と汗と涙の傑作巨篇!

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  • 新・二都物語
    5.0
    1巻1,732円 (税込)
    一九〇三年に生を受けるも生い立ちがまったく異なる二人の男が、関東大震災をきっかけに思いもよらぬ運命へと導かれる。 ジェフリー・アーチャー『ケインとアベル』を思わせる傑作大ロマン小説! ひとりは、東北の寒村の生まれの柾木謙吉。 もうひとりは、大阪の銀行家の息子で、何不自由なく育った水町祥太郎。 講義録の出版で大成功をした笠尾喜十郎の家で書生をしていた謙吉は、関東大震災当日、喜十郎の娘・華枝を、華枝の腹違いの兄・喜之が手篭めにしようとしている現場に遭遇し、勢いあまって殺してしまう。 浅草へ外出していた喜十郎一家は全員亡くなり、震災の混乱に乗じて謙吉は喜之を演じるようになった。 謙吉は、喜之が行く予定だったロンドン留学で学力や人脈を培い、帰国後、内務官僚になる。 一方、祥太郎は、ひょんなことから、映画監督や地方紙の社長と知り合い、映画制作に関わることに。 関東大震災から終戦直後までを背景に二人の男の波乱万丈の人生が、東京・大阪の“二都”から上海や満州国の首都・新京(いまの長春)までもを舞台に展開します。 笑いあり涙もあり活劇あり、そして踊りや歌も入った、まさに大衆小説の王道的傑作です。
  • わが放浪 満州から本石町まで
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    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 ジャーナリストから、日銀副総裁に転身した著者のエッセー集。明治の東北で新聞記者だった祖父、満州と父の思い出、青春時代を過ごした仙台、横浜など。副総裁の原点を垣間見る。

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  • 中国東北部の「昭和」を歩く 延辺・長春・瀋陽・大連 韓国人が見た旧満州
    4.0
    1巻1,672円 (税込)
    戦争を知らない世代が見た旧満州の残像――。私は歴史学者でも、研究者でもありません。ただ、日本の植民地時代に思いを馳せるのが好きな旅人に過ぎません。幸いにもさまざまな縁があり、かつての満州国で暮らした方たちと出会って、いろいろな話を聞くことができ、このような本を書く機会に恵まれました。私が住む朝鮮半島や、中国東北部、台湾の日本植民地時代については、個人によって評価が異なるので、その是非をどうこう言うつもりはありません。私は、かつての満州の地を歩き、満州時代の日本人や中国人、朝鮮人がどのように暮らし、どんなときに笑い、どんなときに泣いたのかを想像してみたかったのです。歴史の難しい話は抜きにして、海洋まずは中国東北部に出かけてみませんか。──著者・鄭銀淑

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  • あしあと ちばてつや追想短編集
    4.6
    ちばてつや、23年振りの最新短編集!! 巨匠・ちばてつやの23年振りとなる短編集!  戦後の満州引き揚げを描いた「家路 1945-2003」、漫画家デビュー時に謎の体調不良にさいなまれた日々を描く「赤い虫」、トキワ荘グループとの交流のきっかけとなった”事件”を描く「トモガキ」、そして最新発表作となる、名作『のたり松太郎』誕生前夜を描いた「グレてつ」といった、2000年以降に描かれた氏の貴重な自伝的読み切り作品を、掲載当時のカラーを含め完全収録!
  • 骨の記憶 七三一殺人事件 虚妄の栄光とウイルス兵器
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    1巻1,650円 (税込)
    戦争孤児から苦学の末フリーのジャーナリストとなった紘一は、戦後の暗部からやがて「七三一部隊」の闇に引き寄せられていく。真実を追求する過程で逢着した行方不明だった姉の消息。物語は終戦間近の旧満州にさかのぼる。部隊の撤収時に何が起こったのか? そして隅田川の遺体はだれなのか?……
  • まいにちの季語
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    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 【電子版のご注意事項】 ※一部の記事、画像、広告、付録が含まれていない、または画像が修正されている場合があります。 ※応募券、ハガキなどはご利用いただけません。 ※掲載時の商品やサービスは、時間の経過にともない提供が終了している場合があります。 ※この商品は固定レイアウトで作成されております。 以上、あらかじめご了承の上お楽しみください。​ 「今日の季語はこれ!」その日にぴったりな季語がわかる365日の歳時記。 ページをめくるだけで俳句作りのヒントが見つかる! 俳句のポイントは季語。 しかし季語だけでも何千とあり、どれを使っていいのかわからず、俳句作りも進まない…。 そんな人に向けた、その日にぴったりの季語がわかる365日の俳句歳時記。 ●1日1つの季語とその解説、それを使った例句、その季語に関する豆知識や季語の使いこなしなど、 句作りのヒントを1日1ページにまとめました。 日々、パラっとめくるだけで俳句のヒントが見つかる!  ●季節の区分がわかる「二十四節気」早見表、「新七十二候」の一覧、代表的な忌日表など、 パッと見やすい表が便利。 ●旧暦/新暦や旧かな/新かなについてなど、わかりづらい点がスルスル理解できるコラムも必読。 ●索引は見出し季語に加え、関連季語(傍題)もすべて収録し、使い勝手がいい。 ●美しい日本語が満載で、読むだけでも楽しい。 ●俳句初心者から、俳句作りに迷っている経験者まで、1冊あればずっと使える! 辻 桃子(つじももこ):1945年、横浜に生まれ、東京で育つ。 1987年、月刊俳句誌『童子』を創刊、主宰。 第1回資生堂花椿賞、第5回加藤郁乎賞、手島右卿特別賞受賞。 『増補版いちばんわかりやすい俳句歳時記』 『イチからの俳句入門』(安部元気・共著/ともに主婦の友社)など著書および連載多数。 NHK「俳句王国」主宰、「俳句甲子園」審査員長なども務める。 安部 元気(あべげんき):1943年、旧満州に生まれ、島根県で育つ。元朝日新聞記者。 『童子』大賞受賞。『童子』副主宰。 NHK文化センター(弘前市)俳句講師のほか、首都圏12か所で「一からはじめる俳句講座」 「やさしい句会」を主宰。第13回加藤郁乎賞受賞。著書多数。
  • 満州事変と政党政治 軍部と政党の激闘
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    激闘86日。万策尽き政党政治は終焉した。従来考えられていた以上に堅固だった戦前政党政治が、なぜ軍部に打破されたのか。そこには陸軍革新派による綿密な国家改造・実権奪取構想があった。最後の政党政治内閣首班、若槻礼次郎の「弱腰」との評価を覆し、満州事変を画期とする内閣と軍部の暗闘が若槻内閣総辞職=軍の勝利に至る86日間を、綿密な史料分析に基づき活写する。(講談社選書メチエ)
  • やさしい俳句入門 17音で世界が変わる! 心がおどる!
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    【電子版のご注意事項】 ※一部の記事、画像、広告、付録が含まれていない、または画像が修正されている場合があります。 ※応募券、ハガキなどはご利用いただけません。 ※掲載時の商品やサービスは、時間の経過にともない提供が終了している場合があります。 ※この商品は固定レイアウトで作成されており、タブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。 また、文字列のハイライトや検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 以上、あらかじめご了承の上お楽しみください。 十七音で思いをどう伝えるか、世界をどう表現するか、俳句上達のヒントがぎっしり。おもしろい!と言われる句がすぐできる! 俳句を始めようと思っている人、上達のコツを知りたい人に向けた、徹底的にやさしい俳句入門。 日々、俳句ビギナーとふれ合い、初心者の句を添削している著者のアドバイスは、わかりやすく実践的。十七音で思いをどう伝えるか、世界をどう表現するか、基本のルールからステップアップのポイントまで、すぐに参考になるヒントがぎっしり。楽しみながら上達の手ごたえがつかめ、俳句がさらにわくわくするものになります! 江戸時代の有名句から最近の句まで、例句が豊富。それらも参考に、具体的な作句方法・ブラッシュアップの仕方のイメージがつかみやすい。「わかりづらい」「説明しすぎ」「思い込み」「ありがち」など、ビギナーがやりがちな失敗をズバリ。「自分の句のどこが良くないのかわからない」というミスがなくなります! 人気イラストレーターの影山直美が描く柴犬たちが案内役。日本の四季にぴったりな和のワンコたちの絵に心なごみます。 1章:俳句の基本ルールは3つだけ 2章:すぐに俳句が見違えるコツ6 3章:推敲で俳句が劇的ブラッシュアップ! 4章:やってしまいがちな俳句のワナ6 5章:句会・吟行で楽しく俳句力アップ! 辻 桃子(ツジモモコ):1945年、横浜に生まれ、東京で育つ。1987年、月刊俳句誌『童子』を創刊、主宰。第1回資生堂花椿賞、第5回加藤郁乎賞、手島右卿特別賞受賞。「いちばんわかりやすい俳句歳時記」シリーズ、『まいにちの季語』、『毎日が新鮮に! 俳句入門 ちょっとそこまで おでかけ俳句』(いずれも共著・主婦の友社)など、著書および連載多数。日本伝統俳句協会理事、日本現代詩歌文学館理事、NHK「俳句王国」主宰、「俳句甲子園」 審査員長なども務める。 安部 元気(アベゲンキ):1943 年、旧満州に生まれ、島根県で育つ。元朝日新聞記者。「童子」大賞受賞。「童子」副主宰。NHK文化センター(弘前市)俳句講師のほか、首都圏16カ所で「一からはじめる俳句講座」「やさしい句会」を主宰。第13回加藤郁乎賞、文學の森賞大賞受賞。著書多数。 影山 直美(カゲヤマナオミ):イラストレーター。歴代4頭の柴犬と暮らし、彼らが登場するイラストエッセイや4コマ漫画などを多数手がける。『柴犬さんのツボ』シリーズ(辰巳出版)、『柴犬テツとこまのほほんな暮らし』(ベネッセコーポレーション) 、『しば犬こたのしっぽっぽ』(神宮館) 、『柴犬のトリセツ』(西東社) ほか。

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  • 関口宏・保阪正康の もう一度! 近現代史 戦争の時代へ
    3.5
    1巻1,595円 (税込)
    日清・日露戦争に勝利し、朝鮮半島、南樺太、そして南満州鉄道を手に入れた日本は、強大化した軍事力を背景に一等国の仲間入りを果たした。 迎えた大正時代は、政争に始まった。山縣有朋を筆頭とする明治の元勲・藩閥勢力と、議会政治の確立を目指す勢力が激しく争い、民衆もそれに呼応して護憲運動が起こった。 まもなくヨーロッパで第一次世界大戦が勃発し、ロシア、ドイツで革命が起こって帝政が崩壊すると、日本はその間隙を縫うようにして権益を確保しようと目論む。ドイツが支配していた中国の港湾都市・中国を強引に奪い取り、シベリアにも出兵した。 日本は、「遅れてきた帝国主義国家」となった。国力の伸長を国民も支持し、陸軍の暴走を追認する形で、軍事国家への道を歩み始める。 天皇の体調が思わしくなかった大正後期には軍事行動を自重していた陸軍も、昭和に改元されると、すぐさま満州事変を起こし、さらに柳条湖事変によって中国大陸の奥深くへと侵攻していく。 傀儡国家・満州国建設のため、清朝のラストエンペラー溥儀を天津の日本租界に匿い、日本の保護下に置いた。さらに男装の麗人と言われたスパイ・川島芳子が溥儀の妻・婉容を言葉巧みに連れ出し、満州国建設の準備を進める。 一方国内では血盟団事件、五・一五事件など要人をターゲットにしたテロ事件が続発、ついには、東京に戒厳令が敷かれる二・二六事件が勃発する――。 新興国・日本が経済力と軍事力に自信を深め、欧米列強に伍する新たな一等国として成り上がろうとした、野望の時代。 目的のためには手段を選ばずあらゆる謀略を駆使し、目を覆うような残虐行為が横行する一方、華やかな大正文化が勃興した大正~昭和11年初頭までを描く、大人気シリーズ待望の第二弾。
  • 白球の「物語」を巡る旅 コンテンツツーリズムで見る野球の「聖地巡礼」
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    野球はなぜベースボールにならなかったのか ベースボールはなぜ戦後も野球と呼ばれ続けたのか。そこには地域と野球の密接な結びつきがあった。伝説の投手沢村栄治、今も都市対抗野球に名を残す久慈次郎、幻の企業チーム別府星野組など、各地の野球にまつわる足跡を辿る。 【目次】 第1章 地域と野球の関係性 第2章 北海道・岩手——スタルヒン、久慈次郎の足跡 第3章 福島——野球熱でつながる常磐炭鉱と磐城高校 第4章 東京——大学野球の源流を辿る 第5章 三重・京都——戦火に散った伝説の大投手・沢村栄治 第6章 和歌山——全試合完封で甲子園を制した嶋清一の故郷を訪ねて 第7章 兵庫・大阪——知られざるスタジアムの歴史 第8章 兵庫(淡路島)——阿久悠と『瀬戸内少年野球団』に見る離島の野球文化 第9章 大分——幻の企業チーム「別府星野組」 第10章 香川——永遠のライバル・水原茂と三原脩の物語 第11章 沖縄——戦争に翻弄された沖縄球児と島田叡の功績 第12章 台湾(嘉義)——日本人が持ち込んだ台湾野球の黎明期 第13章 中国(大連)——大連満州倶楽部と大連実業団がしのぎを削った時代 第14章 旅の終わりに 【著者】 増淵敏之 1957年生まれ。法政大学大学院政策創造研究科教授。コンテンツツーリズム学会会長。著書に『物語を旅するひとびと』(彩流社)、『欲望の音楽——「趣味」の産業化プロセス』(法政大学出版局)、『おにぎりと日本人』(洋泉社)ほか。
  • featuring満州アヘンスクワッド 昔々アヘンでできたクレイジィな国がありました
    5.0
    1巻1,567円 (税込)
    かつて最先端だった仮想国家・満州は、アヘンでできた国だった!? 暗黒街の住人たち、巨大な闇組織、ストリートのカネとエロ、主要な都市の実態などなど、満州を等身大で捉えた一冊。累計100万部を突破した『ヤングマガジン』連載中の大人気作『満州アヘンスクワッド』をきっかけに、ストリートの実態から、国施策の実際まで、いろいろわかるガイドブックです。 プロローグ おかしな国・満州 第一章 アヘン 第二章 人 第三章 エロ 第四章 街 第五章 カネ 第六章 軍と国 第七章 遊・食 第八章 モノコト
  • 杉原千畝に聞く 日本外交の正義論
    4.0
    現代日本の外交戦略にアドバイス! “命を守る外交”とは何か。 先の大戦時、ナチスから六千人ものユダヤ難民を救った日本人外交官―― その死から30年、本人が語る「命のビザ」と第二次世界大戦の真相。 【先の大戦で、日本は決して非人道的な国ではなかった。】 ■■ 杉原千畝の人物紹介 ■■ 1900~1986年。外交官。早稲田大学高等師範部英語科予科に在学中、外務省留学生試験に合格。外務省採用後は、ハルビン総領事館二等通訳官、満州国外交部事務官等を歴任。モスクワ日本大使館二等通訳官に任命されるもソ連から入国拒否を受ける。駐リトアニア在カウナス日本領事館領事代理時代の1940年、ナチスから逃れるユダヤ難民からの要望を受け、一カ月半にわたり独断で約6千人に通過ビザを発給。戦後、 イスラエルのヤド・ヴァシェム賞受賞。「日本のシンドラー」とも称される。
  • 満洲帝国史
    3.7
    1巻1,540円 (税込)
    満州国建国の牽引力となった石原莞爾らと、産業立国建設の先頭に立った「二キ三スケ」、満映理事長甘粕正彦など、夢舞台「幻の満州」にその夢を託した人々の足跡を追う。 ※本作品は紙書籍から口絵または挿絵の一部が未収録となっています。あらかじめご了承ください。
  • 公開霊言 東條英機、「大東亜戦争の真実」を語る
    4.0
    東條英機が語った先の大戦の真相、そして現代の靖国問題と外交危機への見解。憲法改正に揺れる日本へ魂のメッセージ。いま、正しい「歴史認識」を求めて――。日本が開戦に追い込まれた経緯。欧米の根底にあった「人種差別思想」満州国建国の真相「靖国参拝問題」に対する思い。
  • 特急あじあ号 復刻時刻表
    完結
    -
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 1930年代から40年代初頭における満鉄の代表列車として広く親しまれた戦前の日本が開発した世界レベルの高速列車『特急あじあ号』。その物語が発進! 秘蔵写真で見るあじあ号 特急「あじあ」は夢を乗せて 巨大企業 満鉄と満業 「あじあ」を作った男たち 満鉄総裁という「力」 幻の満州を歩く 満州鉄道の駅10景 荒野を疾った満鉄!路線図完全再現 満鉄時刻表から見る満州帝国の国力 満鉄の旅 満州列車時刻表
  • 百万本のバラ物語
    4.3
    「百万本のバラ」を作った人たちの運命、どこかでこの歌をうたっているはずの人の今――果てしない世界の放浪者のように、とぼとぼと生き続けているこの歌を改めて見つめてみると、そこには大きな歴史に翻弄されようとも、なんとか生きてきた一人一人の物語があった。ロシアと周辺国、そして加藤登紀子が生まれた満州(中国東北部)のハルビン。そこに生きる人、そこを追われた人たちとの出会いを、自身の歌と人生とともにつづる。
  • 建国神話の社会史 史実と虚偽の境界
    4.0
    1巻1,540円 (税込)
    天照大神の孫が高天原から降臨し、その孫である神武天皇がヤマトに東征、橿原宮で天皇の位に就く――『古事記』『日本書紀』に記されたこれらの神話が歴史的事実ではないことは、戦前の普通の々にとっても当たり前のことであった。史実ではないが、史実として扱い、そう振る舞っていたのである(こうした「建前と本音」的なものは、現代の私たちにも心当たりがある)。 神話の「史実」化には、天皇による統治を正当化するという明治政府の政治的目的があったのはもちろんだが、一方で民主化(神々の話合いは「万機公論」の根拠とされた)や経済振興の手段でもあったことは、今ではあまり知られていない。もっとも、「神話」を「史実」として受け止めることには、さまざまに無理も生じる。とくに教育現場における混乱は、いくつもの「笑えない」笑い話を残した。 本書は、幕末水戸学の尊王攘夷思想という建国神話重視の発端から、昭和天皇が「人間宣言」によって事実上、建国神話を否定するまで(そもそも、昭和天皇は科学者でもあった)、日本社会に起きた悲喜劇をエピソードたっぷりで描き出し、近代とは何か、歴史とは何か、国家とは何かを問い直す。 目次より 序 章 虚偽と史実の境界 第一章 神話が事実となるまで 一 日本の建国神話とは 二 なぜ「事実」になったのか? 三 教科書で「事実」とされたのはなぜか?   第二章 「事実」化の波紋 一 学校の外ではどうだったのか? 二 学校の中ではどうだったのか? 第三章 建国祭と万国博覧会 一 政治にどう利用されたか? 二 経済にどう利用されたか? 第四章 満州事変の影響は? 一 教室外でも始まる建国神話の「事実化」    二 建国神話教育への影響は? 第五章 日中戦争期の社会と建国神話 一 紀元二千六百年をめぐって    二 社会はどう受け止めたか? 第六章 太平洋戦争期とその後 一 国史教育のその後 二 効き目はあったか? 三 その後   終章 「建国神話の社会史」の旅を終えて
  • 思想劇画 仕組まれた昭和史 日中、太平洋戦争の真実
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    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 山東出兵、金解禁、満州事変、日中戦争、そして無駄な太平洋戦争へ・・・ 激動の昭和史の背景には、20世紀すべてを通して没落していったイギリス帝国(ロスチャイルド財閥)と、それを駆逐し瓦解させ、隆盛していったアメリカ帝国(ロックフェラー 新興石油財閥)の大きな世界覇権(world hegemony)の移行、交替の事実があった。
  • 昭和動乱の真相
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    警視庁初代特高部長であり、終戦内閣の内務大臣を務めた著者が、警察官僚だからこそ知り得た情報をもとに、五・一五事件、血盟団事件、共産党リンチ事件、二・二六事件などのテロ事件や、満州事変、盧溝橋事件、そして対米開戦などの軍事と、揺れ動く「昭和」の裏面を語る。 〈解説〉黒澤 良
  • 上海時代(上) ジャーナリストの回想
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    満州事変、第一次上海事変の余韻さめやらぬ昭和八年、聯合通信支局長に就任した著者はが、抗日テロ、西安事件、蘆溝橋事件、そして日中全面戦争へと至る六年間、上海を舞台に取材報道にあたりながら、内外に築いた深い人脈を活かし和平実現に尽力した歴史的証言。日本エッセイストクラブ賞受賞作。
  • 板垣征四郎と石原莞爾 東亜の平和を望みつづけて
    4.0
    1巻1,500円 (税込)
    「この人は何でもわかっている。この人はすべてお見通しだ」。満州国の建国に携わり、東京裁判でA級戦犯として死刑に処せられた陸軍大臣・板垣征四郎。本書は彼の生涯と昭和前期の日本に光を当てる、壮大な試みである。諸民族が入り乱れた満州の地に、アジア人の五族協和・王道楽土を求めた石原莞爾の思いを汲み、自らは「不言実行」を貫いた板垣の生き様は、「この日本にしてこの人物あり」と思わせるものだ。時代や社会は個人とともにある。本書は興隆期にあった日本の力、品格、高潔さを体現する存在として、板垣と国家を重ね合わせている。さらに、著者は「日本がいかに強大であったか」という観点から、第二次世界大戦における「日本が勝利するチャンス」(歴史の仮説)をも提示する。それは当時の日本の国力と地政学に裏付けられたものであり、イデオロギーや虚仮威しとは無縁であることを記しておく。日本とともに戦った男の生涯が、開封される時が来た。

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  • 満州と岸信介 巨魁を生んだ幻の帝国
    3.5
    満州と戦後日本。二度の国創りを行った男の「見果てぬ夢」とは。長州の血筋と反共・反ソの記憶、産業開発計画に賭した夢と野望、戦後の岸を支えた満州人脈の光と影――知られざる昭和史を描く渾身のドキュメント!
  • 中国人に助けられたおばあちゃんの手からうけつぐもの
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    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 「満州」に移民した著者の波瀾にみちた半生。敗戦時、著者は中国人に助けられ、生きのびた。体験を次世代に伝えたいという思いで書かれた一冊。
  • ビルマ戦線 楯師団の「慰安婦」だった私
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    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 文玉珠さんは十六歳の時満州へ強制連行されて、「慰安婦」にされ、さらにビルマヘ送られた。戦場で多くの少女たちが死んだが、彼女は知恵と機転と強い意志で生き抜いた。
  • 大清帝国
    4.0
    満州(マンジュ)族の一小国が、飽くなき革新力により、巨大な中華世界を飲み込む。その力は中華世界を越え、中央アジアへ進出し、イスラムをも取り込んだ空前の大版図を築く。華夷秩序を超越する世界帝国の体現者=清朝。それは、満・蒙(モンゴル)・漢・蔵(チベット)・回(ウィグル)5族からなる、現代中国の原型だった。康煕・雍正・乾隆の3代皇帝を中心に、その若々しい盛期を描く。(講談社選書メチエ)
  • 電話・睡眠・音楽
    完結
    4.7
    ひとり暮らしの女性の日常と東京の夜景を通して現代の時間の流れを切り取った表題作ほか、龍になろうと修行した男がウナギになって食われる「龍神抄」、赤塚不二夫の満州引き上げ体験を絵物語にした「赤塚藤雄の頃」、藤枝静男や梅崎春生の短編を漫画化した「妻の遺骨」「輪唱」など、新時代のリアリズムを切り拓く1+13編を収録。 音楽家・小西康陽が「ヌーヴェル・ヴァーグ」と評価し、「POPEYE」「SWITCH」「SPECTATOR」………各カルチャー誌がこぞって特集。第21回 文化庁メディア芸術祭審査委員会推薦作品にも選ばれた話題の俊英・川勝徳重、待望の作品集。
  • 真実の中国史[1949-2013]
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    1巻1,430円 (税込)
    ロングセラー『真実の中国史【1840-1949】』、『真実の満州史【1894-1956】』(ともに弊社刊)。
  • 昭和の歌藝人 三波春夫
    5.0
    不世出の大歌手は昭和の日本人そのもの! 三波春夫(1923年~2001年)は、数々のヒット曲を出し、唯一「国民的歌手」といわれた昭和の大歌手。戦前、新潟で小学生の頃から、浪曲を田んぼのあぜ道で大声で披露、評判に。13歳で上京、米屋や魚河岸で丁稚奉公、16歳で日本浪曲学校入学、一年半後、南条文若の名で初舞台。20歳で召集され満州へ、終戦後、22歳~26歳までシベリアに抑留。 1957年に三波春夫に改名、歌手デビュー。「チャンチキおけさ」、東京オリンピック(東京五輪音頭)、大阪万国博(世界の国からこんにちは)の歌などが大ヒット。

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