鄭銀淑の一覧
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ユーザーレビュー
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[ 内容 ]
ソウルには昔の姿をそのまま留める市場が数えるほどしかなくなってしまったが、地方ではまだまだ健在で、歩いているだけで子ども時代に戻ったような気がしてワクワクする。韓国では、六〇年代、七〇年代の風景が現在進行形で存在する。
そして、地方には韓国の料理が昔のままの姿で残っている。
市場で働い
...続きを読むている人や買い出しに来た人たちがかきこむクッパプ(汁かけ飯)、ハルモニ(おばあさん)がていねいに焼き上げるチヂミ(お好み焼き)、でこぼこのヤカンから注ぐマッコルリ(どぶろく)など…。
田舎で出合える、暖かい味。人情に酔いしれて見えてきた、本場の味。
[ 目次 ]
第1章 韓国食文化の代表格(半島南部、ピビムパブ巡り 冷麺の両横綱 ほか)
第2章 釜山名物(ぶっかけ飯ひとつ!―テジクッパプ 釜山人気質を表すミルミョン)第3章 極上の一品(伝統料理パジョン(東莱) マッコルリと喜怒哀楽を共に(金井山))
第4章 味といえば全羅道(美食文化の本場―コンナムルクッパプ(全州) 全羅道の味を支えるジョッカル(西海岸) ほか)
第5章 辺境の地で咲いた芳味(名物そば料理(旌善) スン豆腐と母の力(江陵))
[ POP ]
[ おすすめ度 ]
☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
☆☆☆☆☆☆☆ 文章
☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度
共感度(空振り三振・一部・参った!)
読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ)
[ 関連図書 ]
[ 参考となる書評 ]
Posted by ブクログ
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「韓国人留学生が2人集まれば、留学生新聞を発行する」と、韓国人自身が半分本気で言うぐらい、結束力が強いというか、同族意識が強いというか、束になって主張するのが好きというか(束にならなくても主張するけれど)、そういう傾向のある韓国人ですから、「韓国人」というくくりだけでなく「地方人」ごとの特徴、まとま
...続きを読むりも目立ちます。それが地方対地方の対立や差別も内包している場合もあるので、語るに気をつけなくてはならず、でも適当にしゃべるのは楽しいというタイプの話題です。これは韓国の地方ごとの特色について、取材および古今の文献に基づいた分析で、知的にフェアに説明するのが難しい「地方色」についてさまざまな角度から検討している良書だと思う。
地方色といって代表的なのが、全羅道人。以下はだいたい本書でも指摘されているけれど、彼らについてよく言われるのは「賢い、機敏、社交性がある」という評価。しかし同時に、「油断ならない、裏切る、気をつけろ」という負の評価も裏でわりと一般的にされている。韓国人の中には親しくなると、「私は全羅道の男には気をつけろと母に言われてきた」ということを告白する両家の子女もいる。あるいは「あなたも気をつけた方がいい」とご親切にもこっそり忠告してくれたりする人もいる。もちろん彼らはそれが差別的でもあると気づいてはいるので、こっそり、なのですが。さて、それはどうしてかという話で、よく言われるのは全羅道は滅亡した百済の地でありその後も過酷な収奪と弾圧にあってきたから苦労しすぎると性格が歪む、みたいな退屈な心理ブンセキ。しかし筆者は一歩踏み込み、より現代的には、ドラマや映画に登場するメディアバイアスのかかった「全羅道人」のイメージ作りが全羅道人を見る我々の負の色眼鏡形成に寄与しているのではないかと、いくつかの例を挙げて指摘している。残念なことに、この部分があっさりしか書かれていないけれど、1つの重要な見方を示していると思う。
ただ、地方色といっても年代が下るほど、あるいは保守的でないタイプほど、それは薄まっていると思う。
韓国はいろいろなシステムが人の情で動くことが多いので、本書みたいなものは傍流としてけっこう重要なんじゃないでしょうか。「韓国を知りたいなら、学習は当然ながら、1人でもいいから韓国人を深く深く知ること」と韓国人の政治の先生に言われたけれど、結構正しい、と思います。韓国人のリズム感をつかむ。私は友人らの顔を思い浮かべながら、やっぱりー、とか、なるほどー、とか考えながら、それはそれは楽しく本書を読みました。感謝!
Posted by ブクログ
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戦前、「五族協和」というスローガンを掲げ、多民族が共存していた満州国。事実上日本が支配していたこの国で日本人は「一等国民」とされていた。現地の中国人は「三等国民」。ここで「二等国民」とされていたのが、朝鮮の人々だ。
韓国人の著者は、延辺、長春、瀋陽、大連と旧満州の残像を訪ね歩く。中国に住む朝鮮族
...続きを読むの人々にスポットを当てるあたりは著者ならでは。中国からの引き揚げで大変な苦労をした日本人や、中国残留孤児の話は何度も読み聞きしてきたんだけど、この視点は新鮮だった。
海外に行くとついつい古い建築に目を奪われてしまう私。日本はアジアの旧植民地で多くの建築を残しているけど、日本の傀儡政権だった当地もしかり。日本と瓜二つの建物がいまだに残っている。驚いたのが、291㌻の大連駅舎。完全なる上野駅のコピーだ!
他にも印象に残るような旧満州時代の古い建物が残されているこの本のエリアに行ってみたくなった。
Posted by ブクログ
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マッコルリについて知りたくて読書。
あいまいだったマッコルリとトンドン酒の違いを知ることができる。
全国の特色あるマッコルリを紹介している。今夜、マッコルでもを飲みながら語れそうなウンチク満載。北朝鮮のマッコルリの味や種類を知りたくなる。
本書は紀行作家の本領発揮といえる内容。しかし、新聞記事
...続きを読むのような複数段で構成されているので、やや読みづらい。
著者は歴史に触れないような本業の紀行文で活躍して欲しいと思う。歴史に触れると、残念の一言なので・・・。
マッコルリとトンドン酒の違いの分かる男になりたい。
本書は知人からいただいています。有り難うございます。
読書時間:約50分
Posted by ブクログ
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韓国の地方を知りたくて読書。
地方、離島などの文化や人々、そして、過疎化が進行している現状も感じることができる。これをすべて日本語で書いているところがすごいと思う。
著者は現在、韓国を拠点にしているため、先に韓国表記、後から日本表記と韓国への配慮を感じる。
マッコリを、マッコリルリ(ルは小さい
...続きを読むル)、新義州(多くの本ではシンミジュ)をシンウィジュと表記するなど著者の韓国語発音のカタカナ化へのこだわりを感じる。
20年飲んできた紹介しているだけあり、マッコリにまつわる話が多い。
地方もいいなと思う。しかし、今はあまり・・・が正直な氣持ち。
本書は知人からいただいています。有り難うございます。
読書時間:約50分
Posted by ブクログ
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