船旅にもいろいろなドラマがある。
船旅をめぐる世界をかいま見ることができる珍しい本だな。
船旅と言えば、ゆらゆら揺れる。船酔いで苦しい思いをする人もいる。船が揺れることが後に役立った人がいる。その名は内藤多仲(たちゅう)だ。
内藤は、東京タワーなどの多くの塔を設計した「塔博士」
...続きを読むと呼ばれた人物だ。
内藤は耐震建築の研究を行っていた。1917年に1年間のアメリカ留学をしたが、成果を得ることができなかった。
しかし、帰りの船旅で旅行かばんの中の仕切り板があるおかげで、荷崩れせず、中の荷物は無事だった。そこから耐震壁理論を思いついて設計に応用した。
世の中、何が役に立つか分からないから面白い。
長い船旅の楽しみは食事だった。
食通の外国人にも愛されたのは「スキヤキ・パーティ」だった。
日本郵船はいつ頃かはっきりしないが、外国人も楽しめる「スキヤキ・パーティ」を始めていた。
船旅1つとってもいろいろなことがあり、興味深い。