集英社文庫の検索結果

  • 霊能動物館
    4.7
    古くから人間と共生してきた動物たち。彼らは、神社の狛犬、お稲荷様の狐、神社仏閣のあちこちに彫られた竜や鳥など、日本では古くから崇められる対象でもあった。なぜ人は動物に神を見るのか? 狼、狐、竜蛇、憑きもの、猫、鳥、狸といった日本に存在する「霊能動物」の起源を、丁寧にわかりやすく繙く。文献や伝承、そして著者自身の霊能体験と幅広い知識がふんだんに盛り込まれた力作。
  • レイモンさん 函館ソーセージマイスター
    4.0
    大正末期の函館。旅館の娘コウは客のレイモンと知り合う。ソーセージ職人で缶詰の指導に来たドイツ人だ。恋した二人は天津まで駆け落ちし結婚。チェコで開いた店は繁盛するが、コウの望郷の念を察したレイモンは函館での開店を決意。だが、肉食習慣のない日本人に受け入れられず、戦争が外国人に過酷な仕打ちを……。健康で平和な暮らしを実現しようとソーセージ作りに奮闘する夫婦の愛と信念の物語。書き下ろし歴史小説。
  • 令和反逆六法
    3.7
    礼和四年、人権ならぬ“命権”擁護の時代。人気の配信猫が、雇用しているボノボを訴えた。ボノボの弁護を引き受けたぼくには、心の奥底に秘めたる欲望が・・・・・・(「動物裁判」)。例和三年、賭け麻雀が合法に。接待麻雀士の塔子は、高官との対局の大一番、思わぬ窮地に立たされて・・・・・・(「接待麻雀士」)。おかしいのは法律? それとも人間? 架空の法律が制定された六つのパラレル・レイワが、現行法と現実世界にサイドキック! この世の歪みを炙り出す!! 痛烈で愉快で洗練された、仕掛けだらけのリーガルSF短編集。 (『令和その他のレイワにおける健全な反逆に関する架空六法』改題)
  • 歴史に学ぶ「生き残り」の奇襲戦略
    -
    裏切りや寝返りが当たり前の戦国時代、常にお家存続の危機と背中合わせだった江戸時代。そのような非情な時代に、駆け引き・特技を武器とし、忍耐づよく「生き残り」をかけて奔走した男たちがいた。真田昌幸、藤堂高虎、前田利長、上杉鷹山、坂本龍馬。彼らの行動を通じ、「生き残り」の現代的意義や戦略を探る。この一冊には、大変な時代を生き抜くためのヒントが隠されている。
  • レジェンド・ゼロ1985
    3.0
    米ソ冷戦が終盤を迎えた1985年。韓国との軍事演習を控えたアメリカの空母が、台風により日本海上で立ち往生していた。そこにソ連の爆撃機が接近。「一発も撃たせるな」。航空自衛隊の本庄らF-4パイロットが、にわかに訪れた第三次大戦の危機に立ち向かう。呼吸を忘れる圧巻の戦闘シーン。男たちの絆と矜持が、読む者の胸を震わせる。いま全てが伝説となる。
  • 恋愛嫌い
    3.6
    女の世界は恋の話題で溢れている。でも、なじめない人間だっている。恋愛願望がなく、感情に溺れられない29歳の喜世美。猫と同居し、ブログでだけ自分を解放できる26歳の翔子。勤続12年、次長の肩書きもあるベテランだが、「前向き」が嫌いな35歳の鈴枝。男とつきあったことがないわけじゃないけれど、恋愛は苦手――。そんな女性たちの本音をリアルに軽やかに描き、明日へのエールをおくる小説集。
  • 恋愛作法
    4.0
    この本は私が重ねたいくつもの恋愛の成功と失敗、試行錯誤の体験を通して私が学んだ、恋の処方箋とも言うべきものです。恋を夢見ているあなた、目下恋愛中のあなたは、どうぞ私の失敗をくり返さないでください。この本に書いてあることを守れば、必ず恋の勝利者になれます。そして失恋の痛手に苦しんでいるあなたは、新しい一歩を踏みだすことが出来るでしょう。(「あとがき」より)
  • 連鎖(鶴見京介弁護士シリーズ)
    -
    人妻の河合しずかは、不倫相手の作家・諸岡恭平を包丁で刺し殺して逮捕された。弁護人となった鶴見京介は、しずかが殺害を認めながらも、不倫そのものを完全否定し、二人の関係を黙秘することに疑問を抱く。調べてみると二人には、枝川紀代彦という画家と接点があった。枝川はしずかと同じ京丹後の生まれで五年前に自殺していた。鶴見は真相を求めて京都へ向かうが……。罪で繋がれた者たちが秘めた悲劇の真実とは!? 鶴見京介弁護士シリーズ、最新の長編ミステリー。
  • 【新装版】傷痕 老犬シリーズI
    3.8
    1~3巻671~737円 (税込)
    終戦直後。母親を病気で失い、父親が復員してこない良文は、盗みを繰り返しているうちに、浮浪児狩りに捕まる。だが、収容施設で親友の幸太と再会、二人は収容所を脱走して、飢えをしのぎながら、厳重に守られた防空壕の隠匿物資を強奪しようとする。食うや食わずの生活。多くを大人に搾取されながら、盗んだ洋酒や煙草を闇市で売りさばいて命を繋ぐ。望まぬ早熟。仲間の裏切り。闇。魂を毀されるような暴力を見せつけられ、良文の中に獣が生まれた。老いぼれ犬と呼ばれた高樹良文刑事の眩い刹那を描くシリーズ第一弾。
  • 老残のたしなみ 日々是上機嫌
    3.7
    今、人は考える葦ではなくなった。我々は宇宙に乗り出し、怖れを知らずにそれを利用しつつある。科学の力で命を産み出し、死さえ遠ざけることが出来ると思っている。「正しく考える」ことを捨てたのだ。(本文より)現代日本を憂い、怒って、それを楽しみとしている著者の、痛快なエッセイ集!!
  • 楼門
    -
    出世欲も捨て、名聞とも隔てられた男の孤独、倦怠、憂悶、諦念が、古都の楼門を冴え冴えと照らす白い月に浮かび上がり、凄絶な絵画のように描かれた「楼門」ほか、人生のさりげない側面を淡々とした筆致で描き、垣間見る一瞬に生の真実をとらえた「ある日曜日」「北国の春」など心に沁みる珠玉の十編を収録。
  • 六月の輝き
    3.8
    戻りたい。きらめく光で満ちていた、あの季節へと――。気が強くて元気な美奈子と、病弱で優しい美耶。同じ誕生日、隣同士の家に生まれた二人は、互いに傍にいることが当たり前の「特別」な存在だった。だが、11歳の夏、美耶の持つ「ある力」がきっかけで二人の関係は壊れてしまう。すれちがったまま残酷に過ぎていく月日が、やがて優しい奇跡を呼び……。少女たちを繋ぐ、不思議な“絆”の物語。
  • 六道遊行
    -
    春日の森、大杉の精・白鹿の導きによって、奈良の世と、はるか千二百年後の世を行き来する運命を負った盗賊の頭・上総の小楯。密かに心寄せる「姫のみかど」をめぐる権力の亡者どもに鉄槌を下し、末の世では、「我が子」を取り巻く物欲の亡者どもに霊力を振るう。SF的想像力を駆使して、反俗精神と、人間の本性としての「まことの恋」を謳い上げる長編小説。
  • ロシアより愛をこめて あれから30年の絶望と希望
    4.0
    1991年から94年、ソ連崩壊前後の激動の時代をTBSモスクワ支局特派員として過ごした著者が見たロシアの実態、そこに生きる人々との交流を書簡と日記形式で綴る。そして時は流れ、2022年ロシアはウクライナに侵攻した。開戦直後にウクライナを訪れた際の日記、22年~23年の年末年始にモスクワを訪れた際の記録「補章 ウクライナより愛をこめて」を追加収録。30年前と現在、変わったもの、変わらないものとは? 著者の体験を通し、「大国ロシア」とそこで暮らす人々の本質に迫る!
  • 路傍
    3.7
    【第11回大藪春彦賞受賞作】俺、28歳。金もなけりゃ、女もいない。定職にも就いてない。同い年の喜彦とつるんでは行きつけのバーで酒を呑み、泥酔したサラリーマンから財布を奪ったりしてはソープランドへ直行する日々。輝いて見えるものなど何もなかった。人生はタクシーに乗っているようなもので、全然進まなくても金だけはかかってしまう。そんな俺たちに今日も金の臭いがするトラブルが転がり込む。
  • ロンリー・コンプレックス
    4.3
    不幸ではないけれど、満ち足りてもいない。それなりの快適な生活をしてはいるけれど将来を考えると漠然とした不安を感じたりして。生きがいを見つけたい、恋愛したい、結婚もしたい、でもこの先わたしはどうなるんだろうか。希望と不安をかかえて20代を生きてきた著者が、同じような思いを抱くあなたに答えます。すべてのシングル女性たちに贈る等身大のエッセイ。
  • 若き日の詩人たちの肖像 上
    -
    1~2巻605~715円 (税込)
    北陸の没落した旧家から骨董を学費がわりに持って上京した少年は、その夜雪の東京の街に響く銃声、血ぬられた2・26事件に遭う。暗い夜の時代をむかえる昭和初年に目覚めた青春の詩情と若者の群像を描く長篇(第一部・第二部)。
  • 若見えの呪い
    3.3
    「若見え」のゴールは、地獄の扉!? 私たち大人世代が知らぬ間に陥る“年齢詐称過多”。服やメイクがどこか変。若作りしてるのに古臭く見える。そんな状態には「バブル・フォース」と「おしゃれアバター」が効く! いまの時代にシンクロした着こなしやメイク術、年齢を受け入れてかっこよく生きる方法を提案。あなたのお悩みにお答えするQ&Aやお買い物講座も収録。めざせ、“経年美化”の素敵なおばさま。
  • 別れてください
    4.3
    総務部人事課係長の石原滋が一目惚れした十一歳年下の妻瀬里は、フランス人形の如き美しさ。だが、表情に乏しく、夫との肉体的接触を嫌った。子供を作るときでさえも。耐えかねた滋は、部下の高田千絵と浮気をするが、それを察知した瀬里は、自殺騒動を起こし「別れてください」と懇願する。しかし、妻の行動に激怒した滋は、離婚を断固拒絶して自室に引きこもり、家庭内別居で対抗する……。
  • 別れの挨拶
    4.0
    『源氏物語』はイギリスでどのように読まれているのか。芥川が人気作家になった理由とは。書店はどうあるべきか。小説論から芸術、風俗、ファッションの歴史までを軽妙な筆致で描き出す。世界中の人々に支持され続けた文学作品の楽しみ方、読書の快楽がここにある。作家、翻訳家、評論家として半世紀以上に亘って執筆、研究を続けた知の巨人が、その叡智を未来に託した最後のエッセイ集。
  • 別れのワルツ
    4.0
    舞台は東ヨーロッパの紅葉に染まった谷間にある不妊症に効くとされる小さなリゾート温泉保養地。亡命を決意したヤクブは、友人らに永遠の別れを告げるべく、ここにやってくる。ふとした成り行きから薬の小壜に混入された毒薬……物語が動き出す。医師、若い女、高名なトランペット奏者と美貌の妻、アメリカ人湯治客――幾組もの男女がすれ違いもつれ合い交錯する。愛、欲望、裏切り、個々の選択が引き起こす予測不可能な結果……。めくるめく円舞とともに演じる五幕のヴォードヴィルは「小説の魔術師」クンデラの初期の傑作!
  • わが子の才能を伸ばす親つぶす親
    -
    わが子が生まれて、子育てに夢中になった著者。しかし、子どもは、思い通りにならず、躾や学校のことなどで、思い悩む。それでも、わが子が“何か”持って生まれたと信じて、古今東西の事例を研究し、観察を続けた医師が見つけたユニークな子育てとは? 頭のよい悪いは、遺伝か努力か。才能の見つけ方など、親が切実に知りたい疑問を解き明かす。今日から実践できる教育の極意。診断テスト付。
  • 吾輩は漱石である
    -
    明治43年8月24日水曜日。漱石44歳、修善寺の大患の大吐血。意識の闇のなかで育英館開化中学の職員室が現われ、あの三四郎が活躍し、マドンナがほほえむ。劇作の魔術師が描く笑いと思索、そして透明感いっぱいの夏目漱石。
  • 吾輩は猫である 上
    3.8
    1~2巻314円 (税込)
    「吾輩は猫である。名前はまだない。」苦沙弥先生の家に拾われた猫の「吾輩」から見れば、人間社会はこっけいそのもの。無名猫の視点から、軽妙洒脱な文体にのせて放たれる文明批評と渋いウィットは時代を超えて読者の心をつかんできた。見識とシャレ気あふれる漱石の永遠のエンターテインメント文学。
  • 和三郎江戸修行 脱藩
    -
    1~4巻693~759円 (税込)
    時は幕末。越前野山土屋家中はお家騒動の気配をはらんでいた。小身の家臣の三男坊・岡和三郎は、無駄飯食いの立場だが、剣の腕には覚えがあった。ある日、藩重役から江戸での剣術修行を命じられる。しかも脱藩して密行せよ、と。大枚の路銀をせしめ、刺客に襲われるも旅立つのだった。修行人宿に泊まりつつ江戸を目指す東海道中、若き剣客を待ち受ける運命やいかに……。傑作時代小説シリーズ幕開き。
  • 忘れ傘
    -
    訣(わか)れるために出会いがあるのか。人生を素直に進みたくない“待つ女”靖子の前に、俯いた表情の駒田が佇んだ。秘めやかな互いの仕草に大人同士の恋が香る。結末を識りながら確かめる辛い甘言。名作「雨やどり」につづく絹雲のようにからみつき離れていく、男と女の関係をつづる表題作と辛口恋情ロマンの短編集。
  • ワセダ三畳青春記
    4.2
    三畳一間、家賃月12000円。ワセダのぼろアパート野々村荘に入居した私はケッタイ極まる住人たちと、アイドル性豊かな大家のおばちゃんに翻弄される。一方、私も探検部の仲間と幻覚植物の人体実験をしたり、三味線屋台でひと儲けを企んだり。金と欲のバブル時代も、不況と失望の九〇年代にも気づかず、能天気な日々を過ごしたバカ者たちのおかしくて、ちょっと切ない青春物語。
  • ワセダ大学小説教室 天気の好い日は小説を書こう
    3.0
    ワセダ大学で小説作法を教授している芥川賞作家・三田誠広が、小説家をめざすあなたに小説の書き方をいちから伝授する。小説とおとぎ話の区別から説き起し、書き方の基礎の基礎を押さえ具体的な注意事項を与えた末に、小説がスラスラ書ける黄金の秘訣まで授ける。文芸誌の新人賞作家を輩出したこの「講義録」を読んで、あなたもすぐにペンを執ろう。シリーズ第1弾。
  • 私小説
    4.0
    出家した作家・宇都木のまわりには、姉の死や裁判を受けている俳優からの電話、獄中の死刑囚からの手紙などの“事件”が相次ぐ。作家として尼僧として、誠実に対応しつつ、虚が実で実が虚の世界を書き続ける。現実の展開を小説の中に映し、自らの道をわき目もふらず独り歩きつづけた作家の、人生への愛と哲学に満ちた長編。瀬戸内寂聴が得度十年目に書いた、「亡き姉に」捧げる一冊。
  • 私が作家になった理由
    3.0
    小説家を志していたわけではない──。戦争疎開のいじめと敗戦を経験した少年時代。父を亡くし生活苦のなかの早稲田大学進学、在学中の結核発症。闘病後の就職難を経て、国立国会図書館に勤務し始めると、執筆の誘いが……。思えば、温かな家庭の原体験と折々の読書が、いつしか作家活動の基盤となったのかもしれない。短編の名手が、辛口ユーモアを交え自己を省みて綴る時代批評&自伝エッセイ。
  • 私の家
    3.3
    祖母の法要の日、一堂に会した親戚たち。同棲していた恋人から家を追い出され、突然実家に帰ってきた娘、梓。元体育教師、「実行」を何よりも尊びながら、不遇な子供時代にこだわる母、祥子。孤独を愛するが、3人の崇拝者に生活を乱される大叔母、道世。死ぬまで自分が損しているという気持ちを抑えられなかった祖母、照。そして、何年も音信不通の伯父、博和。今は赤の他人のように分かり合えなくても、同じ家に暮らした記憶と共有する秘密がある。3世代にわたる一族を描き出す、連作短編集。
  • 私の遠藤くん
    3.6
    遠藤由美香は10歳年下の若い夫・彰男を「私の遠藤くん」と呼んで溺愛していた。だが、彰男の行動に対する猜疑心は強烈で、郵便物や携帯の無断検閲は当たり前。彰男あてのクラス会の案内には、勝手に欠席の返事を出す始末。妻の異常な干渉を愛情の裏返しと容認していた彰男も猛反発。中学校の同級生との集まりに強引に出席するが、夫の浮気妄想に取りつかれた由美香は、その会場に乗り込んできた! ホラーサスペンス。
  • わたしの蜻蛉日記
    4.0
    通い婚の時代も今も、恋する女の苦悩は変わらない――。私小説の元祖といわれる『蜻蛉日記』。作家・藤原道綱母は、美と才能に恵まれながら、嫉妬深さゆえに夫・兼家や自身を追い詰めてしまう。彼女の半生記を通して、千年前の女たちの愛と性を読み解く。兼家を光源氏、道綱母を六条御息所に重ね合わせるなど、『源氏物語』を完訳した著者ならではの解釈も。古典名作の新たな魅力と出会える一冊。
  • 私のギリシャ神話
    3.6
    世界の至る所に浸透し、痕跡を残しているギリシャ神話。特に西洋の文化や芸術を味わうとき、ギリシャ神話を知っていると、10倍は楽しい! 数多くの神々や英雄が活躍する広大な神話の世界を、ゼウス、ヘラクレス、アプロディテ(ヴィーナス)など、馴染み深い神々のエピソードを中心に、巧みに水先案内。
  • わたしの源氏物語
    4.2
    初めて「源氏物語」に出会ったのは13歳のとき。千年の命を今に伝える〈王朝ロマン〉の面白さに取り憑かれて半世紀以上。源氏物語完訳をライフワークとし、文学と人生を戦いぬいてきた著者が、光源氏と彼をとりまく女たちの多彩な愛のかたち、恋のさまざまを縦横無尽に語る。読み込むほどに奥深く、新たな発見に満ちた魅力の物語世界へようこそ。
  • 円地文子の源氏物語 巻一(わたしの古典シリーズ)
    3.7
    1~3巻495~605円 (税込)
    紫式部の筆になる『源氏物語』は、光源氏の物語といってもいい。類いまれなる美貌と才能にめぐまれた光源氏は、古来、日本を代表する美男として、あまりにも有名である。帝の愛子として、誕生から成婚までの「桐壼」の巻から、空蝉に再会する「蓬生・関屋」の巻までを収録。起伏に富んだ光源氏の青春時代の明暗を描いて、現代語訳に生涯を賭けた著者の精髄ここに結実。
  • 私の小説教室
    -
    芥川賞をはじめ、才能あふれる新人作家たちを輩出した朝日カルチャーセンター小説教室。そのすぐれた指導者である著者が、新しい文章作法のノウハウを具体例に即して懇切丁寧に語り尽くす。また、作家・中国文学者としての経験をふまえながら、小説の深さ、汲めども尽きぬ魅力を解き明かす好読み物。
  • 「わたし」の人生 我が命のタンゴ
    -
    元ニュースキャスターの百合子は、東京から地方の北九州に戻り、大学教員として新たな道を歩み始めていた。父の修次郎は75歳を前に名誉教授、娘の里奈は医学部入学と順風満帆の人生に見えたのだが、ある日を境に修次郎が奇妙な行動を取るようになり…。一つの家族の物語を描くことで、認知症介護の現状をリアルに浮かび上がらせる。現役医師である著者による書き下ろし小説。
  • 私の胸は小さすぎる 恋愛詩ベスト96
    3.0
    「あたりまえみたいな顔をして/ふたりで旅する話をしている/明日のくるのがなんだか不思議だ/どうして一緒にいるんだろう/愛だなんててれくさい──」(『歌の本』所収「どうして一緒にいるんだろう」より)。処女作から60年以上、想像力の高みを拓き、今も現代詩をリードする世界的詩人の著者。彼の全詩作品より、愛と恋の宇宙を感じる95の恋愛詩を厳選。新作1編を加えた貴重なベストセレクション。
  • わたしの女神たち
    -
    優柔不断さこそ男の優しさであり、豊かな感受性と一途さから生まれる女のヒステリーは、けなげで可愛いといえる。男の優しさ、女の優しさ。そして男と女の強さとは。医師の冷徹な眼と作家の感性で、永遠に未知なる異性への限りない畏れと憧れをこめて、鮮やかに描く男と女のエッセイ集。
  • 私を愛して下さい(十津川警部シリーズ)
    3.0
    旅行作家の菊地文彦が、東京の自宅で刺殺された。直前に岩手県の宮古へ取材に行ったことが判明。捜索にあたる十津川警部は、相棒の亀井刑事と宮古へ向かう。菊地が訪れた姫川村の寺で、砕かれた石碑に“列”という刻字を見つける。東日本大震災で破損しただけでなく、故意に粉砕したと感じた十津川は、石碑の由来を調べ始める。第二次大戦の特攻作戦に繋がると睨んで鹿児島へ飛ぶが……。特攻隊員の妻の命の叫びが、現代の殺人を呼んだ!? 岩手と鹿児島を舞台に、特攻作戦の真実に迫る。陸軍幼年学校の最後の生徒だった著者による渾身の戦争&旅情ミステリー。
  • 私を知らないで
    4.0
    中2の夏の終わり、転校生の「僕」は不思議な少女と出会った。誰よりも美しい彼女は、なぜか「キヨコ」と呼ばれてクラス中から無視されている。「僕」はキヨコの存在が気になり、あとを尾行するが……。少年時代のひたむきな想いと、ままならない「僕」の現在。そして、向日葵のように強くしなやかな少女が、心に抱えた秘密とは――。メフィスト賞受賞の著者による書き下ろし。心に刺さる、青春の物語。
  • 海神 孫太郎漂流記
    3.6
    江戸時代、なかば。仙台を出航した伊勢丸は突風に流される。渇きと飢えと闘いながらの百日間の漂流。その果てに、はるかな南国の島に漂着した。若き水夫・孫太郎の冒険が始まった。灼熱の太陽。奴隷の日々。殺戮と恋。力尽きて死んでいく仲間たち。望郷の念。島から島へと流転を続けながら成長していく孫太郎の青春。著者が新しい地平をめざした長編時代冒険小説。
  • 罠の中
    -
    更生保護事業の美名の裏で、あくどいピンハネを続けている「新生会」の矢次収造を憎む者は数多い。借金を冷たく断わられた森川の怪死を契機にして、旧悪を暴露するという怪電話、連続して起った殺人事件と、つぎつぎに収造の周りで事件が起きる。錯綜した裏の世界を、ユニークなタッチで描く本格推理小説。
  • 笑いと忘却の書
    3.8
    党の粛清により、隣の男に貸した帽子を除いて、すべての写真から消滅した男。一枚の写真も持たずに亡命したため、薄れゆく記憶とともに、自分の過去が消えてしまうのではないかと脅える女…。7編のさまざまな物語を通して〈笑いと権力〉〈記憶と忘却〉〈愛と孤独〉といったモチーフが、繰り返しバリエーションを奏でながら展開され、精緻なモザイクのように編み上げられる、変奏形式の連作短編集。哲学的な洞察と独特のユーモアが詰まったクンデラ文学の原点であり、かつ哲学的な考察の集大成でもある作品。
  • 笑う風 ねむい雲
    4.0
    ベンジャミンという名のワニと棲むアマゾンの老漁師。氷河を戴くパイネ山塊を目指す馬の旅。見渡すかぎりの草原の国モンゴルで感じた風の匂い。バリ島で遭遇した濃密な闇の中での饗宴。やわらかな砂の海に浮かんだ純白に光る塩の川。父と撮った一枚の古ぼけた写真からはじまる過去へさかのぼる旅。記憶の中でけっして色褪せることのない人々や風景を、写真に切り取り、つづったシーナ世界紀行。
  • 笑う招き猫
    3.5
    【第16回小説すばる新人賞受賞作】男と並んで愛誓うより、女と並んで笑いを取る、それが二人のしあわせなのだ! 駆け出しの漫才コンビ、『アカコとヒトミ』。超貧乏で彼氏なし、初ライブは全く受けずに大失敗。おまけにセクハラ野郎の先輩芸人を殴り倒して大目玉。今はぜんぜんさえないけれど、いつかはきっと大舞台。体に浴びます大爆笑――。夢と笑いとパワーあふれる傑作青春小説。
  • 嗤う名医
    3.7
    脊柱管狭窄症で尿道に管を入れられ自宅で寝たきりの状態を強いられている男性は、嫁に浣腸を頼むのが憂鬱だ。あげくに嫁は看護婦や医師にわたしが痴呆だと嘘をついて嫌がらせをしている。きっと施設送りにしようと企んでいるに違いない。そんなことはさせないと叫ぶが――「寝たきりの殺意」。豊胸手術に失敗した運の悪い女を描いた「シリコン」他、現役医師による背筋が凍るミステリー全6篇。
  • わらべうた
    5.0
    けんかならこい、わるくちうた、おならうたなど、遠い日の子ども心をよび戻す素朴で、抒情あふれるかぞえうたの数かず。人間をいとおしむ詩人による現代の楽しいわらべうた。
  • 悪い姉
    3.7
    「平穏な生活のために、姉を殺すことにしました」――。三月生まれの倉石麻友と、四月生まれの姉・凜。ふたりは生まれの近い年子のため、同学年として同じ高校に入学した。高校二年生になった春、麻友は姉を殺す計画を立てる。姉は誰もが振り返るような美少女だが、実は意地悪で残酷。幼いころからいじめなどの問題行動を繰り返していた。ずっと「毒姉」との決別を夢想しては敗れてきた妹の、試行錯誤の行方は? そして、妹自身が抱え続ける罪とは――。思い込みから解き放たれ、自由へと向かうサスペンス青春エンターテインメントの傑作!!
  • 悪者見参 ユーゴスラビアサッカー戦記
    4.2
    「世界の悪者」にされNATOの空爆にさらされたユーゴ。ストイコビッチに魅せられた著者が旧ユーゴ全土を歩き、砲撃に身を翻し、劣化ウラン弾の放射能を浴びながらサッカー人脈を駆使して複雑極まるこの地域に住む人々の今を、捉え、感じ、聞き出す。特定の民族側に肩入れすることなく、見たものだけを書き綴る。「絶対的な悪者は生まれない。絶対的な悪者は作られるのだ」。(解説・田中一生)
  • われは歌えどもやぶれかぶれ
    3.5
    〈このタイトルは室生犀星が「純文学誌」に書いた小説をぼくが高校生のときに授業中に読んでいて──小便がでなくて苦悩するこの小説に首をかしげていたものだ。尿が出ない苦悩、なんて高校生には意味がわからなかった。今は前立腺肥大によるものと理解できる。そのときの犀星は七十二歳でいまのぼくがそれと同じだ〉。モノカキ人生も40年を過ぎると体のあちこちにガタがくる。長旅はおっくうになり草野球では長打が打てず、極悪ピロリ菌や不眠症のせいで若い頃は無縁だった通院が日課に……とこぼしつつも痛飲、シメキリ地獄に身を委ねて原稿を量産し、食が細くなったのについ大盛りを頼んでしまう、やぶれかぶれなシーナさんの日常と非日常。
  • 我は、おばさん
    4.0
    「おばさん」という言葉は、どうしてこんなにネガティブな響きを持つようになってしまったのか。『更級日記』、『若草日記』から『マッドマックス 怒りのデス・ロード』、『ポーの一族』、『82年生まれ、キム・ジヨン』にいたるまで、文学・マンガ・映画など古今東西の名作をひもとき、ポジティブに「おばさん」を再定義し、その呼び名を自分たちの手に取り戻すカルチャー・エッセイ。すべての女性が謙遜も自虐もせず、自由に生きていくための指針となる一冊。ジェーン・スーさんとの特別対談も収録!
  • 我らがパラダイス
    3.7
    突然終わりを告げる、平穏な日々。「貧者の逆転劇」の結末は――東京・広尾の高級介護付きマンション「セブンスター・タウン」の受付係・細川邦子(48歳)、看護師の田代朝子(54歳)、ダイニングで働く丹羽さつき(52歳)。それぞれの家庭内で深刻な介護問題を抱える3人は、困窮していく我が身と、裕福な施設の入居者たちとの想像を絶する“格差”を前に、一世一代の勝負に出る!
  • われら九人の戦鬼 上
    -
    満月が照らす新戦場。天下の牢人者多門夜八郎(実は将軍足利義晴の一子)は、野伏四人に陵辱されかかっていた梨花を救う。夜八郎を生涯の良人と定めた梨花だが、夜八郎は一処不住の漂泊者、旅を続け伊吹野に辿り着く。かつての肥沃の地は枯れ果て、農民は暴君田丸豪太夫の圧政に苦しんでいた。一方、天下第一兵法者を名乗る九十九谷左近も、伊吹野に足を向けた。
  • 我ら荒野の七重奏
    4.5
    山田陽子は一人息子の陽介を愛するワーキングマザー。トランペットに憧れ、中学では吹奏楽部に入部した陽介は、部活に勉強にと、青春の日々を送る。一方、中学生なんだし、そうそう親の出番もないだろう――そう思っていた陽子を待ち受けていたのは「吹奏楽部親の会」での戦いの日々だった……。部活を頑張る少年少女の陰で奮闘する親たちの姿を描く、笑いと涙の傑作エンターテインメント!

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