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通い婚の時代も今も、恋する女の苦悩は変わらない――。私小説の元祖といわれる『蜻蛉日記』。作家・藤原道綱母は、美と才能に恵まれながら、嫉妬深さゆえに夫・兼家や自身を追い詰めてしまう。彼女の半生記を通して、千年前の女たちの愛と性を読み解く。兼家を光源氏、道綱母を六条御息所に重ね合わせるなど、『源氏物語』を完訳した著者ならではの解釈も。古典名作の新たな魅力と出会える一冊。
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Posted by ブクログ
蜉蝣日記の作者・道綱の母はなぜ蜉蝣日記を書いたのか。 高すぎるプライド故に、亭主・兼家の女癖の悪さが許せず、乾くことのない愛欲に悩まされる。 そんな彼女の作品を通して、女の愛について読み解いていく。 道綱の母が兼家への不満を書けば書くほど、兼家がかっこ良く見えるパラドックスに気づかされます。 兼家...続きを読むにふりまわされ、愛に悶えて、自分は一体何なんだろうか?と煩悶する気持ちが痛いくらいに伝わります。 現代も変わらない人間の情愛について語られる、瀬戸内寂聴さんの筆遣いが素敵です。
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