国内小説作品一覧

  • アフターメッセージ
    -
    1巻528円 (税込)
    様々な家族の愛の形を感動的に描いた表題作ほか3編の短編⼩説集。 余命宣告を受けた主⼈公が偶然出会ったのは、 死んだ後⼤切な⼈に映像を届けてくれるという業者だった。 預かった映像を死後に届ける「アフターメッセージ」、 弁護⼠が多様な依頼に対応していく「男衾法律事務所」、 ⻑年⽚思いをしていた⼥性の⼦供に転⽣してしまう「⽣まれかわり」。 ⼈のつながりを様々な視点で描いたハートフルストーリー。

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  • バイナリー彼女
    -
    1巻528円 (税込)
    「どんな時も前を向いて生きていこう」ADHDと向き合って、自力で手にした幸せな日々。 すべてのはじまりはネット上での出会いだった。 千夏と一緒にバイナリー投資にのめり込み、時間を共にしていくが……。 周囲の無理解や自身の弱さと闘い続ける青年が、人生に光を見出すまでの過程を赤裸々に告白。 「なりたい自分」を目指す人に勇気を与える一冊。

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  • 人間関係貧乏性
    -
    1巻528円 (税込)
    流れる音楽にあの娘を思い出す、それすらも恋のひとかけらなんだろう。 人間関係を器用にこなす男子高校生・結城は、よく人たらしと言われることに悩んでいる。 見学に行った軽音楽部で新入生女子・サワのパワフルなドラムパフォーマンスに魅せられ、自身はベースでバンドを組むことを決意。 中学時代からの気の置けない友人・雄大も確保しスリーピースバンド「3S」を結成する。 サワと過ごす時間、音楽の話、笑うとかわいいえくぼ、ジャムる瞬間の高揚――。今まで感じたことのない嫉妬や独占欲。 溢れ出す感情に戸惑いながらも、新たな一歩を音楽と共に踏み出していく。

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  • 笑心
    -
    1巻528円 (税込)
    ときに楽しく、ときに哀しく、ときに苛立ちながら過ごす日々。 食事の時間も一苦労、こちらの思いが伝わらないことも多々起こる。 それでも一緒に過ごしていくうちに、一人ひとりが抱える想いや人生が垣間見えてくる。

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  • 再生の書
    -
    1巻528円 (税込)
    繰り返される「輪廻」の業。 「生」と「死」が結ぶ、神秘の「縁」。 本書は、物質と精神の垣根を超えて 彷徨するひとつの魂を描く、 壮大な一大叙事詩である。

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  • 文字禍・牛人 アニメカバー版
    3.9
    1巻528円 (税込)
    ≪TVアニメ「文豪ストレイドッグス」アニメ描き下ろしコラボカバー版≫ 古代アッシリヤの大王は、毎夜図書館に出没すると噂される「文字の霊」について、老博士に調査を命じる。博士は万巻の書に目を通すがそれらしい説はない。ある日、ひとつの文字を終日凝視していると、いつしかその文字が解体し、意味のないひとつひとつの線の交錯としか見えなくなった。この発見を手はじめに、文字の霊の性質が次第に判って来たのだが……(「文字禍」)。知られざる傑作6篇を選りすぐって収録。解説・池澤夏樹 <「文豪ストレイドッグス」シリーズとは> 中島 敦、太宰 治、芥川龍之介、与謝野晶子、泉鏡花、F・スコット・フィッツジェラルドなど国内外の文豪のイメージをモデルに擬人化されたキャラクターが、横浜を舞台に「人間失格」「羅生門」などといった各文豪に関連する異能力を用いて戦うバトルアクション。
  • マリーのおもいで –きみに伝える3つの物語–
    -
    1巻528円 (税込)
    幸せのカタチを見つけよう。 親子で読みたい、心に残る傑作集。 偶然出会ったねこのマリーと、子リスのリッツ。 リッツはマリーの家で暮らし始め、平穏な毎日を過ごしていたが、ある日、グッピーのムミョンと話をして気付いてしまった。 生きるとはどういうことなのか。 「信じることの大切さ」「力を合わせる素晴らしさ」を教えてくれる 2つの短篇も掲載。

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  • 越年 岡本かの子恋愛小説集
    -
    12月のある日、加奈江は同僚の男から突然平手打ちをされる。しかも男はそのまま退職してしまった。加奈江は悔しさのあまりその男を探して銀座を歩き回るが…(「越年」)。恋愛にまつわる傑作短編を収録!
  • イルミネーション・リバー 禁じられた恋の行方
    -
    1巻528円 (税込)
    銀行勤めの亜由美は、まもなく50歳を迎える。子どもは巣立ち、二人暮らしをする夫からは女性扱いされず、日々の生活で漠然としたむなしさを抱えていた。そんな時、あるセミナーで出会ったのが妻子ある52歳の会社役員、佳弘だった。二人はやがて男女の関係になり、亜由美にとって佳弘はかけがえのない存在になっていく。許されない恋を続ける二人が行き着く先に待っていたものとは――。女としてのときめきを再び取り戻したいと、もがき苦しむ女性の切実な願いを軽いタッチの文章でつづり、女性にとっての幸せとは何か、男性との関係で得るものは何かを読者に問いかける。

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  • ママのくれた夢 ドルフィン・ベェイス――イルカ物語
    -
    1巻528円 (税込)
    追い込み捕鯨の町・和歌山県太地町で、イルカの飼育・調教施設、ドルフィン・ベェイスを造った著者のドキュメント作品。 イルカのリリースをめぐる訴訟に巻き込まれた著者を支え、はげましたのは、闘病中の妻であった。人とイルカの触れ合いの場を作り上げた夫婦の感動の実話。

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  • ダーティー・ガイズ
    -
    1巻528円 (税込)
    FBI捜査官のリチャード・ルノーは、山奥で突然、4人の男たちの奇襲に遭う。その目的は、過去に麻薬取引の現場を目撃されたことに対する口封じ。何とか死を免れたリチャードは、麻薬組織の全貌を暴くために立ち上がる――。破天荒捜査官リチャードの激闘を描いた「Wild Hunt」の他、幕末の日本を舞台にした「忍者魂」の2作品を収録。悪を一掃することを目指し、任務のためなら手段を選ばない――そんなド派手な“汚ねえやつら”が贈る、痛快アクション小説集。

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  • 崇高な愛
    -
    1巻528円 (税込)
    吝嗇な曾祖母、母親に暴力を振るう父親、泣いてばかりの母親……台湾で過ごした悲惨な幼年時代。「日本はいい。日本にいけば、なんとかなる」――敬愛する叔父のことばを信じ、18歳で祖国を出た。大学に進学し、愛する人と出会い、結婚。ふたりのこどもをもうけ、なにひとつ不満のない生活を送っていた。あの日、あの診察室で、あのひとに出会うまでは――。目が合う、声を聞く、指が胸に触れる――たったそれだけで、心はひそかに、たしかに震える。ひそやかな愛に揺れ動く60歳女性の心境を、しめやかに綴った恋愛小説。

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  • ぼくたちは大人になる
    4.0
    高校3年生の達大は医学部進学をめざし、サッカー部引退後は受験勉強に励む毎日だ。そんなある日、彼は級友の喫煙を学校側に密告した。その行為は達大自身や周りの日常を大きく変えてゆく。18歳の少年が本当の「大人」になるための、挫折や心の揺れ、そして新たな出発を描く成長小説。
  • 深海カフェ 海底二万哩
    3.6
    1~4巻528~572円 (税込)
    高校生の倫太郎には子供の頃、大好きな《兄》を失った悲しい思い出がある。《兄》の失踪宣告が成立した日、倫太郎は《兄》の好きだった水族館に行き、そこに「海底二万哩」という名のカフェの扉を見つけるが……。
  • スローアヘッド
    -
    1巻528円 (税込)
    「ドライブにでも行く?」私は父をしあわせにしていると信じたい。私という存在が、父の支えになっていると信じたい。老いても厳格に生きようとする父と苛立ち、悩みながらも寄り添う娘の深い愛情の物語。陸地から遠く隔たった海。そこで父は何を見たのだろうか。父の目には、どんな景色が映っていたのだろう。空と海の境もわからないほどの青さだろうか。

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  • 零れし者たちの墓標
    -
    1巻528円 (税込)
    その雑木林には、死体が沢山埋まっている――。まさか自分が墓穴堀りを手伝い、人間の死体を埋める羽目になろうとは思いも寄らないことだった。(本文より)

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  • ぶたぶたラジオ
    3.9
    東京のAMラジオ局で、朝の帯番組のパーソナリティーを務める久世遼太郎は、木曜日の新しいゲストに、山崎ぶたぶたという人物(?)を迎えることになった。ぶたぶたの悩み相談コーナーは、一味違う答えがもらえる、とすぐ大人気に。今日もラジオに耳を澄ませると、ぶたぶたの渋い声が聞こえてくる。それだけで、不思議と心が落ち着くんだな。胸に響く3編を収録。
  • 今夜、ロマンス劇場で
    4.3
    映画監督を夢見る青年・健司は、ある嵐の夜、行きつけの映画館・ロマンス劇場で一人の女性と出会う。彼女は健司がずっと憧れていた映画のなかのお姫様・美雪だった! モノクロ映画の世界から飛び出した美雪は、カラフルな現実の世界に興味津々で、わがままな彼女に健司は振り回されてばかり。共に過ごすうち、惹かれあうふたりだが、美雪には秘密があった……。極上のラブストーリー。
  • 過ぐる川、烟る橋(新潮文庫)
    4.0
    1巻528円 (税込)
    1970年代、東京。貧しくとも、ささやかな夢を分け合う二人の男がいた。九州から単身上京、中華料理店で働く篤志。身体がデカいのが悩みの彼は、店の先輩・勇のすすめでプロレスの世界に足を踏み入れる。運を掴む篤志と、見放される勇、その間で揺れるユキ。時を経て再会した三人は、何を得、何を失ったのか――? 青春の記憶を手繰り、夜の博多に漂うノスタルジック・ラブストーリー。
  • 熱風
    3.7
    【第48回講談社児童文学新人賞佳作受賞作】「こいつにだけは絶対に負けたくない!」テニスの練習試合で他人を見下すような態度の対戦相手・順一を見て、中学2年の孝司は無性にそう思った。ところが、ある大会で2人はダブルスを組むことに。ハンデがあり、性格もプレーも正反対な彼らは、不器用ながらも、本気でぶつかり合う。そんな中、大会前にある事件が起こり……。一途な情熱を鮮やかに描く、第48回講談社児童文学新人賞佳作受賞作。
  • 海の家のぶたぶた
    3.8
    町の海水浴場に、ひと夏限定、レトロな外観の海の家ができたという。かき氷が絶品で、店長は料理上手だが、普通の海の家とは様子が違っている。店先にピンクのぶたのぬいぐるみが「いる」のだとか……? そう、ここはおなじみ、ぶたぶたさんの海の家。一服すれば、子どもの頃の思い出がすうっと蘇ってきて、暑さも吹き飛びますよ。心に染み入る、5編を収録。
  • 居酒屋ぶたぶた
    3.7
    寒い冬の夜。商店街の一角に気になる店が。覗いてみると、温かな雰囲気に心が躍る。ああ、入ってみたい、そんなとき。もし、店の隅にピンクのぶたのぬいぐるみが転がっていたら、それは「味に間違いない店」の目印かも。見た目はぬいぐるみ、中身は心優しい中年男性。山崎ぶたぶたが、いろんなタイプの飲み屋さんで、美味しい料理とともにあなたを待っています。
  • 母の死
    4.0
    1巻528円 (税込)
    死にゆく母を見まもる日々、私は悪いことでもするように、そっとひとつ母の額にくちづけた。そしてある日、母はかすかに「あした……」とつぶやく。透明な悲しみに満ちた表題作「母の死」。年の離れた少女・妙子との純粋無垢な愛の交流を、淡々と描く「郊外 その二」など八篇を収録。漱石が絶賛し、戦前・戦後を通じてよみつがれてきたロングセラー『銀の匙』の作家・中勘助の珠玉作品集。
  • 少年たちは花火を横から見たかった
    3.8
    やがてこの町から消える少女なずなを巡る典道とその仲間の少年たち。花火大会のあの日、彼らには何があったのか。少年から青年になる時期の繊細で瑞々しい時期の友情と初恋の物語。映像化されなかった幻のエピソードを復刻し、再構成し、劇場アニメ版にあわせて書き下ろされた、ファン待望の小説。テレビドラマ版『打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?』のOAから、24年の歳月を経てよみがえる、原点ともいえる物語。岩井版の『銀河鉄道の物語』。本書の本編のあとに書き下ろされた「短い小説のための長いあとがき」には、本作品を、始まりの部分から深く楽しむための創作秘話が書かれている。
  • だいじな本のみつけ方
    3.8
    1巻528円 (税込)
    中学生の野々香は、放課後の校舎で、まだ本屋さんで売られていないはずの文庫本をみつける。大好きな作家・新木真琴の発売前の新作だ。なぜここにあるの? 謎に導かれて、野々香は本が好きな仲間や、本に関わる仕事をする大人たちと出会う。本は世界を広げ夢を作り、素敵な出会いをもたらしてくれるのだ。あなたにもだいじな本とだいじな人が、みつかりますように。
  • 君と1回目の恋
    -
    29歳の崖っぷちギタリスト俊太郎は、カフェで働くナツに一目惚れ。そんな時、ピンチヒッターで大事なライブに出ることに。このチャンスに恋と夢をかけるも、大失敗をしてしまう。失意のどん底の俊太郎は、その夜、バイト先のレコード屋で不思議なレコードを見つける。それは時間を巻き戻し、過去をやり直せるレコードだった……。時をかけめぐり何度も君に恋をする“運命”のラブストーリー。映画スピンオフ小説。
  • 雨の降る日は学校に行かない
    3.8
    保健室登校をしているナツとサエ。二人の平和な楽園は、サエが“自分のクラスに戻る”と言い出したことで、不意に終焉を迎える――(「ねぇ、卵の殻が付いている」)。学校生活に息苦しさを感じている女子中学生の憂鬱と、かすかな希望を描き出す6つの物語。現役の中高生たちへ、必ずしも輝かしい青春を送って来なかった大人たちへ。あなたは一人きりじゃない、そう心に寄り添う連作短編集。
  • 北国抄
    3.0
    ようやく雪が消えて、海辺の崖の上の日だまりに桜草が芽を出すと、釧路の海霧のシーズンである。冬はひたすら寒い北国の自然の中で、季節のうつりかわりに敏感に反応する著者の詩。雪、湿原、石狩連峰の稜線の美しさ、針葉樹林などの自然の息吹や人間のいとなみを、洗練された文体で謳い上げる。エキゾチックな北海道の大自然を舞台に、小悪魔的なヒロイン・怜子が活躍するベストセラー『挽歌』の著者、初めてのエッセイ集。
  • ミタカくんと私
    4.1
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 一見とっつきにくいけど、顔がいいから女の子にモテる。幼稚園から一緒だったという理由で、いろいろな人にミタカくんのことを聞かれたりする私の家に、ミタカは日常的にいついている。うちはママと中学生のミサオ、パパは家出中。だからいつも4人で、ごはんを食べたり、テレビを見たり、日々は平和に過ぎていき、これからも続いていく―ナミコとミタカのつれづれ恋愛小説。 ※この商品は固定レイアウトで作成されており、タブレットなど大きなディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字列のハイライトや検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。
  • サラの柔らかな香車
    3.7
    1~2巻528~638円 (税込)
    【第24回小説すばる新人賞受賞作】プロ棋士になる夢に破れた瀬尾は、毎日公園に一人でいる金髪碧眼の少女サラに出会う。言葉のやりとりが不自由な彼女に対し、瀬尾は将棋を教え込む。すると、彼女は盤上に映る“景色”を見る能力を開花させ――。棋界に新たな風を送るサラ、将棋に人生を捧げてきたスター・塔子、数多の輝く才能を持つ七海の三人を巡り、厳しくも豊かな勝負の世界を描く青春長編。
  • 影に恋して
    3.8
    平凡な女子高生の矢部克美は、お金持ちの従妹の“代理”で出席したパーティで、大学演劇の旗手、坂田法夫と出会い、たちまち恋におちた。しかし、つい従妹の名を名乗ってしまったせいで事態はややこしい方向へ……。グッと大人の“恋人候補”も出現し!? 突然ドラマティックに変貌した、17歳の克美の日々! 「少女」が「女性」として一歩を踏み出すまでの、危うくて、ちょっとホロ苦い成長物語。
  • 家族の分け前
    4.0
    1巻528円 (税込)
    苦情処理係に異動となり、うつの症状が出て会社を一カ月ほども休んでいる父。息子は父の一番好きな場所に行った。父に会って二人きりで話したかった――「それでも鳥は空を飛ぶ」など、心温まる短編集。累計35万部突破、大評判の家族シリーズ第4弾、待望の文庫化!
  • こちらの事情
    3.8
    1巻528円 (税込)
    15万部を突破した『家族の言い訳』の著者が描く、涙の短編集。母を老人介護施設に預ける息子の心中を描いた『荷物の順番』や『晴天の万国旗』はラジオドラマ、試験問題になった出色の感動作。
  • 家族の言い訳
    3.6
    1巻528円 (税込)
    単行本刊行時「もっと早く読んでいたら私も離婚にならなかった」「バスの中で涙で読めなくなり、恥ずかしくなるくらいでした」「もう人生の終わりに近づきこの本を読んだのは残念」などの温度の高い感想が、特に女性から多数寄せられた、直球の人生小説集。
  • 逆回りのお散歩
    3.5
    地方都市A市とC町の行政統合を目前に控え、聡美はネット掲示板で、陰謀説まで飛び交う激しい議論が起こっていることを知る。「統合反対派」による市役所への抗議電話や無許可のデモ行進。平穏に過ぎる日常の裏で、無関心に見えた人々が静かに動き出し、反対運動は他を巻き込み激しさを増していく……。日本の現在を想起させる表題作ほか、ベストセラー『となり町戦争』のスピンオフ短編も併録。
  • あかねさす――新古今恋物語
    3.5
    恋する想いは、今も昔も変わらない―あの紫式部や在原業平のみやびな“恋うた”をもとに、千年の時を超えて、加藤千恵がつむぎだす22篇の愛のかたち。出会いのときめき、別れの痛み、恋と友情のもどかしさ…ハニー&ビターで、とびきりせつない恋愛小説。
  • カムイの剣 1
    -
    1~5巻528~616円 (税込)
    海賊の黄金時代、彼らの覇者として七つの海を暴れまくったキャプテン・キッド。彼が生涯をかけて世界各国に残した莫大な秘宝の謎は、今もって解明されていない――。時は幕末、西洋文明の嵐が日本を襲わんとする時、下北半島にアイヌ人の血を引く赤ん坊が流れ着いた。だが、この子の身につけていた剣こそがキャプテン・キッドの秘宝の謎を解く鍵であり、彼を波乱の渦の中へ落とし込むのだ。幕末・維新の時代の子、忍者次郎の半生を壮大なスケールで描くエンターテインメントの傑作。
  • 仁義なき戦い〈決戦篇〉 美能幸三の手記より
    4.5
    戦後のヤクザ抗争事件史上、最大の争いとなった“広島ヤクザ戦争”――。原爆で壊滅した広島に巣食った無法者たちを力でおさえた岡組、隣接する呉を策略で統一した山村組。ところが岡組組長は引退を機会に、縄張りを山村組にゆずった。そのため、岡組の当然の後継者と思われていた打越組は、山村組と真っ向うから対立することになった。しかも、一触即発の状態にある両組を、日本最大の暴力団・神戸の山口組とそのライバル本多会が、それぞれ応援に立ちあがったのだ――。美能組元組長・美能幸三の手記をもとに、抗争事件の真相にせまる異色のドキュメント。
  • 窓の向こうのガーシュウィン
    3.8
    周囲にうまく馴染めず、欠落感を抱えたまま十九年間を過ごしてきた私は、ヘルパーとして訪れた横江先生の家で、思い出の品に額をつける〈額装家〉の男性と出会う。他人と交わらずひっそりと生きてきた私だったが、「しあわせな景色を切り取る」という彼の言葉に惹かれて、額装の仕事を手伝うようになり――。不器用で素直な女の子が人の温かさに触れ、心を溶かされてゆく成長ものがたり。
  • 家族の見える場所
    4.5
    1巻528円 (税込)
    45万部突破のベストセラー「家族小説短編集」シリーズ第7弾! 東京の大学に合格して一人暮らしを始める息子は、旅立ち間際になっても愛想がないことこの上ない。物足りなさと一抹の寂しさを覚えた母は一計を案じ……「笑えよな」など、思わずほろりとする珠玉の8編(「最後のお便り」「閉園近し」「夫婦すごろく」「かわいい娘」「イキヌクキセキ」「笑えよな」「柱の傷は」「後出しジャンケン」を収録)。平凡な家族に訪れる「ドラマな」瞬間をどうぞ。
  • 家族ずっと
    3.8
    1巻528円 (税込)
    男ひとりのやもめ暮らし。近接したマンションからは小さな子どもが二人いる家庭の、賑やかな会話が聞こえてくる。一人で夕飯をつつきながら思う。疎遠になった娘は今どうしているだろうか。「裏窓の食卓」など8編。ラストに光が射し込み、家族の絆を鮮やかに浮かび上がらせる、シリーズ40万部突破の第5短編集。
  • イルミネーション・キス
    3.7
    1巻528円 (税込)
    短大を卒業し、デザイン事務所で働く西野は、東京での日々に流されるままに生きてきた。そんな日常の中で、ふと意識しだした年下デザイナー伊藤の存在。どこか不器用な二人がともに歩き始めるには、今この瞬間に交わすキスが必要だった(表題作)。キスにまつわる温かくて切ないシーンを、やわらかな筆致で描いた短編集。
  • 最後の晩ごはん 師匠と弟子のオムライス
    3.9
    夜だけ営業の定食屋、「ばんめし屋」店長、夏神のもとに入った一報。それは夏神の師匠が営む洋食屋が、近々閉店するという報せだった。元俳優で店員の海里は、夏神と共に師匠の店へ行くことになるが・・・・・・。
  • 学校のぶたぶた
    3.9
    中学教師になって5年の美佐子は、校内のスクールカウンセリング担当に任命される。新年度から新しいカウンセラーを迎えることになったのだが、現れたその人は、なんとぶたのぬいぐるみだった! その名は山崎ぶたぶた。彼が中庭でカウンセリングを始めると、生徒たちの強張った心が、ゆっくりと、ほぐれてゆく。ストレスもお悩みも、ぶたぶた先生にお任せあれ!
  • ぶたぶたの本屋さん
    3.7
    ブックス・カフェやまざきは、本が読めるカフェスペースが人気の、商店街の憩いのスポットだ。店主の山崎ぶたぶたは、コミュニティFMで毎週オススメの本を紹介している。その声に誘われて、今日も悩める男女が、運命の一冊を求めて店を訪れるのだが――。見た目はピンクのぬいぐるみ、中身は中年男性。おなじみのぶたぶたが活躍する、ハートウォーミングな物語。
  • ぶたぶたのお医者さん
    4.1
    山崎動物病院は、病院に来られないペットのための往診もしてくれる、町で人気のクリニックだ。でも一つ、普通の病院とは違ったところがある。院長の名前は、山崎ぶたぶた。彼の見た目は、なんと、かわいいピンクのぶたのぬいぐるみなのだ! この院長、動物の病気だけじゃなくて、飼い主の悩みも解決しちゃう名医との噂。もしかして、ペットの悩みもお任せかも――?
  • 不愉快な本の続編
    3.4
    フランス留学時代に女でしくじり、帰国後も生来のヨソ者として暮らしてきた乾ケンジロウ。東京でのヒモ生活から遁走し、新潟で人生初の恋に落ち結婚するも破局。富山では偶然再会した大学の女友達に、美術館で盗んだジャコメッティの彫刻を餞別に渡し、逃げるようにして故郷の呉へ――。『異邦人』ムルソーを思わせる嘘つき男の、太陽と海をめぐる不条理な彷徨。著者の最高到達点。
  • 君想曲
    -
    アロマショップで働く聖は、人気作詞家の遼と出会う。三年後、恋人になった二人は、仲睦まじく暮らしていた。遼が取り組んでいるのは「君想曲」――君を想う曲。その矢先、遼が交通事故に遭う。一命は取り留めたが、後遺症で人格が変わった遼に、聖は戸惑う。「君想曲」は完成するのだろうか。愛の強さを問う感動長編。
  • またやぶけの夕焼け
    3.9
    僕はヒデユキ、八王子市立第六小学校の四年生だ。放課後になるといつも近所に住むカッチャンたちと遊びに繰り出す。『侍ジャイアンツ』に影響されて魔球を投げようとしたかと思えば、弟をブッチャーに見立ててプロレスごっこ。大物のノコギリクワガタに興奮し、恐竜の化石探しに熱中する―。毎日を全力疾走する少年たちを活き活きと描く、かつて子供だった全ての人に贈る笑いと涙の青春小説。
  • 短話ガチャンポン
    -
    1巻528円 (税込)
    2015年1月から執筆を開始した、完全書き下ろしのショートショート集。81歳のSF作家が日常浮かんでくるさまざまなアイディアをもとに日々綴った。マイナンバー制度など、今のアイテムをブラックユーモアで扱っている作品もある。
  • 風のささやき 介護する人への13の話
    3.2
    動けないし、しゃべれないし、もう私のことはわからないのだけれど……日本のどこかで暮らすごく普通の人がもらしたささやき。ひとりで泣くこともある、あなたに贈る、13人の胸のうちを綴った掌編小説集。 ※本書は二〇〇九年六月に刊行された単行本『もう私のことはわからないのだけれど』(日経BP社)を改題し、加筆・修正の上、文庫化したものが底本です。
  • エール!(1)
    3.9
    笑って泣いて元気になれる、お仕事小説アンソロジー第1弾!! 漫画家、通信講座講師、プラネタリウム解説員、ディスプレイデザイナー、スポーツ・ライター、ツアー・コンダクター。6人の「働く」女性たちが、ときに悩み、へこみながらも、自分らしい生き方を見つけていく姿をいきいきと描く。漫画家の収入の仕組みや、ディスプレイデザイナーの働く時間、ツアー・コンダクターのスケジュールなども盛り込み、気になる職業の豆知識や裏側も楽しめる。仕事帰りの電車の中で、一日の終わりのベッドの中で、お疲れのアナタを癒やす全6話を収録。人気作家が競作!! 責任編集/書評家・大矢博子。
  • 真夏のバディ
    3.7
    夏休み。実家の牧場の仕事を手伝う塊太は、一人旅を続けながらまっすぐに生きる直次郎と出会った。人前でうまく自分を表現できない塊太は、内心では牧場を疎んじている。徐々に友情を深める高校生二人は、軽トラックで岩手県を駆け巡る。塊太は意外な特技を見出され、一世一代の挑戦を決心する――。互いに補完し合い、成長していく“バディ”の旅路を鮮やかに描き出す傑作青春ロードノベル。
  • 最後の晩ごはん 刑事さんとハンバーグ
    3.9
    元イケメン俳優で料理人見習いの海里が働く定食屋「ばんめし屋」に、海里の兄の友人で刑事の涼彦がやってきた。兄と涼彦は20年ぶりの再会だという。しかし海里は涼彦に巻き付く「マフラーの霊」をみてしまい……。
  • あやかし草子
    3.8
    古い都の南、朽ちた楼門の袂で、男は笛を吹いていた。笛を吹いてさえいれば、男は幸せだった。ある春の夜、笛を吹く男の前に、黒い大きな影が立っていた。鬼だ。笛の音を気に入った鬼は、男に絶世の美女を与え、百日の間は絶対に触れてはならぬと告げるが……(「鬼の笛」)。人ならざるものを描くことで浮き上がる、人間の業や感情。民話や伝承をベースに紡がれた六編を収録した短編集。
  • もぞもぞしてよ ゴリラ/ほんの豚ですが
    5.0
    ちょっとへんてこな愛の物語集。 自由を求めてジャズ喫茶から飛び出した〈椅子〉と海が見たくて動物園を逃げ出した〈ゴリラ〉。ふたりが長い道行ですれちがう〈恋する少年と少女〉、〈人格者のブランコ〉、〈若いヤクザとエナメルの靴〉、〈穴のあいた靴下をはいた泥棒〉、〈演説する桜の木〉、〈にせもののミンクのコートを着た女〉、〈中学生の女の子と真っ白なハンカチ〉、そして〈死んだ猫と絶叫するテレビ〉――ゴリラは椅子をなでながら海を見ている。椅子は海を見ないでゴリラだけを見ている。これは、美しくも悲しい恋物語(「もぞもぞしてよ ゴリラ」)。 気取り屋の狐・インカ帝国を背負った亀・傷ついている鰐・主体性のない馬・見かけだけかわいいパンダ・熊らしい熊・恋をしない河馬・よろめく象・見栄っぱりの蛙・「キー」しか言わない豚――動物たちを描いた皮肉でユーモラスな掌篇30篇(「ほんの豚ですが」)。 二冊の傑作を一冊にした佐野洋子の〈大人のための物語集〉。 待望の文庫化。絵も多数収録。(2015年7月発行作品)
  • 「好き」
    3.8
    結婚式を明日にひかえ、かつて恋人と過ごした激しい恋愛の日々を思い出す曜子。その相手とは、従兄の俊だった。自由奔放で気まぐれだが、自分の気持ちに正直な俊を愛すれば愛するほど、孤独は深まっていった。傷つけあい結ばれることもなく終わってしまったこの恋が、曜子の心にもたらしたものは……。哀しみと孤独のトンネルを抜けて知った、明日への希望と切ない恋の喜びを謳い上げた、極上の恋愛小説。
  • 憤死
    3.7
    自殺未遂したと噂される女友達の見舞いに行き、思わぬ恋の顛末を聞く表題作や「トイレの懺悔室」など、四つの世にも奇妙な物語。「ほとんど私の理想そのものの「怖い話」なのである。――森見登美彦氏」
  • 四万十川 あつよしの夏
    4.1
    1~6巻528~748円 (税込)
    四万十川の大自然の中、貧しくも温かな家族に見守られて育つ少年あつよし。その夏、彼は子猫の生命を救い、同級の女の子をいじめから守るためにたちあがった……みずみずしい抒情の中に人間の絆を問いかえした感動の名作。
  • 花嫁は夜汽車に消える
    3.0
    花嫁の結婚の時と何年後かの姿を追って作る番組で、プロデューサーが目にしたのは自分の母親の花嫁姿だった。一方、女子大生の亜由美は孤独死した老女が遺した日記帳を受け取るが……。他1篇を収録。
  • 人生案内 夜明けを待ちながら
    4.0
    生まれながらの宿命は変わらなくとも、運命の偶然とは必ず出逢い、それが人生を豊かに変えてくれる。受験、就職、病気、年齢、生きがいとは――。私たちの切実な問いに、作家がともに悩み、ともに答えを模索した人生のガイドブック。 ※本書は、平成十年十二月、東京書籍より刊行された『夜明けを待ちながら』を書名変更し、文庫化したものが底本です。
  • 相死相愛
    -
    カップルが集まるので有名な沼のほとりで、若い男女の死体が発見された。死んでいた銀行員の佐伯敏夫と水沢昌子の2人は相思相愛の仲であったが、両家が敵対する間柄だった。それを苦にしての心中ということで事件は結着が着くかにみえたが、佐伯が銀行で株券を横領していたという事実が判明するや、新たな局面をむかえ――!?
  • 最後の晩ごはん 小説家と冷やし中華
    3.9
    真夜中営業の不思議な定食屋、ばんめし屋で働き始めた、元イケメン俳優の五十嵐海里。常連客の作家・淡海先生とも仲良くなり、順風満帆のはずが、後輩の若手俳優が店を 訪れたことで、またもや嵐が巻き起こり……。
  • ワン・モア
    4.2
    どうしようもない淋しさにひりつく心。月明かりの晩よるべなさだけを持ち寄って躰を重ねる男と女は、まるで夜の海に漂うくらげ――。切実に生きようともがく人々に温かな眼差しを投げかける絆と再生の物語。
  • 落花流水
    3.6
    早く大人になりたい。一人ぼっちでも平気な大人になって、自由を手に入れる。そして新しい家族をつくる。勝手な大人に翻弄されたりせずに。若い母を姉と思って育った手毬の、60年にわたる家族と愛を描く。
  • さいはてにて やさしい香りと待ちながら
    3.5
    東京で小さな珈琲店を営んでいる女性・岬。自分だけを信じて生きてきたが、幼い頃に生き別れて行方不明の父を待つため、能登の海辺、父の残した舟小屋を改装した場所に店を移転する。さいはての海辺で出会ったのは、キャバクラ嬢でシングルマザーの絵里子と、その子どもたち・有沙と翔太。彼らと触れあううち、頑なだった岬の心に変化が……。永作博美、佐々木希出演映画をノベライズ。
  • バンド・クエスト1 メンバーを捜せ!
    4.0
    「こーんなはずじゃなかったのに」16歳の熱血少女サクコは、まるでやる気のないブラスバンド部の空気にすっかり嫌気がさしていた。「イヤだったら、やめりゃーいいのよ」という親友ツーニーの言葉にも、一途なサクコは「中途半端じゃヤダ」と、悩みは深くなるばかり。だがそんなある晩、サクコはたまたま見たTV番組「ナイスなバンド天国」(ナス天)で、三人組の女の子ロックバンドに衝撃を受ける。音楽=クラシックという図式が確立していたサクコにとって、それは運命の出会いだった! そして翌朝、サクコはツーニーを電話で叩き起こす。「バンド作らない!?」ロックのロの字も知らない女の子のバンド大作戦が、こうしてスタートした……。深沢美潮が描く、リアルでキュートなガールズバンドストーリー、待望の電子化!
  • 袖すりあうも他生の縁
    3.0
    ちょっとした出来事も前世から因縁による。噂だけの知り合い、手紙だけでやりとりする文通相手、飲み屋での常連客仲間。生涯にわたってライバル心を燃やす姉と妹。ごく当たり前の日常生活の中にある様々な人間の絆を鋭く描いた連作短編集。
  • 永遠のタージ
    2.0
    2万人という膨大な職工を22年間動員し続け完成したインド史上最高の建造物タージ・マハル。17世紀ムガール帝国の五代皇帝シャー・ジャハーンは、なぜ全精力を注いでまで絢爛極める廟を建立するに至ったか。親族たりとも信用できぬ戦乱の世で、彼が唯一心を許した妻ムムターズの実像を追いその理由に迫る。またムガール帝国初期までその歴史を遡り、タージ・マハル建造に至るまでの愛憎劇を描く。インドをこよなく愛する著者が幻想のような二人の愛を謳い上げた渾身の歴史大河ロマン。角川文庫50周年特別書き下ろし作品。
  • ナースマン 新米看護士物語
    3.0
    看護は女性がするもの――それは思い込みにしかすぎません。ナースマンとは、看護職(ナース)を一生の仕事に選んだ男(マン)=看護士さん。今注目の仕事です。主人公は「看護界の坂本龍馬を目指す」新米ナースマン・相馬。先輩にどやしつけられたり、お婆ちゃん患者の純情にほろりとしたり、難病患者との意思疎通に悩みぬいたり。スランプを乗り越えて、「患者と一緒に走るタイプの看護士」に成長するまでの一年間を生き生きと描く、まったく新しい病院ノベルです。
  • 家族往来
    4.0
    1巻528円 (税込)
    姉の家を訪ねた弟が、突然結婚することを報告する。おずおずと切り出したのは「姉ちゃん、悪いんだけど、コロッケ作ってくんない?」。実はコロッケには姑にいじめ抜かれて苦労した今は亡き病身の母と、幼き姉弟との切ない思い出があった。姉が作るコロッケに期する弟の思いとは……。
  • ニコニコ時給800円
    3.6
    仕事を失い、酒に酔った夜。20歳のリンコは河原で野宿する謎の美青年リュウセイに出会う。楽してお金が欲しいというリンコに、彼が紹介した奇妙な仕事、それはこれまでの労働の概念を変えるものだった。自称ヒキオタニートのリュウセイに振り回されっぱなしのリンコだったが、彼には驚くべき秘密が――。漫画喫茶、アパレルショップ、IT業界など、時給800円で頑張る人々を描く連作短編集。
  • ぼくとミセス・ジョーンズの夏
    -
    「長く、曲がりくねった道…。そんな人生の方が、人間的でいいと思うの」と彼女はいった。大学1年の夏休み、湘南の葉山マリーナでバイトしていた「僕」は、ボートを出せずに困っていた枝里を助ける。親しくすればするほど、枝里に惹かれていく。しかし、彼女には米軍将校の夫がいた…。表題作「ぼくとミセス・ジョーンズの夏」ほか1編。湘南の海と海辺を舞台に、真摯に海と向かい合う人生を描いた青春ラブストーリー。
  • 最後の晩ごはん ふるさととだし巻き卵
    3.7
    ねつ造スキャンダルで活動休止に追い込まれた、若手俳優の五十嵐海里。全てを失い、郷里の芦屋に戻った彼は、定食屋の夏神留二に救われる。彼の店で働くことになった海里だが、とんでもない客が現れ……
  • 海辺のロンリー・ハート・ガールズ
    -
    一着の古いアロハ・シャツ。絵柄は〈虹の雨の木〉。陽に灼かれ風に打たれ、色褪せながらも愛されつづけたシャツの30年に及ぶ時代に沁みこんだ追憶を通して少女の心を描いた『虹を着ていた4人のロコ・ガールたちの短い物語』。人生の分水嶺ともいうべき晩に、ビリヤードの試合で自分を賭けた少女の物語『エイト・ボールを夜明けまで』。そして、年代物のギターを片手に、島中の虹の行方をSALEしている不思議な少女の物語『虹先案内人』。その他、ハワイを吹きぬける風の中で少女たちが紡ぎだす恋の物語・全8編。
  • 女の一生
    3.9
    修道院で教育を受けた清純な貴族の娘ジャンヌは、幸福と希望に胸を踊らせて結婚生活に入る。しかし彼女の一生は、夫の獣性に踏みにじられ、裏切られ、さらに最愛の息子にまで裏切られる悲惨な苦闘の道のりであった。希望と絶望が交錯し、夢が一つずつ破れてゆく女の一生を描き、暗い孤独感と悲観主義の人生観がにじみ出ているフランス・リアリズム文学の傑作である。
  • 雁の寺・越前竹人形
    4.3
    1巻528円 (税込)
    “軍艦頭”と罵倒され、乞食女の捨て子として惨めな日々を送ってきた少年僧・慈念の、殺人にいたる鬱積した孤独な怨念の凝集を見詰める、直木賞受賞作『雁の寺』。竹の精のように美しい妻・玉枝と、彼女の上に亡き母の面影を見出し、母親としての愛情を求める竹細工師・喜助との、余りにもはかない愛の姿を、越前の竹林を背景に描く『越前竹人形』。水上文学の代表的名作2編。
  • はるさきのへび
    4.0
    26歳の平凡なサラリーマンの、妻以外の女性との、ちょっとドキドキする出会いと、アヤシク微妙な心の動きをとらえた「階段の上の海」。赤ちゃん誕生と育児を、新米ママの視点で描く「海ちゃん、おはよう」。娘の成長を見守る父親の心と家族のエピソードをちりばめた「娘と私」。冬眠から目覚めたばかりのへびのように、のんびり、でもそわそわする人生の一時期を温かいタッチで綴る私小説3編。
  • ドラマティック・ノート
    3.3
    1巻528円 (税込)
    匂い(ノート)が運ぶ愛の記憶、仕組んだ罠、見抜いた嘘――匂いにはドラマがある。華やかで官能的で、時に危険で、微かに罪の匂いがする。香水をモチーフに、ドラマティックに展開する男女の愛の形。12篇の小説集。
  • 処女連祷
    4.2
    卒業を間近に控えた女子大生仲良しグループ。珠美は秘書、文代は教師、トモ子は編集者など、7人それぞれの進路へ巣立とうとしている。恋愛に憧れつつも、まだ見合い結婚が主流の終戦直後、彼女達が常に盛り上がるのは、唯一婚約者のいる祐子の話だ。卒業後、婚約者の誕生日に全員が祐子の家に招待されるが――。若い女性の心の葛藤を、瑞々しく描く。有吉文学の原点となった、初の長編小説。
  • 花惑い
    4.0
    “――恋はいつから始まるのか――僕はいつもそのことを考えてしまう。”南十字星の下、出逢った一人の未亡人(おんな)。六本木のディスコで知り合った自由奔放なもう一人のおんな。光と影、陽と陰――対照的なおんなたちの間で揺れ動くおとこ。花火のように終っていく夏。その中で、静かに密やかに燃えていくおとことおんな。切ない心の機微を描いた、おとなの恋の物語。
  • 異形の地図
    3.0
    「死んだら骨を海に撒いてほしい」といって自殺した桂子。結核療養所で人妻との道ならぬ恋に身を焦がすN青年。白い渦が蠢く鳴門海峡で6年ぶりに再会したかつての恋人たち。驟雨に煙る苫小牧で、南国の陽が降り注ぐ石垣島で、そして雅と田舎くささが同居する北の城下町、金沢で演じられるうたかたの恋……。甘美で切なく、ミステリアスな男女の恋を流麗なタッチで描く連作長編。
  • 海になみだはいらない
    4.2
    島に生まれ、海辺で育った章太。小学四年生だが、泳ぎともぐりでは誰にも負けない少年だ。ある日、章太のクラスに佳与という少女が転校してきた。都会から来た佳与にとって、海辺の暮らしは珍しいことばかり。すぐに島になじんで明るく過ごす佳与だったが、その一方で、時に寂しげな表情を見せることに章太は気付いていく……。それぞれの悩みと悲しみを乗り越えて、大きく成長するふたりの姿を描いた表題作「海になみだはいらない」をはじめ、生きる勇気を与えてくれる名作児童文学七編を収録。
  • 銀盤のトレース
    3.7
    1巻528円 (税込)
    名古屋でフィギュアスケートに打ち込む小6の竹中朱里。だが、レッスン費用がかさむスケートを辞めさせたい両親に「バッジテストで5級に受かるか、県大会で3位以内に入らない場合はクラブを辞める」という条件を出される。バッジテストに落ち、県大会でも大きなミスをし、絶体絶命の朱里に、スケート連盟からある提案がなされて……。氷上の妖精にあこがれ、熾烈な競争をくぐり抜けていく少女たちの日々を活写。緻密な取材に基づき、フィギュア王国・愛知県を舞台に描いた<リアルなフィギュアスケート小説>!
  • ポニー・テールは、風まかせ
    -
    ハワイ。青空。誰も知らない丘。光の中で、風の中で、ミッキーはパパの眠る十字架の前で、ひとり16歳の誕生日を迎えた。旅の始まりだった。ジャズシンガーとして名を馳せる生き別れたママを訪ねて、ミッキーは太平洋を廻る。ハワイからフィリピンへ、横須賀からグアムへ、いくつもの愛が、別れが、歌が、風のように彼女の中で弾け、謳い、笑い、通りすぎてゆく、陽射しを濡らす涙は、まるで1コーラスの通り雨……。天才少女ドラマー・ミッキーの〈ポニー・テール〉シリーズ第2弾。
  • ビリーがいた夏
    -
    湘南・葉山の海岸に現れた、小さな年寄りのクジラ・ビリー。彼に出会った日、17歳の不良娘・湘の特別な夏は始まった――。友達との別れ、体を張ったケンカ、愛する命の死、そして初体験……。その夏、彼女の経験したすべてを見守り、夢を信じる力をくれたビリー。プロのサックス吹きになる事が、ずっと探していた〈夢〉だと教えてくれた、大切な恋人。人生の一歩を踏み出す、輝く瞬間を描いた青春ファンタジック・ストーリー。
  • 暗闇のリラ
    -
    家族の愛を享けられず、自堕落な日々に溺れ、互いの存在だけを頼りに育った幼馴染み、21歳の香田はるかと20歳の坂本光代。リラ冷えの季節、ふくらんだ借金返済のため二人は、7歳の少女をさらって身代金800万円を要求する誘拐劇を実行に移す……。女性の等身大の愛と性を描いて支持を集める名手が故郷・北海道を舞台に、二十歳の孤独が闇の底で重ねた稚拙な罪、そして赤裸々な性に迫った渾身の長編。
  • ワンダフルな躾
    -
    井原嘉彦は40歳で脱サラし、ペットショップで修業した後にペットシッターと犬の散歩代行業をするショップを開業した。顧客は高級住宅に住む後妻の沙保里、キャリアウーマンの真由子など多彩。犬の躾が得意な井原の技は、はたして女性にも通用するのか? 書き下ろし長編回春エロス。
  • ブラディ・マリーを、もう1杯
    3.3
    私がつくるカクテルは、特別な味がする。なぜなら、〈人を愛する心〉をかくし味につかっているから……。ワイキキ・ビーチに面したホテルのビーチサイドバーが私の仕事場だ。沢田麻里。25歳。ホノルル生まれの日系5世。得意なカクテルから〈ブラディ・麻里(マリー)〉と呼ばれている。水彩絵具で塗ったようなビーチ。人それぞれが持つさびしさの中に、ハワイの渇いた風が吹き抜けていく。ひとりの女の子の青春の断片を海色に彩っていく、ちょっとホロ苦い恋愛&探偵ストーリー。
  • 湘南レッド・シューズ
    3.0
    桂木エミ。横須賀基地のハイ・スクール10年生。カリフォルニアで生まれハワイで育った日系三世。ママと生き別れ、米軍パイロットのパパとふたり、日本へやってきて3年になる。野球を捨てた父の夢を承けて、エミは幼い頃からボールを握ってきたが、その父も遠い処へ去ってゆく。基地に別れを告げ、湘南の私立高校へ転入したエミは女子だけの不良野球チームを結成。目指すはコーシエン。心を吹き抜けるさわやかな恋と冒険の物語。
  • 遠野物語remix
    3.5
    山で高笑いする女、赤い顔の河童、天井にぴたりと張り付く人……岩手県遠野の郷にいにしえより伝えられし怪異の数々。柳田國男の『遠野物語』を京極夏彦が深く読み解き、新たに結ぶ。新釈“遠野物語”。
  • ぼくらの秘島探険隊
    3.7
    1巻528円 (税込)
    中二の夏休み。英治、安永をはじめぼくら九人は沖縄に遠征した。沖縄の美しい自然が、アコギなリゾート開発業者によってメチャメチャにされてしまうことを銀鈴荘のまさばあさんから聞いたのがきっかけだ。21世紀には紺碧の海がなくなってしまうなんて許せない!と怒りに燃えたぼくらは、手ごわい土建業者を相手にイタズラ大作戦をくりひろげるが……。サンゴと白浜とマングローブ林に囲まれた小さな秘島を舞台に、元気いっぱい戦った真夏の思い出――。
  • 血と砂
    3.0
    9月初めの仮面舞踏会の夜、下弦の月が照らす広い庭を里子は眺めていた。その時、枯山水の白砂を踏んで、痩男の能面をつけた若い男が近づいた。夢幻能のようなその場面が、北ノ庄浩作との奇妙な出会いであった……。鎌倉の剣道場を破門された浩作は、繁栄と享楽の時代に身を置きながら、そうした自分を冷めた意識で見ていた。陽光溢れる湘南の海辺と街を背景に、70年代初頭の放恣で無軌道な青春の光と影を、虚無とペシミズムの色濃い視線で捉え、鮮かに定着した長編小説。
  • ダブル・スチール
    -
    本多陽一郎、四十六歳。かつてプロ野球の名投手と謳われながら、賭博事件に巻き込まれ、八百長投手の汚名をきせられ球界を追われた男。妻の借金絡みの不祥事も公となって、逃れる様に日本を去って十八年。今ではパリのオペラ通りに日本料理店を構え、地味な生活を営む。そんなとある日、本多は一人の少年と出逢う。ミッシェル寺井。アマ野球チームの剛腕投手。本多は寺井をプロ投手として育てあげ、やがて日本へと導いてゆく。汚辱と栄光の過去は時を越えて、東京の空に弾けた――。
  • 黄昏ゆく街で
    4.0
    1巻528円 (税込)
    〈別れがあまりにも残酷なことならば、許すということはあまりにも切ないものだ。(中略)黄昏はそんな人間の心を影絵のように彩って、まるで叶えられなかったすべてをもとの場所へと連れ戻してくれそうだ――本文より〉真実の愛を求めるがゆえに、孤独な迷路をさまよう青年のやさしさと苦悩を描いた、未完の長編ラヴ・ストーリー。
  • 新釈雨月物語
    4.0
    1巻528円 (税込)
    巨匠石川淳が、奔放な想像力と流麗な文体を駆使し、この上田秋成の『雨月物語』を現代に蘇らせる
  • 彼と彼女
    4.7
    1巻528円 (税込)
    夫婦には会話が成立しないのだ。何か言いかけると、センテンスは意味をもたないまま立ち消えていく。――わたしは退屈のあまり泣いている、夫もまた……。(「欠伸」) すれ違い、誤解、傷つけあい、絶望、それなのになお、何かを期待し、求めつづけてお互いにひかれあう男と女の不思議。ソフトタッチで描く孤独な都会のショート・ラブ・ストーリー31編を収録。彼と彼女、夫と妻、僕と君、あなたとわたしのそばにいるすべての男女に贈ります。
  • 女ざかり
    -
    1巻528円 (税込)
    私の女としての人生は、何なのか、何だったのか? それぞれに自問をはじめた女ざかりを生きる3人の女性たち――家庭の平和、自分の愛がおびやかされると、わき眼もふらずに立ち向かっていく加世、髪ふり乱したり泣き叫んだりするよりは沈黙を選ぶ乃里子、初めて自分の将来に不安を覚える独身のキャリア・ウーマン、麻子。輝やくような若さが刻々と朽ちつつある実感、今でなければ何もかも取り返しようもなく遅いという切迫感のはざまで、女たちのひたむきな自立がはじまった――。
  • 悪魔の圏内(テリトリー)
    -
    会社へ出勤する代りに、好きな時間に街に出て、若者の嗜好を探る自由勤務。給料は保証され、遊ぶ金まで支給されるこの恵まれた条件に、諸橋は二つ返事で飛びついた。だが半年もすると、会社だけでなく社会からも取り残されたような疎外感に、彼の心は蝕まれていく。一方、一人暮らしの老女が複数の犯人に惨殺される事件が発生。やがて犯人の一人とおぼしき若者の死体が山中から発見された。この二つの事件に共通する遺留品は、一匹の猫の毛だった! 歪んだ現代を描く本格長編推理。
  • 亜愛一郎の逃亡
    5.0
    フツ国国王、トレミー大博士の病状が回復。世界中の人々が愁眉を開いたというニュースの後、テレビは北海道・東北地方を襲った地震をマグニチュード7と告げた。突然の地震と大雪で、北国のホテルニューグランド宮後は一人の客もいなかった。追い打ちをかけるように殺人事件が発生、直後に犯人とおぼしき男が二人飛び込んできたが、追いつめた時、人魂が二つ飛んで二人はかき消えてしまった。亜愛一郎最後の事件簿、そして逃亡。

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