妖女のように

妖女のように

550円 (税込)

2pt

3.7

女の胎のかわりに、体内にことばを分泌する虚無の暗闇をもって小説を書く女、これが妖女です。――“女にして作家であること”の奇怪さを追求した表題作。結婚という茶番的儀式を、双生児KおよびLの濃密な近親相姦の愛のフィルターを通して描く「結婚」。結婚に巣くう不貞の精神を暴く「共棲」。欺瞞的現実世界にイロニイの矢をはなつ倉橋由美子の《反世界小説》三編を収める。

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妖女のように のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ

    個人的には表題作もさることながら「結婚」が好き。「パルタイ」などカフカの影響を受けた作品群に連なる笑劇的な運びと、それに反して「どこでもない場所」をすら思わせる結末。感傷的といえば感傷的だけれども、終盤の「黒い舌がはためいた」という表現は秀逸。

    0
    2010年09月09日

    Posted by ブクログ

    「妖女のように」「結婚」「共棲」の三作品を収録しています。

    三つの作品は独立した内容ですが、K、L、Sといった記号で表現される登場人物たちの物語だという点では共通しています。著者は「あとがき」で、「KおよびLという一対は、かりに男および女という外形をあたえられた仮設的純粋人間すなわちアンドロギュヌ

    0
    2024年12月23日

    Posted by ブクログ

    表題作は豊富なユーモアもある面白い。カフカと少女趣味を足して2で割ったようなこの人の小説は意外にも読みやすいのだ。

    0
    2009年10月04日

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